近年、投資を始める方が増えているなかで、「FX」という投資方法を聞いたことがある方もいるでしょう。
FXは、ハイリスクハイリターンな投資方法で、知識がないと継続的に利益を上げることが難しいことから、「ギャンブルに近い」と言われることもあります。
しかし、経済情勢によっては不規則な値動きが起こることはありますが、実際のところギャンブル性はまったくありません。
如実に世界経済全体が反映されている投資方法であるため、正しい知識を習得することで、着実に利益を上げることができる投資方法です。
そこで本記事では、FXの基礎知識や習得すべきスキルについて解説しますので、FXのことをまったく知らない方も是非ご一読ください。
FXとは
FXとは「Foreign Exchange(外国為替)」の略称で、日本語では「外国為替証拠金取引」と訳され、ある国の通貨を別の国の通貨と交換することを意味しています。
たとえば、日本からアメリカに旅行へ行く際に、日本円からアメリカドルに両替すると思いますが、まさにこれが外国為替であり、交換する市場のことを「外国為替市場」といいます。
外国為替市場では、常に各国通貨の価値(レート)が変動しており、日本円の価値が下がった場合は「円安」、日本円の価値が上がった場合を「円高」といい、これらの変動を利用して稼ぐのがFXです。
たとえば、ドル円を140円で購入し、145円まで円安が進んだ場合「5円の差額」を利益として得ることができ、このような「差額を得る」という仕組みを利用した投資がFXです。
FXの取り引きは、パソコンだけでなくスマホからも行うことができ、また少額から始められるため、投資初心者の方でも簡単に始められる投資方法です。
簡単に始められるだけに怪しいと感じる方もいると思いますが、FXのサービスを提供するブローカーは金融庁の許可を得て運営しています。
登録の許可のないブローカーは、金融商品取引業で禁止されていることから、サービスの提供ができず、また万が一ブローカーが経営破たんに陥った場合も投資家が保護される規制が数多く設けられています。
そのため、FX自体は怪しい点がなく、れっきとした投資方法であるということを認識しましょう。
FXのメリット
FXには以下の3つのメリットがあります。
・為替差益やスワップポイントなどで稼げる
・レバレッジが効いているため少額で始められる
・24時間取引できる
これらの点についてそれぞれ解説します。
為替差益やスワップポイントなどで稼げる
1つ目のメリットは、為替差益やスワップポイントなどで稼げるという点です。
為替差益とは、FXのメインの稼ぎ方のことで、「安く買って高く売る」「高く売って安く買う」といった場合に利益を得る場合のことをいいます。
また、為替差益のほかにスワップポイントで稼げるのもFXの特徴です。
スワップポイントは通貨ペアの2カ国間における金利差調整分のことで、「高金利通貨を買い、低金利通貨を売る」「低金利通貨を売り、高金利通貨を買う」といった場合に受け取れる利益のことです。
スワップポイントはポジションを保有している期間は毎日受け取ることができ、取引している通貨数量に応じて金額は変動しますが、少しずつでも利益を得られます。
FXをしている方で、このスワップポイントを目的に何日もポジションを保有する方がいるくらい、スワップポイントの利益は魅力的です。
そのため、為替差益を狙いつつ、スワップポイントでも利益を狙えるという点は大きなメリットといえるでしょう。
なお、スワップポイントがマイナスの場合は逆に毎日支払う必要があります。
取引を行う際は、スワップポイントがプラスかマイナスかという点も視野に入れて取引しましょう。
レバレッジが効いているため少額で始められる
2つ目のメリットは、レバレッジが効いているという点です。
FXは、投資のなかで唯一といっていいほど、「少額の資金で大きな取引をできる」といっても過言ではありません。
その理由は、レバレッジが掛けられる投資となっており、資金に対して25倍までの取引ができるためです。
現物取引の場合は、10万円あれば10万円までの取り引きしかできませんが、FXの場合はレバレッジ25倍がきいていることで、10万円の資金で250万円分の取引ができます。
また、実際に取引する通貨数量でいうと、米ドル円は約17,000枚まで取引できます。
