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債務整理

債務整理をするには?債務整理相談の流れと手順、そして注意点を解説

この記事では債務整理するための流れや手順を詳しく解説します。

債務整理をしたいが、どうすればよいのか?

何から始めるのか?

など債務整理の相談にあたっての注意点を含め具体的に説明します。

債務整理相談の流れと注意点

債務整理相談の流れと注意点について順番に説明します。

相談事務所を選ぶ

債務整理を相談する際の事務所選びのポイントをお伝えします。

まずは、事務所のホームページ等で、債務整理を依頼された時にかかる費用をご確認ください。

債務整理の費用は、事務所により幅がかなりあります。

同じ債務整理の手続きでも、事務所によっては「倍ほど費用が違う」ということもあります。

「費用が高い事務所に依頼して、費用が払えなくなって辞任される」という定番の失敗パターンにならないよう、費用面は慎重に比較して相談する事務所をお選びください。

また、「費用の総額が明確な事務所」に相談するようにしましょう。

ホームページでぱっと見て安そうに見えても、「○万円~」のように記載されている事務所があります。

この書き方では、上限が書かれていないため、最終的にいくら費用がかかるのかわかりません。

正式に依頼するまで費用がいくらかかるかはっきりわからない事務所に相談するというのは、避けた方が無難です。

ホームページに、債務整理について知りたい情報や疑問点についての説明が詳しく書いてある事務所に相談するべきです。

知りたい情報がホームページに載っているということは、相談者が何を知りたがっているのか、債務整理の経験が豊富な事務所という可能性が高いからです。

相談予約

「債務整理の相談をしたい」と思える事務所が見つかったら、事務所に相談予約をします。

債務整理の相談をする際、通常は、事務所へ来所し相談となりますが、新型コロナウイルス流行以降は感染を避けるため等、電話などでご相談できるなど事務所にわざわざ来所しなくても相談が可能な事務所が増えています。

相談予約は通常、「電話」または「メール」で行います。

まず、相談するためにある程度時間を取れる日時をご連絡ください。

所要時間は30分~1時間程度となることが多いでしょう。

メールでご予約をされる場合、メールに相談したい内容や相談日時が記載されていれば、スムーズに相談に進むことができるでしょう。

【メール例】
クレジットカード4社、銀行1社 計300万円ほどの借金があります。
月々の返済額 7万ほどですが、収入が減ったことで毎月の返済金額を5万円以内に収めることが出来ればと思い連絡させていただきました。
相談希望日は12/15、12/20ともに17:00以降です。

また、手続きの内容が決まっているのであれば、「自己破産の相談をしたい」「任意整理の相談をしたい」ということも、書いてください。

相談時への事前準備

相談時までに、以下の点について、手元に書類や控えなどがあれば、スムーズに相談を進めることができます。

💡どこの会社にいくらぐらいの債務があるか

💡それぞれの会社で、いつ頃借りたか

💡借金が増えた原因

💡家計収支(家計簿)

これらの内容を確認するために、手元に通帳や明細などあればなお良いが、おおよその数字で結構です。

また、正式に債務整理の依頼をされる可能性が高い方は、相談の前に、「できればやっておいていただきたいこと」が2点あります。

1点目は「支払い方法の変更」です。

支払い方法が、クレジットカード払いになっているものがある場合、コンビニ払いや銀行振込、引き落としなど別の支払い方法に変えることです。

債務整理をするとクレジットカードは解約になり使えなくなります。

使えなくなるということはクレジットカード払いが出来ませんので、事前に支払い方法を変更しておくことで手続きがスムーズに進みます。

2点目は、「銀行の口座凍結への対応」です。

銀行を債務整理すると、その銀行の預金口座が凍結され、口座からの出金が出来なくなります。

この口座凍結に備えて、あらかじめその口座にお金が入らないように対処する事です。

具体的な対応として、凍結される口座に給料が振り込まれる場合には、振込口座の変更が必要になるかもしれませんので、給与振込口座の変更ができるか、できる場合いつ分からできるか、勤務先に確認する必要があります。

これらの対応を事前に済ませておけば手続きはスムーズに進みますが、まだ手続きするか検討している場合や、事前にはやりにくい場合などは後日、依頼の後にされても大丈夫です。

