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債務整理

債務整理するとクレジットカードはどうなる?その後のカード利用についても解説

クレジットカードは日常生活の中で簡易迅速に決済を行える便利な方法ですが、使い方によっては借金がどんどん膨らんでしまうこともあります。

「クレジットカードを使いすぎて今月の支払いができないかも。」
「クレジットカードを利用しすぎて、リボ払いが終わらない。」

そんな状況に直面した場合、債務整理という手段が救済策となります。

債務整理は、将来の経済的な負担を軽減するための重要な手段で、借金の返済を簡単にするという大きなメリットがあります。

しかし、気になるのは債務整理をしたらどうなるのか、そしてクレジットカードは使えるのかという点でしょう。

この記事では、クレジットカードの債務整理を行うメリットや、債務整理を行った場合の注意点、債務整理後にカードは使えるのか、その具体的な方法について解説します。

自身の状況に合わせた判断をするためにも、ぜひ参考にしてみてください。

Contents
  1. クレジットカードの債務整理とは
  2. クレジットカードを債務整理すると起こる4つの注意点
  3. 悪いことばかりじゃない。クレジットカードの債務整理メリット6つをご紹介
  4. クレジットカード債務整理の解決事例をご紹介
  5. どうしても債務整理後にカードを利用したい場合の、対応方法を解説
  6. まとめ

クレジットカードの債務整理とは

クレジットカードの返済がつらいと思ったことはありませんか?

現金を持っていなくても、ただサインするだけで買い物ができるクレジットカードは非常に便利です。

しかし、その便利さから「つい使いすぎてしまった」という状況に陥ることがあり、毎月の請求金額を見て頭を悩ませる人も多いでしょう。

気づいた時には、

「クレジットカード会社からの督促の電話が絶えず鳴り続けている…」
「カードの残高がなかなか減らない…」
「複数のクレジットカードを使ってしまっている…」

という状況に陥っている人も、少なくありません。

クレジットカードを利用する際に、注意しなければならないのは、クレジットカードの契約後の支払いです。

支払いが困難になる原因としては、家計管理の失敗や予期せぬ収入や支出の変動など、さまざまな要因が考えられますが、どの場合でも、問題が軽度のうちに対処することが必要です。

加えて、複数のクレジットカード会社と契約し、返済できない借金を抱えることを「多重債務」と呼びますが、この状態になってしまうと、自分の力だけで借金問題を解決するのは非常に困難となってしまいます。

リボ払いはなぜやばい?

「リボ払いはやばい」という話を聞いたことはあるかもしれません。

ですが、その理由を理解していない一般消費者はかなりいます。

リボ払いはリボルビング払いという略称です。

その内容は、毎月の返済額を最低限度の金額に抑えることができる、というものです。

例えば、先月クレジットカードを10万円使ったとしたら、本来は10万円を一括で支払わなければなりません。

これをリボ払いに変更すると、最低支払額で何回かに分けて支払をする、ということになります。

支払額が少なくなるので、そこは魅力的に感じるかもしれませんが、リボ払いにはいくつかのリスクが存在します。

・高額な手数料と増加する返済総額

リボ払いでは手数料が年間約15.0%と高い水準に設定されていることが多く、これは、カードローンの金利に近いです。

また、リボ払いの残高には手数料がかかるため、リボ払いの残高が多いほど返済総額も増えていきます。

さらに、返済期間が長くなると返済総額も増加してしまいます。

・少額の返済で完済が難しい

リボ払いでは毎月一定額を返済しているため、返済が順調に進んでいるかのように錯覚しやすくなります。

しかし、残高に対して毎月の返済額が少なくなるため、利息の割合が増えてしまいます。

その結果、元金がなかなか減りません。

例えば、100万円を月に2万円のリボ払い(手数料年15.0%)で返済する場合、半分以上は手数料で、元金はなかなか減ってゆきません。

その結果、完済までに長い時間がかかることになります。

また、毎月支払をしていることから、借金が膨らんでいることに気づけず、問題に気づくのは、カードが限度額に達して使用できなくなった時など、ピンチの時になることもあります。

