債務整理を考えるべきベストなタイミングはいくつかあります。たとえば、「借金を払えない時」が挙げられます。借金を返せなくなる前に債務整理をすることで、借金を大きくしたり、無駄な出費を抑えることができる可能性が高まるのです。
一方、借金を払えないで時間が経過してしまうと、状況がますます悪くなっていくだけです。どころか、悲惨な結末をたどってしまうこともあります。
ですので、悲惨な結末を回避するためには、債務整理がベストの選択なのです。
本記事では
- 借金を滞納したらどうなる?ステップ3つを解説
- 「借金を滞納しそうだけど、なんとかなる」そんな状況に陥る理由と落とし穴
- 借金を滞納したのちに訪れる怖い結末
などについて解説していきます。
目次
借金を滞納したらどうなる?4つのステップを解説
借金を滞納すると、以下のようなステップで状況が悪化していく可能性があります。
必ずすべてのステップを踏まないといけないわけではありませんが、典型的なケースです。
ステップ1.督促が開始され、遅延損害金等の発生も
債務の支払いが滞ると、様々な影響が出てきます。
まず、貸金業者などの借入先から連絡が来るようになるでしょう。電話やメールで返済を催促されたり、郵便で督促状や内容証明が届いたりします。中には、自宅や職場に直接訪問してくる債権者もいるかもしれません。
なお、返済期日を過ぎても債務の弁済がない場合、その日を起算日として遅延損害金が発生します。
利息制限法第4条では「利息制限法第1条で定められた借入れ上限利率の1.46倍を超えない」場合に有効であるとされています。
遅延損害金の利率は貸金業者等によって異なりますが、10万円以上100万円未満の場合でも20%前後の金額を設定することが多く、通常の利息よりも高く設定されています。
つまり、借金を返済しない場合は、借金額がどんどんと膨らんでいく状態になってしまうのです。
ステップ2.一定期間後にブラックリスト入り
しかし、それでも支払いができない状態が続くと、信用情報に傷がつきます。
具体的には、クレジットカードやローンの返済を2~3ヶ月以上延滞している場合、信用情報機関に異動情報(いわゆる事故情報)が登録され、俗にいう「ブラックリスト」に載ってしまう可能性があるのです。また、代位弁済がされることもあります。代位弁済とは、銀行やローン会社からの借り入れをを返済することができず、保証会社が代わりに負債を弁済したケースを指します。これも信用情報の異動情報に登録される情報です。
ブラックリストに載ると、他の金融機関から新たにお金を借りることが難しくなります。また、クレジットカードの利用も制限されるなど、金融機関を利用することが困難になってしまうでしょう。

ステップ3.債権回収業者に依頼される場合も
貸金業者の中には、債権回収業者や弁護士事務所に債権回収を依頼するケースもあります。
例えば、当サイトでもご紹介した「ライズ綜合法律事務所」や債権回収業務を多く取り扱う「弁護士法人 鈴木康之法律事務所」では、債務整理の他にも、様々な未払い債権の回収をしています。
また、債権管理回収業を請け負う「日本債権回収株式会社」のような会社が会社が業務を請け負うこともあります。三井住友グループや三菱UFJグループ等では、子会社や関連会社として、サービサー業を行う会社があることにも注意が必要です。(「アビリオ債権回収株式会社」「エム・ユー・フロンティア債権回収株式会社」などを参照のこと)
この段階に至ると、法的措置などが視野に入ってきます。
ステップ4.裁判や差し押さえなどの法的措置に発展
債務の滞納が続くと、債権者から一括返済の請求や訴訟を提起される可能性があります。裁判で勝訴した場合、債権者はあなたの財産を差し押さえることができるのです。さらに、滞納期間が長くなるほど、延滞損害金が加算され、返済額が膨らんでいくでしょう。そして、判決が確定し強制執行に至れば、不動産や給与の一部、預貯金などの財産が差押えの対象となるのです。
差押えとは、債務者が借金を返済しない場合に、債権者が裁判所に申立てを行うことで実施される手続きです。
強制執行には様々な種類があり、その状況や対象によって異なります。例えば、不動産に対しては強制競売、預金や給与に対しては債権差押え、車や家具などの動産に対しては動産執行、株式や投資信託に対しては株券等執行などがあります。
差押えが行われると、国などの公権力が強制的に債務者の財産を処分する権利を取得します。つまり、不動産であれば競売にかけられ、給与は全額受け取れなくなり、預貯金は引き出せなくなってしまいます。
そして、差し押さえた財産を売却するなどして換金し、最終的には申立てを行った債権者が回収するという仕組みになっているのです。(参照:裁判所「民事執行手続」)

【結論】借金滞納は悪影響しかない!
