東京で債務整理を考えている方は、借金問題に強い東京の弁護士事務所や司法書士事務所へ相談することをおすすめします。
とはいえ、東京都には多くの弁護士事務所や司法書士事務所があるため、どの事務所を選べばいいのか悩んでしまいます。
事務所を選ぶポイントとしては、債務整理の実績はもちろん、専門知識の豊富さや明瞭な料金体系であるかどうかも大切です。
この記事では、東京都の多重債務に関する相談状況ついても紹介します。
借金を負担に感じている方は、債務整理で負担軽減ができるケースが多いので、この記事を参考にして、まずは事務所選びからスタートしてみてください。
東京都の多重債務に関する相談状況
<東京都の多重債務者の借入の目的>
生活費補填 70.5%
失業・転職・収入減 46.0%
遊興・飲食・交際 38.8%
贅沢品・収入以上の買い物 24.2%
教育・資格取得 14.1%
医療・冠婚葬祭 12.5%
ギャンブル 12.2%
引っ越し 8.8%
自動車・オートバイ 6.6%
保証人・名義貸し・肩代り 5.6%
生活費の補填や、失業・転職などによる借入が多くを占めています。
借金の理由として多くイメージするのは、ギャンブルや贅沢品の購入だと思いますが、案外低い割合となっています。
<年齢層別内訳>
20歳未満 0%
20歳代 29.5%
30歳代 26.3%
40歳代 18.1%
50歳代 14.6%
60歳代 7.4%
70歳代 3.2%
80歳以上 0.8%
東京都では20歳代から30歳代の多重債務者が多くなっています。
東京都は他の都道府県に比べると若年層の債務相談件数が特に多い傾向にあります。
<相談者一人当たりの債務件数>
20歳未満 0.0件
20歳代 5.6件
30歳代 5.3件
40歳代 5.7件
50歳代 6.8件
60歳代 6.7件
70歳代 5.0件
80歳以上 4.3件
東京都の相談者一人当たりの債務件数は平均5.8件となっています。
<自己破産・個人再生件数>
令和3年 | 令和2年 | 令和元年 | |
自己破産 | 9,839件 | 10,737件 | 11,505件 |
個人再生 | 954件 | 1,127件 | 1,260件 |
自己破産や個人再生の件数は、人口に比例する傾向にあるため、東京都の自己破産・個人再生件数は他の都道府県に比べると多くなります。
債務整理に強い弁護士・司法書士を選ぶポイント
まず、債務整理とは借金の返済が苦しくなってきた人のために、返済額の負担を少なくしたり、借金をなくすことができる手続をまとめた言い方です。
債務整理手続には種類があります。
〈任意整理〉
司法書士や弁護士が債務者の代理人となり、金融業者などと借金の返済月額や利息の減額について交渉をします。
裁判所を通さない手続で、債務整理の中でよく選ばれる手続です。
〈個人再生〉
裁判所を通す手続です。
借金が多く任意整理での解決が難しい、なおかつ持ち家は残したいという方に向いています。
住宅ローン以外の債務額を5分の1~最大で10分の1まで圧縮することができます。
〈自己破産〉
裁判所を通す手続です。
借金の支払が不能になった方が行う手続で、借金をゼロにすることができます。
自己破産では高価な財産については手続の中でお金に換えて債権者へ配当されるので、原則として自分の財産を残すことはできません。
債務整理は弁護士・司法書士のどちらへも依頼をすることが可能です。
選ぶポイントとして紹介するのは6つです。
・債務整理の経験・実績が豊富
・無料相談可能
・費用が明瞭で支払方法にも柔軟に対応してくれる
・債務整理のスケジュールの提示がある
・全国対応または自分の居住地に対応している
・弁護士・司法書士の人柄が信頼できる
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
債務整理の経験・実績が豊富
債務整理を扱う弁護士事務所や司法書士事務所の中で、選ぶポイントとなるのは債務整理を専門にしているかどうかです。
依頼があれば債務整理も受けており、他の業務も手広く行っている事務所では、債務整理を専門としている事務所よりも経験や知識が劣る可能性が高いです。