・無意識にリボ払いになり、気づかない場合がある

自分自身は請求額全額を支払っていると思っていても、実はリボ払いになっており、気づいたら残高が膨らんでいた、というケースもあります。

リボ払いへ変更する手続きは、ネット上の設定変更ですぐにできてしまうため、

「分割払いの設定をしただけだと思っていた」
「特定の商品だけをリボ払いにしたつもりが、支払全部がリボ払いになっていた」

というミスが生じる場合もあるのです。

しかし、うっかりミスとはいえ、損害は甚大で、気づいた時には数十万、数百万円の借金を負っていた、ということになりかねません。

債務整理とは

では、「返済が滞り、クレジットカード会社からの督促の電話が絶えず鳴り続ける」といった状況に直面した場合、どのような対処法が考えられるでしょうか。

まず一括での支払いという方法がありますが、現実的には一括で支払える金額がないため、これらの方法は実行困難な場合もあります。

また、新たに借金をすることで一括支払いをするという方法も解決策とは言えません。

また、借り換え、おまとめローンを利用するといった方法がありますが、おまとめローンでは借金がなくなるわけではなく、利息が少し安くなる程度です。

さらに、借り換えを行った場合、信用情報にも影響がないため、借金を返済したクレジットカードを引き続き使用できてしまう場合もあります。

その結果、おまとめをした後に新たにリボ払いを始めてしまい、最終的には負債が膨らんでしまった、という方も少なくありません。

このように、返済が困難な方には「債務整理」や「任意整理」という選択肢をご検討いただきたいです。

任意整理は債務整理の一種であり、債権者との交渉を通じて返済条件を再調整する方法です。

将来の利息をカットし、元金のみの返済とすることができる場合もあり、リボ払いの完済が難しい場合に有効な手段となります。

クレジットカードを債務整理すると起こる4つの注意点

前項では、クレジットカードの借金には債務整理が有効だと言いましたが、債務整理には当然、デメリットがあります。

信用情報機関に事故情報が登録される

そもそも、信用情報機関には、借り入れ、返済状況などの、借金に関する情報がすべて登録されています。

当然、支払いが滞ったことや、債務整理をしたことは、信用情報機関で「事故情報」として登録されるようになります。

これを「ブラックリスト」と呼ぶことがあります。

この状態になると、新たな借り入れやローンを組むために通すべき審査に通りづらくなってしまいます。

この制約は、少なくとも5年以上は続いてしまうのです。

ブラックリストからの抹消までの期間は信用情報機関によって異なりますが、自己破産の場合は破産手続開始決定から約10年間、民事再生(個人再生)の場合は再生手続開始決定から約10年間、任意整理の場合は完済後から約5年間が目安とされています。

