借金問題を解決する方法として、債務整理が有効であるということは、他の記事でも何度もご紹介してきた通りです。
ですが、債務整理は借金問題を解決するための手段の一つにすぎず、借金完済のためにはほかの方法も存在します。
ただし、債務整理をしないで借金完済を目指すことは決して簡単ではなく、最終的には計画が破綻してしまう方も多くおられます。
本記事では
- 債務整理をしないで借金返済の方法やポイント
- 債務整理をしない借金返済の注意点や失敗例
について解説をしていきます。
債務整理をしないで借金返済を楽にする方法とは?
債務整理以外の方法(1)おまとめローンを利用する
おまとめローンは、複数の借金を抱えている方に向けたローンです。
このローンは、銀行や消費者金融などの金融機関が提供しており、借金を肩代わりして一括で支払います。その代わり、債務者はおまとめローンを返済するという仕組みです。
おまとめローンの大きなメリットの一つは、金利を引き下げる可能性があることです。
消費者金融やクレジットカードでは、借りたお金に対して利息が請求されます。この利息が業者の利益となり、一般的には年間で最大15%程度の利息が設定されています。この高い利息が、借金が減りにくい原因の一つです。しかし、おまとめローンを利用することで、こうした利息を下げてもらえる場合があります。
また、もし返済額を低く設定してもらえれば、毎月の返済負担も軽減されることがあります。このように、生活に余裕を持たせる手助けとなるのです。
さらに、おまとめローンは借金の整理方法として、信用情報に悪影響を与えることがありません。これにより、債務整理とは異なり、ブラックリストに載る心配がないという点も大きな魅力です。安心して利用できる手段として、多くの人に支持されています。
このように、おまとめローンは複数の借金を管理しやすくする有効な手段です。借金の負担を軽減したい方には、検討する価値があるでしょう。
おまとめローンに関しては、以下の記事が参考になります。ご確認ください。
債務整理以外の方法(2)誰かに肩代わりしてもらう
先ほども述べましたが、借金が減りづらい理由の一つに、高い利息が挙げられます。
貸金業者が設定する利率が高いため、支払いを続けても元金がなかなか減らないのです。この状況で、親族や友人からの借り入れを考えるのも一つの手段です。一般的に、親しい人からお金を借りる場合、利息が発生しないことが多く、返済の融通も利く場合が多いです。
他人に借金の話をするのは勇気が要りますが、返済が難しいと感じたときは、親族や友人に助けを求めてみることも選択肢の一つです。自分一人で解決できないときには、信頼できる人の支援を考えるのが良いでしょう。
確かに、借金やお金の問題はプライベートな話題ですので、話しづらいこともあります。しかし、家族や親しい友人に状況を打ち明け、助けをお願いすることには大きな価値があります。親族や友人から借りる場合、利子がないだけでなく、返済条件も柔軟に設定してもらえることが多いからです。
このように、無駄に借金を増やすことなく、必要なお金を得ることができます。ただし、借金問題を抱え込むことで、さらに深刻な多重債務に陥ることもあります。短期的にはやりくりできたとしても、最終的には借入先がなくなり、問題が悪化するケースも少なくありません。
ですから、もし親族や友人に頼れる環境があるなら、早めにその手を借りることが大切です。早期に行動を起こすことで、状況を改善する手助けとなるでしょう。
債務整理以外の方法(3)生活保護を受ける
生活保護を受けるというのも一つの方法として考えられます。
生活保護法第60条では、保護を受ける者の生活上の義務が定められています。自分の能力に応じて働く努力をし、健康を保ち、さらに支出を節約することが求められています。(参照:e-GOV法令検索「生活保護法第60条」)(引用:厚生労働省「生活保護制度」)
これに関連して、いくつかの細則が定められています。
生活保護費は、最低限の生活を保障するために支給されます。
まず、日常生活に必要な費用(食費、被服費、光熱費など)には「生活扶助」があります。
次に、アパートなどの家賃に対しては「住宅扶助」が支給されます。
義務教育に必要な学用品費は「教育扶助」として、定められた基準額が支給されます。