(計算式:資金10万円 × レバレッジ25倍 ÷ 米ドル円145円 = 17,241枚)
17,000枚を上昇するという予測で買いエントリーした場合、1円上昇すると17,000円の利益、2円上昇すると34,000円の利益となります。
このようにFXはレバレッジがきいていることで、少額の資金で大きな利益を狙える点も魅力です。
24時間取引できる
3つ目のメリットは、24時間取引できるという点です。
株式投資の場合は、東京証券取引所が開かれている平日の9時~15時までしか取引できず、米国株を取引する場合はニューヨーク証券取引所が開かれている23時30分~翌朝6時までとなっています。
投資信託なども同じ仕組みとなっているため、取引できる時間が決まっていることで「買いたいときに買えない」「売りたいときに売れない」というもどかしさがあります。
しかし、FXの場合は世界中の市場が取引対象となっており、常にどこかの国の市場が開かれていることから、平日であれば基本的に24時間取引が可能です。
各地域の市場カレンダーは以下のとおりです。
ウェリントン市場 | 日本時間 5時 ~ 13時 |
東京市場 | 日本時間 9時 ~ 17時 |
ロンドン市場 | 日本時間 16時 ~ 23時 |
ニューヨーク市場 | 日本時間 21時 ~ 翌6時 |
このように常にどこかの市場が開かれていることから、早朝でも日中でも、夜中でも好きなタイミングで取引できる点はFXのメリットといえるでしょう。
FXの注意点
ここまでFXのメリットについて解説してきましたが、つぎに注意すべき点として以下の2点について解説します。
・FXはハイリスクハイリターン
・各時間帯によって値動きが異なる
それぞれの注意すべき理由について解説します。
FXはハイリスクハイリターン
1つ目の注意すべき点は、ハイリスクハイリターンな投資であるということです。
投資には、ローリスクローリターンな「投資信託」「債券投資」などがある一方で、FXは投資のなかで最もハイリスクハイリターンな投資方法です。
ハイリスクハイリターンとは、読んで字のごとく、大きな利益を得られる可能性がある一方で、大きな損失を被るリスクがあるということです。
株式投資の現物取引の場合は、購入した株が値下がりしたからといって、資金が全損することはありません。
しかし、FXの場合は、入金額と同じ金額くらいの含み損を抱えた場合、強制ロスカットという仕組みで自動的に決済され、口座残高がゼロになる場合があります。
そのため、FXで取引をする場合は全損リスクを抑えるために、必ず知識を習得してから始めるようにしましょう。
各時間帯によって値動きが異なる
2つ目の注意すべき点は、各時間帯によって値動きが異なるという点です。
FXのメリットの項目で、24時間取引できると解説しましたが、24時間のなかでも開かれている市場の場所によって値動きが異なるという特徴があります。
それぞれの市場の特徴は以下のとおりです。
ウェリントン市場 | 値動きが最も激しいニューヨーク市場のあとに開かれるため、あまり活発に取引が行われない時間帯 |
東京市場 | アジア圏の投資家が参加するため、ウェリントン市場よりは取引が活発になる時間帯 |
ロンドン市場 | ヨーロッパ圏の投資家が参加するため、急激な値動きが起こりやすい時間帯 |
ニューヨーク市場 | 世界最大の市場で、アメリカの投資家だけでなく全世界の投資家が参加するため、最も値動きが激しく警戒が必要な時間帯 |
このように、各市場によって値動きが異なり、とくに初心者の方が取引する場合は、ニューヨーク市場は要注意な時間帯なので、取引を行う際はリスク管理を徹底して行いましょう。
まとめ
ここまでFXの基礎やメリット、注意点について解説してきました。
FXはハイリスクハイリターンな投資方法であるため、リスク管理を徹底して取引する必要がありますが、知識を習得すれば安全に取引ができます。
最も危ない考え方は、少額で始められるからという理由で何も知識を得ていない状態で始めてしまう方です。
投資とは、お金を失う場ではなく、資産を増やすための方法で、その目的を効率的に達成できるのがFXです。
FXをこれから始めるという方はとくに、本記事で解説しているメリットや注意点に気を付けて始めるようにしましょう。