ただし、事故情報が抹消されたとしても、審査には収入や資産の状況によって通過しない場合があります。

債務整理するクレジットカードは使えなくなる

債務整理を行ったクレジットカードは解約扱いとなり、以後、新たな利用ができなくなります。

商品の新たな購入や支払い等に、そのクレジットカードを利用することができなくなるということです。

債務整理を行いつつ、さらにカードを使わせてほしいといった、虫のいい話は通用しない、ということなのです

クレジットカードの利用は便利であるため、債務整理後は現金での支払いや他の支払い方法に頼る必要があります。

これにより、利便性や柔軟性が低下し、不便を感じることがあります。

また、クレジットカードに付随しているETCカードや、家族内で共有できる家族カードを発行している場合、これらも使用ができなくなってしまいます。

特に、ご家族にカードを渡している方であれば、カードが利用できなくなった段階で「おかしいぞ」と思われてしまったり、債務整理を気づかれてしまう可能性もあります。

ショッピングローンで商品を購入している場合、商品を返さなければならないことがある

ショッピングローン契約では、商品の所有権がローン会社に留保されています。

債務整理を行った場合、商品が引き上げられるリスクがあります。

特に、中古市場で高値がつく商品や車の場合は、引き上げの対象になりやすいです。

引き上げられた商品は売却され、その金額が債務から相殺されます。

つまり、引き上げられた商品の価格分、債務が減額されることになります。

もっとも、商品が必ず引き上げられるわけではありません。

債権者としても、まだ手元に商品があるかないかを確認したり、引き渡しのために訪問するのは手間ですので、無理に引き上げないで済ませる、ということも多いです。

なお、債務整理前に商品を転売することは、ローン契約違反となります。

商品の転売により債権者と買主のトラブルが生じる可能性もありますから、たとえクレジットカードの支払いが滞りそうになったり、債務整理をするから不用品を整理するといった目的でも、転売は避けるべきです。

貯まっていたポイントは失効する

クレジットカードの特典として「〇〇ポイント」を付与しているクレジットカード業者は非常に多く、セールスポイントにしていない会社を探す方が難しいくらいではないでしょうか。

この、お得感のあるポイントですが、債務整理をした場合、失効して使えなくなってしまいます

債務整理を行いつつ、さらにポイントがほしいといった、虫のいい話は通用しない、ということなのです。

もっとも、このデメリットはあまり大きくありません。

例えば、5万円を支払ったら、1ポイント1円で使えるポイントが、500ポイントがもらえるとしましょう。

還元率はわずか1%。年間15%近い手数料を支払うことと比べたら、ポイントの還元率の方が断然に安いのです。

 

悪いことばかりじゃない。クレジットカードの債務整理メリット6つをご紹介

ここまで、債務整理がクレジットカードに与える悪影響を解説してきました。

しかし、クレジットカードを債務整理するのは決して悪いことばかりではありません。

信用情報に影響が出る、カードが使えなくなるといったデメリットを補って余りあるほどのメリットがあることを忘れないでください。

ちなみにですが、債務整理というと、「消費者金融からお金を借りている人がするもの」といったイメージがあるかもしれませんが、それは間違いです。

たとえ、ショッピングローンであっても、クレジットカードを利用したキャッシングであっても、借金は借金、当然、債務整理の対象とすることができます。

これ以上借金が増えなくなる

債務整理をすると、事故情報が登録され、いわゆる「ブラックリスト」に載ることになり、クレジットカードを使えなくなったり、新なローンや借り入れが難しくなるなどのデメリットがある、というのは、先述のとおりです。

しかし、これは逆に言うとメリットにもなりえます。

債務整理を考えるということは、すでにクレジットカードの支払が滞ったり、残高が高額になりすぎて、返済しきれるか不安ということではないでしょうか。

その状況でさらにお金を借り入れたり、クレジットカードを使ってしまい、支払額がさらに増えてしまったら、ますます返済ができない状態になってしまいます。

債務整理をすることによって、今使っているカードをストップし、新たな借り入れを制限されますから、今以上に借金が増えることはなくなります。

債務整理が、新たな借金の歯止めとなるのです。

クレジットカード会社からの連絡をストップできる

借金問題による心配ごとの一つは、クレジットカード会社から頻繁な取り立てです。

借金の返済に苦しんでいる状況で、クレジットカード会社からのしつこい取り立てに対応しなければならないのは、心身にとって非常に大きな負担となります。

債務整理を弁護士や司法書士に依頼すると、取り立てに対して請求を止めるよう求める通知(受任通知)を送付します。

なぜ、取り立てが止まるかというと、受任通知が届くと、クレジットカード会社や貸金業者などの債権者は、借金の取り立てを停止しなければならないと貸金業法で定められているためです。

