債務整理をした事が会社にバレてしまう事を不安に感じる人は、たくさんいらっしゃると思います。
会社も含めて最も周囲にバレない債務整理の方法は任意整理ですが、任意整理だけではなく、自己破産や個人再生でも周囲に知られずに進める事が出来る可能性はあります。
そうは言っても、100%バレないという保証はありません。
今回は周囲にバレてしまうケース、バレないため知っておいた方が良いポイント、バレずに手続きをする方法を解説していきます。
債務整理をしても周囲にバレないのか
借金をしていると、周りの人(特に身近な家族や会社)などにバレてしまうことが何より心配です。
周りに知られてしまうのが、怖くて債務整理に踏み切れない人もたくさんいます。
そのような悩みを解決できるように解説します。
多くの人は、借金をしていることを周囲に知らせていない
大半の方がわざわざ借金がある事を、職場の人や友人には話さないと思います。
また、身近な存在だからこそ家族には、最も言いにくいという方も多いと思います。
もし借金が妻や夫にバレたら離婚されるかもしれないと不安を抱えている方が、家族などに借金がバレてしまうと大変な事になってしまうので、毎月の返済がどんなに大変な状態でも債務整理をしないで我慢してしまいます。
我慢して、結局返済が滞ってしまうと債権者から自宅や会社に連絡が入ってしまいバレてしまう可能性が結果として上がってしまいます。
債務整理をしても、家族や会社に借金がバレる事はほぼないですし、バレない方法もあります。
ここでは具体的な方法を紹介しますので、借金でお困りの方は最後までお読みください。
債務整理を知られやすい人とは?
債務整理をしている事を周囲にバレたくないと思う方は多いと思いますが、周囲と言っても色々な人がいます。
その中には借金を知られやすい人・知られにくい人がいます。
どのような人にバレにくいのか、また反対にバレやすいのかを解説します。
友人
借金をしている事を、普段仲良くしている友人や、知人、親戚などにはできる限りバレないようにしたいものですが、基本的にこのような人たちに借金がバレる可能性は限りなく低いです。
自分から借金の話をしない限り、友人や知人から「借金してる?」などと唐突に聞かれる事はまずないと思います。
また、債権者から友人や知人に連絡が入るなんてこともありませんし、書類が届く事ももちろんありません。
友人がもし自宅へ遊びに来て、その際に督促状を見られてしまう事はあるかもしれませんが、そのような事にならないよう片付けておけばいい事です。
ですので、債務整理をする時にも、友人や知人にバレる心配はする必要はないと言えるでしょう。
会社
借金をしている事を知られたくない相手として会社を挙げる方はたくさんいます。
勤務先に、もし借金をしている事を知られたら後ろ指をさされるのではないかと不安になり、通勤するのも気が重くなってしまいます。
借金をしていたとしても、懲戒事由になる会社はまずないですので、解雇や減給の懲戒を受ける心配はありません。
家を持っている人も住宅ローンは借金ですし、車を持っている人も車のローンは借金です。
借金があるからと言って解雇などの処罰を受けるのではたまりません。
しかし、何故かクレジットカードや消費者金融での借入は後ろ指をさされ、噂が社内に広まり居心地がかなり悪くなってしまう可能性もありますし、昇進に影響してしまう事も懸念されます。
会社に借金がバレてしまう可能性は、友人・知人よりも高くはなりますが、そこまで頻繁にある事ではありませんので心配するレベルは低いと言えるでしょう。
同居の家族や恋人
1番借金がバレやすいのが、同居している家族や恋人となります。
借金をしていると、債権者から電話が来たり郵便物が届きます。
もし家族が電話に出たり、郵便物を家族や恋人が見てしまうと借金がバレる事になります。
同居人に借金を内緒にしている場合は特に注意が必要です。
債務整理をしている事もバレやすいのですが、債務整理をせずに返済をしていてもちょっとしたきっかけでバレてしまう事があります。
債務整理を自分で進めたら借金がバレるの?
