債務整理

借金を完済後、車のローンはいつから組める?

債務整理をすると、借金問題については解決することが出来ます。

しかし借金問題を解決することが出来ても、一定期間は借入する事が出来なくなる、

いわゆるブラックリスト状態となってしまい、車のローンを組むことは難しくなります。

今回は

今回のテーマ
  • 債務整理後に車のローンを組めなくなる仕組み
  • 債務整理後にすぐに車を手に入れる方法
  • 債務整理後に自動車ローンを組めた人がしていたこと

について、解説します。

債務整理をすると一定期間ローン審査に通りづらくなる

借金を返済することが苦しい場合、債務整理が解決方法のひとつとして考えられます。

しかし、債務整理をすると信用情報に金融事故情報が記録されることとなります。

その結果、ほとんどの金融機関の融資の審査に通らなくなります。

この状態のことを、一般的にはブラックリスト状態と呼びます。

ブラックリスト状態に陥ってしまうと、クレジットカードを新規で作成したり,

ローンなどの審査に通りづらい状態となってしまいます。

そして、車のローンの信販会社においても同様に、審査が通りづらくなります。

これは、車のローンの信販会社も融資の審査の際、信用情報を参照するからです。

ブラックリスト状態の期間

債務整理をしたことで事故情報が登録されてしまう期間は、おおよそ5~10年です。

審査に通りづらい期間は、行った債務整理の種類ごとに異なります。

任意整理完済後から5年程度
個人再生手続き後から10年程度
自己破産手続き後から10年程度

なお、上記期間が経過した後も、いつまで経ってもローンが組めない事があります。

このような場合、社内ブラックに登録されている恐れがあります。

社内ブラックとは、金融機関が社内で独自に設けているブラックリストの様なものです。

社内ブラックでは、過去に迷惑をかけられた債務者の情報などが記録されています。

例えば、クレーマーや返済不能、債務整理歴も記載されている可能性があります。

社内ブラックは各社独自基準で作成されているものです。

ですので、定型的なものがあるわけではありません。

ただ、ここでは「この様なケースが多い」という情報を参考程度に紹介します。

  • ・延滞等による強制退会
  • ・自己破産で利用代金が免責された
  • ・債務整理の手続きにより、契約どおりの返済がされなかった
  • ・クレジットカード会社やローン会社との間でトラブルを起こした

社内ブラック情報は、信用情報の事故情報とは異なり、消える期間が決まっていません。

その為、会社の社内ブラックに載ると、同じ会社では借入れができない恐れがあります。

債務整理の手続き後すぐに自動車を購入する方法

ここまで、任意整理の完済から5年程度、個人再生・自己破産の手続きから10年程度はブラックリスト状態となるため、車のローンの審査に通りづらいと解説しました。

この期間は、ブラックリスト状態でなくなるまで待つしかありません。

すでに車をお持ちなら大事に使って数年持たせるしかありません。

では、どうしても自動車を購入しなければならない場合、どうすれば良いでしょうか。

自動車を購入する方法

中古車を現金で一括購入する

特に交通手段に乏しい地方にお住まいの方ですと、車は必需品とさえいえるものです。

ですので、

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どんな車でもいいので車が必要

という方もおられるかもしれません。

そんな時は、一括購入できる中古車を探すという方法があります。

一括購入には、信用情報の必要はありませんので、問題なく購入可能です。

10〜20万ほどの中古車を現金一括で購入し、ブラックが明けるまで持たせましょう。

家族名義でローンを組んで自動車を購入する

次に、ブラックリスト状態ではない家族に、車のローンを組んでもらう方法です。

そもそも、ブラックになるのは債務整理をした本人だけで、家族に影響はありません。

そのため、家族名義なら車のローンを組める可能性があるのです。

ただし、車のローンの支払いについては、注意が必要です。

ローンの支払いは、申込者本人名義の口座からの引き落としをになることがほとんどですので、契約してもらった家族に対して、使用者から毎月の返済金額を手渡しで渡すか、振込の形で支払うことになるでしょう。

