債務整理をすると借金を減らすことができる一方で、ある程度のデメリットは生じます。
また債務整理をした後の生活がどうなるのか不安という声もよく聞かれます。
しかし、債務整理は正当に借金問題を解決するためのお手続き、交渉であり怖がるようなものではありません。
この記事では債務整理が怖いと誤解されてしまう理由について解説していきます。
債務整理の主な方法は任意整理・個人再生・自己破産

債務整理とは借金を減額・免除する方法で、任意整理・個人再生・自己破産の3種類があります。
また、併せて行われる事の多い過払金請求も含まれます。
これらの方法の違いは、おもに借金の減額幅とデメリットの大きさです。
借金の減額幅は、任意整理<個人再生<自己破産ですが、減額幅が大きければ大きい程デメリットも大きくなります。
任意整理
債務整理の方法の中で、選ぶ人が最も多いのが任意整理です。
任意整理は裁判所を介す事なく話し合いで新しい返済計画を決める事が出来るので、家族や仕事に悪影響はありません。
お金を借りた先(債権者)と今後の返済計画について直接交渉して、和解を成立させることで借金が無理なく返済できるようになる債務整理の手続きです。
※金融機関によってはカットできない場合もあります。
借金を返済しやすくする手続き
任意整理とは債権者と直接交渉して、借金を無理なく返済していける内容の返済方法を決定する手続きです。
今までの返済方法では借金を返済できなくなってしまった場合に、利息をカットして返済しやすくします。
任意整理を受け入れてくれるかどうかは債権者次第ですので、任意整理が成立する為にはお互いの合意が必要です。
任意整理の内容をどうするかも話し合いによります。
債権者が合意しなければ任意整理は成立しないですが、専門家に依頼することで、任意整理を成功させることに期待が持てます。
任意整理では、将来利息をカットして、元金を3〜5年程度の期間で返済できるようにします。
個人再生
個人再生は、裁判所の認可を得て借金を減額してもらう債務整理の1つです。
個人再生には、借金を5分の1~10分の1程度に減額できる等のメリットがあります。
借金を大幅に減額する手続き
個人再生とは、裁判所に申立をして、借金を大幅に減額して無理なく返済できるようにする手続きです。
任意整理は裁判所を介さずに手続きできますが、個人再生は必ず裁判所で手続きをしなければなりません。
個人再生の手続きは時間や費用がかかる分だけ借金を大幅に減額できるのが特徴です。
個人再生をすると、借金を5分の1~10分の1程度に減らし(例外もある)、原則として3年間(最長で5年間)で返済することが可能になります。
また、ある要件を満たす場合には、自宅を手放さずに手続きを進める事ができます。
ただし、個人再生で進める為には、3年~5年以内に返済できる見込みがあること(返済できる収入の見込みがあること)が必要です。
自己破産
自己破産とは、裁判所の許可を得て、法律上ほぼすべての借金の返済義務が免除される手続きです。
借金自体を免除する手続き
自己破産とは、裁判所に債務の免責を申立し、借金の支払い自体を免除してもらう手続きです。
必ず裁判所を通じて行わなければならない点は、個人再生と同じです。
個人再生は借金自体は免除されませんが、自己破産は免責が認められると、借金自体を返済しなくてよいという効果があるのが最大の特徴です。
ただし、自己破産は借金自体が免責されるという強力な効果がある反面、自宅や車を含め、価値の大きい財産は基本的に手放さなければなりません。
過払金請求
厳密には債務整理とは異なりますが、借金を整理するための方法の中に、過払金請求があります。
過払金請求とは、消費者金融や信販会社などに支払いすぎた利息(これが過払金です)の返還を請求することです。
過払金がある場合に返還請求をすれば、返還された金額を他の債務の返済などに充てる事が出来ます。
下記の条件にあてはまる場合は、過払金が発生している可能性が高いので、専門家に相談してみることをおすすめします。
◆借金をしたのが2010年6月17日より前
◆借金の金利が年20.0%以上
◆借金を返済中である、または完済してから10年以内である
手続きごとのそれぞれの特徴