債務の滞納が続くと、様々な悪影響が出てきます。
まず、貸金業者から連絡が来るようになり、電話やメールで返済を催促されたり、郵便で督促状が届いたりします。また、返済期日を過ぎると遅延損害金が発生し、借金額がどんどん膨らんでいくのです。
さらに、支払いができない状態が続くと、信用情報に傷がつき、ブラックリストに載ってしまう可能性があります。そうなると、他の金融機関から新たにお金を借りることが難しくなるでしょう。
場合によっては、債権回収業者や弁護士事務所に債権回収を依頼されることもあります。そして、最悪の場合、裁判や差し押さえなどの法的措置に発展してしまうのです。差押えが行われると、不動産は競売にかけられ、給与は全額受け取れなくなり、預貯金は引き出せなくなってしまいます。つまり、借金を返済しないでいると、財産を失ってしまう危険性があるのです。
債務の滞納は、精神的な負担も大きくなります。借金のことで悩んだり、周囲に知られることを恐れたりして、ストレスを抱えることになるでしょう。また、借金問題が原因で、家族や友人との関係が悪化するケースも少なくありません。
そのため、借金を滞納しそうになったら、早めに専門家に相談し、債務整理を検討することをおすすめします。弁護士や司法書士に依頼することで、返済を待ってもらえる可能性があるためです。また、弁護士や司法書士などの専門家は、あなたの状況に合わせて適切な解決策を提案してくれることも多く、借金問題を解決するのにつながります。

「借金を滞納しそうだけど、なんとかなる」そんな人がよく陥る落とし穴とは

前の項目では、「借金滞納は悪影響しかないため、借金を滞納しそうになったら債務整理を行うことを検討するべきだ」ということをお伝えしました。
しかし、多くの方はこの段階に至っても、債務整理に踏み出すことが出来ません。非常に多くの方が、「借金を滞納しそうだけど、なんとかなる」と思っているためです。
しかし、そんな甘い考えが、かえって状況を悪化させてしまうことがあるのです。ここでは、債務整理をしないで先延ばしにしてしまう理由や、その落とし穴について解説します。
先延ばしにしてしまう理由1.自力での返済が可能だと思っている
借金の返済が滞っているのに、債務整理を先延ばしにしてしまう理由の1つ目は、自力で返済できると考えてしまうことです。
多くの人は、借金の滞納は一時的なものだと思い込んでいます。そのため、自分の力で借金問題を解決できると信じ込んでしまうのです。
しかし、滞納しそうなほどの借金を自力で返済するのは、そう簡単ではありません。
日弁連の調査(2020年破産事件及び個人再生事件記録調査)では、自己破産する人の約半数が、負債額500万円以下だということがわかりました。最も多い金額は200~300万円で、破産者全体の約15%を占めています。
また、令和5年9月発行の公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会「多重債務者のためのクレジットカウンセリングこの一年間」では、全国の相談窓口に寄せられた借金の平均額は250~300万円ほどでした。
もちろん、年収との兼ね合いもありますが、多くの人が破産者並みの債務を抱えていても、まだ何とかなると感じてしまうのです。
借入額別の返済の返済シミュレーションや、債務整理をしないで借金完済を目指すのが難しい理由については、以下の記事も参考にしてください。


先延ばしにしてしまう理由2.デメリットを警戒しすぎている
また、債務整理のデメリットを警戒して、債務整理を躊躇している人もいます。
とくに有名なのが信用情報への影響で、これを避けるために債務整理をしたくないという方は大勢おられます。しかし、当サイトの記事「債務整理をしない方がヤバイ?債務整理をしないことのデメリットを詳しく解説」でもご紹介した通り、確かに信用情報への影響はありますが、それ以上に借金が減らないリスクの方が大きいのです。
