「借金をどうにかしたいけれど、何から手をつければいいのかわからない…」そう感じているあなたへ。借金の問題は、一人で抱え込まずに、正しい知識を持って解決への一歩を踏み出すことがとても大切です。この記事では、借金を解決するための2つの方法、「債務整理」と「一括返済」について、それぞれのメリット、デメリットを考慮したうえで、どちらを選ぶべきなのかをわかりやすくお伝えします。
目次
債務整理と一括返済、どちらを選ぶべき?
まずは「借金額」や「返済可能性」などの客観的基準で決める
まず、「借金額」や「返済可能性」などの客観的基準による判断が重要です。
借金の金額が小さい場合(例:クレジットカード1社、10万円以下など)には、一括返済の負担はそこまで大きくありませんが、借金の金額が大きい場合(例:複数社からの借り入れ、総額300万円)と言うような場合は、一括返済をするのはあまり現実的とは言えない金額になっていると言えるでしょう。
また、借金額が年収の何パーセント以上あるかで、債務整理をするかなどを判断するという方法もあります。
- 借金額が「年収の3分の1」を越えている場合は、債務整理を考えた方がよい
- 借金額が「年収以上」になっている場合は、自己破産などの法的整理をした方がいい
- 一括返済が返済能力を超えている場合は、そもそも一括返済をするべきではない。
つまり、一括返済をするべきか、債務整理をするべきかの基準として、「借金の総額」や「返済可能性」について、考える必要があるということです。
債務整理の基準やタイミングについては、以下の記事を合わせてご参照ください。

「その後の人生設計」や「協力者の考え」などの主観的な要素も加味する
次に、主観的な要素も加味する必要があります。
債務整理のデメリットでもお伝えしましたが、債務整理をすれば、信用情報に影響が出ます。
そして、この信用情報は回復までに数年の期間を要するため、今後数年の人生設計を考えることは必ず必要となります。
例えば、直近に家族が進学や結婚をする予定があり、学資ローンやブライダルローンを組む場合に、保証人になろうと考えている方には、債務整理は適切ではないかもしれません。
他にも、一括返済の原資を誰かに頼る場合は、協力者の意見や考えを伺うことも必要になるでしょう。

メリットがデメリットになったり、デメリットがメリットになるということも考慮する
最後に、デメリットを避けたいと考えるのではなく、メリットがデメリットになったり、デメリットがメリットになるということも考えるべきです。
確かに、一括返済をすれば、確かに短期間で終わりますし、利息も掛かりませんが、その一方で、金銭的な負担は債務整理より大きいです。それに、多額のお金を返済に充てることから、よほど裕福な方でない限りは手元にお金が残らないということになってしまいます。
その点、債務整理は時間がかかるというデメリットがある反面、返済額を毎月少額に抑えられるため、貯蓄をしながら借金を完済できるという点は魅力だと言えるでしょう。
信用情報の面も同様です。一括返済をした場合は、信用情報に影響が出ないため、新たな借り入れは出来るでしょうが、それは、また借金を増やすリスクがあるということに繋がります。一方、債務整理をして信用情報が悪化すれば、確かに借り入れはしずらくなりますが、今後数年間は、借金を増えずらい状況になるということの裏返しです。
このように、メリットとデメリットは表裏一体の部分は確実にあります。
適切な手続きを選ぶことが望ましいと言えるでしょう。

シチュエーション別|債務整理と一括返済の選び方

借金総額が年収の3分の1以下である場合
まず、借金の総額が年収の3分の1以下である場合は、金額がそこまで大きくないことから、一括返済が比較的容易だと言えます。
これは、総量規制との関係が理由となります。総量規制とは、貸金業者からの個人の借入総額を、その人の年収の3分の1までに制限する規制です。これは、消費者が過度な借入れによって多重債務に陥ることを防ぐために設けられている、貸金業者が守らないとならないルールです。
例えば、年収が300万円の方であれば、借入の最大金額は100万円です。また、年収100万円であれば借り入れの最大額は33万円となります。
そのため、早急に借金問題を解決したいと考えているのであれば、一括返済をすることを考えても良いかもしれません。
一方で、一括での返済が難しいのであれば、債務整理を検討しても良いでしょう。
債務整理は金額を問わずに行うことが出来、いまの返済条件での完済が困難であるなら、債務整理をすることで、返済しやすい環境を整えても良いと考えられます。