任意整理
デメリット少!「生活への影響を最小限にしたい人」におすすめ
「債務整理はしたいけど、生活に影響が出るのは困るなぁ…」
と思っている方におすすめなのが任意整理です!
◆職業制限や資格制限がない
◆原則として家や車を手放す必要がない
◆任意整理する借金を選べる(全部の借金を整理しなくてもOKです)
◆家族や勤務先に内緒で手続きできる
◆保証人(連帯保証人)には影響なしで手続きができる
裁判所を介さず直接債権者との交渉
債務整理の中で唯一、裁判所を通さない方法です。
そのため、任意整理では家や車を残したまま返済計画を見直したり、特定の借入先だけと交渉する(特定の借入先だけを返済しない行為は偏頗弁済とみなされる為、あくまでやむを得ない事情がある場合のみ)など比較的融通の利く手続きが可能です。
債権者の交渉内容に自由度があるので、任意整理に応じるかどうかも自由です。
大幅な減額には債権者が応じることは少ないです。
借金の返済額を減らせるまたは返済義務が免除される
交渉次第では、色々カットや免除される!
◆将来利息カットにより月々の返済が減らせる
◆過払金があれば額に応じて借金を減額
◆すでに発生している利息についても、交渉次第で免除される場合がある
◆利息以外にも発生している遅延損害金の免除も期待できる
将来利息などの減額が図れる
任意整理でカットされる可能性がある利息は主に3つ!
◆将来利息
将来利息とは、現時点で残っている借金に対して発生して、完済するまでの間払い続ける予定の利息。
今後支払う予定の利息なので、過去に払った利息は含まれないので注意!
この将来利息のカットをする為に和解交渉を進めます。
◆経過利息
経過利息とは、既に発生しているが未払いになっている利息。
任意整理では、最後に返済をした日から債権者との和解契約が成立する日までに発生している利息。
和解が成立しても、経過利息はついてしまう事が多いです。
◆遅延損害金
遅延損害金とは、借金の返済が遅れた時に発生する損害金で延滞利息と呼ばれています。
利息として認識されていることが多いですが、法律上で言えば返済が遅れたことに対する賠償金。
遅延損害金は、支払期日の翌日から滞納した分を返済する日まで発生し、請求されます。
なお、遅延損害金は、借金に対する金利とは別で設定・計算されます。
法律上の上限である20.0%を設定している金融業者がほとんどです。
個人再生
家財を残しつつ「できるだけ借金を減額したい人」におすすめ
「任意整理では圧縮額が少なく、返済しきれないなぁ…」
という場合には、個人再生がおすすめ!
◆借金の利息分だけではなく元本も減らしたい
◆ギャンブルや浪費が原因の借金を債務整理したい
◆職業上の理由で自己破産が難しい(警備員・保険の外交員・士業等)
◆マイホームを守る道を何とか探りたい
元本を含めた借金を大幅圧縮!!
任意整理では減額されるのは将来利息ですが、個人再生では利息に加え借金の元本を大幅に減らす事ができます。
借金が1/5〜1/10程度に減額できる可能性がある
借金の総額の1/5~1/10に減額出来るので、返済金額を大幅に圧縮できます。
借金の総額が住宅ローンを除いて5,000万円以下である事が条件となります。
減額となった借金について3年を目途に返済する計画となります。
自己破産
収入がなくてもできる!!「支払い能力がない人」におすすめ
「債務額が減っても、もうどうしても払えないなぁ…」
という場合には、自己破産がおすすめ!
ただ、誰でも出来る訳ではないので要注意。
◆返済能力がない
◆借金の理由が浪費やギャンブルではない
免責を認めてもらう為には、このような条件を満たす必要があります。
裁判所が認めれば借金返済がなしに
破産手続開始の申立があると、裁判官が申立書や提出書類を審査したり、その人の話を聞いたりして、自分の財産だけでは債務を返済できない状態にあるかを判断します。
債権者に意見を述べる機会も与えられます。
その結果を踏まえて裁判所が免責を認めるか判断します。
免責許可決定が出ると官報に掲載し一般に知らせる事になり、掲載された日から債権者からの不服申立がなく2週間経過した時点で免責許可決定が確定し、この時点で法律上の支払義務が免除となります。
一部の債権を除き全額返済免除になる
破産免責となった場合も下記の債務は免責になりません。
◆税金
・所得税
・贈与税
・相続税
・市町村民税
・固定資産税
・自動車税
・国民健康保険料
・国民年金保険料
・下水道使用料(上水道料金、電気、ガスは免責対象)
◆悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
ここで言う悪意とは、積極的な加害の意思という意味です。
浮気の慰謝料は状況によっては免責となります。
わざと、友人の物を壊したり、わざと車をぶつけたりした場合はその相手方を債権者に加える事になり、免責にはなりません。
◆重過失、または故意によって加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権
例えば、手柄を横取りした後輩を殴ってしまい、支払う事になった損害賠償金これは、自分の行為を認識しわざと殴って人の身体を害しているので免責にはなりません。
◆夫婦で暮らしていく為に必要な生活費や医療費
◆婚姻費用などの結婚生活に必要となる費用
◆親や兄弟姉妹に対する扶養義務から発生した支払義務や、離婚した相手に対する養育費
◆従業員の給料や退職金の請求権(個人事業主等が自己破産する場合)
◆わざと債権者名簿に記載しなかった債権者への債権(うっかり忘れていた場合はすぐに弁護士や司法書士へ伝える必要がある)
◆罰金などの請求権
・罰金
・科料
・過料
・刑事訴訟費用(私選の弁護士費用は除く)
・追徴金
債務整理するとクレジットカードはどうなる?