債務整理をしても会社や家族、同居人にバレる事がないなら安心だと思って頂けたかとは思うのですが、それでも安心するのは少し早いです。
債務整理をすると言っても、専門家に頼まず自分で手続きを進めてしまうと家族や同居人にバレてしまう可能性が高いのです。
特に同居の家族がいる中で個人再生や自己破産をすると、バレずに進めて行くのは不可能に近いです。
債務整理をするためには、多くの必要書類を集めなければいけませんし、複数の債権者と何回もやり取りをしないといけなくなります。
債権者から電話が何度もかかってきますし、多くの郵便物が自宅に届いてしまいます。
そうなると、家族が電話に出たり、郵便物を見てしまう事があるので最後まで内緒で進める事は非常に困難です。
自宅で必要書類の作成をしていれば、それを見られてしまう事もありますし、パソコン内に保存している文書を見られてしまう事も充分に考えられます。
家族や同居人に内緒のままで最後まで債務整理をしたいのであれば、絶対に司法書士や弁護士へ依頼する必要があるのです。
債務整理を専門家に依頼するとバレにくい理由
専門家に依頼したら本当に家族などに内緒で債務整理できるのでしょうか?
債権者からの督促が来ない
まず、専門家に依頼する事で、債権者からの督促が止まります。
債務整理を考えている方は、すでに借金の返済が遅れてしまったり全く支払えない状況になっていて、債権者から督促が来ている事も多いかと思います。
しかし、専門家が債務整理に着手すると、そのような督促が驚くほど早くピタッと止まるのです。
本当にその日から、督促の電話や通知が一切なくなるのでビックリする方も多いです。
これは、『貸金業法21条1項9号』で、弁護士や司法書士等の専門家が送付した受任通知を受け取った後は、貸金業者は債務者から、正当な理由なく電話・電報・FAX・訪問などの方法で直接借金を取り立ててはいけないということが決められているのです。
弁護士や司法書士などの専門家に債務整理を依頼した場合に、借金の督促が止まる理由はこの法律に基づいているからです。
なので、債務整理を専門家に依頼したら、自宅への電話や手紙がなくなり家族に見られるリスクがなくなります。
返済が不要になる
専門家に債務整理を依頼すると返済不要になります。(自己破産以外はいずれ返済していくことになります)
借金の返済は毎月必ずしていかなければなりませんが、毎月家族にバレる事を恐れながらこっそりと返済を続けている方も多いと思いますし、滞納をすると督促が来るので必死で払っている事も多くあると思います。
この返済を専門家に依頼する事で一旦は止める事ができます。
返済をしなくても債権者から何かを言われる事もありませんし、後日、再生計画案が決定し返済が始まったり、任意整理で和解がまとまり返済が始まるまでは、お給料やボーナスなどの収入を全て自分や家族の為に使う事ができます。
いつかバレるかもしれないと思いながら毎月ビクビクしながら返済をしていた生活から、家族に気づかれる心配のない生活が送れますし、お金を自分や家族の為に使えるので生活を立て直す事ができます。
専門家が全ての手続きをしてくれる
債務整理を専門家に依頼すると、必要な書類作成や裁判所や債権者とのやりとりなどの面倒な作業全てを専門家がしてくれます。
ご自身はほとんど何もしなくてもよくなり、自宅での作業も不要となるので、債務整理に係る事務作業を家族に見られて手続きがバレるリスクもなくなります。
強制執行のリスクも減る
債務整理を専門家に依頼するメリットとしてとても大きいものが強制執行(給料や預貯金の差し押さえ、不動産や動産の差し押さえ)を受けにくくなる事です。
自己破産や個人再生の手続き開始決定後は、債権者は債務者に対して強制執行をする事が出来なくなります。
既に借金の滞納をしていて裁判で判決が出ていて「差し押さえされそう」という場合、早めに専門家に個人再生や自己破産の手続きを進めて貰う事で、差し押さえのリスクが減る出ので、会社や家族に借金がバレるリスクを減らす事ができます。
万が一、強制執行をされてしまった場合でも個人再生や自己破産をするとその後は強制執行を中止してもらったり失効させることができます。
任意整理ですと、強制執行を止める効力はないですが、和解交渉をした後に強制執行をしてくるような債権者は少ないので、切羽詰まった状態でもまずは専門家に相談して、受任通知を送って貰えれば、差し押さえをされずにすむ事があります。
