債務整理をしようと思う理由は人それぞれあるように、債務整理について不安に思うことも人それぞれあるかと思います。
その中でも会社にバレてしまうことに不安があるという人はかなり多いのではないでしょうか。
結論からいうと、バレてしまうこともあります。
しかし、バレてしまうケースとバレない対策を知っておけば、そこに注意しながら、安心して債務整理の手続きができますね。
ここでは債務整理の手続きを会社にバレずに進めるポイントを解説します。
目次
まずは債務整理について知ろう!
借金問題の解決のために債務整理をしようと調べたものの、いろいろな情報があふれていて自分がどの債務整理を選んだらいいのかわからない人も多いと思います。
まずは、債務整理の種類や、それぞれの特徴について知っていきましょう。
任意整理について
任意整理は、その名の通り、手続きをする債権者を「任意」で選ぶことができます。
そのため、車のローンや住宅ローンを組んでいる債権者を除外して行えば、車や住宅には影響が出ません。
デメリットはありますが、
「払えないわけではないけど毎月厳しい」
「仕事を変えたら収入も落ちてしまった」
など、毎月の支払いに不安がある場合、とても有効な手続きです。
個人再生について
自己破産では住宅を手放さなければなりませんが、個人再生では住宅を残し、そのローンは支払いながら、その他すべての借金を整理できるので、任意整理より大幅に返済を楽にすることが可能です。
任意整理同様、信用情報に事故情報が記録されますが、その他に2つ、個人再生にはデメリットがあります。
持ち家がある場合は、個人再生が非常に有効です。
自己破産について
自己破産とは、「破産手続開始・免責許可申立書」を裁判所に提出し、免責許可をもらい、借金をゼロにする手続きです。
裁判所に借金の返済ができない状況であると認めてもらう必要があるので、たくさんの書面の収集や家計収支をつける手間がありますが、司法書士や弁護士に依頼をすれば、ほとんどの手続きをやってもらえるので、自己破産をする際は、司法書士や弁護士に依頼することをおすすめします。
「自己破産」というと、まるで人生が終わってしまうかのような印象を持たれがちですが、それは間違った情報で認識し、誤解してしまっている人が多いからかもしれません。
なぜ、誤解が生まれやすいかというと、そのデメリットにあります。
債務整理をしたら会社にバレる?
債務整理の種類や特徴はわかったけれど、会社にバレてしまわないかが不安ですよね。
債務整理が周りに知られてしまうのかどうか手続きの種類別に解説していきます。
任意整理が会社にバレにくい理由
債務整理の中で、一番周りにバレにくいのは任意整理です。
任意整理が会社にバレてしまうケース
バレにくいとされる任意整理も、場合によっては周りに知られてしまうケースもあります。
任意整理がバレてしまうケースを解説していきます。
任意整理の和解をまとめる時には、ほとんどの債権者が勤務先の開示を求めてきます。
返済が遅れなければ債権者が会社に連絡をしてくることはありませんが、返済が遅れてしばらく本人と連絡が取れない場合の連絡先として聞かれます。
これは、遅れずに返済をしていけば防げますし、もし返済ができない状況になってしまったときには、債権者に相談したり、弁護士や司法書士に相談をしたりして解決しましょう。
債権者側が返済を待ってくれることもありますし、弁護士や司法書士に依頼して、再度和解交渉を行うなどの方法もあります。
返済が遅れるときに、連絡がないことを債権者は一番嫌いますので連絡を入れることが非常に大切です。
裁判所から「裁判になっていますよ」という意味合いで書面が届いたら、無視をしてはいけません。
これを無視してしまうと、債権者の訴えがそのまま通り、判決が出てしまいます。
「これくらいならわからないだろう」という、ちょっとした油断や過信で知られてしまうリスクがあります。
任意整理をしているからといって会社から何か言われることはないかと思いますが、憶測でいろいろ言われてしまうことはあるかもしれません。
SNSへの書き込みはしない方が安心です。
バレずに任意整理の手続きをする方法
ここまでは任意整理がバレてしまうケースを紹介しましたが、バレない対策をして手続きを進めていく方法を紹介します。
払えなくなる前に手続きする!
任意整理に限らず、借金の返済ができているうちに債務整理の手続きをすることが重要です。
返済が滞った場合には、まずは本人に連絡が入りますが、連絡がつかないと債権者が会社に連絡することもあり、債権者から会社に連絡が入ってしまうと、任意整理をする前に、会社に借金のことがバレてしまいます。
毎月の返済の負担が大きくて、給料日までにほぼ給料が残らず、カードで生活している状態や、限度額が近い状態の場合は、早めに任意整理の手続きを開始した方がいいといえます。
すぐに弁護士や司法書士に依頼する!
