減額シミュレーション 減額シミュレーション
債務整理

〈手続き別〉債務整理の必要書類

債務整理には、任意整理個人再生自己破産といった3つの手続きがあります。

中でも、個人再生と自己破産については裁判所に申立てをする手続きで、必要書類は正確にすべて提出しないと手続きが進まないことがあります。

この記事でわかること💡

手続き別、債務整理に必要な書類について

債務整理ご相談時の必要書類

債務整理の手続を専門家である弁護士や司法書士に相談する際、用意しておくと円滑に相談が進められる書類について説明します。

相談時に用意しておくもの

⑴身分証明書

専門家が本人確認を行うために必要になるのが「本人確認書類」となります。

例えば、運転免許証・保険証・パスポート・マイナンバーカードが本人確認書類に該当します。

運転免許証に記載されている住所が現住所と異なるときは、3か月以内に発行した「住民票」も必要になることがあります。

⑵印鑑

専門家に債務整理の手続を依頼し、契約を結ぶとき必要になるのが「印鑑」です。

実印ではなく「認印」で手続きすることは出来ますが、シャチハタは認められませんので注意が必要です。

夫婦で債務整理の手続を依頼するときには、それぞれ別の印鑑を準備するようにして下さい。

⑶クレジットカード・消費者金融のカード

現在利用中の「キャッシングカード」や「クレジットカード」は準備しておきましょう。

債務整理の手続が開始されれば、保有するカードを使って借入れすることは出来なくなりますし、新たにカードを作ることも出来なくなります。

なお、カードを紛失している場合でも手続は出来るため、もしお手元にない場合でもまずは弁護士や司法書士に相談してみるとよいでしょう。

⑷貸金業者との契約書・催促の手紙・明細

債権者との取引内容が分かる書類です。

たとえば、債権者からの督促書面・借入明細・借入に関する契約書・返済時の明細書、などとなります。

現状がすぐに把握することが出来るため、お手元にあれば持参して相談をしてみましょう。

⑸裁判関係書類

債権者から訴えを起こされている場合は、裁判所から届いた書類一式を持参しましょう。

借入先が分からない場合

複数社から借入をしていたり、かなり以前に借入し、現在、その借入がどの様になっているか分からないといった場合もあるかと思います。

この場合は、照会できる期間がありますので、以下の記事で説明していきます。

借入先は信用情報機関で調べる

自分がどの金融業者と取引をしていて、幾らのお金を借りているのかなど、明確な情報を把握したいときには信用情報機関に「開示請求」をすれば確認できます。

開示請求できる「信用情報機関」は次の3つです。

株式会社シー・アイ・シー(CIC)

CICは、主に割賦販売や消費者向けローンのクレジット事業を行っている会社が多く加盟しており、その幅は広く多様な業態の会社が加盟しています。

加盟している会社には銀行、信販会社、消費者金融、銀行系、百貨店、専門店会、流通系、家電メーカー系、自動車販売会社系のクレジット会社、保証会社、保険会社、携帯電話会社等があります。

また、CICは割賦販売法および貸金業法に基づく指定信用情報機関として指定を受けた信用情報機関となっており、保有している信用情報の数は日本で最大規模となります。

株式会社日本信用情報機構(JICC)

JICCは、信用情報の収集、登録、管理、提供、交流を目的とし、主に消費者金融が加盟しています。

その加盟数は、信用情報機関の中で最多となっています。

また、JICCはCICやKSCと異なり、個人に関する情報のみならず法人に関する情報も取り扱っていることが特徴です。

加盟している会社には消費者金融会社、銀行系流通系、銀行系、メーカー系クレジット会社、信販会社、保証会社、金融機関等があります。

全国銀行個人信用情報センター(KSC)