差し押さえをされるかもしれないと不安になっているのであれば、一刻も早く債務整理を専門家に依頼する事が有効です。
債務整理が周囲にバレてしまうきっかけ
借金がある場合、滞納すると債権者から督促の電話や通知が来たり、強制執行により給料などを差し押さえられたりして、会社や家族にバレてしまう可能性が高くなってしまいます。
任意整理であれば周囲にバレずに借金を整理しやすいのですが、自分で手続きを進めると同居の家族等にバレずに手続きを進める事は難しいです。
返済滞納
任意整理の場合、手続き後の返済滞納がきっかけでバレる事が多いです。
任意整理をすると、和解をしてから3年~5年、債権者によってはもっと長期間返済が続きます。
この間に返済が遅れてしまうと、債権者から督促が来ます。
せっかく一度、督促を止めていても和解をして返済ができなくなってしまうと、また家族にバレてしまう可能性があります。
また、裁判を起こされるリスクやその後の強制執行のリスクも出てきて会社にもバレてしまう可能性もあります。
任意整理をした後は、完済までしっかりと返済を続ける事が重要になります。
任意整理の後に返済が出来なくなってしまった場合は、個人再生や自己破産に切り替えた方が良いケースもありますので、滞納してしまったら放置は絶対にせず専門家にまずは相談する事をオススメします。
必要書類集め
個人再生や自己破産の場合、裁判所へ提出する必要書類がとても多いです。
自分自身の給与明細や預貯金通帳だけではなく、家族名義の給与明細や預貯金通帳だったり、家の不動産登記簿や車検証などが必要になる事があります。
また、会社に書類を申請しなければならないケースもでてきます。
そうなると、書類を取り寄せる時に会社や家族に債務整理がバレるリスクがあります。
もちろん絶対にバレるという事ではありません。
家族に関する書類や会社に申請する書類が不要なケースもありますし、会社に申請する書類でもやり方次第では不審に思われずに申請する方法があります。
退職金証明書の取得
債務整理が会社にバレるパターンで多いのは、退職金証明書を取得する時です。
個人再生や自己破産をする時には、勤続年数が5年以上になっている場合、裁判所に『退職金証明書』を提出しなければなりません。
「もし今退職したら退職金はいくら出るか」を会社に証明してもらう為の書類で、会社に発行理由を説明して申請しなければなりません。
この時に、『自己破産をするため』とか『裁判所に提出するため』と正直に説明すると、債務整理をしている事がバレてしまいます。
勤務先の借金の債務整理
勤務先や勤務先の共済組合などから借金をしていて自己破産や個人再生をすると、勤務先や共済組合を債務整理の対象にしなければなりません。
そうなると、勤務先宛に、弁護士、司法書士や裁判所から債務整理の通知がきてしまうので確実に債務整理がバレます。
配偶者の給与明細書の取得
配偶者に債務整理がバレるパターンとして多いのが、配偶者の給与明細が必要になって怪しまれてしまうパターンです。
夫婦共働きのケースで個人再生をする時には、同一家計となるので、配偶者の給料と併せて返済能力があるかどうかを判断する為、配偶者の給与額も問題となります。
その為、裁判所から配偶者の給与明細書の提出を求められる事があります。
この時に、配偶者に「給料明細を貸して欲しい」などと言うと何に使うのかと不審がられますし、問い詰められて債務整理がバレてしまう可能性があります。
自己破産は基本的に、配偶者の給与明細は不要です。
自己破産の場合は、手続き後に返済をしないため、家計全体の返済能力をチェックする必要がありません。
この点も誤解されることが多いので覚えておいてください。
家の財産の持ち出し
個人再生や自己破産で家族に債務整理がバレるパターンとして、家の財産関係の資料が必要となりバレてしまう事があります。
債務者名義の預貯金通帳や不動産登記簿、解約返戻金の証明書などの書類が必要となります。
個人再生で住宅ローン特則を利用するには、住宅ローン保証委託の契約書、住宅ローンの返済予定表などの書類も必要となります。
また、光熱費を預金から引き落としている場合はその通帳も必要になります。
このような財産関係の資料を家から持ち出して裁判所に提出する事になるのですが、保管場所が分からないと家族に書類のありかを聞かなければならず、何に使うのかと問い詰められて債務整理がバレる可能性があります。
預貯金通帳の管理を配偶者がしている場合も同様に不審に思われバレてしまう可能性があります。
裁判所に行く