債務整理の相談当日

債務整理の相談当日は、以下の点にご注意いただきたいと思います。

まず、当然のことではありますが、事務所に来所して相談される場合には相談時刻に遅刻しないようにご注意ください。

続けて次の相談者の予約が入っている場合などは、相談が途中で終了してしまうこともあります。

特に来所して相談される場合は、道に迷うことや、交通機関の遅延も考えて少し早めに事務所に向かうようにしましょう。

電話等で相談される場合も同様に、次の予約が入っている場合には、相談が途中で終了してしまったり、相談日時が先延ばしになってしまうこともありますので、ご相談時間には電話で話せる状態にしましょう。

そして、弁護士や司法書士が債務の内容(どの業者にいくらぐらいの債務があるか)をお伺いした際は、一部の債権者を除外したりせず借金すべてを伝えください。

キャッシング以外の「ショッピングでのリボ払い」や「分割払い」も、抜けが無いよう伝えるようにしてください。

任意整理の場合には、一部のみ手続きすることができるため、まだ使いたいカードの申告をされない方がいらっしゃいます。

しかし、債務整理の方針は、手続きをしない債務も含めて決定する必要がありますので、必ず全体の債務をご申告ください。

任意整理や個人再生の今後の返済の見通しを立てるために必要になるのと、自己破産の場合、免責不許可事由に影響するため、把握しておく必要があるためです。

手続き費用の支払い

お手続きを依頼し、委任契約をすると着手金が発生します。

原則、着手金の支払いがなければ債務整理の手続きを開始することが出来ません。

しかし、事務所によっては、着手金が無料の場合があったり、一部入金でいい場合があったりと、取り扱いは様々です。

また、委任契約がなされると、弁護士や司法書士から各債権者宛に「受任通知」を送付します。

これは、「依頼者がこれから債務整理をします」と各債権者へ知らせるものです。

これにより、各債権者からの督促や連絡は全て、弁護士・認定司法書士宛に届くことになります。

また、受任通知の送付から債務整理手続き完了までの間は、返済はストップします。

取引履歴開示と引き直し計算

受任通知を送付時、債権者に「取引履歴の開示」を請求します。

「取引履歴」とは、過去の借入状況と返済の記録が記載された書面です。

これを見ることで、過去にどれくらい利息を払っていたのか、どのくらい返済していたのかなどがわかります。

「引き直し計算」とは、利息制限法の上限を基準とし、利息を再度計算し直すことです。

法律改正に伴い、このグレーゾーン金利については違法であることが一般的に知られるようになり、払いすぎた利息の返還請求(過払い金請求)が行われるようになりました。

債務整理の手続きを始める前にも引き直し計算をし、「いくら過払い金があるか」、「過払い金を返還した場合の残借金はいくらか」などを見ていきます。

債務整理の方針を選ぶ

取引履歴、引き直し計算をもとに、債務整理の中でどの方法が適切かを検討していきます。

ポイントは、「3年で完済」できる金額かどうかです。

債務整理には「任意整理」、「個人再生」、「自己破産」の3つの方法があります。

この中で、債務整理手続き後返済が必要なものは、「任意整理」と「個人再生」です。

任意整理は、減額後の借金を「3年を目途に完済」することになります。

そのため、「3年で完済できるか?」返済のために「安定した収入はあるか?」がポイントとなります。

3年で完済する見込みがあれば、任意整理を選択することが可能です。

3年で完済することが難しい場合は、「個人再生」や「自己破産」を検討する必要があります。

個人再生は、借金の総額を1/5~1/10まで圧縮し、大幅に減額された借金を返済していくことになります。

そのため、任意整理が難しい場合でも、個人再生であれば返済が可能ということも多いです。

任意整理で進めることが難しく、自己破産だけは避けたい場合で、住宅ローンをそのまま残したい時にお勧めの方法です。

返済をすることが到底でききそうもなく、失う財産もないという時には、自己破産を選択することになります。

しかし、自己破産にはそれなりのデメリットもあります。

以上のように債務整理にはいくつかの方法があり、「借金の総額、収入、資産」が選択の目安となります。

依頼者が自分の判断で債務整理の選択を行うことは容易ではないため、弁護士や司法書士など専門家に検討してもらい、アドバイスをもらうことがベストな方法といえます。

各債務整理の流れと手順

各債務整理の種類ごとの流れと手順を説明していきます。

任意整理

  1. 弁護士・司法書士が引き直し計算等をもとに、各債権者と交渉を開始。
  2. 各債権者と交渉がまとまれば、和解締結。
  3. 弁護士・司法書士から依頼者へ、和解内容を連絡。
  4. 和解内容(和解書)に沿って、返済を開始。

