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債務整理

債務整理中にお金をどうしても借りたいときはどうすればいい?絶対に止めた方が良い理由を解説します

債務整理中は信用情報に影響が出ていることから、お金が必要になっても貸してくれる業者はほとんどいません。

このような窮状に付け込んで、高利貸しで儲ける中小の街金業者や、法律上認められている以上の金利を取ろうとする違法の疑いのある個人間の融資が近寄ってきます。

さらに、債務整理中の借り入れは、債務整理手続きを失敗させるリスクもあります。

この記事でわかること💡

債務整理中にお金を借りてもいけない理由

どうしてもお金が必要になった時の対処法

債務整理中にお金を借りるのはNG、借りてはいけない理由

そもそも債務整理中はお金を借りられない

そもそも債務整理中は、信用情報機関に「債務整理を行っている」という記録が残ります。

これは異動情報といい、いわゆる「ブラックリスト」「事故情報」という状態です。

そして、審査の際には信用情報を確認され、審査に悪影響を及ぼすこととなるのです。

特に、大手の消費者金融やクレジットカード会社では、過去の膨大な貸付実績に基づき、どのような人が安全か、または危険かを見極める基準を定めており、「申し込み情報」と「信用情報」といった申込人の情報を点数化することで審査を行っています。

信用情報に事故情報が記載されていることは、その人の点数を大きく下げる原因になることから、大手の消費者金融やクレジットカード会社では、審査に通らない可能性が非常に高いのです。

債務整理中にお金を貸してくれる貸金業者とは

では、すべての消費者金融やクレジットカード会社がお金を貸してくれないのかというとそういうわけではありません。

信用情報や上記のような信用情報の点数付けというのは、あくまで基準であり絶対的なものではないからです。

では、どのような人であれば債務整理中にお金を貸してくれるのでしょうか?

それは、中小規模の街金業者や信用情報を確認しない個人間の融資、そして、法律を守るつもりのない闇金業者ということになってしまいます。

確かにお金に困っている状況では、お金を貸してくれる人は優しい人に見えますが、これらの業者からお金を借り入れることは、大きなリスクを伴います。

ケース①|高利貸しの中小消費者金融

知名度の低い中小規模の街金業者などは、債務整理中のリスクが高い顧客に対しても貸付を行うことがあります。

特に面談方式で審査をする場合、信用情報だけでなく申込者の個別状況や将来の収入見込みなどを評価し、総合的な要素を考慮して貸し付けを決定します。

このようなアプローチは、大手の消費者金融などの機械的な信用判定とは異なり、より人間味が感じられると言えます。

ただし、中小の街金業者は善意の機関ではなく、利益を追求する企業です。

そのため、ハイリスクの顧客に対しては、通常、比較的小額の融資額(約10万円程度)と高い利息率(年18-20%程度)が設定されることが多いです。

また、貸付条件は寛容な傾向がある反面、催促行為は非常に厳格で、支払いが滞ると自宅や職場への訪問も行われることがあります。

さらに、法的措置に至るまでの期間が短いため、滞納から半年程度で訴訟に至ることも少なくありません。

加えて、債務整理に対しても否定的な姿勢を示す中小の街金業者が多く存在し、

「任意整理に関して全く協力しない」
「返済条件を緩和しない」
「個人再生に反対する」

などの厳格な措置を取る場合もあります。

そのため、債務整理中には街金業者との関わりは避けることが無難と言えるでしょう。

ケース②|個人間融資や闇金

最近、SNSやオンラインフォーラムなどで、「お金を貸します」や「融資します」「ブラックでも即日OK」といった書き込みをして、個人同士のお金の貸し借りが提案されている状況が増加しています。

お金に困った際、借り入れが難しい状況にある人々は、このような書き込みに頼る誘惑に駆られることがありますが、個人間融資には潜在的な危険が伴います。

このような個人間融資では、個人を名乗った反社会勢力が入り込んでいることも多く、その貸し付けのほとんどは非合法な高金利融資が行われています。

また、このような闇金業者による個人間融資を受けた人々の情報は他の業者と共有されていることがあるため、次々と闇金業者が近づいてきて、どれだけ返済をしても全く借金の減らない、借金地獄の多重債務者にされてしまう可能性があります。