債務整理をすると今使っているクレジットカードを使い続ける事が出来るのか気になると思います。
クレジットカードがどうなるのかを説明していきます。
クレジットカードが利用停止になる
任意整理をするクレジットカードは解約扱いになって、即日使用できなくなります。
ショッピング利用はリボ払いや分割払いは利用していないけど、キャッシングリボを利用しているからキャッシングリボだけ任意整理するといった場合でも、任意整理をするとショッピングもキャッシングも両方利用は出来なくなります。
また、そのクレジットカードに付随しているETCカードや家族カードについても利用できなくなります。
ETCカードは事故を防ぐ為、急な利用停止はされない事もありますが、自主的に利用は止めましょう。
使い続けるとクレジットカード会社から連絡が来たり、法的措置を取られてしまう事があるので注意しましょう。
ポイントも失効しますので任意整理の前に使用しておきましょう。
任意整理に含めなかったクレジットカードはしばらく利用できる場合もあります。
クレジットカード会社に任意整理をしたことを伝える必要はないので、しばらくの間は利用出来る場合もありますが、更新のタイミングなどでいずれは使えなくなりますので覚えておきましょう。
債務整理して完済後は5〜10年程度クレジットカードの新規契約が出来なくなります。
債務整理をすると信用情報機関に登録となります。
こちらの情報が消えるまでは新しくクレジットカードを作る事は難しくなります。
債務整理すると家や車はどうなるの?

債務整理はしたいけど、「今住んでいる自宅は手放さないといけなくなるの?」
「仕事で車がどうしても必要なのに、車を取られてしまうの?」
このような心配をされている方も多いと思います。この疑問について、下記で詳しく説明していきます。
債務整理をして残せる財産はあるの?
任意整理の場合
住宅ローンや自動車ローンを任意整理の対象から外せば影響しない
この場合は住宅ローンや自動車ローンは今まで通り支払いをしていかなければなりません。
支払さえできていれば、強制的に住宅や車を引き揚げられる事はありません。
もし、住宅が消費者金融のローンの担保になっている場合、この消費者金融を任意整理に含めると、その住宅の価値やローンの残高によっては売却しなければならない事態も起こるので注意が必要です。
自動車も同様にローンを組んでいる信販会社や金融機関を任意整理に含めると、引き揚げになってしまう場合もあります。
会社によっては自動車ローンを分離して任意整理が出来る場合もありますので、自動車ローンがある場合は任意整理のご相談をされる際に、弁護士や司法書士に自動車を残せる会社なのかを確認してから手続きをしましょう。
個人再生の場合
再生計画の中に、住宅資金特別条項を定める事で住宅を残せる場合があります。
ご自身で持ち家を購入し、住宅ローンを組んでいる場合は認められる事が多いです。
持ち家の資産価値も重要です。
住宅ローンがある場合は、持ち家の資産価値から住宅ローンの残額を差し引いたときの価値が債務額より低くなければなりません。
自動車はローンを完済して、個人再生をする本人の名義になっている場合や、銀行で自動車ローンを組んだ場合、配偶者等の家族名義の自動車の場合は自動車を残す事が出来ます。
自己破産の場合
原則は、自宅も自動車も残せない事が多いです。
持ち家は高額な財産になりますので、競売等で処分される事が原則になりますので手放す事になります。
自動車はローンが残っている場合は引き揚げになるので、手元に残す事は出来ません。
ただ、車の価値によっては残せる場合もあります。
・国産車の普通自動車
初年度登録から7年を超えており新車時の車体価格が300万円未満の場合
・軽自動車
初年度登録から5年を超える場合
債務整理の仕事への影響は?