借金総額が年収の3分の1を越えている場合
次に、借金の総額が年収の3分の1を越えている場合が考えられます。
日本人の年収の中央値は約400万円と言われており、年収の3分の1を越えた金額となると、約130万円ほどです。
これを準備するのは、人によっては準備困難なほどの大金だとも言えるでしょうし、一括返済をするために無理をした結果、ほとんど手元にお金が残らないという事態が生じかねません。
したがって、債務整理を考えた方がよいと言える金額のラインが、年収の3分の1だと言えるでしょう。
借金総額が年収を越えている場合
借金の総額が年収を越えている場合、一括返済はかなり難しいと考えられます。
日本人の年代別の中央値貯蓄額は、独身者で数十万円、既婚者でも100~200万円程度と言われています。さきほどの年収から考えても、一括返済には程遠い状況であることが分かるでしょう。
このように、借金が年収を越えている場合は、一括返済の原資を準備するだけでも大変であり、数百万円のお金をかき集めて一括返済を行うのは、現実的でもありません。
そのため、基本的には債務整理、その中でも、元金の返済を減らせる個人再生や、返済を免除してもらえる自己破産が望ましい手続きになるでしょう。
信用情報に影響を出したくない場合
債務整理をすると信用情報に影響が出るというのは、既にお伝えした通りです。
そのため、信用情報に影響が出ると困る場合には、一括返済をすることを考えても良いでしょう。もっとも、借金額が大きすぎる場合には、無理して一括返済をするということにメリットがあまりないように感じます。
無理に返済をして預貯金に余裕のない状態を作ると、結局、お金が足りないという事態を引き起こしやすく、その際には借り入れやクレジットカードに頼り、気づけばまた借金が膨らみ、一括返済が無駄になったというケースは少なくありません。
これは、結局のところ、信用情報に影響が出ていないために起こる悲劇であることを考えると、一概に「信用情報をいい状態で残すことが良いことだ」と言えないのです。

協力者の意向がある場合
返済の原資などについて、協力者がいる場合は、協力者の意向や考えを尊重したうえで、一括返済か債務整理を選ぶべきでしょう。
例えば、「借金数百万円を全部肩代わりしてもいいから、債務整理はしないで欲しい」というなら、一括返済をするべきでしょう。反対に、「債務整理をして借金をキレイにしなさい、費用分は持ってあげる」というなら、債務整理が適切だと言えます。
世の中では、お金を出してくれるスポンサーや出資者が偉いものです。この人たちの意向を無視して行動するのは、後々の関係を考慮しても、現実的な力関係を考えても、望ましいとは言えません。
ただし、世の中の少なくない方は、債務整理に偏見を持っています。その偏見のせいで無用な負担を協力者に強いるというのは、あまり良いこととは言えないでしょう。
そのため、借金の総額が大きい場合は、一括返済の負担をお願いするより、債務整理に協力してもらった方が最終的に協力者の負担を減らせる可能性もありますので、その点には注意が必要であり、理解を求めることも大事になります。
過去に金銭トラブルを起こしている場合
過去に金銭トラブルや借金問題を起こしている方は、一括返済よりも債務整理が適切だということが多いです。「債務整理が失敗するとどうなる?失敗の原因と失敗しやすい人の特徴とは?」でも紹介しましたが、
借金問題に失敗する債務者は
- 自分の感情をコントロールできず、お金を使い借金を作った
- 自分勝手にふるまい、家族や知人、会社と金銭トラブルを起こした
- 上記のふるまいを自己正当化するために「仕方ない」などと言う
- 困ったら嘘を吐いて誤魔化す
- 反省がない
というような特徴があります。
- 家計管理のできず、赤字を借金で埋めていた方
- 自分を抑えることが出来ず、目の前の満足のために借金をするのも厭わない方
- 借金があるのに転職先も決めずに仕事を辞めたことがある方
- 返済に関して相手と揉めたことがある方
というようなことをやっている方は要注意です。
これらに該当している方は、債務整理をすることで、信用情報に事故情報を登録させ、借金が出来ない体制を整えることで、借金を膨らませないようにする方がいいケースが多いと感じます。
また、一括返済をするにしても、信用情報機関の貸付自粛制度などを利用し、借金をできないようにする方がよいかもしれません。