医療サービスや介護サービスにかかる費用はそれぞれ「医療扶助」「介護扶助」として、直接医療機関や介護事業者に支払われます。
このような保護費は、家賃や学費といった特定の用途に指定され、用途に従った形でしか支出をできません。
注意が必要なこととして、自生活保護を受けている間に新たな借金をすることも禁止されています。また、生活保護を受給している場合、保護費から借金を返済してはいけません。
そのことは、すべての消費者金融やクレジットカード会社が知っていることです。
業者によっては「生活保護を受給している」と伝えると、連絡や催促が来なくなるということもあります。
そのため、明日の生活にも困る状況であれば、生活保護を申請して、いったんは借金の返済をストップすることで、生活を立て直していくというのは方法としてありです。
債務整理以外の方法(4)保険会社の「契約者貸付」
契約者貸付制度は、保険会社が提供する特別な仕組みです。この制度を利用すると、保険に加入している人が保険会社からお金を借りることができます。具体的には、終身保険や養老保険など、解約返戻金がある保険が対象です。この解約返戻金を基に、お金を借りることが可能です。(参照:第一生命「ご契約者貸付」)
契約者貸付制度の最大のメリットは、保険を解約することなくお金を借りられる点です。保険を解約してしまうと、保障が失われたり、再加入が難しくなることがあります。また、解約時に受け取る金額が支払った額より少ない場合もあるため、解約は慎重に考える必要があります。しかし、契約者貸付制度を利用すれば、保険を維持したまま解約返戻金の一部を借りることができるため、安心です。
次に、契約者貸付制度の利率について触れましょう。一般的に、契約者貸付制度の利率は、カードローンの利率よりも低く設定されています。具体的には、2~6%程度が一般的です。借り入れを急いでいる時に、低い利率でお金を調達できるのは大きなメリットです。
このように、契約者貸付制度はお金を借りる際の有効な選択肢です。
債務整理以外の方法(5)自力での返済
上記以外にも、誰にも頼らず自力で借金を返す、と言う方法もあります。
つまり、「収入を増やして収支を改善して、自力で借金を返しきる」という王道の返済方法です。
もっとも、これが通用するのは「返済可能な金額」に限られるでしょう。
一般論として、借金の総額が年収の3分の1を越えている場合は、債務整理を考えた方が良いと言われています。
借金の総額が年収の3分の1を越えたら絶対に自力返済は無理というわけではありません。
ただし、この金額を越えているなら、債務整理をした方が効率的に、自力返済よりも負担が少ない形で返済が出来るというケースがほとんどです。
こちらの記事で、債務整理をしないで借金完済を目指すために必要な返済額などをご紹介しています。合わせてご参照ください。
借金完済のために絶対にやってはいけない方法
一方で、絶対に取るべきではない方法も存在します。
絶対に取るべきではない方法(1)夜逃げ
まず、夜逃げです。
夜逃げとは、一切の借金を返さずに行方をくらますことです。
一生、ブラックリストでも良い
逃げた後のこと?知ったことか!
と開き直った債務者になると、夜逃げを選ぶこともあります。
普段から借金に苦しめられてる方にとっては、物理的に借金から解放されるという意味では気持ちはいいかもしれません。
ですが、当たり前ですがこれでは借金問題は何も解決はしません。
どころか、このような方法は、債務者の人生に暗い影を落とすこととなります。
その後の人生を一生、債務者のまま生きなければなりません。
それどころか、住宅ローンや車のローンも組めない悲惨な人生を送ることになるのです。
「夜逃げ」は、絶対に推奨できません。
絶対に取るべきではない方法(2)一発逆転を狙う行為
他にも、借金に困った債務者は一発逆転を狙って無謀な行為に出ることなどがあります。
無謀な行為の例として
- 競馬やボートに有り金を全部突っ込む
- オンラインカジノで高倍率の賭けをする
- ハイレバレッジなFX取引に手を出す
- 「一日〇万円稼げる」という怪しい副業に手を出す
- 匿名で流動型の犯罪組織に加入し、田舎で老夫婦の家に押し入る
当たり前ですが、ほとんどの人はこれに失敗します。
そして、失敗した時のリスクはすさまじく大きく、絶対に割に合いません。
ですので、夜逃げ同様に絶対に推奨できません。
債務整理以外の方法のデメリットとは?