自己破産をするときに特に問題になりやすいのが、裁判所への出頭です。
自己破産をする時には、1回~数回裁判所へ行かなければなりません。
その日時も平日の午前中か昼間となっています。
平日にいつもより遅く家を出て、帰りもいつも帰宅しないような夕方の早い時間に帰宅すれば家族にどこに行って何をしているのかと不審に思われ自己破産がバレてしましますし、有給が取れずに会社をいきなり欠勤すれば会社にも不審に思われてしまう可能性があります。
個人再生の場合は基本的には裁判所に行く必要はありませんが、個人再生委員が選任された時には、面談に行かなければなりません。
個人再生委員は、個人再生手続きの全般に関わり、裁判官に再生計画認可について意見を述べたりする重要な役割を担う人物ですが、東京地方裁判所では、原則として個人再生委員が選任されるため、基本的に、1回は個人再生委員の事務所(個人再生委員は基本弁護士から選任)に足を運ばなければなりません。
この時も破産管財人との面談に行くときのようなリスクはあります。
弁護士や司法書士からの連絡
債務整理が家族にバレるパターンとして、弁護士や司法書士からの連絡が原因になる事があります。
債務整理をするとき、弁護士や司法書士に手続きを依頼したらその後は、債権者からの督促が来なくなります。
全ての連絡事項は専門家を通じて行われます。
逆に言えば、弁護士や司法書士からの連絡は来るという事です。
弁護士や司法書士から電話がかかってくる事もありますし、債務整理の現在状況や各種決定に関する書面が封書で届いたり、メールが来たりする事があります。
自宅の電話番号を伝えていた場合、突然弁護士や司法書士から自宅へ電話かかってきて、家族が取る事もあります。
その時に、○○事務所の弁護士の××です。などと名乗る為、家族が何事かとビックリするでしょう。
また、郵便物についても〇〇事務所と書かれているので、家族に見られたら不審に思われて債務整理がバレてしまいます。
期間の長さ
個人再生や自己破産は、期間が長くかかる為、周囲にバレやすいと言われています。
確かに個人再生は7~8ヶ月位かかる事が多いですし、自己破産も管財事件になると半年以上かかります。
期間が長いからと言って、必ず周囲にバレるという事はありません。
期間が長くてもその間に周囲にバレないように済ませる事が出来れば良いですし、自己破産でも同時廃止でいければ3ヶ月程で終わるので期間自体は任意整理と変わらないので必ずバレる訳ではありません。
官報公告
個人再生や自己破産では『官報公告』が行われるので周囲にバレやすいと言われていますが実際はどうなのでしょうか?
官報とは、政府が発行している新聞のような刊行誌です。
インターネットでも見る事が出来ますし、全国にある官報販売所などで買う事が出来ますし、一部の図書館にも置いてあります。
個人再生や自己破産をすると、事件情報、債務者情報などが官報に掲載されます。
この事を『官報公告』と言います。
掲載される内容は、債務者名・住所・事件番号・事件名・決定の内容(免責決定など)・破産管財人名・住所などです。
電話番号やメールアドレスが載る事はありません。
個人再生の場合は3回、自己破産の場合は2回官報公告が行われます。
インターネットでも見る事が出来るし、全国で購入が出来るのならやっぱりバレやすいのではないかと思われた方も多いかもしれませんが、実際は官報によってバレる事はまずありません。
この記事を読んでいる方も官報を見た事がある方はほぼいないと思います。
官報という言葉も聞いた事がないという方も多いでしょうし、ほとんどの方が官報を生涯で1回も官報を目にする事はないでしょう。
職業柄、官報を見る事がある人が周囲にいない限りは官報公告を理由に周囲に個人再生や自己破産がバレる事はありません。
破産者名簿
自己破産をすると市町村が把握している『破産者名簿』に名前が載ります。
この破産者名簿は免責を受けられなかった人だけが掲載されたままになります。
免責とは借金をゼロにする決定の事ですが、免責を受ける事が出来れば、破産者名簿から名前が消去されます。
ほとんどの人は免責を受けていますし、破産者名簿は一般の人が気軽に閲覧できるものでもありません。
個人情報の中でも秘匿度が非常に高いので、役所内で厳重に管理されており、外部には公表されません。
破産者名簿に記載される事はほぼないですし、名前が載ったとしても外部へ公表されることがないのでこの事が原因で周囲にバレる事はありません。
個人信用情報の登録で周囲にバレる?