そうなると、手続がスムーズに進まず、期待していた結果にはならないこともあります。
債務整理を専門としているかは、その事務所のホームページを確認すると分かることが多いです。
ホームページに債務整理についての解決事例や、実績数が記載されている事務所、または相談分野に「債務整理」と記載されている事務所は、債務整理を得意分野としていることが多いです。
ネット上の口コミも参考になる場合があるので、気になる事務所があれば口コミも確認しておきましょう。
無料相談可能
弁護士事務所では相談30分につき5500円程の相談料がかかるケースも多いです。
依頼をする事務所をすぐに決めることは難しいので、複数の事務所へ相談することを考えると、相談料だけで数万円はらうことになってしまいます。
そのため、まずは無料で相談ができる弁護士事務所や司法書士事務所を選ぶことをおすすめしています。
無料相談は、依頼をする弁護士や司法書士を見極めたり、費用の相場を知るため、また自分に合った解決手段を知るためにも重要な時間になります。
初めての相談は、時間制限がなく無料で相談ができる事務所や、無料相談の回数制限のない事務所を選ぶと、不安な部分や疑問点を納得いくまで相談することができるのでおすすめです。
費用が明瞭で支払方法にも柔軟に対応してくれる
弁護士や司法書士へ債務整理の依頼をすると、着手金・成功報酬・通信費・減額報酬など様々な事務所費用が発生します。
依頼をする貸金業者の数や債務額によっては、数十万円単位で費用がかかるケースもあります。
費用が明瞭、また相談時には料金体系について詳しく説明してくれて、見積もりなどを出してくれる事務所を選ぶと、後からトラブルになることを回避できます。
また、分割支払いができるか、分割回数は何回位まで可能なのかなど、費用の支払方法についても柔軟に対応してくれるかを確認しておくことも重要です。
着手金は本来、手続に着手するための費用なので一括で払わなければなりません。
しかし、債務整理は「生活を立て直す」ことを目的とした手続なので、分割支払いに応じてくれる事務所も多いです。
債務整理のスケジュールの提示がある
債務整理のスケジュールは受任通知の発送、債務状況の調査、業者との交渉、裁判所とのやり取り、資料作成など多くの手続と工程があります。
依頼をする事務所を決めるときは、手続の流れやスケジュールをはっきりと教えてくれる事務所を選ぶと、タイムスケジュールが把握できるので安心です。
また、債務整理のスケジュールを把握しておくと、手続が終わったあとの生活も想像しやすく、先々の人生設計が立てやすくなります。
手続の内容にもよりますが、債務整理は手続完了までに時間がかかることも多いです。
債務整理のスケジュールを提示してもらうことで、手続の流れや、手続にかかる期間についても理解することができ、債務整理手続中の不安やストレスを軽減することができるのです。
全国対応または自分の居住地に対応している
弁護士事務所・司法書士事務所は全国に数多くありますが、事務所によって全国対応であったり、地域密着型であったりと対応範囲は様々です。
事務所を選ぶ際は、自分が住んでいる土地が対応可能なエリアに入っているかどうかを確認する必要があります。
自宅の近くに債務整理に強い事務所が無いという場合は、全国対応可能な事務所で探してみるといいでしょう。
柔軟な対応ができる事務所であれば、オンラインでの相談や、土日祝日も相談日時を取れる場合があります。
対面での相談に対してハードルが高いなと感じている方も、オンライン相談なら、相談に対する気持ちが少し楽になると思います。
また、平日は仕事があり相談をする時間が取れず、中々相談ができない方もいるでしょう。
その場合、土日祝日も営業している事務所であれば、会社を休むことなく債務整理の相談ができます。
土日祝日も対応可能な事務所であれば、依頼をしたあとの事務所とのやり取りもスムーズにできます。
債務整理の相談・依頼をする事務所は必ずしも家から近くないといけないということはありません。
対応範囲や、営業時間が自分に合っている事務所を探してみてください。