結果として、債務整理を依頼すると数日で債権者からの督促が止まります。

債務整理を通じて督促が停止されることで、精神的な負担から解放され、借金整理に向けて進める余裕が生まれます。

債務整理すると金利をカットしたり、返済を免除してもらえる

債務整理を行うと、金利をカットしたり、返済を免除してもらえる場合があります。

例えば、自己破産や個人再生を行った場合、手元の資産をすべて処分したあとに、裁判所から許可が下りれば、債務の全部が免除されます。

民事再生(個人再生)の場合は、持ち家を手元に残したまま、返済額を最低100万円、最大で10分の1まで圧縮することができます。

これにより、返済する必要のある金額が減少し、負担が軽減されます。

また、任意整理を行った場合には、弁護士・司法書士と債権者とが交渉を行い、金利を引き下げたり免除できます。

ほかにも、あまり多くはありませんが、元金の一部の免除などの条件が取り決められることもありえます。

これにより、返済額や利息が軽減され、返済がしやすくなるでしょう。

決まった計画通りに完済できる

返済計画に余裕があるかどうかは、債務整理を成功させるうえで重要なポイントです。

例えば、給与の大半を返済に充てるような計画を立ててしまったら、短期的にはうまくいっても、長期的には失敗するリスクが高まります。

病気やケガなど不測の事態が起きると家計が破綻してしまうからです。

また、生活を切り詰めるあまり余裕資金がゼロの状態も長くは続けられないでしょう。

弁護士や司法書士に依頼して債務整理を続けていく場合は、貸金業者等と借金減額についての交渉を進める一方、債務者が確実に支払っていける返済計画案の作成も進めます。

「生活費にいくら必要か?」など、毎月の負担と返済期間を考え最適なバランスを考慮したうえで、最適な返済計画を立案してくれるのです。

債務整理はマラソンのようなもので、無理なペースで走っても、どこかでリタイアしたり、ペースが落ちてしまいます。

良い記録は出すためには、適切なペースで走り続けないとならないのです。

家族や会社にバレないで手続きを取れる場合が多い

借金があることを家族や会社にバレたくないというお話は非常に多く伺います。

借金をすることは決して悪いことではないのですが、借金があるということ、債務整理をしていることを、家族や会社には隠して解決したいというお気持ちは理解できます。

とはいえ、債務整理をしたからと言って、必ず家族や会社に知られる可能性は非常に低いです。

むしろ、司法書士や弁護士といった専門家に依頼することで、借金があることや債務整理をしていることが家族にバレる可能性は低くなります。

返済をストップさせ、金融業者からの督促も止められるので、督促状などの郵便物が届いたり、督促の電話が自宅や職場に来ることがなくなるからです。

また、一緒に住んでいない親・家族であれば、債務整理を行なってもバレることはほとんどありません。

裁判所、債権者、弁護士・司法書士からの電話や、別に住んでいる家族の住所に届くことはありません。

また自己破産手続きをとっても、一人暮らしで家族と別居していれば影響はありません。

ただし、家族や会社が保証人になっている借金があると、債務整理によって返済義務が保証人に移るので、債務整理した事実を隠し通すことはできません。

また、自己破産や個人再生の場合、会社から退職金に関する書類をもらう必要があり、その際に理由を聞かれてバレてしまう可能性はあります。

借り入れしないで生活できるように、状況を整えることができる

人それぞれに都合があるように、借入をされる理由はさまざまあります。

しかし、ほぼ全員に共通して言えることは「お金がないから借り入れをした」ということです。

お金があればわざわざ借り入れなどしないはずなのです。

債務整理を通じて借金問題を解決すると、まずは借金による心理的な負担が軽減され、借金の返済に追われることがなくなります。

また、借金の支払いに当たっていたお金は、貯蓄へ回したり、生活費の不足へと充てられるようになるなど、トータルで使えるお金の額は多くなってゆくのです。

 つまり、債務整理をすることによって、新たな借り入れをせずに生活をできるように、将来の安定した経済状況を築くための土台を固めることができます。

クレジットカード債務整理の解決事例をご紹介

リボ払いのせいで借金が減らない。

リボ払いでのトラブルを解決するためにも、任意整理は有効な手段となります。

例えば、実際にご依頼を頂いた例を上げます。

相談者は、携帯料金やネットショッピングなどで利用したクレジットカードによるリボ払いで、A社から80万円、B社から67万円、合計147万円の支払いを行っていました。

