会社を辞めたいけれど、「自分では言い出せない」「退職を切り出すのが怖い」と悩んでいませんか?最近では、そんな方のために、退職の手続きを代わりに行ってくれる「退職代行サービス」を利用する人が増えています。精神的な負担を減らし、スムーズに辞められる方法として注目されています。
ですが、退職代行といっても種類はさまざまです。料金の安いサービスもあれば、弁護士が対応する本格的なものまであります。そのため、よく調べずに安いという理由だけで決めてしまうと、あとからトラブルになったり、思っていたような対応が受けられなかったりすることもあります。そのため、本当に納得のいく退職を実現するには、費用だけでなく、サービスの質やサポート内容をしっかりと比べることが必要です。
この記事では、退職代行サービスの種類ごとの費用相場やサービス内容の違い、選ぶときに注意すべきポイントなどをわかりやすく紹介します。はじめて退職代行を検討する方でも、安心して判断できるように解説していきます。
目次
退職代行サービスの費用相場はいくら?
退職代行サービスを検討するとき、多くの人が気になるのが「費用はいくらかかるのか?」という点ではないでしょうか。
実際には、運営している組織の違いやサービス内容の幅によって、料金にはばらつきがあります。「安ければいい」と単純に決めてしまうのは危険です。なぜなら、安さの裏にサービスの質の差が隠れていることもあるからです。
それでは、実際の費用相場を「民間企業型」「労働組合型」「法律事務所型」の3つに分けて詳しく見ていきましょう。
民間企業型の退職代行の料金相場とは?
まずは、最も利用者が多いとされる民間企業が運営する退職代行サービスの料金を見てみましょう。こちらのタイプは比較的安価で、スピーディーに対応してもらえるという特徴があります。しかし、法律的な対応ができない点には注意が必要です。
サービス名 | 費用(税込) |
---|---|
退職代行EXIT | 20,000円 |
退職代行モームリ | 22,000円 |
退職代行イマスグヤメタイ | 22,000円 |
退職代行ヤメドキ | 24,000円 |
辞めるんです | 27,000円 |
このように、民間型のサービスでは平均23,000円前後で依頼できることが多いです。最安値は20,000円、最高額でも27,000円と、コストを抑えたい人には魅力的です。ただし、会社との交渉などはできないため、トラブルを抱えている場合には不向きといえるでしょう。
労働組合型は少し高めだが安心感がある?
次に紹介するのは、労働組合が運営するタイプの退職代行サービスです。このタイプは、法律上の交渉権限があるため、会社とやりとりが必要な場面でも対応してくれるのが強みです。いわば「民間型と弁護士型の中間」にあたる存在です。
サービス名 | 費用(税込) |
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退職代行ガーディアン | 24,800円 |
退職代行トリケシ | 25,000円 |
退職代行オイトマ | 24,000円 |
退職代行SARABA | 24,000円 |
退職代行ネルサポ(費用調整) | 27,000円 |
平均的な費用は24,960円。民間型よりもやや高めですが、対応力の高さを考えると納得できる範囲です。最安値は24,000円、最高値は27,000円と、費用のブレはそこまで大きくありません。
会社とのやり取りに不安がある方には、労働組合型の選択が向いています。
法律事務所型はやはり高い?でも最も安心
最後は、法律事務所が直接運営する退職代行サービスについてです。弁護士が関わるため、法的なトラブルや損害賠償請求などにも対応できます。万が一、会社が強硬な姿勢を取ってきた場合でも、心強いサポートが受けられます。
サービス名 | 費用(税込・最低額) |
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弁護士法人ガイア総合法律事務所 | 55,000円~ |
弁護士法人みやび | 27,500円~ |
アディーレ法律事務所 | 33,000円~ |
弁護士法人ITJ法律事務所 | 19,900円~ |
ベンゴシNOW | 19,800円~ |
最低金額の平均は31,040円。最安値は19,800円からと意外と手が届きそうですが、上限は55,000円以上になることもあります。
法的サポートが必要な方には唯一無二の選択肢です。その分、料金は確実に高めとなっています。
なぜ退職代行の費用に差があるのか?
退職代行サービスの料金は、業者によって大きく異なります。 その理由は、主に「運営元の種類」「提供されるサービスの内容」「追加料金の有無」など、複数の要因が影響しています。 これらの要素を理解することで、最適なサービスを選ぶ手助けとなります。
運営元で料金体系が大きく変わる?