KSCは、全国銀行協会(JBA)が運営している信用情報機関となり、加盟している会社には銀行、信用金庫、信用組合、銀行業、保証会社、農協を営む会社等があります。

なお、銀行については地方銀行やネット銀行も加盟していますが、消費者金融やクレジット会社は加盟していません。

これらの信用情報機関に登録されている情報を見ることにより、債務状況や延滞状況等、様々な情報を知ることができます。

信用情報機関に開示請求すれば、金融業者とどの様な契約を結んでいるのか把握でき、借入残高や返済状況、滞納による事故情報なども確認することが出来ます。

開示請求の手数料

開示請求の際にかかる手数料は、信用情報機関により異なりますが500~1,000円かかります。

なお、信用情報機関に本人が開示請求することは出来ますが、専門家に手続を依頼すれば取引履歴を取り寄せるため、借入先が把握できていれば余計な手間や費用がかかりません。

取引履歴の開示請求も弁護士や司法書士の仕事

前途で説明した通り、ご自身で借入の状況を確認することは出来ますが、専門家の弁護士や司法書士の仕事の1つとして、金融業者へ取引履歴の開示請求があります。

取引履歴とは、請求先の金融業者から入出金の日時やその金額といった取引の経過がまとめられた書類です。

弁護士や司法書士が金融業者に対して取引履歴の開示を求めた場合、請求を受けた金融業者は拒むことができません(貸金業法第19条の2)。

取引履歴の開示請求によって金融業者から弁護士や司法書士に取引履歴が届くと、債務誠意に必要な情報が詳しく確認できるのです。

債務整理の相談は早めにするべき

専門家に相談するタイミングは、早ければ早いほどいいです。

何故なら、専門家に正式に依頼することにより、借金の支払いや債権者からの督促が止められるのがまずひとつです。

もうひとつは、相談が遅れるほど手続きの手段が狭まってしまうからです。

早い段階で相談すれば、任意整理が出来なものの、相談が遅れてしまった為、自己破産や個人再生しか選択肢がないといったケースも考えられます。

返済に困っているのであれば、是非とも早めに専門家に相談しましょう。

債務整理手続きは弁護士や司法書士に依頼するべき

債務整理をスムーズに進めたい場合は、費用はかかりますが弁護士や司法書士へ依頼するべきです。

債務整理は手続きの内容がそれぞれ違うものの、いずれの手続きの場合であっても弁護士や司法書士といった、専門家を頼ることによりスムーズな手続きを行うことが出来ます。

具体的には任意整理の場合、債権者と個別に交渉することになりますが、自分で交渉を行ってしまうと、うまく交渉することが出来ずに不利な条件になることや、最悪の場合は交渉に応じてもらえないことも考えられます。

個人再生や自己破産は法的手続きとなり、裁判所とのやりとりも必要となるため専門的な知識が求められることは多くあり、手続きが失敗に終わることも少なくありません。

弁護士や司法書士に依頼すれば手続きの大部分を任せることが出来るため、周囲にバレることなく手続きを進めることが可能です。

必要な書類も都度指示してもらえるため、安心して手続きを進められます。

任意整理の必要書類

任意整理は裁判所を通さない私的な手続きとなり、裁判所を通す自己破産や個人再生と違って、必要書類が絶対に揃っていないと手続きが出来ないという法的な決まりはなく、債権者と直接交渉して、無理なく借金を返済できるようにする手続きです。