この例では、相談者の月々の支払額は10万5000円で、収入ではまかないきれず、足りない部分を消費者金融から借り入れを行うことで、毎月の支払いをしていました。

当然、借金は膨らむばかり、典型的な多重債務に陥っている状況です。

さらに、支払い残高がなかなか減らず、リボ払いの支払いに苦しんでいます。

【司法書士による対応】

司法書士は、依頼者の現在の状況を確認しました。

利用限度額の上限に達し、新たな利用ができなくなった段階で相談に来られました。司法書士が2つのクレジットカード会社に連絡し、返済額の減額交渉を行いました。

司法書士の交渉の結果、月々の支払額はA社が1万6000円、B社が1万3000円に減額されました(合計2万9000円)。

クレジットカードの支払いで給料が全部無くなってしまいます。

相談者は生活費などに使うため、2つのクレジットカード会社から合計約200万円を借り入れていました。

しかし、アルバイトの収入が少なく、返済が困難になったため、司法書士法人に相談しました。

【司法書士による対応】

司法書士は、依頼者の現在の状況を確認しました。

毎月の返済額は約10万円で、アルバイト代のほとんどを返済に充てていることがわかりました。

この案件を担当した司法書士は、「任意整理」という手続きを提案し、毎月の返済額を減額する方針を相談者に説明しました。

その後、2つのクレジットカード会社に連絡し、返済額の減額交渉を行いました。

司法書士の交渉の結果、約3万円を60回に分割して返済することで合意し、毎月の返済額を交渉前の10万円から大幅に減額することに成功しました。

クレジットカードの支払いができなくなってしまった。

相談者はクレジットカードをリボ払いで利用しており、何とか毎月の支払額を減らしていました。

残高は60万円ほどで、返せない金額ではありませんでしたが、現在、前職を退職してから3か月間、収入がなかったため、毎月の支払が負担になっていました。

さらに、翌月の請求額を支払う目途が立ちませんでした。

このままでは、支払いが滞ってしまうと思い、相談するに至りました。

【司法書士による対応】

支払いが滞ったのは、前職を退職してからの数か月の間、収入がなかったためでした。

この案件を担当した司法書士は、まずは受任通知をクレジットカード会社に送ることで請求を止め、就職のタイミングで支払いを再開するという手続きを提案し、相談者に説明しました。

その後、相談者が無事に就職をしたことを確認したのちに、返済額の減額交渉を行いました。

司法書士の交渉の結果、約1万円を60回に分割して返済することで合意し、無事、支払い再開のめどを立てることが出来ました。

どうしても債務整理後にカードを利用したい場合の、対応方法を解説

ここまで、債務整理を行うメリットをご難内してきました。

債務整理を行うことによって、借金を確実に返済できる状態をつくれる、これが最大のメリットであると、ご体感頂けたかと思います。

ただ、債務整理を行うメリットは分かっても、どうしても普段の支払いや決済に利用している関係上、手放すのは不安があるという方もおられると思います。

そこで、ここからは、債務整理をしても、決済方法としてカードを残しておきたいとお考えの方におすすめの代替方法についてご案内いたします。

プリペイドカードを利用する

プリペイドカードとは、購入・チャージした金額分だけカード決済できるカードです。

利用者の信用情報は審査されず、将来の購入金額を事前にカードにチャージすることで利用できます。

債務整理後にブラックリストに登録されている債務者でもプリペイドカードを使用できるので、プリペイドカードはクレジットカードの代替手段として活用できます。

また、債務整理前に使用していたプリペイドカードは、債務整理後も引き続き利用できます。

債務整理で強制解約されるのは「債務者名義のクレジットカード」のみであり、プリペイドカードの有効性には一切影響がありません。

「バンドルカード」というプリペイドカードもあります。

このカードは、アプリのダウンロードと生年月日・電話番号の登録だけで使用できる便利なカードで、債務整理後でも作成可能です。

デビットカードを作る

デビットカードとは?