任意整理の場合、弁護士や司法書士に正式依頼すると、依頼者自身がやらなければならないことは原則ありません。

原則、手続き完了と弁護士や司法書士からの連絡をひたすら待つのみとなります。

和解が成立するまで、弁護士や司法書士から依頼者へ一度も連絡が来ないということも少なくありません。

しかし、待つ方としては「本当に手続きは進んでいるのか?」と不安になることもありますので、その場合は、遠慮なく依頼している事務所に問い合わせをしてみましょう。

和解後は、減額後の残高を約3年かけて返済していくことになります。

個人再生

  1. 必要書類の準備
  2. 裁判所に個人再生の申立てを行う
  3. 個人再生委員が選任された場合、再生委員と面接
  4. 個人再生の開始決定
  5. 債権届出期間と意義申述期間
  6. 再生計画案の提出
  7. 個人再生計画案の認可決定
  8. 個人再生計画案に沿って返済を開始

個人再生は、裁判所に申立てを行うことから、手続きが複雑になります。

まず依頼者としては、申立てに必要な「書類の収集」から始まります。

裁判所から取り寄せる個人再生申立書、陳述書、債権者一覧表などの書類や、それに添付する証明書を集めます。

役所からは戸籍謄本、住民票などの書類、課税証明書、給与明細、退職金(見込み額)証明書、生命保険証券、預金通帳、解約返戻金額証明書、不動産登記簿謄本、車検証、車の査定書、住宅ローン契約書など多くの書類が必要になります。

申立て書や添付書類がすべて揃えば、裁判所へ申立てを行います。

この段階で、裁判所へ支払う予納金の支払いも発生します。

官報公告費用12,000円、予納郵便4,000円~8,000円、再生委員が選任された場合の報酬150,000円~250,000円です。

再生計画が認められれば、再生計画に則り返済を開始します。

通常、返済期限は3年~5年となっています。

自己破産

  1. 必要書類の準備
  2. 裁判所に自己破産の申立てを行う
  3. 破産審尋(面接)
  4. 自己破産の開始決定
  5. 債権者の意見申述期間
  6. 免責審尋(面接)
  7. 裁判所から免責許可決定通知が送られる
  8. 債権者から不服申立てがなければ、免責が決定となる

自己破産の手続きもたくさんの書類収集が必要です。

裁判所から破産申立書、陳述書、免責申立書、債権者一覧表、資産目録、家計収支表を取り寄せて記入します。

その他に、それに添付する証明書類を集めます。

役所からは戸籍謄本、住民票などの書類、源泉徴収票、給与明細、課税証明書、退職金(見込み額)証明書、預金通帳、解約返戻金額証明書、生命保険証券、不動産登記簿謄本、車検証、車の査定書、賃貸契約書の写し、住宅ローン契約書、クレジットカードなど多くの書類を収集します。

破産手続き開始後、裁判所によって「審尋」と呼ばれる裁判官との面接が必要になる場合があります。

内容的としては、「免責確定後は生活態度の改善をする」「虚偽の申請をしない」など、自己破産申立てにおいての注意事項の確認、提出書類のチェックなどです。

免責が確定すればその後の返済義務は全てなくなります。

債務整理でのよくある勘違い

債務整理への疑問についてお答えします

債務整理をすると勤務先から解雇される?

債務整理をすると勤務先から解雇されるのかと心配される方も多いかもしれませんが、債務整理をしたこと理由に解雇されることはありません。

ただし、会社から借金がある場合、その返済不能が解雇につながる可能性はあります。

携帯電話が使えなくなる?

端末代金を分割で支払っている場合は、契約を解除されることがあります。

端末を一括購入し、通話料金を滞納していなければ、債務整理を理由に急に携帯電話が使えなくなることはありません。

債務整理後、信用情報機関への登録(いわゆるブラックリスト入り)により分割での購入は難しくなりますが、一括で購入することで新たな端末を入手することが可能です。

全く携帯電話が使えなくなるということはないのでご安心ください。

戸籍や住民票に記録される?

債務整理をしても戸籍や住民票に記録されることはありません。

信用情報機関に登録はされても、戸籍や住民票に登録・記載されることはないです。

債務整理をした事実を戸籍や住民票の記載から知られることはありませんので、戸籍や住民票を提出する必要が生じても心配する必要はありません。

ローンや保険が一生組めなくなる?

債務整理をすると、一時的にローンを組めなくなりますが、一定期間経てば、ローンなどを組むことができます。

信用情報機関に登録されている間はローンを組むことは難しいですが、5年~10年ほどすれば事故情報は削除されますのでローンを組むことは可能になります。

将来年金はもらえなくなる?

債務整理をしても、年金の給付を受けられなくなるということはありません。