また、「ブラックリストの影響を避けたい!信用情報回復のための方法を解説」では、デメリットを可能な限り避けつつ、債務整理をする方法も紹介しています。
これらの方法を使うことによって、債務整理のデメリットは可能な限り最小限に抑えられる可能性があるのです。


先延ばしにしてしまう理由3.自転車操業をしている
自転車操業とは、A社からの借金を返済するためにB社から借入を行い、B社への返済をするためにC社から借入をするという状態のことを指します。
多くの人は、この自転車操業を繰り返すことで「返済ができている」と勘違いしています。
しかし、実際には借金問題の抜本的な解決にはつながらず、いつ返済不能に陥るかわからない危険性に常にさらされているのです。
一見、なんとか返済できているように見えますが、借金の返済には元金に加えて利息も支払わなければなりません。
返済した元本分のお金を再度借りてくるのですから、結局は利息を支払っているだけになります。
つまり、いくら「借りて、返して」を繰り返しても、借金の元金は減ることがないのです。
このような状況になっている人は、現在は借金の総額が少なくても、将来的には借金が膨らんでいく可能性が高いと言えます。
また、多重債務に陥るリスクも非常に高いのです。
よくあるのが、クレジットカードや銀行カードローンを使うことで、総量規制(年収の3分の1を超える借入れができない規制)をかいくぐってしまうケースです。既に総量規制ギリギリまで借入れをしていても、クレジットカードのショッピングローンや銀行の融資は貸金業法上の総量規制の対象ではないため、追加で借入れができてしまうのです。
このように、借金の返済が滞っているのに、自力での返済が可能だと考えて債務整理を先延ばしにするのは、非常にリスクが高いと言えます。
特に、返済が出来ていると思っていた方が突然破綻する際には、もはや返済が出来ないほどの高額の借金を抱えていることも多くなりやすいので、ますます注意が必要と言えるでしょう。
「滞納しそうだけどなんとかなる」と思ってしまう理由は?
多くの人が「何とかなる」という根拠のない自信を持っていることが、債務整理の先延ばしにつながっています。
この根拠のない自信には、さまざまな心理的メカニズムが影響を与えていると言えます。
例えば、失敗や成功への恐怖、他者からの評価に対する不安などは、行動を起こすことを躊躇させます。興味の欠如、無力感、自信の欠如は、タスクへの動機づけを低下させます。目標設定の不適切さは、時間管理の問題を引き起こします。
さらに、短期的報酬を優先し、長期的な報酬のために短期的な報酬を犠牲にすることが難しいということも、上げられるでしょう。
これらの心理的メカニズムは、人間の防衛反応であるという側面があるため、一朝一夕に改善することは難しいかもしれません。
しかし、先延ばしを繰り返すことで、「今月だけ」と思って毎月借金を繰り返し、「借りて、返して、また借りて」のサイクルに陥ってしまう危険性があります。最終的には借金を滞納し、借金問題をより困難にしてしまう可能性もあるのです。
先延ばしは問題解決につながらず、むしろ状況を悪化させるだけであり、借金問題から抜け出すためには、勇気を持って行動を起こすことが必要不可欠なのです。
借金問題を抱えている人は、これらの心理的メカニズムを理解し、自分の行動パターンを見直すことが大切です。
また、「何とかなる」と考えるのではなく、早めに専門家に相談し、適切な解決策を探ることが重要です。
「なんとかなると思ってたけどダメでした」具体的事例

ここからは、何とかなると思っていたけどダメだった、具体的事例を紹介します。
