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債務整理

2回目の債務整理はできるの?注意点と失敗しないためのポイントを解説!

一度は任意整理で借金を減額して返済していても、何らかの事情でまた借金を抱えてしまう場合は少なくありません。

そのようなとき
「もう一度、任意整理をすることは可能なのだろうか?」
「債務整理してもまた返せなくなったらどうなるのかな?」

と考える方もいらっしゃるでしょう。

では任意整理は、2回目であってもできるのでしょうか?

結論から述べると、任意整理に回数制限はないため、実は2回目以降も可能です。

しかし、2回目の債務整理は1回目の任意整理よりはハードルが高くなることが多いでしょう。

2回目の債務整理手続きのベストな進め方、手続き方法はケースバイケースです。

スムーズに手続きを進めるには、債務整理手続きの解決件数が実績豊富な弁護士、司法書士に相談してみましょう。

2回目の債務整理とは?

①2回目の任意整理(1回目に手続きした会社とは別の会社)

もちろん返済が困難になっていれば仕方がないことなので、依頼をお受けすることはできますが、二度目の任意整理となると、反省はしていただかないといけません。
(債権者には迷惑をかけているので、当然できるという姿勢で依頼はしないでください)

一度目に任意整理をした債権者とは違う会社で借りられていると思いますが、二度目の任意整理も一度目の任意整理と手続きは変わりません。

ただし、二度目も一度目と同じ会社で借りて、再度同じ債権者と二度目の任意整理というのは、相手の対応は厳しくなってしまいます。

②再和解(1回目に任意整理した会社をもう一度任意整理する)

任意整理をして2か月分滞納すると一括請求され、遅延損害金が発生します。

再度、返済を開始するには再度の任意整理する必要があります。

基本的には、一度目に任意整理を依頼していた代理人事務所に、もう一度手続きをしてもらうことになりますが、辞任されていたり、業務終了(和解をした時点でご依頼者様との委任関係を終了すること)している等の理由で対応してもらえない場合は、別の新たな弁護士、司法書士事務所を探すことになります。

この場合も債権者によっては2度目の任意整理は厳しかったり、一度目よりも条件が緩和されず、再和解するまでの遅延損害金が付いてしまうということがあります。

2回目の債務整理の注意点

債務整理手続きには回数制限はありませんので、2回目の手続きを行うことも可能です。

しかし、2回目以降の債務整理は貸金業者や金融機関の交渉に対する対応が厳しくなったり、個人再生・自己破産の場合には2回目以降の手続きには法律による制限が加わる可能性があります。

任意整理は交渉がうまくいかないこともある

1回目に任意整理の交渉をした同じ債権者(お金を貸した側)に対し、2回目の任意整理の和解交渉を行うことは難しい可能性があります。

業者が再和解に応じてくれたとしても、1回目の任意整理のような減額や分割和解は期待できないことが多いでしょう。

むしろ、1回目より悪い条件で和解をされてしまうリスクも考えられます。

ただし、1回目と異なる債権者に交渉をする場合は、他社で任意整理手続きが2回目であることの影響は生じません。

個人再生は手続きの種類が限られることもある

1回目の債務整理手続きが個人再生だった場合、下記のようなケースでは1回目の手続きで圧縮していた債務が戻ってしまったり、債務整理手続きの種類が限られたりすることがあります。

・減額後の借金が完済できなかった場合

・住宅ローン特則を使った場合

・給与所得者等再生手続を利用した場合

減額後の借金が完済できていないと原則借金額が戻ることも

1回目の個人再生で減額した後の借金が完済できないと、決定していた再生計画が失敗したと見なされ、借金額が圧縮前の額(負債総額)に戻ってしまいます(手続き後の返済分は差し引かれます)。