さらに、個人情報が不正に悪用されることで、犯罪被害やトラブルに巻き込まれる危険性が高まります。

個人同士の融資を求める行為は、悪質な違法行為を助長する可能性があるため、注意が必要です。

そもそも、貸金業法によれば、個人であっても、継続的な融資活動を行う場合、法律に基づく貸金業者の登録が必要です。

したがって、無登録の金銭貸し借りを勧める個人間融資は、最初から違法行為の可能性があることを認識している危ない相手なのです。

以上の理由から、不特定多数の人々にお金の貸し借りを提案する個人間融資の業者とは距離を置き、接触しないようにするべきです。

債務整理中にお金を借りるとどうなる?

前述したリスクを承知で、債務整理中にお金を借りるとどうなるのでしょうか?

返済が難しくなるだけ

まず、「返済が難しくなる」ということが考えられます。

お金を借りるということは、当然ですがお金を返すということです。

ただでさえ、お金がないから債務整理をしているのにもかかわらず、返済額を増やしてしまっては、返済が難しくなるのは明らかです。

また、「お金がないからどこかから借りる」というのは、一時的にはお金が増えて良いかもしれませんが、長期的には家計を圧迫し、さらなる負債を増やすという負のスパイラルに陥る原因になります。

債務整理手続が失敗するリスクが増える

債務整理中にお金を借りてはいけないのには、家計収支以外の理由もあります。

債務整理の手続きが失敗するリスクが増えるということが考えられるためです。

すでに述べました通り、中小の街金業者では、融資条件は比較的緩やかであるものの、返済条件は非常に厳しいということもあります。

例えば、任意整理という手続きをする際には、相手方と返済条件に付いて合意をしなければなりませんが、中小の街金業者の場合は

「任意整理は受け付けない」
「一括返済のみ受け付ける」
「貸付金の半額を頭金として準備しろ」

というような、かなりハードルの高い条件を付けられてしまうことがしばしばあります。

また、自己破産の手続きにおいては、手続き中に新規の借り入れを行うことは、自己破産を認めないという免責不許可に該当する恐れがあることも覚えておきましょう。

もし、自己破産で免責が得られなかった場合、借金の返済義務はすべて残ります。

少し悪い言い方ですが、一生、借金を抱えたまま生きていかなければならなくなってしますのです。

債務整理を依頼している弁護士や司法書士が委任契約を解除してしまう

第三に、「債務整理を依頼している弁護士や司法書士が委任契約を解除してしまう」という危険があることについてもご紹介します。

債務整理を依頼している弁護士や司法書士は、「債務整理をきちんと最初から最後までやり遂げる」ことが仕事です。

自己破産なら、免責許可が出るまで債務者をサポートしますし、任意整理でも、返済条件に付いての合意が出来るまで何度も話し合いを持つこともあるのです。

このように、弁護士や司法書士は、債務者のために仕事をしています。

にもかかわらず、当事者である債務者がお金を借り、自ら債務整理手続が失敗させるような行為をするようであれば、もはや、信頼関係は築けません。

そのため、「これ以上、面倒を見ることはできない」と判断をした弁護士や司法書士は、債務者との委任契約を解除することがあるのです。

債務整理中にお金をどうしても借りたいときの対処法

働いて稼ぐ

債務整理中にどうしてもお金が借りたいのは、なぜでしょうか?