業者が儲けるための仕組み?「おまとめローン」の注意点
先ほども申し上げましたが、貸金業者にとって儲けの源泉は利息です。
それは、借り換えやおまとめローンも同様で、利息を取れるからおまとめローンの貸し出しをするのです。
おまとめローンの広告を見ると、最低金利1.5%~などと書いてあります。
ですが、このような低金利は実際にはほとんど適用されることはほとんどありません。
業者によっても異なりますが、5~10%程度の利息が付くことが多いように感じます。
また、返済額を低く抑えてくれるというメリットも、返済期間が長引くことで、長期間利息を得るためにやっているという面があります。
利息を含めた返済の総額は、結局おまとめ前とそれほど変わらなかったということもよく起こります。
信用情報に影響がないのはむしろ問題
おまとめローンには、信用情報に影響を与えないという特性があります。
この点については、良い面と注意すべき面があります。多くの人は「信用情報に影響が出ない方が良い」と考えるかもしれません。
実際、信用情報に悪影響が出ると、その後の借り入れやクレジットカードの利用に制限がかかります。つまり、新たに借金をしようとしても、借り入れができなくなる可能性があるのです。
しかし、おまとめローンでは信用情報に影響がないため、新たな契約を結ぶことが可能です。また、まとめた消費者金融やクレジットカードが利用停止になっていなければ、それらを引き続き使用することもできます。
これが問題の根源となります。つまり、借金が増える可能性があるのです。
この結果、借金の返済が終わる前に再度キャッシングやクレジットカードを利用してしまい、気がつくと「借金が減らず、むしろ増えている」という事態に陥る人が少なくありません。
おまとめローンを利用する際には、このリスクをしっかり理解し、計画的に行動することが重要です。
誰かに肩代わりしてもらう場合の注意点
おまとめローンについては、借金が膨らむ危険性をお伝えしましたが、親族や知人に借金の肩代わりをしてもらう際にも注意が必要です。
借金の肩代わりしてもらった場合、借りたお金を利用して借金の完済をするのが通常です。
つまり、扱いとしては完済扱いのため、信用情報には影響がありません。そのことが、おまとめローン同様にデメリットになるのです。
借金を肩代わりしてもらったからといって、クレジットカードや消費者金融の利用が可能なままです。このため、家計をしっかり管理しない限り、再び借金を重ねてしまうリスクが残ります。
さらに、おまとめローン以上に怖いのは、親族や友人との人間関係が壊れる可能性があることです。家族や知人に金銭的な援助を受けると、その影響は長く残ります。
また、親族や知人との人間関係、金銭関係がこじれることは、暴力事件等にに繋がってしまう恐れさえあることも認識しておくべきでしょう。
昭和61年版「犯罪白書」でも、
「殺人事件は,一般的には,加害者と被害者との人間関係の破たんや崩壊に端を発している場合が多く,そこには,加害者と被害者の相互関係が極めて重要な役割を果たしていると考えられる。」
昭和61年版「犯罪白書」
との指摘がなされていることからも分かる通り、家庭内や知人間のトラブルがきっかけになることが多いのです。
統計上も、令和3年の警察白書では、殺人事件のうち被害者が被疑者の親族である割合は47.1%、これに対して友人・知人は13.8%、面識なしは12.1%とされています。
もちろん、殺人にまで至るのは極端な事例でしょう。
ですが、人間関係の破綻が、暴力などに繋がってしまうケースも考えられることから、支援を求める際にはそれ相応のリスクを把握する必要もあるでしょう。
子どもが「一生のお願い」と言って頼むことはありますが、借金の肩代わりはまさに「一生のお願い」です。
子どもならその言葉は可愛らしく感じますが、大人の世界ではその影響が長期にわたることを忘れてはいけません。
このように、親族や知人に借金の肩代わりをしてもらうことは、一時的な解決策にはなりますが、リスクや影響をしっかり理解することが重要です。
生活保護の注意点
次に、生活保護のデメリットです。前項で「生活保護を受けてる間は借金は返してはいけない」ということをお伝えしました通り、生活保護のメリットとして「借金を返さなくて済む」という点をご指摘しました。
しかし、それは言葉を返すと「借金がいつまでも終わらない」ということです。
失敗生活保護を受けている間は、保護費からお金を返してはいけないので、返済を待ってもらえることはあるというのは、確かに事実です。
ですが、何年もお金を返さなければ、その間には遅延損害金が生じます。気づけば、借りたお金の何倍にも借金が膨れてることもあります。
生活保護を受けているからと言って、借金が減るわけでも消滅するわけでもないということを忘れてはいけません。
保険会社の「契約者貸付」の注意点