デビットカードはクレジットカード同様に決済できるサービスです。

利用料金が即時に預金口座から引き落とされるカードで、クレジットカードとは支払いタイミングの違いがあります。

デビットカードとクレジットカードの大きな違いは引き落としのタイミングです。

クレジットカードは1ヶ月分の利用料金がまとめて翌日以降に引き落とされますが、デビットカードは利用した時点で口座から引き落とされます。

債務整理後でもデビットカードの利用や作成は可能ですが、債務整理をすると信用情報機関に事故情報が登録され、クレジットカードの利用や作成ができなくなる場合があります。

一方、デビットカードは債務整理後でも利用や作成が可能です。

デビットカードは銀行のキャッシュカードと一体になっていることが多く、預金口座を持っている銀行に行ってデビットカード付きのキャッシュカードに切り替えるか、新規口座を開いてデビットカード付きのキャッシュカードを選択することができます。

審査については、デビットカードは年齢を満たしていれば誰でも作成することができます。

一部のカードでは年会費がかかる場合や、キャッシュカードと一体型のものなど、種類が豊富です。

デビットカードのメリット

デビットカードは利用した際に預金口座から即座に引き落とされます。

これにより、クレジットカードのように後日まとめて請求が来る心配がありません。

ですので、一括で大きなお金を準備せずに利用できるというメリットがあります。

また、デビットカードは預金口座から引き落とされるため、借金をする必要がありません。

これにより、返済や利息の負担を抱えることなく利用できます。

逆に言えば、デビットカードは預金口座にある残高以上の支払いはできません。

つまり、使えるお金の範囲内で利用するため、口座が赤字となるのリスクがないのです。

さらに、デビットカードはクレジットカードのように借金ではないため、デビットカードをどれだけ利用しても、信用情報に悪影響を与える心配がありません。

デビットカードのデメリット

もっとも、デビットカードも万能のカードというわけではなく、デメリットも存在します。

まず、クレジットカードと比べたら、盗難や不正利用に弱いという点です。

デビットカードは即時に預金口座から引き落とされるため、カードが盗まれた場合や不正利用された場合には、即時に自身の口座からお金が引き出されてしまいます。

そのため、支払までに時間がかかるクレジットカードと比較すると、不正利用や盗難などのリスクは少し高いと言えるでしょう。

また、デビットカードはクレジットカードと比べて利用が制限されている場合があります。

通常のECサイト(アマゾンや楽天)などでは利用可能というサイトも増えてきましたが、まだまだ、デビットに対応をしていない業界も多いのが現状です。

例えば、身近なところではガソリンスタンドや飛行機のチケットなどは、デビットカードの利用を制限している場合があります。

ケータイ払いを利用する

ケータイ払いはモバイル決済サービスの一種です。

NTTドコモの提供するd払いや、ソフトバンクまとめて支払いをご存じの方は多いかと思います。

これらはスマートフォンやパソコンなどで購入したデジタルコンテンツやコンビニや店舗での支払い、App Store、Apple Music、iTunes Store や、Google Play 上のアプリケーションなどの購入分を、月々の携帯電話のご利用料金とまとめてお支払いいただける決済サービスです。

また、オンラインショッピングサイトにも対応していることが多くなってきているので、実質的にはクレジットカードと同じように利用できる場合があります。

ただし、月々の携帯電話のご利用料金とまとめて支払う、ということは、携帯料金が非常に高額になってしまうというデメリットもあります。

家族カードを使わせてもらう

家族カードとは、クレジットカードのサービスの一つであり、クレジットカードの所有者(本会員)が家族やパートナーなどと共有して利用できる追加のカードです。

例えば、既婚者のAさんが債務整理を行ったとします。

その場合、信用情報の影響があるのはAさんのみであり、配偶者のBさんや、お子さんのCさんに信用情報の影響が及ぶことはありません。

ですから、収入が安定しているご家族が、クレジットカードを保有している場合、家族カードを利用できる場合もあり合えます。

また、一部のクレジットカードでは、家族カード会員も本会員と同じ特典やポイントプログラムを利用することができます。

家族カードの利用額に応じてポイントが貯まり、家族全体でポイントを活用することができます。

ただし、家族カードを利用する場合は、本会員の責任の下で利用されるため、本会員は家族カードの利用状況や返済に責任を持つ必要があります。

また、家族カードの利用には本会員の承認が必要であり、本会員が解約した場合は家族カードも無効になることがあります。

債務整理していないクレジットカードであれば使える?