2回目の個人再生を目指す場合は、圧縮前の借金を加算して再生計画を組み直す必要があります。

ただし、「再生債務者がすでに4分の3以上の返済を終えている」などの条件を満たせば、ハードシップ免責が利用できる場合もあります(民事再生法235条・244条)。

住宅ローン特則を使った場合は注意が必要

1回目の個人再生で住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用した場合、住宅ローンの返済も個人再生の計画に組み込まれることになります。

つまり、たとえ他の圧縮した債務を3~5年で完済していても、住宅ローンを完済していないと、決定していた再生計画が失敗したと見なされ、1回目の個人再生で圧縮した分の債務額の返済義務が生じる可能性があるのです。

給与所得者等再生手続を選択できないこともある

個人再生の給与所得者等再生手続を利用するには、過去7年間以内に、自己破産または給与所得者等再生手続が認可されていた場合、申立てはできません。

自己破産は認められないケースもある

2回目の自己破産には、下記のようなハードルがあるといえます。

・原則、1回目の自己破産から7年以内は自己破産ができない

・1回目と同じ理由の自己破産は認められづらい

・2回目の手続きは費用・時間がかかることが多い

ただし2回目の自己破産を行うには1回目にない条件があるので、確認してみましょう。

原則7年以内は自己破産ができない

一度自己破産をしている場合、2回目に自己破産をするには、1回目の自己破産から7年以上経過している必要があります(破産法252条1項10号)。

7年以内の自己破産は「免責不許可事由」にあたり、原則自己破産が認められません。

ただし、失業や病気といったやむをえない事情がある場合であれば、裁判所の判断により「裁量免責」が認められることがあります。

同じ理由だと免責が認められにくいことも

2回目の自己破産の原因が前回の自己破産の原因と同じ場合、免責を認められることが非常に難しくなってしまいます。

一度借金の返済を免除されたのにもかかわらず、もう一度同じ原因で借金を負い「破産に至ったことを反省していない」と判断されると自己破産が難しくなります。

特にギャンブル、浪費などの借金の原因が免責不許可事由に当てはまる場合は、自己破産をすることは難しいでしょう。

1回目では借金の理由に問題がある場合でも裁量免責されることがありますが、2回目の自己破産はとても難しくなります。

2回目の自己破産が認められる可能性が高いケースとしては以下のようなものが想定されます。

2回目の債務整理手続きは費用・時間がかかることが多い

2回目の自己破産の特徴として、「同時廃止」(破産手続き開始決定と同時に手続きを廃止する)ではなく「管財事件」の手続きになる可能性がとても高いです。

同時廃止は、家や車などの清算できる財産が明らかにない場合、および免責不許可事由に該当しない場合に適用される手続きです。

対して管財事件は、清算できる財産(家や車など)を所有している場合、および免責不許可事由に該当する場合に適用されます。

1回目の自己破産では同時廃止になることが多いですが、一方、2回目の自己破産では借金の理由などについても厳しく調査することが必要と考えられるため、管財事件になることが多くなります。

借金に困っている個人債務者の自己破産であれば、1回目は同時廃止になることも少なくはないです。

注意!ヤミ金には絶対に手を出さない

ここまでご紹介した注意点から、2回目の債務整理を避けてどうにか解決したいと感じられる方もいるかもしれません。

しかし、だからといって、ヤミ金に手を出すことは絶対にやめてください。

ヤミ金に手を出してしまうと、

・金利が高すぎていつまでも完済できない

・自宅に押しかけられたり、会社に取り立ての電話がかかってきたりする

・個人情報が犯罪に転用される

といったトラブルに巻き込まれる可能性があります。

もしヤミ金から借り入れてしまった場合は、警察や弁護士、司法書士にすみやかに相談するようにしましょう。

無用なトラブルを避けるために、2回目の債務整理のコツや進め方を弁護士や司法書士に相談してみることをおすすめします。

  • 記事監修者
  • 弁護士 近藤 裕之
  • 翔躍法律事務所 所属
  • 第一東京弁護士会 所属
  • ※法律問題に関するテキスト監修に限る