債務整理をすると、個人信用情報に事故情報が登録される事は多くの方が知っていますが、この事で周囲の人にバレる事があるのでしょうか?
まず、個人信用情報とは何かを解説します。
個人信用情報とは、個人のクレジットカードやローンの利用に関する情報です。
申し込み、借入額、借入先、滞納の有無、延滞期間などが記載されています。
個人信用情報は3つの信用情報機関によって管理されていますが、貸金業者や銀行などは信用情報機関に加盟しています。
そして必要に応じて信用情報を取得し参照しているので、その人が信用できる人物なのかを判断しています。
債務整理をすると、この個人信用情報に事故情報が登録されます。
この事故情報は、債務整理をしたということになるので、その人は信用できないという判断となります。
この状態で貸金業者や銀行に融資を申し込みをしても、個人信用情報を調べるため事故情報が載っているので審査に通りません。
この状態をいわゆるブラックリスト状態と言われるものです。
個人信用情報を閲覧できるのは、信用情報機関に加盟している貸金業者や金融機関だけです。
しかも自由にいつでも見られるわけではなく、必要な時に照会するだけです。
家族であっても勝手に開示して貰える訳でもありませんし、勤務先が従業員の個人信用情報を調べる事ももちろん不可能です。
個人信用情報に事故情報が登録されたからといって、債務整理が周囲にバレる事はありません。
バレない債務整理の進め方
債務整理をすると、周囲にバレてしまう一定のリスクを避ける事は難しいのですが、バレない為の債務整理の進め方もあります。
借金を滞納する前に債務整理する
債務整理が周囲にバレないためには、とにかく早く債務整理を進める事が大切です。
借金を滞納すると、債務者から督促の連絡が入りますし、裁判をされて給料を強制執行されてしまうと会社にも通知が来ます。
一度、このような状態になってしまうとバレないように対処する事は難しくなります。
借金返済が苦しいと感じたら、滞納する前に弁護士や司法書士に依頼して債務整理をするべきです。
債務整理をすると、債権者からの督促が止まりますし、裁判のリスクも低くなりますので強制執行の恐れも減り、周囲に借金がバレる可能性がグッと軽減されます。
会社からの借入がある場合は任意整理をする
会社や勤務先を通じた借入がある場合は、個人再生や自己破産をすると勤務先に必ず債務整理をしている事がバレます。
特に公務員が公務員共済から借入をしている場合などは、勤務先に債務整理がバレると居心地が悪くなり最悪のケースとして退職せざるを得ない状況となります。
もし勤務先からの借入があるであれば、任意整理をオススメします。
個人再生や自己破産は『債権者平等の原則』があるため、全ての債権者を平等に扱わなければなりません。
そのため、一部の債権者だけを外して手続きをする事は出来ません。
その点、任意整理は裁判所を通さずに柔軟な対応が出来る手続きですので、対象にする債権者を自由に選ぶ事が出来ます。
もし勤務先から借入があったとしても、勤務先を外して任意整理をする事が出来るので、債務整理がバレる可能性はありません。
その代わり、今まで通り勤務先への返済が自分で続けていくことになります。
専門家に依頼する
債務整理を周囲にバレないようにするには、専門家に依頼する事が最も重要です。
任意整理は、個人再生や自己破産に比べると、手続きが簡単なので債務者自身で出来ない訳ではありません。
必要書類も少なく、自分で家族にバレずに対応できるだろうと費用節約の為に進める方もいます。
いくら任意整理であっても、自分で進めると同居家族にはバレる可能性が高いです。
何故なら、債権者から大量の書類(取引履歴や開示書類など)が自宅に届くので家族に見られるリスクが高いですし、何度も債権者と電話のやりとりをしなければならず、頻繁に着信が入るので不審に思われてしまいます。
弁護士や司法書士に債務整理を依頼すれば、受任後の連絡は全て弁護士や司法書士を通じてになりますので、それだけでも家族にバレるリスクがグッと低くなります。
任意整理だけではなく、個人再生や自己破産でも家族にバレずに手続きを進める事ができる可能性があります。
退職金証明書の取得方法
会社にバレやすい、退職金証明書の申請についてバレにくい方法がいくつかあります。
