債務整理

借金返済には債務整理と一括返済のどっちがお得?メリットとデメリットを解説

借金返済の方法として、債務整理と一括返済の2つの選択肢があります。

債務整理と一括返済、どちらがよりメリットがあるかは、借金の額や返済能力などによって異なります。そのため、個々の状況により、適切な方を選ぶべきだと言えるでしょう。

どちらを選ぶべきかは、借金の金額や返済能力、信用情報への影響、周囲の協力者の意向など、さまざまな要因を総合的に考慮する必要があります。

この記事では、債務整理と一括返済のメリット・デメリットを詳しく比較し、借金額に応じた具体的な選択基準を解説します。借金返済でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

司法書士法人赤瀬事務所 借金減額診断スタート

債務整理と一括返済にはどんなメリットがある?

債務整理と一括返済は、借金問題を解決するための有効な方法です。

ただ、債務整理と一括返済にはそれぞれ特徴があり、メリットも異なりますので、借金の状況に合わせて選ぶことが大切です。

債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産などがあり、それぞれにメリットがあります。任意整理では将来の利息を大幅に減らせ、分割払いもできます。個人再生では借金の元金を5分の1程度まで減額できる場合があります。自己破産は、資産を処分することで借金の返済義務をなくせる方法です。
一方、一括返済は借金をすぐにゼロにできる方法で、精神的・経済的な負担を軽減できます。また、将来の利息負担もなくなり、短期間で借金問題を解決できます。信用情報にも悪影響はありません。

債務整理と一括返済のメリットの比較

 債務整理一括返済
借金が減らせるか減額できる減額できない
利息などの追加負担はあるか?原則なしなし
分割払い可能借金全額を1回で払う
支払いの負担小さくなる大きいことが多い
期間1年~数年程度支払ったら終わり

債務整理のメリット

まず、債務整理とは借金の返済方法を変更することを指し、任意整理、個人再生、自己破産などの方法があります。

それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。

任意整理の場合、最大のメリットは将来の利息を大幅に減らせることです。
例えば、消費者金融やクレジットカードのキャッシングやリボ払いの利息は、年15%前後と高めです。
しかし、任意整理を行えば、この将来利息を減額したり、なくすことができるのです。
さらに、任意整理では借金の元金を分割で返済できるようになります。3~5年程度の期間で、利息なしの元金のみを払っていくことになるのです。
その結果、月々の返済額を増やさずに、トータルの支払額を減らせるのです。

任意整理では利息は減らせますが、元金は全額払う必要があります。一方、個人再生では借金の元金そのものを大幅に減額できます。多くの場合で、借金の元金を5分の1以下まで減らせます。この減らした借金を、原則3年36回払いで返済するのが、個人再生です。

最後に自己破産ですが、これは借金の返済義務をまるごとなくせる方法です。自己破産では、自分の資産を清算・処分することで、残った借金を帳消しにしてもらえるのです。借金額が多額な方に、自己破産はぴったりの方法だと言えますね。

債務整理のメリットについては、以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご参照ください。

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一括返済のメリット

借金の一括返済のメリットを見ていきましょう。

まず1つ目のメリットは、支払総額を抑えられることです。これは一括返済の最大の利点と言えるでしょう。カードローンでは、借りたお金に加えて利息の支払いが必要になります。利息額は、借入金額と金利、借入期間によって決まります。
つまり、借りている期間が長ければ長いほど、支払う利息の総額は多くなるのです。逆に、早めに返済すれば、その分だけ利息を節約できます。例えば、100万円を年利18%で借りた場合、1年かけて返済すると利息は18万円ですが、わずか30日で返せば約1万5千円で済みます。
借入金額が同じでも、返済期間の長短で利息総額に大きな開きが生じるのです。カードローンは、月々の返済額が低めに設定されているケースが多く、支払期間が長引きがちです。毎月の返済負担は軽くても、トータルの支払額は高くなってしまう可能性があるのです。


2つ目のメリットは、カードローンがより使いやすくなることです。カードローンは、限度額の範囲内で自由に借り入れと返済ができるのが魅力ですが、すでに限度額の大半を使ってしまっていると、残り枠が少なくなり、メリットを活かしにくくなります。
できるだけ一括返済を心がけ、ある程度の余裕枠を確保しておくことで、いざという時に機動的に活用できるでしょう。限度額いっぱいまで借り続けるのではなく、計画的に返済していくことが賢明だと言えます。

最後に3つ目のメリットですが、一括返済の履歴が信用情報に残ることです。カードローンの利用状況は、信用情報機関に登録され、他の金融機関から参照されます。延滞や滞納があれば、その都度記録されていきます。
一方、コツコツと毎月返済を重ねたり、一括で完済したという良い履歴も残ります。借り入れだけでなく、しっかりと返済できる人だと評価されれば、次回以降の融資審査で有利に働く可能性があります。

以上のように、カードローンの一括返済にはさまざまな恩恵があります。支払利息を最小限に抑え、カードローンを有効活用しながら、着実に信用力を高めていくことができるのです。

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債務整理と一括返済はどんなデメリットがある?

