近年、ファクタリングは、銀行融資やカードローンといった伝統的な資金調達方法以外の資金調達方法として非常に注目されています。
多くの企業がファクタリングの利用をしており、ファクタリングに興味がある方も多いのではないでしょうか。
しかし、ファクタリングの中には、消費者庁が注意喚起をしているファクタリングも残念ながらあります。
✅給料ファクタリングが警告されている理由
✅給料ファクタリングは避けた方がいい理由
わかりやすく説明をしますので、参考にしてください。
この記事は、弁護士赤瀬康明(東京弁護士会)に監修して頂いております。
目次
給料ファクタリングとは
給料ファクタリングとは給料を利用してお金を調達する方法です。
要は給料の前借りだと考えればわかりやすいのではないでしょうか。
給料ファクタリングを利用することによって、給料日前にお金を手にすることができます。
一見すると良さそうなシステムに見えますが、給料ファクタリングは、消費者庁が警告をしているほど危険な場合が多いです。
それではこれから給料ファクタリングについて詳しく説明をしていきますので、ぜひ最後まで読んでください。
給料ファクタリングの種類は2つ
給料ファクタリングには主に2つの種類があります。
2社間給料ファクタリング
3社間給料ファクタリング
それぞれの仕組みについてわかりやすく説明をしますので、参考にしてください。
2社間給料ファクタリング
2社間給料ファクタリングとは、給料ファクタリングの利用者とファクタリング業者の間に行われるファクタリングです。
2社間ファクタリングでは、まず給料ファクタリングの利用者がファクタリング業者に給料明細や源泉徴収票などの書類を渡します。
そして、給料日前に、ファクタリング業者は、お金をファクタリング利用者に渡すのです。
在籍確認は、電話で行うとしても、業者名は名乗ることがないので、勤務先にバレる心配はありません。
給料が入ってきたタイミングでファクタリング業者がファクタリング利用者から回収を行います。
2社間給料ファクタリングの最大のメリットは勤務先に給料ファクタリングの利用がバレないことです。
一方、手数料は後ほど説明する3社間給料ファクタリングに比べて高くなります。
3社間給料ファクタリング
3者間給料ファクタリングとは、ファクタリングの事業者とファクタリング業者、そして勤務先の3者間で行われる給料ファクタリングです。
まずファクタリング利用者は、給料明細や源泉徴収票などをファクタリング業者に渡します。
そしてファクタリング業者は、資料をもとにファクタリング利用者に資金を渡します。
そして回収は、ファクタリング業者が直接、勤務先に連絡をして回収を行うのです。
このように3社間で行われるファクタリングを3社間給料ファクタリングといいます。
3社間給料ファクタリングを勤務先から直接資金の回収を行うため、2社間ファクタリングに比べて貸倒で心配がありません。
そのため手数料が低くなります。
ただし、勤務先に確実にバレてしまうのがデメリットになるでしょう。
では、なぜ給料ファクタリングが消費者庁から警告されているのでしょうか。
その理由について次の章で詳しく説明します。
給料ファクタリングが、消費者庁から警告をされている理由
給料ファクタリングが消費者庁から警告されている主な理由は4つです。
手数料が高すぎる
違法な業者が多い
1回でも利用すると抜け出しにくい
多重債務者になりやすい
それぞれの理由についてわかりやすく説明をしますので、参考にしてください。
手数料が高すぎる
給料ファクタリングは、手数料が高すぎるケースが非常に多いです。
年率換算で20%以上の手数料がかかるケースが普通にあるため、消費者庁は警告をしているのです。
年率換算20%以上になると、もはや違法な水準になるため、給料ファクタリングは危険といわれています。
手軽に利用できるような広告が多いので注意してください。
給料ファクタリングはそんなに優しいものではありません。
違法な業者が多い
給料ファクタリングを取り扱っている業者は、残念ながら違法な業者が多いです。
ヤミ金から給料ファクタリング業者に変わった業者も少なくありません。
違法な業者が非常に多いのも消費者庁が給料ファクタリングを問題視する理由です。
1回でも利用すると抜け出しにくい
給料ファクタリングは非常に手数料が高いため、1回でも利用するとなかなか抜け出せなくなってしまいます。
例えば給料が300,000円で20%の手数料がかかる場合、1回利用すると60,000円もの手数料がかかります。
確かに給料の前借りができて、その場は助かるかもしれませんが、給料の20%分もの手数料がかかってしまうとすぐにお金は枯渇してしまうでしょう。
そして結局また前借りをする必要があるため、給料ファクタリングを利用せざるえなくなってしまうのです。