なお、この具体例は、この記事を監修する弁護士が実際に体験した債務整理事件に基づき作成した事例です。いかに「『なんとかなる』は『どうにもならない』」のかを体感してください。
ケース①|借金を返すために借金を重ねる~消費者金融編~
私は、現金をほとんど持ち歩かず、日常的にクレジットカードを使っていました。
ただ、カードを使っているとついつい使いすぎてしまうものです。
私もご多聞に漏れず、使い過ぎが原因で、高額な一括請求が来てしまいました。
私は、今月のクレジットカードの請求を払えない状態になってしまいました。
そんな状況下で、私はリボ払いを選択。いったんは何とか返済をしました。
ですが、今度は「リボ払いがあるから返済も大丈夫だろう」と考えてしまい、無駄遣いは抑えることはありませんでした。そして、気づけばリボ払いの上限を迎えてしまいました。
「なんとかしないといけない」と思った私は、今月のクレジットカードの返済をするために消費者金融からお金を借りました。そして、給料日前になるとクレジットカードを使って生活していました。
最後には、消費者金融からの借り入れもまた上限に至ってしまいました。その結果、借金は二倍に膨れ上がってしまいました。
Aさんの行ったのは、典型的な自転車操業です。
上記のケースには、自力での返済を目指す人によくある失敗が詰まっています。
まず「返済原資を借り入れに頼っている」ということです。
返済を借り入れに頼るということは、1円も借金が減っておらず、利息ばかり支払っているということです。
「多重債務」であることも問題です。
多重債務に陥ると、目の前の借金を返すことが非常に困難になり、そのために他の借金で返済を続けることになりがちです。この状況では、借金が雪だるま式に増えてしまうのです。(参照:財務省中国財務局ホームページ「多重債務ってどんな状況なの?」)
多重債務であるときには、自転車操業が起こりやすく、どこにいくらのお金を返済したかわからなくなってしまうことが多いため起きる傾向があります。
「借金返済のためには、借金とは縁を切る」という原則を忘れてしまっては、一生かけても自力返済はできないのです。
ケース②|債権者からの督促を無視し続けた結果……
Bさんは、クレジットカードと消費者金融からの借金を重ねており、トータルの借金は100万円を越えていました。返済も厳しく、毎月支払も遅れがちでした。
そんな状況下で、職場でポテトを揚げていたところ、誤って手をフライヤーに入れてしまい、手がフライドポテトになってしまいました。
結果、仕事が出来なくなってしまい、返済も出来なくなりました。
毎日のように債権者から連絡が来てしまい、半年もしたころには、裁判所からの通知も届くように……。
結果、判決を取られてしまい、最終的にはわずかに残っていた口座のお金も、差押えを受けてしまいました。
Bさんの失敗の原因は、返済が滞ってもなお、債務整理をすることもなく、返済をしていない状態を続けていたことです。これにより、判決を取られてしまったのみならず、差押えまで受けてしまったのです。
債務整理をしておけば、返済をストップできる期間が出来るので、怪我を治すまでの期間を、請求を受けずに済んだかもしれません。また、「任意整理の和解とは?交渉内容や和解時の注意点を解説」でも解説をした通り、債権者から訴訟を起こされてしまっても、裁判手続きの中で和解することも可能です。
ですので、返済が出来なくなったり、裁判をされた段階で債務整理をしていたら、ここまで状況が悪化することもなかったかもしれません。
ケース③|悩んで何もせず時間を無駄に使ってしまう
私は、消費者金融やクレジットカード会社など、複数社から借金をしており、毎月、滞納寸前で何とかしてきました。
「そろそろ、本当に払えない状態になる……」とは感じていたものの、「債務整理をするとブラックになるのは嫌だなあ」「債務整理はクズのすることだから」と考えて、悩み続けてズルズルと時間が経っていました。