債務整理と一括返済には、それぞれ異なるデメリットが存在します。

債務整理の主なデメリットとしては、信用情報への事故情報の登録が挙げられます。これにより、ローンやクレジットカードの審査に通りにくくなるなど、長期的な影響が生じるのです。また、債務整理中は金融機関の口座が凍結され、生活に支障をきたす恐れもあります。
一方、一括返済の代表的なデメリットは、手間がかかることや、無理な返済による貯蓄の減少などです。特に、一括返済の資金を工面するために周囲に頼ると、人間関係にひびが入ることもあります。さらに、一括返済しても信用情報に影響が出ないため、再び借金に手を出すリスクが高まるという問題もあるのです。

このように、債務整理と一括返済にはそれぞれ固有のデメリットが存在します。どちらの方法を選ぶにしても、これらのデメリットを十分に理解し、自分の状況に合わせて慎重に比較検討することが大切です。

債務整理と一括返済の不利益の比較

 債務整理一括返済
金額面の負担小さくなる一括で高額を支払う
信用情報信用情報に悪影響あり影響が出ない
財産処分の必要必要になるケースあり必要ではない
家族や会社への影響手続きによって変わる一括返済の原資の捻出をお願いする場合は影響大
再度の借り入れ信用情報に影響があるため、数年間は借り入れはしずらい(リスク小)信用情報に影響がないため、いつでも借り入れ可能(リスク大)

債務整理のデメリット

債務整理は借金の返済に行き詰まった人にとって、借金問題を解決に導く有効な手段です。しかし一方で、債務整理にはさまざまなデメリットもあります。ここでは債務整理の主なデメリットについて詳しく見ていきましょう。

まず大きなデメリットとして挙げられるのが、信用情報機関への事故情報の登録です。債務整理をすると必ず信用情報に「異動情報」が記録され、いわゆる「ブラックリスト」に載ってしまいます。

これにより、ローンやクレジットカードの審査に通りにくくなったり、携帯電話の分割払いができなくなったりと、さまざまな影響が生じます。異動情報の登録期間は債務整理の種類によって異なりますが、概ね5年~10年ほど残ることになります。

また、債務整理をした金融機関に口座を持っていると、一時的に利用できなくなることがあります。債権回収のため口座が凍結され、預金が差し押さえられる可能性があるのです。
給与や年金の振込先になっている口座は、事前に変更しておくのがよいでしょう。公共料金等の引き落とし口座も同様です。万が一凍結されると、生活に支障をきたす恐れがあります。
さらに、借金の保証人になっている方がいる場合、その方に悪影響が及ぶことも。債務整理をすると、保証人に代わりの返済を求められるためです。任意整理なら保証人のいる借金を除外できますが、個人再生・自己破産では対象外にできません。

加えて、クレジットやローンで購入した車や住宅は返却を求められる可能性もあります。債務整理の対象となった借金で買ったものは回収され、代金の支払いに充てられるのです。
そして見落としがちなのが、債務整理の手続きにかかる費用の存在です。弁護士や司法書士に依頼する場合、別途報酬が必要になります。法的整理なら、さらに裁判所への申立費用もかかります。

ただし、債務整理中は債権者への返済がストップするため、その分を手続費用に充てられます。毎月の負担は軽減されるケースが多いのです。

債務整理のデメリットは以下の記事をご参照ください。

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一括返済のデメリット

カードローンの一括返済には、借入金を早期に完済できるメリットがある反面、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、一括返済の際に注意すべき主なデメリットについて、詳しく見ていきましょう。

まず第一に、一括返済には手間がかかるという点が挙げられます。カードローンは通常、毎月一定額を返済していく方式が基本です。そのため、一括返済を行う場合は、別途の手続きや振込みが必要となることが多いのです。場合によっては、専用のATMを使ったり、直接窓口に出向いたりしなければならないこともあります。
こうした手間はデメリットと言えるでしょう。カードローンを利用する際は、事前に一括返済の方法を確認しておくことで、手間を最小限に抑えることができます。

次に、無理に一括返済を行うと、一時的に貯蓄が減ってしまう可能性があります。確かに、一括返済をすれば支払総額を抑えられるというメリットはあります。しかし、そのために自分の貯金を無理に切り崩してしまうと、かえって生活が苦しくなる恐れがあるのです。
ボーナスなど、もともと返済に充てる予定だったお金で一括返済をするのであれば問題ありません。ただ、本来別の用途に使うはずだった貯蓄まで一括返済に回してしまうと、他の支払いに支障をきたすかもしれません。最悪の場合、再びカードローンを利用しなければならなくなる可能性もあります。
そうなると、せっかく一括返済したメリットが薄れてしまいます。だからこそ、計画的に、無理のない範囲で返済を進めていくことが肝要なのです。

さらに、一括返済の資金を工面するために、家族や身内、会社に頼るケースもありますが、これも問題になることがあります。債務者がお金を借りている原因は、そもそも資金が不足しているからです。そのため、一括返済の資金を自分で貯めるのは難しく、多くの場合、周囲の人々に助けを求めることになります。
しかし、借金返済のために家族や友人にお金を借りると、人間関係にひびが入ることもあるのです。特に問題なのは、一括返済のために借りたお金の返済を怠ったり、お金を貸してくれた会社を退職したりした場合です。こうしたケースでは、問題が深刻化することがほとんどなのです。

最後に、一括返済しても信用情報に影響が出ないという問題があります。

一見するとメリットのように思えるかもしれませんが、実はそうではありません。信用情報に傷がつかないということは、借金ができる状態が続くということを意味しているのです。
つまり、一括返済で借金をゼロにしても、また簡単に借金ができてしまうのです。その結果、再び借金に手を出してしまうリスクが高まります。実際に、一括返済後も借金癖が抜けずに、また借金を重ねてしまう人は少なくないのです。
このように、信用情報に影響が出ないことは、決してメリットではないのです。むしろ、借金の悪循環に陥る危険性があると言えるでしょう。

以上のように、カードローンの一括返済にはいくつかのデメリットが存在します。手間がかかることや、無理な返済による貯蓄の減少、周囲への負担、信用情報への影響などに十分注意しながら、慎重に返済方法を選ぶことが賢明だと言えます。

よくある自力で借金返済をしようとした場合の失敗例は、以下の記事をご参照ください。

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