債務整理を行った場合、対象となるクレジットカードは解約扱いとなり、利用できなくなります。

ですが、債務整理の対象とされていないクレジットカードであれば、利用を継続できる場合があります。

ただし、クレジットカード会社は、定期的に会員の信用情報をチェックしていることが通常です。

従って、仮に債務整理当初は利用できていたクレジットカードであっても、信用情報を確認されたタイミングや、確実に信用情報をチェックされる交信のタイミングで、利用を停止されてしまう場合がありえます。

また、カードの停止までいかなくても、利用限度額を縮小されてしまうといった対応をされる場合もあります。

基本的には、債務整理をしていないカードであっても、止まってしまうものであると考えていた方がよいでしょう。

信用情報が回復するのを待つ

債務整理によるブラックリスト登録は、クレジットカードの取得や新たな借入などに影響を与えます。

登録期間中は、信用情報が傷ついているため、金融機関からの融資や信用カードの発行が難しくなります。

ただし、その後、一生に渡ってクレジットカードを作れないというわけではなく、登録期間を過ぎれば、再びクレジットカードを作成することができる可能性があります。

債務整理によるブラックリスト登録の期間やタイミングは、手続きの内容や個々の手続きの状況によって異なります。

任意整理手続きを行った時点から借金を完済した後、5年程度の期間が必要です。

また、自己破産の場合、手続き完了してから、JICCとCICでは登録期間が5年間、KSCでは10年間です。

なお、事故情報の登録期間が終われば、事故情報は消えますが、そのような通知は届きませんので、自分で各機関に問い合わせる必要があります。

日本信用情報機構(JICC)では窓口、郵送、スマートフォンで確認でき、シーアイシー(CIC)では窓口、郵送、パソコン、スマートフォンで確認できます。

全国銀行個人信用情報センター(KSC)では郵送のみの取り扱いです。

信用情報機関の登録が消えたからといって、すぐにどこででもカードを作れるわけではありません。

カードの発行は最終的には貸金業者の判断によります。

まとめ

カードで決済を行いたいという気持ちを捨ててしまう、これも一つの解決策ではないでしょうか。

考えてみれば、カードを使いたい理由に、「便利だから」「現金を持ち歩かなくても買い物ができるから」といった利便性を挙げる人も多いですが、正直なところ、「お金がないから」「給料日前で、なんとか数日しのがなければならない」というのが本音ではないでしょうか。

もし、毎月、毎日のようにクレジットカードを利用し、もはや習慣のようになってしまっているのであれば、そもそも、カードの利用方法や、家計の収支を見直さなければならないかもしれません。

「本当に、収入と支出が釣り合っているだろうか」
「収入の範囲内で生活をちゃんとできているだろうか」
「クレジットカードだとお金を使っている自覚がないから、余計な無駄遣いをしてしまう」

そういった方は意外と多くおられます。

そして、気づいた時にはクレジットカードの上限を迎えていて、多重債務に陥っている……。

といった悪循環になってしまうケースは後を絶ちません。

もし、自分だけで生活を改善できない、カード利用が止められない、というのであれば、専門家を頼るのが有効な方法です。

クレジットカードを債務整理し、専門家のもとで家計を管理することで、今手元にある借金を解決するのみならず、将来的なお金の使い方などについて学ぶ機会を得られる。

これは、借り換えやおまとめローンにはない、最大のメリットと言えるでしょう。