このように1回でも利用すると抜け出しにくくなってしまうのも、消費者庁が問題視している理由になります。
多重債務者になりやすい
給料ファクタリングは一度でも利用すると、多重債務者になりやすいです。
なぜなら手数料が非常に高いので、一回でも利用すると抜け出しにくくなってしまうからです。
生活費が苦しくなって給料ファクタリング以外にヤミ金などに手を出してしまう可能性も高くなります。
このように多重債務者になりやすいのも給料ファクタリングが問題視されている理由になるでしょう。
給料ファクタリングが広まった理由
給料ファクタリングが急速に広まった理由はいくつかありますが、主な理由は3つです。
簡単に利用しやすい
2社間ファクタリングであれば、勤務先にバレずに利用できる
金融ブラックでも利用できる
給料ファクタリングが広まった理由についてわかりやすく説明をしますので、参考にしてください。
簡単に利用しやすい
給料ファクタリングは手数料が非常に高いですが、利用しやすいです。
簡単な審査でほぼ全ての人が利用できるため、多くの人が利用をしてしまっているのでしょう。
簡単に利用できてしまうのは給料ファクタリングが急速に広がっている理由の1つになります。
2社間ファクタリングであれば、勤務先にバレずに利用できる
給料の前借りに抵抗がある人は多いはずです。
なかなか上司にいえないケースも多いでしょう。
3社間給料ファクタリングの場合は会社にバレてしまいますが、2社間ファクタリングであれば勤務先にバレずに給料の前借りができます。
勤務先にバレずに簡単に利用できるのも給料ファクタリングが広まっている理由になるでしょう。
金融ブラックでも利用できる
消費者金融や銀行のカードローンの場合、個人信用情報に延滞や自己破産などの履歴があるとまず利用はできません。
いわゆる金融ブラックでもお金を借りるのは非常に難しいのです。
しかし、給料ファクタリングであれば、金融ブラックでも簡単に利用ができます。
お金で本当に困っている金融ブラックの人でも利用ができてしまうのが給料ファクタリングが急速に広まった理由の1つになるでしょう。
給料ファクタリングは基本的に違法だと考えた方が良い!
給料ファクタリングの中には、適切な金利で運営をしている会社があるかもしれません。
しかし、基本給料ファクタリングは違法だと考えた方が良いでしょう。
お金に困っているのであれば、消費者金融や銀行系のカードローンの利用がお勧めです。
またそれらの利用ができなければ市役所に相談するのも良いでしょう。
お金に困っても給料ファクタリングの利用は基本しないのが良いです。
ファクタリング自体は決して違法ではない!
給料ファクタリングに関しては、違法な可能性が高いですが、ファクタリング自体は決して違法ではありません。
確かに、残念ながら、給料ファクタリング以外のファクタリングを提供している業者の中にも、悪質な業者が存在します。
しかし、ほとんどの業者は誠意を持って対応をしているのが現状です。
ファクタリングは自社の信用力が悪くても利用できるなど様々なメリットがあります。
銀行融資やカードローン等の利用ができない方でも、利用ができ、経営の立て直しの一助になるはずです。
給料ファクタリングに引っ張られてファクタリング自体に悪いイメージを持っていただかないようにしていただければ幸いです。
ファクタリングの主なメリットについてまとめました。
自社の信用状況が悪くても利用できる
銀行融資やカードローンの審査に影響しない
最短即日資金調達ができる
ファクタリングは、銀行融資やカードローン等と違って、自社の信用状況が悪くても利用できる可能性がある資金調達方法です。
ファクタリング以外になかなか自社の信用状況が悪くて、利用できる資金調達は少ないので、大きなメリットになります。
また、ファクタリングは決算書に載せる必要がないので、今後の銀行融資やカードローンの審査に影響しません。
ファクタリングを利用したからといって、今後の銀行融資やカードローンの審査に影響してしまうリスクがないのは大きなメリットになるでしょう。
ファクタリングは資金調達のスピードも速く、最短即日資金調達が可能です。
カードローンの場合は、消費者金融系であれば、最短即日の資金調達は可能ですが、銀行融資で即日資金調達できるケースは非常に少ないはずです。
資金調達のスピードが早いのもファクタリングの大きなメリットになるでしょう。
このように、ファクタリングには、銀行融資やカードなど伝統的な資金調達方法にはない様々なメリットがあります。
給料ファクタリング以外のファクタリングは悪くありませんので、積極的に利用を検討しましょう。
まとめ
今回は、消費者庁が警告をしている給料ファクタリングについて説明をしました。
給料ファクタリングは危険なファクタリングです。
ぜひ今回の記事を参考にしていただき、給料ファクタリングの利用を控えるようにしていただければ幸いです。