まずは申請理由ですが、『裁判所に提出するため』と正直に言うのではなく、『住宅ローンやその他のローンを借りるので銀行の審査で提出する』などど説明する方法があります。
実際に退職時期が近づいている場合などには、ローン審査の際に金融機関から退職金証明書を求められる事もあるので、信用して貰える可能性が高いです。
退職金規定と計算書を使う
年齢が若い方の場合には、なぜ、金融機関がそんなものを求めるのかと不審に思われる事もありますし、会社に退職金証明書の発行を申請しにくい状況だと思います。
そのような時は、『退職金規定のコピーと計算書』で退職金証明書に代える事ができます。
退職金規定の写しを貰い、規定にある計算方法の通りに自分で退職金の計算をして、出来上がった計算書と退職金規定の写しを裁判所へ提出する方法です。
退職金証明書がなくても、退職金規定と計算書があれば、裁判所も債務者の退職金額を正確に把握する事ができます。
この方法を使えば、会社に退職金証書を申請しないので、会社に債務整理がバレる事はありません。
退職金制度がある会社では、従業員がすぐに見られるところに、退職金規定があるはずなので、探してコピーを取って、計算書を作成し弁護士や司法書士へ渡してください。
配偶者の給与明細を借りる方法
個人再生をする時に、配偶者の給与明細書が必要な場合があります。
この時も注意が必要です。
うまく、バレないように給与明細を借りる事が出来る、債務整理をすると言わずに別の理由を言える場合は良いのですが、そうでない場合のアドバイスがあります。
裁判所の運用次第になりますが、配偶者が働いている場合でも配偶者の給与明細書を提出しなくても良い場合があります。
預貯金通帳で給与の入金が確認でき、その金額と家計収支表の金額が合っていれば、それ以上に配偶者の給与明細まで求められない事もよくあります。
そこで、配偶者の給与振り込みが分かる預貯金通帳をコピーして提出すれば、給与明細は不要です。
他にも役所で取得できる『課税証明書』でも対応できる場合もあります。
配偶者から給与明細書を借りる事が困難な時は、対処方法を弁護士や司法書士へ相談してください。
裁判所に行くときは普段通りにする
自己破産をするときには、裁判所へ行ったり、破産管財人に面談に行ったりすることがあります。
この時に動揺して、普段と違う行動をすると家族に不審に思われます。
裁判所や管財人のところへ行くときも普段通りの行動をします。
朝はいつも通り出勤時間に家を出て、裁判所に行き、普段の帰宅時間まで時間を潰してから家に帰れば家族に怪しまれる事はありません。
会社では、有給休暇を使うと良いです。
半休にすれば裁判所に行かない時間は仕事も普通に出来ます。
主婦の場合、夫が会社に行っている日中の時間帯に裁判所に行く為、バレにくいので会社員ほど気を遣う必要はないでしょう。
弁護士や司法書士とのやりとりに注意
債務整理が周囲にバレないようにするには、弁護士や司法書士とのやりとりにも注意が必要です。
電話は携帯にかけてもらうようにし、留守電やマナーモードにしておき出られなかった場合は都合の良い時に折り返しの連絡をしましょう。
また、メールを送って貰うようにして折り返しかけるのも1つです。
郵便物については特に注意が必要です。
事務所名が入っている封筒ではなく、個人名の封筒で送ってもらうようにしましょう。
また、事情を知っている人が身近にいる場合は、その人の家に郵便物を送って貰うようにしましょう。
手続き後の連絡先を弁護士や司法書士にしておく
任意整理や個人再生は手続き後から返済が始まります。
途中で滞納すると債権者から連絡が来てしまうので家族にバレる可能性があるので、手続き後の連絡先を弁護士や司法書士にして貰うと良いでしょう。
債務整理後も弁護士や司法書士が辞任しない限り、債務者へ直接連絡をする事は出来ません。
もし返済が滞納しても、まずは事務所へ債権者は連絡をしてきますので、事務所を通して債務者へ連絡が入りますので家族にバレずに対応出来ます。
債務整理後も連絡先を事務所にしておいて欲しい場合は事前に依頼をしておきましょう。
返済代行サービスの利用
債務整理後に自分で返済をしていると、支払漏れが起きたり、期日までに返済が間に合わないという事が起こる可能性があります。
そのような事を防ぐ為には『返済代行サービス』を利用しましょう。
債権者1社につき、1,100円(税込)ぐらいが相場となります。