債務整理をすることが就職をする時に不利になるのなら、やめておこうと考えてしまうかもしれません。
債務整理が就職に悪影響を及ぼすことはあるのでしょうか?
そもそも、債務整理をしているからという理由で採用先に断られてしまうのか、今の会社をクビになったりしないのか、不安点を解消していきましょう。
債務整理をしている事で就職や転職はどうなるの?
面接で重要視されることは、その人が会社内で活躍をしてくれるか、会社に貢献する活躍が期待できそうかということです。
そこで、企業はそのような観点からいろいろな質問をします。
就職希望者は自己アピールをして、相手の質問に答えれば良いのであって、聞かれてもいない債務整理についてわざわざ話す必要はないのです。
仮に実際借金があったとしても、わざわざ話す必要はありませんし、就職後も会社に言わないで借金している人はたくさんいます。
借金をしていないという事が誓約事項になっているような特殊な会社でもない限りは、自主的に借金や債務整理の事実を会社に報告する必要はないでしょう。
就職後にもし、債務整理がバレたとしてもそれを理由に会社から解雇されることは原則ありません。
では、どのような場合に勤務先にバレてしまうのでしょうか?
◆勤務先が金融業や保険業等で、【官報】をチェックしている場合
ただ、会社中に人にバレてしまうと言う訳ではなく、官報をチェックしている
担当者に知られてしまうという事になります。
◆自己破産で資格や職業に制限を受ける場合
◆従業員貸付や共済組合などからの借金を債務整理の対象にした場合
◆債務整理後の返済を滞納し、勤め先に督促がきた場合
◆債務整理によって給与振込口座が凍結された場合
債務整理の家族への影響は?

債務整理の効果は,その本人にのみ影響し、家族であっても本人以外の第三者には一切影響しませんので本人以外の家族の方の財産が処分されたり、進学・就職に影響が出る事はありません。
債務整理が家族に知られるとどうなるの?
①債務整理をしても、家族が借金を肩代わりする必要は基本的にはない
債務整理をしている人の家族だからという理由だけで家族が返済を肩代わりさせられる事はありません。
②子どもの進学・就職・結婚を妨げることはないが、奨学金借入時には注意
基本的には親が債務整理をしているからと言って、子供の進学や就職、結婚に影響が出る事はありません。
親が任意整理や自己破産をしていても奨学金は借りる事は出来ます。
ただし、債務整理をしている人が奨学金を借りる時の連帯保証人にはなれないので、そこは注意が必要です。
③家族の信用情報に事故情報が登録されることはない
信用情報の事故情報に登録されるのは、債務整理をしている本人だけなので、たとえ同居している家族だとしても、巻き込まれて事故情報が登録されるようなことはありません。
家族はクレジットカードを使い続ける事は出来ません。
④家族が保証人になっているときは一括返済の請求がくる
借金について、家族が連帯保証人になっている場合は連帯保証人になっている家族に請求が来るので家族が払わなければなりません。
連帯保証人になっている家族も支払いが難しい場合は、債務整理を検討する事が出来ます。
債務整理はどんな人に向いている?

任意整理
①借入の総額が年収の3分の1を超えている
②複数業者からの借入で返済が自転車操業状態になっている
③5年以上支払い続けても完済できない借金がある
④保証人に迷惑をかけたくない
⑤仕事が忙しいので債務整理に手間や時間をかけたくない
⑥住宅や車を手放したくない
個人再生
①借金を大幅に減らしたい
②法的な強制力を重視したい
③借金の理由がギャンブルや浪費
④公務員や警備員等の破産だと職業制限に引っかかってしまう人
⑤住宅を手放したくない人
自己破産
①安定した収入がない人
②借金の額が高額になり、他の債務整理では解決の見込みがない人
③価値の高い財産を持っていない人
債務整理するにはどんな条件がある?

