投資には、投資信託・債券投資のようなローリスクローリターンな方法から、株式投資やFXのようなハイリスクハイリターンな方法まで様々な種類があります。
そんな数ある投資の中で、非常に少額から始められるのがFXで、少額で始められることに加えて、大きなリターンを得られる可能性があるため、非常に人気の投資方法です。
しかし、少額で始められるがゆえに無理な取引を行って大きな損失を被っている方が多く、「9割の方が負けている」と言われています。
そんなFXで利益を出していくためには、チャートを様々な角度から見れるようになることが大切です。
チャートを様々な角度から見れることで、過去からの流れを把握することができ、今後の値動きが予測しやすくなります。
そこで本記事では、チャート分析の基本ともいえるテクニカル分析について、初心者の方でもわかりやすいように解説します。
目次
FXのテクニカル分析とは?
テクニカル分析とは、過去の値動きから今後の相場を予測する方法で、分析方法としても過去の値動きの習性から、ツールなどを活用して未来を予測します。
FXの相場は「過去の値動きが繰り返し起こる可能性が高い」という考え方が根底にあるため、FXトレーダーの方であれば必ず行う分析方法です。
チャートが映しだす情報としては、「縦軸の価格」と「横軸の時間軸」を基本に、時間軸を変えながら短期から長期の値動きを見ることができます。
短いものには1分足があり、長いものには月足という1ヶ月ごとの値動きを見ることができ、時間軸を変えることで通貨ペアの値動きが上昇局面か下落局面かということがわかります。
また、取引を行う際は必ずチャートを見て取引を行うことから「投資家心理がチャート上に反映されている」と言われているため、売買のタイミングを図って取引することも大切です。
ファンダメンタルズ分析とは
「ファンダメンタルズ分析」とは、経済指標や国の重要ポストの発言などの影響から、今後どのような値動きになるかを分析する方法です。
ファンダメンタルズ要因による値動きの特徴としては、中長期的に影響を受けて価格が推移するパターンと、発表直後に相場が反応して激しい値動きが起こるパターンがあります。
とくに注意すべきが、発表直後に相場が激しく動く場合で、ポジションを保有している場合は大きな損失が生じる可能性があります。
要注意といえる経済指標や要人発言は、以下のようなものがあげられます。
これらの発表直後は激しく値動きが起こり、大きい場合は2~3円程度動きます。
また、経済指標の発表を受けて、結果が良ければ通貨高、悪ければ通貨安方向へと中長期的に価格が推移する場合もあるので、取引を行う際は指標発表などについては注意が必要です。
テクニカル分析の方法
テクニカル分析は、「チャート」と「インジケーター」があれば分析することができますが、初心者にとってはインジケーターの種類や使い方が難しいと感じる方が多いです。
インジケーターには「トレンド系」と「オシレーター系」の2種類があり、それぞれの特徴は以下のとおりです。
・トレンド系 トレンド方向を可視化するためのツール
・オシレーター系 相場の過熱感を可視化するためのツール
これらのインジケーターについて、代表的な4種類を紹介します。
トレンド系① 移動平均線
移動平均線とは、インジケーターの中で最も使用されている有名なもので、初心者の方でも簡単に使用できるものです。
移動平均線は、一定期間の平均価格を自動で算出し、その平均値を線として方向性をわかりやすく示してくれるツールとなっています。
1つのチャートの上に複数の移動平均線を表示することが多く、長期の移動平均線と短期の移動平均線がクロスした場合がとくに取引のチャンスだと言われています。
ゴールデンクロス(短期線が長期戦を上向いてクロスした場合は「買い」)
デッドクロス(短期線が長期戦を下向いてクロスした場合は「売り」)
トレンド系② 一目均衡表
一目均衡表とは、日本人によって考案されたインジケーターで、「一目見ればわかる」という意味で名前がつけられました。
一目均衡表には「雲」という抵抗体があり、5本の補助線(基準線、転換線、遅行線、先行スパン1、先行スパン2)によって構成されており、基本的にはローソク足が雲を抜けるかどうかがエントリーサインとなります。
とくにぶ厚い雲を抜いた場合は、より大きな転換サインになるといわれています。
ゴールデンクロス(ローソク足が雲を上方向へ抜けていった場合は「買い」)
デッドクロス(ローソク足が雲を下方向へ抜けていった場合は「売り」)
オシレーター系① RSI
RSIとは「相対力指数」とも呼ばれており、ある数値を超えた場合は相場が過熱しすぎている(買われすぎ・売られすぎ)ということを予測することができます。
算出基礎としては、一定期間における相場の「上昇幅」と「下落幅」をもとに算出され、70%~80%を超えると「買われすぎ」、20%~30%を下回ると「売られすぎ」と判断します。
エントリー方法としては、買われすぎの場合は「売り」、売られすぎの場合は「買い」と逆張りでエントリーすることになります。
売られすぎ(30%以下で「買い」)・買われすぎ(70%以上で「売り」
オシレーター系② MACD
MACDとは、「移動平均収束拡散手法」とも呼ばれており、移動平均線を進化させたもので制度がより高まったインジケーターとして使用されています。
MACDは、「MACDライン」と「シグナルライン」の2本で構成されており、移動平均線と似たような方法で分析を行います。
MACDラインが中心を「0地点」としたときに、0地点よりも上にある場合は「上昇トレンド」、下にある場合は「下降トレンド」が形成されると予測します。
ゴールデンクロス(MACDラインが0地点を上向いてクロスした場合は「買い」)
デッドクロス(MACDラインが0地点を下向いてクロスした場合は「売り」)
テクニカル分析の注意点
テクニカル分析は今後の値動きを予測するうえで非常に重要な分析方法で、各インジケーターが示す値を参考に世界中のトレーダーが売買を行っています。
しかし、インジケーターが示す数値やサインが、必ずしも取引の根拠と決めつけることは危険です。
たとえば、過去にレジスタンスとなった価格帯を目前に、上昇トレンドのサインが出た場合でも、そこから下落する場合があります。
また、逆にサポートとなった価格帯が近付いて、下降トレンドのサインがでた場合は、そこを押し目に上昇する場合があります。
このように、インジケーターが示す値をすべて鵜呑みにして取引すると、損失を被るリスクがあるため、冒頭で解説したとおり様々な角度からチャートを見ることが大切です。
「移動平均線では上向き」「RSIでは買われすぎ」となっている場合など、今後どちらに進むかわかりにくい場合は、ファンダメンタルズ分析も同時に行ってみると良いでしょう。
また、何をしても値動きがわからない場合は、取引を休むということも大事なひとつの手段です。
まとめ
ここまで、テクニカル分析の特徴や注意点について解説してきました。
テクニカル分析は、今後の値動きを予測するうえで非常に大切な知識となり、取引の根拠としても大切なスキルとなります。
初心者の間は「移動平均線」「一目均衡表」など紹介したインジケーターのほかに「ボリンジャーバンド」「CCI」など非常に多くのツールが存在します。
自分に合ったテクニカル分析が見つかることで、相場予測の精度がより向上することから、まずは多くのツールを試しに使ってみてください。
そうすることで、自然と知識が蓄えられ、自分に合った分析方法が見つかり、将来的により多くの利益を得ることに繋がるでしょう。