債権回収/詐欺被害救済

出会い系サイトの詐欺手口と対策を徹底解説!詐欺に遭った時の対策は?

「出会い系サイトで素敵な相手と出会いたい」そう願う気持ちは、誰もが持っているものです。しかし、その夢につけ込む悪質な詐欺師たちが存在します。巧妙な手口であなたの心とお金をだまし取ろうとするのです。

出会い系サイトの詐欺は、もはや昔ながらの「サクラ」だけではありません。最近は、恋愛感情を利用するロマンス詐欺や、お金儲けの話を持ちかける投資詐欺へと手口が変化しています。出会い系サイトは、そんな新しいタイプの詐欺の入口になってしまっているのです。

こうした詐欺の被害は年々増え続けており、誰もが被害者になる可能性があります。しかし、正しい知識を持てば、危険を避けることができます。

この記事では、巧妙化する出会い系サイト詐欺の最新手口について、詳しくご紹介します。

なお、その他の詐欺の手法については、「【必見】業種別詐欺の特徴一覧【詐欺被害に遭わないために】」で解説をしています。合わせてご参照ください。

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危険!巧妙化する出会い系サイト詐欺の手口とは?

サイト運営者による「サクラ」の罠

「サイト内でやり取りをしている相手は本当に実在する人ですか?」

実は、あなたがメッセージを送っている相手は、サイトの運営会社が雇った「サクラ」かもしれません。

サクラの主な目的は、あなたにサイト内のポイントを大量に消費させることです。「もうすぐ会えるかも」と期待を持たせながら、決して会おうとはしません。不自然なほどにメッセージのやり取りを続けさせ、高額なポイントを使い切るまで、この悪質なやり取りは終わらないのです。

あなたは「騙されている」と気づかないまま、無駄なメッセージに多額のお金を費やしてしまうことになります。

サイト運営者が「サクラ」を雇って利用者を騙す手口は、古くから存在し、現在でも摘発が続いています。被害の実態は、被害件数の減少傾向とは裏腹に、被害額の規模が非常に大きいという特徴があります。

国民生活センターには、出会い系サイトに関する相談が継続的に寄せられています。2024年5月31日時点での相談件数は4,381件と、依然として多くの人々が被害に遭っていることがわかります。(国民生活センター「出会い系サイトに関する相談」)

また、警察庁によると、2025年5月に偽の出会い系サイトなどを運営し、1万人以上から53億円以上をだまし取ったとみられる詐欺グループの統括責任者が逮捕されました。このグループは「サクラ役」として88人が逮捕されており、組織的な犯行の実態が明らかになりました。(読売新聞オンライン「偽の出会い系サイト「利用料」だまし取った疑い、詐欺グループ幹部の男逮捕…被害額は1万人から計53億円か」)

このように、出会い系サイト詐欺に引っかかる方は決して少なくないことがわかるでしょう。

資産家・有名人を名乗る詐欺の手口

「サクラ」は、単にメッセージをやり取りするだけの存在ではありません。彼らは、人の心理を巧みに操るプロであり、その手口には共通したパターンが存在します。これらの「危険信号」を見抜くことが、被害を防ぐための重要な鍵となります。


まず、サクラは関係を築くスピードが異常に速いという特徴があります。出会って間もないのに、まるで昔からの親友のように接してきたり、過剰なほど優しさや好意を示したりします。

次に、サクラは、自身の言葉に説得力を持たせるため、偽の「証拠」を提示することがあります。例えば、自分が資産家であると主張したり、有名人との関係を誇示したり、架空の銀行口座の残高画面などを見せてくることもあります。これらを見せることで、「この人は信用できるかも?」と信じ込んでしまいますが、デジタルな証拠は簡単に偽造できるということを忘れてはいけません。

他にも、あなたの同情心や不安を煽るため、常に何らかの「緊急事態」が起きていると語ります。たとえば、「家族が病気になった」「遺産問題で困っている」といった個人的なトラブルや、「急な仕事で資金が必要になった」など、ドラマチックな物語を次々と展開してきます。サクラは、あという気持ちを抱くように仕向け、最終的に金銭的な援助を要求するための手口です。

これらの危険信号は、詐欺師があなたの心につけ込むための「サイン」です。もし、メッセージのやり取りの中で、これらの兆候を一つでも感じたら、すぐにやり取りを中断し、冷静に対応することが大切です。(参照:警察庁「SNS型ロマンス詐欺」)