債務整理をするには、どの様な条件があるのでしょうか?
誰でも出来るものなのでしょうか?
債務整理が出来ない条件は何かあるのでしょうか?
債務整理の方法によって条件は異なりますので、各方法ごとに解説していきます。
債務整理が出来る条件
◆任意整理
①利息をカットした借金を3年~5年で返済できる安定した収入がある
②返済を続けていく意思がある
③正社員、契約社員、アルバイト、パート、自営業、年金生活者、配偶者に安定した収入のある主婦(主夫)
◆個人再生
①住宅ローンを除いた借金の総額が5,000万円以下
②正社員、契約社員、アルバイト、パート、自営業、配偶者に安定した収入のある主婦(主夫)
③減額となった借金を原則3年で返済できる
◆自己破産
①支払不能の状態にある
債務整理が出来ない
◆任意整理
①利息をカットした借金を3年~5年で返済できない
②安定した収入がない、無職
③任意整理に業者が応じなかった場合
◆個人再生
①住宅ローンを除く5,000万円を超える借金がある
②安定した収入がない場合や無職で収入がない場合
③再生計画案について債権者の過半数が同意していない、同意しない債権者の借金の合計額が借金の総額の2分の1を超える場合(裁判所に再生計画案が認められない)
◆自己破産
①返済不能と認められない場合
②7年以内に自己破産をしている
③ギャンブルや投資の借金をしている
④趣味や娯楽の借金をしている
⑤現金に換金する為に借金をしている
⑥虚偽申告をして作った借金をしている
お金を借りた先がヤミ金融だった場合はどうするの?

ヤミ金とは?
まずは、ヤミ金とはどういう所かを説明します。
ヤミ金というと暴力団がバックについている金貸しをイメージする人が多いと思いますが、「ヤミ金=暴力団」というわけではありません。
貸金業を行うためには、法令に基づいて国や都道府県知事からの許可を得る必要があります。
その許可を得ずに営業行為として他人にお金を貸している人は、暴力団であってもそうでなくてもヤミ金ということになります。
近年では、経営が立ちいかなくなった(免許の更新をしなかった)中小の消費者金融のように、必ずしも暴力団がバックについていないヤミ金も増えているといわれます。
ヤミ金は法外な利息を請求してきます。
トイチという言葉を良く聞くかと思いますが、10日で1割の利息という意味です。
実際はトイチどころではなく、トヨン(10日で4割)やトゴ(10日で5割)の金利を要求する業者が一般的になっており、安くてもトニ(10日で2割)やトサン(10日で3割)が相場になっているようです。
ヤミ金に対しての対処法
では、そんなヤミ金から返済を迫られたらどうしたら良いのでしょうか?
取り立てが厳しく怖いという気持ちから払わないといけないと思い払ってしまう人も多いと思います。
結論は、「1円も払う必要はありません!!」
違法金利は法律上の支払い義務はありません。
最高裁判所も法外な違法金利を取る目的でお金を貸す行為は法的に無効な行為なので元金の返済の必要もないと判断しています。
ヤミ金からの取り立てをなくすためには、法律のプロにお任せする事が安全で且つ、スピーディな解決方法です。
債務整理にはどのような手続きが必要?手続き完了までの期間は?