退職代行サービスの料金は、実は「どこが運営しているか」で大きく変わります。なぜなら、提供できるサービスの幅や対応の深さに、はっきりとした違いがあるからです。つまり、同じ“退職代行”という名前でも、中身はまったく別物だということです。
主に、退職代行を提供しているのは「民間企業」「労働組合」「法律事務所(弁護士)」の3タイプです。
たとえば、民間企業が運営するサービスは費用が安い傾向にあります。2万円台で依頼できるところも多く、手軽さが大きな魅力です。ただし、その分できることは限られており、会社との交渉やトラブルの処理は行えません。
次に、労働組合型のサービスになると、会社との交渉権が法律で認められているため、対応力がグッと上がります。価格は2万5千円前後が相場で、民間型よりやや高めです。その代わり、労働者の立場をしっかり守ってくれる安心感があります。
そして、最も高額なのが弁護士事務所です。費用は3万円~5万円以上かかることもありますが、弁護士が代理人となり、訴訟外の交渉から、訴訟の追行までを一貫して行えるというのが最大の強みです。未払いの給与請求や損害賠償への対応も含まれるため、会社側と深刻な対立がある方には最適です。
このように、運営元の違いによってサービス内容も費用もまったく異なります。価格の差にはしっかりした理由があるため、「安いからお得」とは一概には言えないのです。


一概に最安とは言えない理由とは?
退職代行サービスを探していると、「とにかく安いところがいい」と思ってしまう人も多いでしょう。ですが、それは非常に危険です。なぜなら、安いサービスには、それなりの理由があるからです。見た目の費用が安くても、後で「思っていたのと違った」と後悔するケースが多く見られます。
まず、料金が安いサービスでは対応が不十分な場合があります。特に、民間企業が運営している代行サービスでは、ただ「退職の意思を伝える」だけで終わることがほとんどです。有休の消化や未払いの給料について交渉はしてくれません。対して、弁護士や労働組合が運営するサービスなら、そういった交渉にもきちんと対応してくれます。
また、注意すべきなのは追加料金です。はじめに表示されている金額が安くても、「会社との連絡が多かった」「対応を急いでほしい」といった理由で追加料金が発生することがあります。特に弁護士事務所では、訴訟の有無によって料金が大きく変わることもあるため、事前にしっかり確認しておくべきです。
さらに重要なのが、法的なサポートの違いです。パワハラを受けていたり、会社側と揉めていたりする場合、ただ退職の意思を伝えるだけでは解決しません。交渉はできても、法的手続きに進めない業者を選んでしまうと、問題が長引くことになります。
だからこそ、「安い=良い」とは言い切れないのです。
大切なのは、料金だけでなく、サービスの中身、交渉力、そして信頼できる運営元かどうかを見極めること。しっかりと比較して選ぶことで、納得のいく、スムーズな退職が実現します。
まとめ
費用の違いには理由があると理解して選ぶことが大切です
退職代行サービスには安いものから高いものまで、さまざまな料金設定があります。その差に戸惑う方もいるでしょう。しかし、値段だけを見て判断してしまうのは非常に危険です。というのも、料金の差にははっきりとした理由があるからです。
たとえば、安価なサービスの多くは民間企業が運営しています。こうしたサービスでは退職の意思を会社に伝えるだけで、トラブルが起きたときには対応できません。だからこそ、価格が安く設定されているのです。
一方で、労働組合や弁護士が関与するサービスでは、交渉や法的対応まで行ってくれます。当然そのぶん、料金は高めになりますが、より安心できるサポートが受けられるのです。
料金は安ければ良いというものではなく、自分の置かれた状況や不安に応じて、どの運営元がふさわしいかを見極めることが何より重要です。
安さだけでなく「何をしてくれるか」も比較しましょう
退職代行を選ぶとき、料金の安さに惹かれるのは当然のことです。しかし、本当に注目すべきなのは「そのお金でどんなサービスが受けられるのか」という点です。費用の安さだけで飛びついてしまうと、後から後悔するリスクがあります。
たとえば、同じ料金でも、未払い給料の請求や有給の消化まで対応してくれるところもあれば、ただメッセージを伝えるだけで終わってしまう場合もあります。対応内容に差がある以上、料金だけを比べても意味がないのです。
また、スピードや相談のしやすさ、連絡がスムーズかどうかといった「使いやすさ」も大事です。24時間対応してくれるサービスなら、急いで退職したい人にも安心です。
だからこそ、費用の額だけではなく、「自分にとって必要なことが含まれているか」という観点からサービスを見比べることが、後悔しない選択につながります。
最終的には「安心して任せられるか」が決め手になる
退職は、人生の中でもかなり大きな決断です。それを他人に任せるというのですから、信頼できる相手を選ぶのは当然のことです。料金だけで判断してしまうと、本当に大事な部分が見えなくなってしまうおそれがあります。
安心して任せられるサービスかどうかを判断するためには、実際の利用者の声や評判を確認するのも有効です。「対応が早かった」「説明がわかりやすかった」「不安な気持ちを受け止めてくれた」など、信頼できる対応をしているかが分かるヒントがたくさんあります。
特に、会社とトラブルになりそうな人や、精神的に追い詰められている方にとっては、「任せてよかった」と思える対応が受けられるかどうかが一番のポイントになります。
だからこそ、金額よりも「信頼できるか」「しっかり話を聞いてくれるか」に注目して、自分にぴったりの退職代行を選ぶべきです。それが、スムーズで後悔のない退職への近道となるのです。