ある時、私はいよいよ借金を払えない状態になりました。
一旦借金を滞納すると、業者からの連絡が毎日着ます。
しかし、私は「忙しいから仕方ない」と言い訳をして、それらの電話や通知を無視し、気づけば2年が経っていました。
そんなある日、私の下に裁判所から「差し押さえ決定通知」が来ました。
実は、a社は私が借金を滞納してから数か月に裁判を起こしていたのです。私は、慌てふためいてa社に「分割で返済するから許してほしい」と頼み込みました。しかし、a社は
段落
給与も口座も分かっているので、差押えします
の一点張り。全く交渉に応じてくれませんでした。
結果、毎月の給料を差し押さえられてしまいました。給料が差し押さえられた私は困ってしまいました。信用情報が悪いため、すでに新規の借り入れは不可能でした。
口座の差し押さえを受けたせいで、お金は全くありません。このままでは、携帯や家賃も払えないため、生活もままなりませんでした。
それでも、私は「生活保護を受けたら社会のゴミ扱いされるんだろうなぁ」と、まだ悩んでました。結果、さらに半年が経った頃、家賃を滞納していたことから、大家に追い出されてしまいました。
債務整理を先延ばしにすることは、問題解決への第一歩を踏み出せない状態を生み出します。借金の返済に悩んでいるにもかかわらず、「いつかは何とかなるだろう」と楽観的に考えてしまうのは危険です。
実際に、Cさんのように借金の返済を滞納し続けると、状況はさらに悪化の一途をたどります。金融業者からの督促の連絡が増え、やがては裁判を起こされ、給与や預金の差し押さえを受けることになるでしょう。その結果、生活が立ち行かなくなり、最悪の場合は住む家さえ失ってしまいます。
では、なぜ、債務整理を先延ばしにしてしまうのでしょうか。
その理由の一つには、現状と理想のギャップから生じる不安感があります。また、目先の問題に取り組むことで将来が悪化するのではないかという懸念から、行動に移せないケースもあるでしょう。さらに、完璧な返済プランを求めすぎるあまり、今できることから始められない人もいます。
しかし、先延ばしが問題解決に役立つことはほとんどありません。むしろ、その間に延滞金が積み重なり、借金はさらに膨らんでいきます。また、なんとか工面しながら返済を続ける自転車操業は、気づけば多重債務という泥沼にはまり込む原因になります。
ケース④|債務者が最後に行きつく悲惨な最後
最後に、世間では「ルフィ強盗団広域強盗事件」として、大々的に報道されている事件をご紹介しましょう。
永田被告が犯した一連の強盗事件は、1人の尊い命を奪い、5人もの方が重傷を負うという悲惨な結果をもたらしたのです。
事件の発端は、永田被告の競艇へののめり込みにありました。賭けに勝った時の成功体験が忘れられず、総額780万円以上を費やしたといいます。しかし、「黒字にするまでやめられない」という思い込みから、抜け出すことができなかったのです。
そして、給料だけでは賭け事の資金が賄えなくなった永田被告は、消費者金融だけでなく、ヤミ金からも借金を重ねていきました。それでも競艇への欲求は収まらず、ついにはSNSで「闇バイト」を検索するに至ったのです。(0テレnews「人を傷つけるだけの人生なんてイヤでした」 闇バイト繰り返した“ルフィ事件”実行役リーダーが法廷で語った後悔【#司法記者の傍聴メモ】)
ここで注目すべきは、永田被告が消費者金融とヤミ金から借金を重ねていたという点です。近年流行している闇バイトの中には、債務者が多数含まれていると言われています。(参照:「闇バイト応募か「借金があり金が欲しかった」 大船質店強盗事件 回収役の男を逮捕」「借金抱え「勝負したかった」 闇バイト頻発の背景に誤った認識」「闇バイト なぜ手を染めるのか 元実行役が語る」)