必要書類は、債務整理ご相談時の必要書類でご紹介した書類と同じです。

なお、書類が揃わないことで、交渉が円滑に進まなかったり、余計に時間がかかったりする可能性もあります。

書類の揃い具合や進めやすさが心配な時は、それも含めて専門家に相談するといいでしょう。

個人再生の必要書類

個人再生は、裁判所を通して行う法的整理となります。

借金の総額を減額し、減額後の金額を3~5年間で分割して返済する再生計画案を作成します。

裁判所の認可を得られれば、再生計画の通りに返済します。

それでは、個人再生の必要書類を説明します。

再生手続に必要な書類

再生手続開始申立書

再生手続開始申立書には、申立人の氏名や住所などの基本情報、再生手続申立ての趣旨・理由を記入します。なお、申立書の書式は裁判所によって異なります。

自分で申立てる場合、各地方裁判所に定型書式を用意していることがあるので、裁判所に問い合わせしてみて下さい。

債権者一覧表

債権者一覧表には、債権者の氏名及び名称、住所、債権の種類、金額を記入します。

借金をしている金融機関、個人を、漏れなく記入します。

財産目録

申立時における申立人の財産内容を記入します。

陳述書

申立人の職業や生活の状況、再生手続開始の原因となる事情を記入します。

家計の状況

家計の収支を月単位で記入します。

少なくとも申立て前の2ヶ月間を作成する必要があります。

退職金をもらえる見込みがあるとき

現在会社勤めをしていて、勤め先に退職金の制度がある場合は「退職金見込証明書」などの書類が必要になります。

退職金見込額も資産であるため、当分退職をする予定がない方も、現時点で退職したと仮定したうえで、見込み額の調査を依頼する場合もあります。

保険に加入しているとき

生命保険をはじめとする保険に加入している方は、保険証券などの提出が必要になります。保険証券の提出が必要な保険の種類は、以下の通りです。

・生命保険
・医療保険
・火災保険
・学資保険

とくに生命保険の解約返戻金を担保にお金を借りている場合は、保険証券や解約返戻金の試算書を必ず準備してください。

都道府県民共済や自動車保険は基本的に不要ですが、それ以外は掛け捨ての保険でも証券が必要になる可能性もあります。

添付資料

上記書類のほか、添付する必要がある主な資料は以下の通りです。

個人再生の添付資料資料入手場所
住民票(世帯全員、本籍地記載のもの)お住まいの市区町村の役場・役所
収入が分かる資料(給与明細、課税証明書など)給与明細、源泉徴収票:勤務先課税証明書:必要な年度の1月1日にお住まいだった市区町村
預金通帳(お取引明細書)申立人名義の口座が開設されている金融機関
自動車登録証書(車検証)紛失した場合は運輸支局または軽自動車検査協会
不動産登記事項証明書(不動産を所有している場合)法務局
固定資産評価額証明書(不動産を所有している場合)対象不動産がある市区町村の役場・役所もしくは市税事務所

申立人の所有する財産や収入状況により、必要となる資料は異なります。

自己破産の必要書類

自己破産は、裁判所を通して行う法的整理となります。

申立人の財産を換価して、債権者に公平な配分をする手続きです。

それでは、自己破産の必要書類を説明します。

自己破産子に必要な書類

破産手続開始・免責許可申立書

破産手続開始・免責許可申立書には、氏名や住所などの基本情報、申立ての理由を記入します。

なお、申立書の書式は裁判所によって異なりますので、自分で申立てる場合は管轄の地方裁判所に定型書式を用意しているか問い合わせるとよいでしょう。

債権者一覧表

債権者一覧表には、債権者の氏名及び名称、住所、債権の種類、金額を記入します。

借金をしている金融機関、個人を、漏れなく記入します。

滞納税金等一覧表

滞納している公租公課について、公租公課の種類、滞納額、納付年度、納付先、これらを記入します。

財産目録

申立時における申立人の財産内容を記入します。

陳述書

申立人の職業や生活の状況、破産申立てに至ってしまった事情を記入します。

家計の状況

家計の収支を月単位で記入します。

少なくとも申立て前の2ヶ月間を作成する必要があります。

退職金をもらえる見込みがあるとき

現在会社勤めをしていて、勤め先に退職金の制度がある場合は「退職金見込証明書」などの書類が必要になります。

退職金見込額も資産であるため、当分退職をする予定がない方も、現時点で退職したと仮定したうえで、見込み額の調査を依頼する場合もあります。

保険に加入しているとき

生命保険をはじめとする保険に加入している方は、保険証券などの提出が必要になります。保険証券の提出が必要な保険の種類は、以下の通りです。

・生命保険
・医療保険
・火災保険
・学資保険

とくに生命保険の解約返戻金を担保にお金を借りている場合は、保険証券や解約返戻金の試算書を必ず準備してください。

都道府県民共済や自動車保険は基本的に不要ですが、それ以外は掛け捨ての保険でも証券が必要になる可能性もあります。

添付資料

上記書類のほか、添付する必要がある主な資料は個人再生の場合と同様となります。

申立人の所有する財産や収入状況により、必要となる資料は異なります。