レンタカーを利用する

車が必要な時だけレンタカーを利用するのもひとつの手段です。

レンタカーは、申込時に免許証を提示するだけで、利用料の支払いも現金で出来ます。

ブラックリスト状態の方であっても問題なく利用する事が出来ます。

また、マイカーと比べて車の維持費がかからないというメリットもあります。

ただし、一部のカーシェアやカーリースについては、審査が必要な場合があります。

また、クレジットカード払いしか対応できないケースもあるので、注意しましょう。

その他の方法

ほかにも、個人の中古車販売店で購入するという方法があります。

その場合、自社ローンで分割支払いの契約ができることもあります。

ただし、自社ローンは、一般的に手数料が高くなる傾向があります。

そのため、自社ローンでの契約を行うのは、やむを得ない場合に限るべきでしょう。

ブラックリスト期間の後、マイカーローン審査に通った人がしていること

債務整理をすると、必ずブラックリスト状態に陥ってしまいます。

しかしながら、ブラックリスト状態に陥ったとしても一生ローンを組めないといったことはないです。

以下では、債務整理後にどうしても車のローンを検討しなければならない場合、

ローン審査に通るためにできる工夫について、そのポイントを解説します。

ブラックリスト期間後に車のローンを組むときのポイント

債務整理後、5〜10年程度たてば登録されている事故情報が消え、基本的に事故情報が審査に影響を及ぼすことがなくなります。

  • 期間経過後に車のローンを申し込む際は、以下の点に注意しましょう。
  • ・信用情報機関で事故情報が消えているかを確認する
  • ・債務整理の対象にした金融機関を避けて申し込む
  • ・頭金は多めに用意しておく
  • ・事前に仮審査を利用する
  • ・本審査に落ちた場合は続けて車のローンを申し込まない
  • ・車のローンに申し込む前に信用力を上げておく
  • ・車のローン申し込み前の転職は避ける
  • ・必要に応じて保証人を立てる

各ポイントについて紹介します。

信用情報機関で事故情報が消えているかを確認する

車のローンに申し込むのは、事故情報の登録が削除されたことを確認する方が確実です。

事故情報が消えているか否かは、各信用情報機関に情報開示請求を行えば分かります。

※12023年7月時点の情報です。ご利用の際は各公式サイトで最新の情報をご確認下さい。
※2郵送での開示依頼の場合、速達郵便を利用する場合は別途費用が発生します。

債務整理の対象にした金融機関を避けて申し込む

債務整理の対象にした金融機関では、社内ブラックとして情報が残る可能性があります。

ですので、たとえ事故情報が消えていたとしても、審査に通らないケースがあります。

具体的には、以下のような金融機関への申し込みを避けるようにしてください。

  • ・任意整理で交渉の対象にした貸金業者・金融機関とその系列会社
  • ・自己破産や個人再生をした時点で借り入れがあった貸金業者・金融機関とその系列会社

頭金は多めに用意しておく

車のローンの審査に自信がなければ、頭金を多めに用意するのが良いでしょう。

頭金を入れることで借入する金額も少なくすることができ、審査に有利に働きます。

さらに、頭金があることで金融機関に対して「計画的に貯蓄ができる人」という印象を与えることができ、審査する際にプラスの評価に繋がります。

事前に仮審査を利用する

金融機関によっては、車のローンの仮審査を設けています。

これは、年収や住所、勤続年数、属性などの情報から、

車のローンを借りられる見込みがあるかどうかを簡易的に審査してもらうことが出来ます。

  • 仮審査を利用すると以下のようなメリットがあります。
  • ・本審査より短期間で審査が終わることが多い
  • ・仮審査の結果は信用情報に照会情報が残らない
  • ・仮審査の結果から車のローンの頭金や借り入れる額を検討できる

本審査に落ちた場合は続けて車のローンを申し込まない

事故情報が抹消された後でも、年収と借入金額とのバランスにより、車のローンの本審査に通らない可能性があります。

本審査に通らなかった場合、できるだけ最低でも6ヶ月以上の時間をあけてから別の車のローンに申し込むようにしてください。

本審査の場合、信用情報には、金融機関による照会情報も登録されてしまいます。

ローンの審査に立て続けに申し込むと、照会情報がいくつも登録されてしまいます。

「他の金融機関に断られている」と判断され、審査に通りにくくなる可能性があるのです。

車のローンに申込む前に信用力を上げておく

車のローンの新規申込みがあった場合、金融機関は信用情報機関の情報を確認して融資するかどうか判断をします。

事故情報が消えた後は、クレジットカードなどの利用履歴が全て記録されていない状態になります。

これは、クレジットカードなどの支払い実績がないことを意味します。

よって、審査の対象者を信用することが出来るかどうかの判断をする事が出来ず、審査に落ちてしまう原因になり得ます。

その為、申込み前に信用情報機関に取引情報を増やすことで、審査に通りやすくなるとも言われています。

例えばですが、携帯電話を分割払いで購入し、滞納なく支払っていれば、分割払いの履歴を確認することができ、遅滞していないのであれば信用することが出来る人物として審査に通る可能性が高まります。

無理のない金額で、信用情報機関の取引情報を増やすことについて検討してみましょう。

車のローン申し込み前の転職は避ける

車のローンの申込み時、勤続年数を申告するケースもあります。

1社に勤めている年数が短ければ、審査に通りづらくなる可能性もあります。

また、ローンの支払いは安定的な収入が不可欠です。

ですので、車のローンの申込み前は、転職をひかえておくのが無難だといえます。

必要に応じて保証人を立てる

車のローンの審査に際、保証人を選任するよう求められることがあります。

その為、場合によっては保証人を選任することになりますので、誰に保証人になってもらうかを事前に決めておくと安心です。

なお、保証人になる為の審査はあり、保証人の信用情報機関に照会が行われます。

保証人になる場合であっても、直近で債務整理をしている人は、保証人になることは難しいので注意が必要です。

  • 記事監修者
  • 弁護士 近藤 裕之
  • 翔躍法律事務所 所属
  • 第一東京弁護士会 所属
  • ※法律問題に関するテキスト監修に限る