「返済が滞る前に弁護士や司法書士に相談した方がいいのはわかったけど、債務整理は自分じゃできないの?」そう思う人もいると思います。
もちろん自分でも手続きは可能です。
しかし、どの手続きにも書面の作成や書類の収集など複雑な作業がたくさんあり、自分でやろうとすると多くの労力と時間が必要になります。
また、自力で手続きをした場合、知識の不足から、手続きがうまくいかず、失敗してしまう可能性もありますし、そもそも自分に合った手続きを選べないこともあります。
個人再生・自己破産が会社にバレてしまうケース
任意整理が会社にバレてしまうケースに続き、個人再生・自己破産が会社にバレてしまうケースを解説していきます。
うわさには尾ひれがつき、憶測で事実ではないことまで広まってしまうこともあるので注意が必要です。
借金に困ったら、まずは弁護士や司法書士に相談をしてみましょう。
たとえば、退職金に関する書類は、様々なローンの審査でも必要になることがあるので、「ローンの審査に必要です」と伝えるなど、違う理由を答えることでバレるリスクを回避しなければなりません。
個人再生や自己破産の場合、債権者はすべて平等に扱われるため、「会社に知られたくないから」や「会社に居づらくなるから」という理由で、会社にだけ返済をするというのも認められていません。
会社からお金を借りている場合、このようなリスクがあるので、どうしたらいいのか悩んだら、弁護士や司法書士に、方法を相談した方がよさそうです。
会社に限らず、誰かに調べられたり、誰かが偶然見つけてしまったりすると個人再生や自己破産の手続きをしたことがわかってしまいます。
可能性として低いとはいえ、注意が必要です。
ごく稀にですが、就業規則にこのような債務整理全般について規則がある会社もあるので、一度確認してみてくださいね。
バレずに個人再生・自己破産の手続きをする方法
個人再生や自己破産のバレてしまうケースを紹介しましたが、バレてしまうきっかけがあるように、バレない方法もあるので、ここでは個人再生や自己破産を会社にバレずに進める方法を解説します。
会社の人には絶対相談しない!
借金の話題はとてもデリケートです。借金の話を会社の人に話すのは、いくら信頼・信用をしていても控えた方がいいでしょう。
どこで、どう広まってしまうかわからないので、はじめから会社の人には話さないことが善策といえます。
特に、個人再生や自己破産となるほどの多額の借金を抱えていると知られてしまった場合、周りからの印象はかなり悪くなってしまうと思います。
相談するのであれば、家族、信頼のおける友人、そして弁護士や司法書士のみがいいでしょう。
何か聞かれた時の「うまい言い訳」を用意しておく!
会社に「退職金見込額証明書」の作成を依頼したときに、おそらくその理由(使途・用途)を聞かれます。
理由を聞かれたときに備えて、事前に説明を考えておくといいでしょう。
たとえば、住宅ローンや子供の教育ローンを組むことを検討していて、その与信審査で提出したいなど、それらしい理由で説明しましょう。
実際に高額のローンを組む時に、金融機関から退職金に関する書面を出すように言われることもあるので、そんなに怪しまれることはないと思います。
会社側も、わざわざ金融機関に事実確認することもないので、非常に無難で自然な説明といえるでしょう。その他、退職後の家計のシミュレーションなども自然です。
すぐに弁護士・司法書士に依頼する!
個人再生や自己破産の手続きをしていくと、裁判所に出向く必要があり、裁判所は平日しかやっていないため、仕事を休んで出向かなければいけない人が多いと思います。
休みが増えて、その理由も考えなければならなくなります。
弁護士や司法書士に依頼すれば、代理で対応してくれるので1~2度の出廷で済むようになります。
また、個人再生や自己破産を検討するほどの借金になってしまっている場合、返済ができなくなるのも時間の問題であることも多いでしょう。
支払いが滞り、すでに債権者に裁判を起こされている状態という人もいるかもしれません。
裁判になり、判決通りに返済ができないと、給与を差押されてしまい、給与の差押は会社宛てに裁判所から差押命令が通達されるので、すぐに会社にバレてしまいます。
そうなる前に、弁護士や司法書士に依頼をし、個人再生や自己破産の手続きを急ぎましょう。
もし、債権者からの督促の電話で仕事に身に入らないという人も、督促が止まるので、その精神的な負担も軽減できると思います。
個人再生・自己破産がバレたら会社をクビになる?
自己破産や個人再生をすることが会社にバレてクビになるのではと不安ですよね。
結論から言えば、クビになったり、不当な扱いを受けたりすることはありません。
クビにならない理由
労働契約法16条によると、
1.客観的に合理的な理由を欠き
2.社会通念上相当であると認められない解雇
は無効としています。
個人再生や自己破産をしたことだけでは、上記の解雇要件は充足されないので、「基本的に」解雇は無効です。
しかし、下記のようなケースは注意が必要です。
自分の職業が該当するのか不安な場合は、早めに弁護士や司法書士に相談をしてみましょう。
不当な解雇などの処分を受けた場合
いくら法的に個人再生や自己破産がバレてもクビにならないとわかっても、実際には不当な扱いをされるのではと不安ですよね。
借金問題に苦しんで選んだ債務整理によって、職を失ったり、業務をはずされ減収したりして、さらに生活が苦しくなるのではと不安を感じている人も多いのではないでしょうか。
任意整理、個人再生、自己破産といった債務整理を理由に、解雇したり、不当な処分を行ったりした場合には、その効力について争う余地があります。
このような解雇、不当な処分により、何かしらの損害が発生した場合は、会社を相手どり、損害賠償を求めることができる場合があります。
労働基準監督署に相談するのが第一ですが、弁護士や司法書士に依頼をしておけば、そのまま相談もできるので安心です。
会社にバレずに債務整理をするために…
借金や、債務整理の手続きをしていることを会社にバレたくない方は沢山いらっしゃるかと思います。
会社にバレない一番の方法は、借金問題解決のプロである、弁護士や司法書士に相談をすることです。
電話やメール、LINEで相談できる弁護士事務所、司法書士事務所もたくさんあるので、気負わず相談してみてくださいね。