弁護士・司法書士の人柄が信頼できる
債務整理手続では、自分の借金状況や借金を作った事情、必要であれば一部のプライベート情報までを包み隠さずに話す必要があります。
また、個人再生や自己破産などの手続になると、解決まで長期間かかる場合もあります。
そのため、「人柄が信頼できる」「自分と相性が合っている」ということは依頼するにあたり、大事なポイントとなります。
少ないとは思いますが、対応が素っ気無かったり、不愛想だったり、横柄な態度をとる弁護士や司法書士もいます。
とてもまれですが、相談者にセクハラをしたり、過払金を横領して懲戒処分になる弁護士や司法書士もいるのです。
間違えて、このような資格者に依頼してしまうと、頼んで損したと感じてしまうことになるでしょう。
債務整理の依頼をするときは、話していて嫌な感じがなく、相性が良いと思える資格者を選ぶと、その後も安心して任せることができます。
債務整理は弁護士・司法書士どちらでも依頼できる
債務整理の相談をするとき、弁護士か司法書士のどちらに相談をすべきかと悩んでしまう方、あるいは弁護士と司法書士の違いがわからないという方もいるでしょう。
どちらが正解ということはありませんが、借金問題を専門にしている弁護士や司法書士であれば、どちらにしても債務整理の依頼をすることができます。
ただし、弁護士と司法書士では対応ができる金額や裁判所に違いがありますので、詳しく解説していきます。
債務整理を依頼する際の流れ
まずは、債務整理手続を扱っている弁護士か司法書士事務所を探しましょう。
現在では、インターネットで口コミを見られる事務所も多いので、安心して依頼が出来そうな事務所を探して、相談の予約を取ります。
相談日当日は、弁護士または司法書士との面談となります。
面談の方法は対面だけでなく、電話やビデオ通話など事務所によってさまざまな方法があります。
相談時には、相談者の債務状況や家計の収入・支出の状況などを詳しく聞かれるので、前もって整理しておくとスムーズに相談が進みます。
相談者の債務状況・家計状況を確認した上で、弁護士または司法書士が最適な債務整理手続を提案します。
あくまで提案なので、相談者の希望も確認しながら手続の方針を決めていく流れとなります。
債務整理手続を依頼する場合は手続費用がかかるため、いくらかかるのか、どのような支払方法になるのかは相談時に説明を受けます。
最終的に、相談者が依頼をする意思があると確認ができれば、契約書の署名・捺印の手続を進め、契約が成立します。
ここから債務整理手続が開始となります。
債務額が大きい場合は弁護士へ
債務額が大きい場合には、司法書士よりも弁護士事務所への依頼がおすすめです。
司法書士は、1社あたりの債務額が140万円以上を超えていると、裁判所法や司法書士法(第三条)による決まりがあるため、対応することができません。
また、司法書士に裁判を依頼した場合についても、司法書士が代理人として対応ができるのは簡易裁判所までとなっており、それ以上の地方裁判所などの代理人としての対応は弁護士でなければできません。
手続のスピード感も、裁判所で代理人になれるかなれないかで大きな違いとなって、全ての手続を終えるまで、2~3ヶ月程は期間も変わります。
1社あたりの債務額が多額になっている方は、弁護士事務所に絞って、債務整理の依頼ができる事務所を探すと、相談から依頼するまでがスムーズに進むかもしれません。
事務所費用を抑えるなら司法書士へ
司法書士に依頼をするメリットは、費用の安さにあります。
弁護士事務所に比べると、司法書士事務所へ依頼するほうが数万円程安く依頼ができるというのが大きなメリットです。
なぜ司法書士事務所に依頼するほうが安いのかと言うと、先に解説した通り、司法書士と弁護士では対応できる金額や裁判所に違いがあり、司法書士の対応できる範囲が限られていることにあります。
費用をなるべく抑えたい、なおかつ1社あたりの債務額が140万円以下の方は司法書士への依頼がおすすめとなります。
ただ、裁判になった時には、司法書士だと簡易裁判所までの対応しかできないので、不安を感じる場合は業務の範囲の広い弁護士事務所を探してみてもいいかもしれません。