手数料がかかるのでもったいないと思われる方もいるかもしれませんが、複数の業者への返済がある場合でも事務所へ送金するだけなので、振込先は1ヶ所で済みますし後は代わりに入金をしてくれるので支払漏れによって延滞してしまう心配がなくなります。
また、利用できない事務所もありますので、返済代行をしたいと思っている方は利用できる事務所を探して依頼するようにしましょう。
理解ある専門家を探す
債務整理を家族に内緒にしておきたいという、債務者の希望に理解ある弁護士や司法書士を探す事が重要です。
中には、家族に内緒の債務整理は受けないスタンスの弁護士や司法書士もいますし、家族にバレないようにする為だけに個人名の封筒を使う等気遣いをしてくれない弁護士や司法書士もいます。
このような理解のない専門家に依頼をしてしまうと、せっかく高い依頼料を支払って債務整理の依頼をしても家族にバレる恐れがあるので事前に充分な打ち合わせが必要です。
まず相談の時点で、自分の希望を明確に伝え、その希望を理解してくれて、バレない方法を親身になって検討してくれるかどうかを見極めて依頼する弁護士や司法書士を決める事が大切です。
この時に、返済代行サービスが出来るかも確認しておきましょう。
任意整理で会社にバレた人たちの体験談
ここで任意整理が会社にバレてしまった人の体験談を紹介します。
<Aさんのケース>
当時6社で300万円程の借金があったAさんは毎月12万円程の返済が苦しくなり、任意整理を弁護士へ依頼しました。
任意整理をした結果、利息は免除となり毎月の返済額は5万円まで下がり5年で完済できました。
会社にバレてしまったのは、返済中の事です。
職場に行くと、借金の返済が苦しく任意整理をしたことが噂になっていました。
噂の原因は同僚に任意整理をしたことを話した時に、近くにいたパートさんに聞かれてしまったことのようです。
噂は広がり上司の耳にも入ってしまいましたが、特に会社からお咎めはありませんでした。
<Bさんのケース>
当時3社で200万円程の借金があったBさんは毎月7万円程の返済が苦しくなり、任意整理を司法書士へ依頼しました。
任意整理の手続きに司法書士事務所へ行った時に、相続の相談に来ていた職場の会長と鉢合わせしてしまいました。
後日、会長に呼ばれ債務整理をしているのかと聞かれたため、任意整理をすると伝えました。
任意整理をした後の毎月の返済額を聞かれたので3万円支払っていくと伝えたところ、会長が借金の一部を立替えてくれました。
このように思わぬところから債務整理が会社にバレてしまう事がありますが、この事を理由に降格や、減給処分、解雇になる事は原則ありません。
労働契約法により、『懲戒』や『解雇』についての定めがあるからです。
就業規則を守りきちんと仕事をしていれば、債務整理を理由に懲戒や解雇になる事はありませんので安心してください。
まとめ
債務整理をするとき、任意整理を選ぶと周囲に借金がバレにくくなりますが、個人再生や自己破産をしてもバレない方法もあります。
債務整理をする時には、手続きの選択が非常に重要になります。
いくら任意整理が周囲にバレにくいと言っても、借金額がかなり多く返済額が高い状態で無理やり任意整理をしても、手続き後に返済が出来なくなってしまったら家族にバレてしまう可能性もありますし、自己破産をしなければならなくなる可能性があるので費用が二重にかかってしまうおそれがあります。
自分でどの手続きをするのがベストなのか分からない時は、弁護士や司法書士にアドバイスを貰って最もベストな方法を選びましょう。
この時に、周囲にバレたくない事を理解してくれる弁護士や司法書士を選ぶ事が大切です。
債務整理を得意にしている弁護士や司法書士であれば、たくさんの債務者の悩みを聞き解決しているので、家族や会社にバレたくない債務者の強い気持ちを理解してくれる事が多いです。
周囲にバレずに債務整理をしてくれる弁護士や司法書士を探したい時は、債務整理をメインでしている事務所を探す事をオススメします。
今は、無料相談や夜間、土日祝日も相談対応してくれる事務所もたくさんあります。
会社の帰りに相談に行けば会社を休むこともないですし、家族に不審に思われる事もないでしょう。
周囲にバレずに債務整理をしたいと考えている方は、まずは早めに弁護士や司法書士へ相談しましょう。