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債務整理

債務整理するデメリットとの付き合い方を解説

債務整理は借金に苦しむ人にとって、生活を立て直せる最後の砦です。

返済に追われて、日々の暮らしが苦しかったり、返済のためにお金を借りたりと、悪循環に陥っている状況から、抜け出せるメリットの大きな手段です。

しかし、いいことばかりではありません。

債務整理の方法によっては、大きな決断を必要とする場合もあります。

かといって、債務整理を先延ばしにして、状況を悪化させてしまっては、いつまでも、生活は楽になりません。

この記事でわかること💡

債務整理をするデメリット
  ①ブラックリストへの登録
  ②財産を手放す必要がある
  ③職業制限がかかる

デメリットと上手く付き合う方法

全ての手続きに共通するデメリットはブラックリスト

任意整理・個人再生・自己破産・特定調停の債務整理に共通するデメリットは1つです。

それは、いわゆるブラック状態になるということです。

「ブラックリストに載る」とよく耳にしますが、実際にはブラックリストというものは存在しません。

「信用情報機関」というものに事故情報が載ることを、そのように表現することがあります。

手続きの種類によって期間は異なりますが、完済から5~7年は事故情報が残ります。

信用情報機関に事故情報が載った場合、下記の①~③はどうなるでしょうか?

クレジットカードへの影響

カードの利用・新規発行・更新ができなくなります。

ローン、キャッシングへの影響

審査に通らず、借入はできなくなります。

保証人になることへの影響

奨学金やローンの保証人になれなくなります。

任意整理のデメリット

任意整理のデメリットは前述した共通のデメリット以外には特にありません。

しいて言うのであれば、安定した収入がないと手続きができないことくらいです。

毎月の返済計画の通り、返済を行う必要があるため、収入や家計収支を債権者から聞かれることもあります。

個人再生のデメリット

個人再生のデメリットは大きく4つあります。

官報に個人再生を行ったことが掲載される。

官報とは裁判所が出している機関誌です。

個人再生、自己破産を行うとこの官報にそのことが掲載されます。

一般の人が閲覧することはほとんどありませんが、調べられて知られてしまう可能性はゼロではありません。

財産の手放しをしなければいけない

個人再生では、住宅を残せる場合があります。

しかし、自動車やバイク、貴金属などは手放す必要があります。

条件が厳しい

任意整理、自己破産よりも個人再生は成立する条件が厳しい傾向にあります。

圧縮された借金を再生計画案通りに、3~5年で返済していき滞ってしまえば再生失敗となるため、安定した収入は必須になります。

保証人に影響が出る

個人再生・自己破産は、任意整理と違い、全債権者が手続きの対象になるため、保証人のついた借金を除外することができません。

そのため、保証人のついた借金は、保証人に一括請求されてしまいます。

自己破産のデメリット

自己破産のデメリットは大きく5つあります。

財産の手放しをしなければいけない

個人再生同様、財産の手放しが必要です。

自己破産の場合は、住宅も手放す必要があります。

職業制限がかかる

自己破産の手続き中は一定の期間、就けなくなる職業があります。

警備員、生命保険募集人(営業)、弁護士、司法書士、行政書士などの士業などが代表的です。

免責がおりた後は、復権し職に就くことが可能ですが、すでにその職業に就いている場合は注意が必要です。

保証人に影響が出る

個人再生同様、保証人のついた借金は、保証人に一括請求されてしまいます。

生命保険を解約が必要な場合がある

生命保険の解約返戻金も財産という扱いになるため、20万円以上の返戻金がある生命保険は解約する必要があります。

家族や知人に知られる可能性がある

個人再生同様に、官報に掲載されることに加え、財産の手放しや、

家族全体での家計収支を提出する必要があることから、家族や知人に知られる可能性が、他の手続きと比べると高くなります。

デメリットとの付き合い方

それぞれの手続きにデメリットがあるので、手続きに踏み切れないというひとが多いと思います。

しかし、そのデメリットとうまく付き合うことで、債務整理で生活を立て直していくことができます。

こんな場合、どうデメリットと付き合うといいでしょうか?

クレジットカード決済ができない不便さ

キャッシュレス決裁が普及していて、スマホひとつで買い物ができる時代です。

コンビニなどでキャッシュレス決裁はとても便利ですよね。

キャッシュレス決裁はクレジットカードがなくても、銀行口座からチャージできるものがほとんどです。

デビットカードも、クレジット決済の端末のあるところであれば利用ができるので、銀行に残高があれば、クレジットカードがなくても問題ないといえます。

ローンが組めない不安

住宅や自動車など、高額なものはローンが組めないと購入が難しいのは紛れもない事実です。

高価なものは貯金をして一括で購入するか、家族の名義で購入する、もしくは信用情報が回復するのを待ってローンを組むことになります。

ハードルの高さを感じてしまうひともいるのではないでしょうか。

しかし、ローンを組めないことは、一見不便ではありますが、「これ以上借金が増えない状況」であるという一番のメリットでもあるのです。

車の手放しによる不便さ

個人再生や自己破産で自動車の手放すことになり、交通の便がよくないところに暮らしている場合や、遠出をするときに不便さを抱えることはあるでしょう。

車が必要な時には、レンタカーやカーシェアを都度利用するといいでしょう。

用途に合わせた車種を選ぶことができます。

スマートフォンの購入

スマートフォンの購入も、債務整理の手続きをすると分割払いができません。

新機種は20万円近い場合もあるので、一括払いはとてもハードルが高いと思います。

しかし、中古であれば2~3万円で購入できるので、手が届きやすいと思います。

故障や紛失に備えて、端末代を少しずつ貯めていくのもいいでしょう。

債務整理をしない方がいいケース

債務整理は、生活を立て直すためにはとても有効な手続きです。

しかし、債務整理にはデメリットもあるため、判断は慎重にならなければなりません。

下記のような場合は、特に慎重に決断をしましょう。

生活が自力で改善可能なケース

生活の見直しで返済が可能な場合

現状、「返済は出来ているけれど、毎月しんどいな」くらいの場合は、

家計を見直すだけで、すこし余裕ができる場合があります。

携帯電話を格安のプランに変更したり、食費や雑費を極力抑えたり、削れるところを削ることで解決する場合は、3ケ月くらい様子をみてみるといいでしょう。

家族からの援助が受けられる場合

家族から援助を受け、返済ができるのであれば、それに越したことはありません。

デメリットによりさらに困窮が想定されるケース

不動産を持っている

土地や住宅を持っている場合、それを手放すことにより、家賃の安い賃貸を借りる必要があります。

引っ越しにもお金がかかります。

家族への精神負担も大きいため、不動産を持っている場合、非常に判断が難しくなります。

保証人のついた借金がある

個人再生や自己破産は保証人に影響が出ると前述しました。

保証人には、親や兄弟など、身近であることがほとんどなのではないでしょうか。

一括請求を受けて保証人が支払えない場合、保証人も自己破産をしなければいけなくなる可能性があります。

個人再生や自己破産を検討している場合、保証人に相談をした方が賢明です。