「生活費が足りない」
「光熱費がないため、今日でガスを止められる」
「趣味や娯楽にもっとたくさんのお金を使いたい」

など、様々な理由が考えられます。

ただ、家賃や、生活費、光熱費などの生活に必須のお金は、生きていく限り必ず発生するものです。

その必要最低限のお金が稼げず、支出が収入を上回り、赤字を借金で賄うことを続けていては、何回債務整理をしても足りません。

必要なお金は自分で稼ぎましょう。

そのために家計を見直して、本当に必要なお金が何かを見直し、家計を黒字にするよう努力しましょう。

そのうえでなお、不足が出たりより多くのお金を使いたいのであれば、仕事を増やして収入を上げるか、副業やバイトなどをするべきです。

確かに、働いて収入を増やすというのは、即日でお金を手に入れられる方法ではありませんが、長期的には二度目、三度目の債務整理を避けるために必要な生活改善と言えるでしょう。

知人や家族に頼る

もし急にお金が必要で、収入だけでは足りない場合、身近な友達や家族に頼むことを考えてもいいかもしれません。

知人や家族からの借り入れでは、利子を払わなくても済むことが多く、必要以上に借金の負担を増やしません。

しかし、気をつけなければならないこともあります。

例えば、お金を返済できない場合には、関係がこじれる可能性があります。

お金を貸すことは、貸す相手が友達や家族であっても、大きな決断です。

国の制度に頼る

意外と知られていませんが、国や地方自治体では各種の社会保障制度を準備しており、これらを利用することにより、新たな借り入れをせずに生活を再建できる可能性があります。

例えば、ほとんど知られていませんが、生計困難者のために、無料又は低額な料金で診療を行う病院(無料低額診断事業)が存在してますし、食べるものがない状態の低所得者に対して、役所にフードバンクを設けている自治体も存在します。

生活相談窓口では、家賃を滞納して追い出された人に向けて、無料で泊まれる場所を紹介していることもあります。

また、医療や生活に困った人に一時的に資金を貸し付ける制度なども用意されています。

これらの制度は、多くが低利子で返済開始までの猶予期間があることから、生活再生のために活用することを考えてもいいかもしれません。

以下に、一例をあげます。

制度名備考
生活福祉資金貸付制度債務整理中でも利用可能無利子または低い利率(1~3%)用途は多岐にわたり、返済に猶予や免除も可能
緊急小口資金少額融資、無利子または低い利率(1~3%)審査があり、最短で5日ほどかかる場合あり
求職者支援資金融資制度ハローワークの支援を受けている人が対象返済期限あり
母子父子寡婦福祉資金貸付制度母子家庭または父子家庭向けに多目的な支援を提供、利息は1~3%程度
高額医療費資金貸付制度医療費の支払いが困難な世帯に対し、高額療養費が支給されるまでの間、無利子で資金貸付

何故そんなにお金が必要なのか考えてみる

最後に、耳の痛い言葉を述べる必要があります。

一体なぜ、お金が必要で借りなければならないのでしょうか?

「お金が不足しているから」と一言で結論付けてしまうことは、思考停止の表れです。

なぜお金が無いのか、理由は一つだけです。お金は使うから減るのです。

ある日突然、財布に入っている一万円札の福沢諭吉が人間になって、慶応義塾大学に逃げて行ったわけではありません。

お金が不足しているのは、お金を使ったあなたの責任であり、誰かのせいではありません。

「あなたが自己の意志でお金を使い、その結果お金がなくなった」、これだけのことです。

この責任を直視することなく、単に「お金が足りないから借りたい」という都合の良い言葉を使うべきではありません。

債務整理期間中、お金に困ることは多数あるでしょう。

その困難こそ、「何故そんなにお金が必要なのか」を考えるための重要な機会です。

「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」と言いますが、せめて経験から学べるように、借金と真摯に向き合ってください。

まとめ

債務整理中にお金を借りることはおすすめできません。

その理由は、まず第一に、債務整理中はお金を借りることが難しい場合が多いからです。

またこのような状況でお金を貸してくれるのは、高金利の中小消費者金融や個人からの融資、あるいは闇金などであることがほとんどで、これらを選択することは危険です。

これらの選択をすると、返済が非常に難しくなる可能性が高まり、また債務整理手続きが頓挫するリスクも高まるでしょう。

代わりに、資金が必要な場合は、親しい友人や家族に助けを求める、国のサポート制度を活用する、または自分自身で働いて収入を得る方法を検討すべきです。

最も大切なのは、なぜ資金が必要なのかを考え、それに合った方法で資金を調達することです。