実際、債務整理をするためにはどのような手続きが必要になって、期間はどれくらいかかるのでしょうか?
あまり時間が取れないし長期化するのは困るという方も多いと思います。
実際の流れを解説していきます。
債務整理の手続き完了までの流れ
①弁護士や認定司法書士に相談
まずは専門家に相談しないことには何もスタートしません。相談は予約制のところも多いですが無料相談が出来る事務所もたくさんあります。
電話や、メール、インターネットの相談フォーム、LINE相談等、相談しやすい方法でまずは相談をしてみましょう。
相談をする時には、今の状況を正直に全てお話してください。
今後の交渉もスムーズに進みます。
また、少しでも疑問を感じたら全て聞いて不安な事をなくしておきましょう。
事務所の雰囲気や、担当の専門家と合わないなと感じたら複数の事務所への相談をお勧めします。
第一印象が悪かった、話を聞いてくれない、説明がわかりにくかった等があれば自分に合う専門家が見つかるまで探してみましょう。
②弁護士や認定司法書士に依頼
相談して、依頼しようと決めたら契約します。
契約書にサインをする事で正式に依頼となります。契約する際は、契約内容をしっかり確認しましょう。
特に費用面は後々トラブルになる事もあるので、しっかり確認し疑問があればすぐに確認しましょう。
また、費用の支払い方法や今後の連絡先も確認しておきましょう。
③利息引き直し計算により借金額が確定
正式に契約が完了すると、弁護士や司法書士が各債権者へ「我々が代理人になりました」という受任通知を発送します。
こちらが債権者へ届くと、依頼者への直接の請求が止まります。
受任通知を送ってすぐに請求が止まる訳ではなく、債権者が受任通知を確認出来てからとなるので依頼してから1週間位はタイムラグがあると思っておいてください。
受任通知を送ってから1週間~2ヶ月程で各債権者から、債権調査票という書面が届きます。
この書面では今、債権がどれくらいあるのか分かります。
長期でキャッシングを利用している場合には過払金が発生している可能性があるので、引き直し計算を行います。
これにより過払金が発生していたら返還請求を行います。
④裁判所や借入先(債権者)との各種手続き
債権額が分かったら、今後どういった手続きで進めて行くかを改めて決めていきます。
予想以上に債務額が増えていた場合は、個人再生や自己破産に方針を変更する必要が出てきますし、逆に債務額が思っていたより少なければ個人再生や自己破産から任意整理へ変更する事もあります。
任意整理出進めて行く場合は和解案を作成し、債権者と交渉を進めて行きます。
交渉がまとまりましたら返済額や返済期間が決定し和解書面を取り交わします。
個人再生で進めて行く場合は、申立書の作成を行います。依頼者は家計収支表などの必要書類を集めていきます。
申立の書類が揃ったら、裁判所へ申立を行います。
書類の審査が通ると、再生手続開始決定が出ます。
その後、改めて裁判所が借金の金額を確認し、確定させます。
金額が確定したら、再生計画案を作成し提出します。
債権者から異議が出なければ、裁判所から再生計画認可決定が出ます。
自己破産で進めて行く場合も申立書の作成や必要書類を集めていく流れは個人再生と同じです。
申立の後に依頼者本人が裁判所に行き、裁判官と面談する場合もあります。
その後、破産手続開始決定が出ます。
条件によっては破産管財人がつく事があります。
この場合は破産管財人が選任されて、面談をしたり債権者集会が開かれます。
債権者集会は1回~3回程度、月に1回のペースで開催されます。
⑤返済再開または免責決定
◆任意整理
和解書を取り交わしたその月からお支払いが始まる事が多いですが、和解書を取り交わしてから2ヶ月後や3ヶ月後から始まる事もありますので、和解書の内容をよく確認しましょう。
だいたい3年~5年で完済となります。
相談から返済がスタートするまでの期間は3ヶ月から1年位となります。
◆個人再生
再生認可許可決定が出てから約1ヶ月後から、返済がはじまります。
原則3年で完済となります。
相談から返済がスタートするまでの期間は1年~2年位となります。
書類を集めていかなければならないので、依頼者自身の頑張りも必要になりますので期間はあくまでも目安となります。
◆自己破産
破産手続開始決定と同時に破産手続廃止決定が同時に出ます。
破産手続開始決定から約2ヶ月後に免責審尋が行われます。
この免責審尋から約1週間後に免責許可決定が出ます。
もし、管財事件となった場合は最短でも6~7ヶ月、長ければ1年程免責許可決定が出るまでに時間がかかります。
相談から免責許可決定が出るまでの期間は半年~2年位となります。
書類を集めていかなければならないので、依頼者自身の頑張りも必要になりますので期間はあくまでも目安となります。
債務整理にかかる費用の相場は?費用は分割払い・後払いも可能

依頼をする時に気になる事は、
費用がいくらかかるんだろう?
一括で支払わないといけないのかな?
という事だと思います。
各事務所によって費用は様々ですが、費用形態が明確になっている事務所を選ぶ事が大切です。
ここでは費用の相場と費用の支払い方法を解説します。
費用相場
◆任意整理 5万円~15万円程度
①相談料 1時間につき、5千円~1万円程度
②着手金 借入先1社につき、2万円~5万円程度
③解決報酬金 借入先1社につき2万円以下が原則
④減額報酬金 減額分の10%程度
⑤過払金報酬金 任意交渉の場合は回収額の20%以下 裁判の場合は回収額の25%以下
⑥振込代行手数料 借入先1社につき毎月1千円程度
⑦実費 交通費や印紙代等
◆個人再生 50万円~80万円程度
①予納金 1万2千円~1万4千円程度
②収入印紙(申立手数料) 1万円程度
③郵便切手 3千円~5千円程度
④個人再生委員がついた場合は再生委員の報酬 15万円~20万円
⑤相談料 1時間につき5千円~1万円程度
⑥着手金 30万円程度~
⑦報酬金 住宅がない場合 20万円程度~ 住宅がある場合 30万円程度~
◆自己破産 30万円~130万円程度
①予納金 同時廃止 1万円~3万円程度
管財事件 50万円程度
少額管財 20万円程度
②収入印紙 2千円程度
③郵便切手 3千円~5千円程度
④着手金 20万円~50万円程度
⑤報酬金 30万円程度
※あくまでも相場ですので、異なる場合もあります。