つまり、借金を滞納し、返済から逃げ続けて、最後の最後にどうにもならなくなった債務者が行きつく先が犯罪や闇バイトなのです。
現在、永田被告には無期懲役の判決が下されていますが、本人が控訴しているため、まだ刑は確定していません。仮に無期懲役が確定した場合、30年から35年もの長期間、収監される可能性が高いのです。(令和5年版犯罪白書「第2節 仮釈放等と生活環境の調整」によれば、平成30年から令和4年までの間に、仮釈放された無期懲役の平均収監期間は30年超え35年以内が一般的であり、35年を超える者も少なくありません)
さらに、犯罪によって得た利益は、たとえ破産しても免責されることはありません。永田被告は一生涯、多額の借金を背負って生きていかなければならないのです。
債務者が行きつくところに行きついてしまえば、一生を棒に振るようなことに繋がってしまうというのは、上記の一例からもよくわかります。
借金の返済に行き詰まった時点で、債務整理を検討するべきだったと言えるでしょう。もし、その時に専門家に相談していれば、闇バイトに手を染めるような悲惨な結末は避けられたかもしれません。この事件は、借金問題を先延ばしにせず、早期に解決することの重要性を物語っています。
債務に悩んだら、一人で抱え込まずに、まずは専門家に相談することが何より大切なのだと、私たちに強く訴えかけているのではないでしょうか。


払えない状態になってからでは遅い!滞納する前に債務整理の相談をしよう

現実を直視し借金問題を解決しよう
ここまで、「なんとかなる」と思った人たちが、どんな悲惨な目に遭うかを具体的事例を挙げてお伝えしました。
上記のお話の登場人物に共通して言えるのは、「なんとかなる」と根拠のない自信を持ってしまい、決断を先延ばしにしていたことです。
最初の
- 「借金を滞納しそう」
- 「借金が払えない」
と思ったときに、思い切って弁護士や司法書士に相談し、債務整理をしていれば、結果は大きく変わってたかもしれません。
借金の返済に行き詰まった時、多くの人は「なんとかなるだろう」と考えがちです。しかし、その楽観的な思い込みが、状況をさらに悪化させてしまうことがあります。
実際に、借金の滞納が続くと、金融業者からの取り立てが激しくなり、生活が脅かされることになるでしょう。最悪の場合、裁判を起こされ、給与や預金の差し押さえを受けるリスクもあります。そうなれば、住む家さえ失ってしまうかもしれません。
さらに、違法な高金利を取るヤミ金に手を出したり、犯罪行為である闇バイトに関わったりと、泥沼にはまり込んでいく危険性も高まります。借金問題を先延ばしにすればするほど、状況は悪化の一途をたどるのです。
債務整理を考えてるならまずは相談を
では、どうすればいいのでしょうか。結論から言えば、借金の返済に行き詰まったと感じたら、すぐに専門家に相談することが肝心です。弁護士や司法書士といった債務整理のプロに助けを求めることで、状況を打開する道が見えてくるはずです。
「まだ滞納していないから大丈夫」と思うのは危険です。相場取引の格言にある通り、「まだはもうなり、もうはまだなり」なのです。
つまり、滞納する前こそが、債務整理に取り組むべき大切なタイミングと言えます。
もちろん、いきなり債務整理を決断するのは勇気のいることかもしれません。しかし、多くの事務所では無料相談を受け付けています。まずは、そこで専門家のアドバイスを聞いてみることをおすすめします。
早期の債務整理は、負担を軽減し、平穏な生活への復帰を助ける「黄金の橋」になり得ます。一方で、問題を先延ばしにし続ければ、その橋は崩れ落ちてしまうかもしれません。
借金問題に悩んでいるあなた。今こそ、現実を直視し、具体的な行動を起こすときです。弁護士や司法書士への相談という一歩を踏み出せば、必ず道は開けるはずです。あなたの決断が、明るい未来への扉を開くのです。