出会い系サイトを窓口に、ロマンス詐欺や投資詐欺に繋がることも……

恋愛感情を利用するロマンス詐欺

「まさか自分が恋愛詐欺に遭うなんて」そう思うかもしれません。しかし、ロマンス詐欺の被害は後を絶ちません。この詐欺は、出会い系サイトやマッチングアプリで知り合った相手と、恋愛関係に発展した後に金銭をだまし取るという、非常に悪質な手口です。

警視庁の発表している「令和7年7月末における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」では、2025年のSNS型投資・ロマンス詐欺の被害状況は、認知件数は2927件(前年同期比+1029件、+54.2%)、被害額は278.5億円(同+77.0億円、+38.2%)とと、認知件数・被害額は前年同期比で大幅増加しています。

ロマンス詐欺には、被害者が「これはおかしい」と気づいた時には、すでに多額のお金を送金した後というケースがほとんどで、返金を求めることが難しいという特徴があります。

このような詐欺に遭わないためには、「会ったこともない相手にお金を要求されたら詐欺」と考えるべきです。どんなに相手が魅力的に見えても、どんなに切羽詰まった状況を訴えても、金銭のやり取りは絶対に避けるべきなのです。

儲け話を持ちかける投資詐欺

出会い系サイトやマッチングアプリで、突然「いい儲け話がある」と持ちかけられたというケースも多いですが、それは巧妙な投資詐欺の入り口かもしれません。

この詐欺の手口は、恋愛関係を装いつつ、最終的に投資話に誘導するものです。詐欺師は、偽の投資サイトやアプリにあなたを登録させ、「この投資は必ず儲かる」と繰り返し説得します。そして、最初は少額の投資で利益が出ているように見せかけ、さらに大きな金額を投資させようとします。

しかし、その投資サイトは偽物です。表示されている利益もすべて架空のものであり、実際にはお金は一円も増えていません。いざ出金しようとすると、「手数料が必要だ」「税金を払え」などと、さらなる金銭を要求してきます。そして、最終的には連絡が取れなくなり、投資したお金はすべて騙し取られてしまいます。

国民生活センターのデータによると、マッチングアプリで知り合った人物から仮想通貨(暗号資産)への投資を勧められ、多額の被害に遭うケースが報告されています。(参照元:国民生活センター「マッチングアプリ等で知り合った相手から投資詐欺被害に遭うケース」)

このような被害に遭わないためには、安易な儲け話には乗らないことが最も重要です。

万が一被害に遭ったらどうすべきか?

まずは、証拠を保全する

「もしかして騙されたかもしれない」そう感じたら、すぐにその直感を信じて行動することが大切です。まずは、あなたが詐欺に遭ったという証拠をできる限り集めてください。

詐欺師とのメッセージのやり取り送金した記録相手のプロフィール情報利用したサイトのURLなど、すべてスクリーンショットを撮るか保存しておきましょう。

証拠を保全したら、一人で悩まず、できるだけ早く専門の窓口に相談することが重要です。時間が経つと証拠が消えてしまったり、解決が難しくなったりする可能性があります。

警察や消費生活センターを活用する

詐欺被害に遭った場合、被害届を提出するためには、最寄りの警察署へ相談に行く必要があります。詐欺師は次々と手口を変え、同じような被害者を増やそうとします。あなたが被害届を出すことで、新たな被害を防ぐことにも繋がるのです。

警察庁や国民生活センターの公式サイトには、具体的な被害事例や対策方法が掲載されています。これらの情報を参考にすることで、自身の状況を客観的に見つめ直し、適切な対処法を見つけることができるでしょう。

詐欺被害から回復するためには、金銭的な問題だけでなく、精神的なショックも乗り越えなければなりません。一人で抱え込まず、公的な機関の力を借りることで、より安全に解決へと向かうことができるでしょう。

詐欺師は、あなたの不安や孤独に付け込んできます。だからこそ、信頼できる専門機関を頼ることが、安全への一番の近道なのです。

弁護士や司法書士に相談する

警察や消費者センターに加えて、弁護士や司法書士に相談することも非常に有効です。特に、返金請求など金銭的な解決を目指す場合、警察や消費者センターだけでは対応できず、法的な専門知識が必要となるケースもあるからです。

弁護士は、加害者に対する損害賠償請求や、振込先の銀行に対する口座凍結の申し立てなど、法的な手続きを代行してくれます。司法書士も、少額訴訟の代理人として活動するなど、解決に向けたサポートを提供してくれます。

詐欺被害から回復するためには、金銭的な問題だけでなく、精神的なショックも乗り越えなければなりません。一人で抱え込まず、信頼できる専門機関の力を借りることで、より安全に解決へと向かうことができるでしょう。

詐欺師は、あなたの不安や孤独に付け込んできます。だからこそ、信頼できる専門機関を頼ることが、安全への一番の近道なのです。