契約者貸付制度を使うと、保険を解約しないでお金を借りることができます。
ただし、注意すべき点があります。それは、「保険が失効または解除される可能性がある」ということです。
保険会社の本来の仕事は、お金を貸すことではなく、契約者を保障することです。
そのため、契約者貸付制度で借りるお金は解約返戻金の範囲内に限られるのです。
元利金(借りたお金と利子を合わせた額)が解約返戻金を超えると、保険契約が失効したり解除されたりする可能性があるので注意が必要です。
また、契約者貸付制度を利用している間に、保険金やお祝い金などのお金がもらえる場合でも、それを返済に充てられることがあります。
そのため、病気の治療費や教育費など、本当に必要な時にお金を使えなくなる可能性があるので注意してください。
さらに、かつては高金利の保険商品がありましたが、現在は利率が低くなっています。
しかし、契約者貸付制度の利率は保険加入時の利率を基に計算されるため、高金利時代に加入した「お宝保険」と呼ばれる保険は利率が高くなります。
契約者貸付制度は「複利」を使うことが多いため、利率が高いと利子もどんどん増えるため、注意が必要です。
低金利の保険と比べても、カードローンなどよりは低い利率ですが、それでも借りる前によく考えることが大切です。
借金を自力で返す際の注意点
返済原資を準備するためには、家計改善が必要になる
借金を自力で返済する際、最も重要なのは返済原資をしっかり用意することです。
そして、返済に充てるお金を確保するには、まず自分の収入を把握し、必要な支出の見直しが不可欠です。
月々の収支を明確にし、無駄な支出を減らせば、返済に回せる資金を生み出す努力が必要となります。例えばボーナスや臨時収入があった際、その一部を返済に充てることを検討しましょう。また、収入を増やすために、スキマバイトなどを考えてもいいでしょう。
さらに、固定費の削減により、支出の調整をすることが必要になる場合もあります。
返済が上手くいかないと状況の悪化を招く可能性も
計画的にお金を管理することで、無理のない返済が実現します。
しかし返済がうまくいかないと、借金は全く減らないだけでなく、さらに悪化する恐れがあります。
特に高金利の借金は、毎月の支払いが利息に消えてしまいます。借金が膨らむと返済額も増加し、より一層の負担がかかります。また、返済のためにお金を借りる多重債務状態になっている場合、どれだけ返済をしても元金が減らない悪循環に陥ることが多いです。
そのため、自力返済を選ぶのであれば、「二度と借金をしない」「借金と縁を切る」という強い意志を長期間持ち続け、実行し続ける必要があるのです。
借金の返済が長期化すると、利息が高額になる
さらに借金の返済が長期化すると、利息が高額になる傾向にあります。
借金が続くほど利息の負担が重くなり、結果的に返済総額が増えることになります。
利息の負担が大きいと生活全体に影響を及ぼし、経済的自由を奪われる原因にもなります。
このため早期の返済を意識し、少しずつでも元金を減らす努力が必要です。
このように、結局借金を自力で返す際は、計画的な資金管理と継続的な返済が必ず必要になるのです。
債務整理以外の方法のよくある失敗例
ここまでは、債務整理をしないで借金を完済する際のポイントと注意点をご紹介してきました。
ただ、実際に失敗する人はどのような人なのかわからないと、イメージがわかないかも知れません。
そこで、ここからは「実際にあった事例」に基づき作成された失敗例をご紹介していきます。
失敗例①「借金を自力で返せる」と、思ってたけれど
- 私は、借金が300万円ほどある状態でした。
- 一時は「債務整理もありかな」と思ってはいたものの、
- 知人が自己破産に失敗した姿を見て
- 「俺はああはなりたくない、何とか頑張って自力で借金を完済しよう」と、自力での返済を選びました。
- というのも、私は公務員で、安定した収入を得られる立場にあったため、
- 「収入は上がっていくし、ボーナスが入れば返済できる」と思い込んでいました。
- しかし、借金は一向に減ることはありませんでした。
- なぜなら、私は、
- 消費者金融A社から借りて消費者金融P社に返す
- 消費者金融P社に返すためにクレジットカード会社J社から借り入れる
- J社のお金を払うためにM社からお金を借りる……
- という自転車操業を続けていたからです。
- 各社に利息を払っているだけで、少しも元金は減っていません。
自転車操業は債務過多に気付きづらくなる
上記のケースには、自力での返済を目指す人によくある失敗が詰まっています。
まず「返済原資を借り入れに頼っている」ということです。
返済を借り入れに頼るということは、1円も借金が減っておらず、利息ばかり支払っているということです。
「多重債務」であることも問題です。
多重債務に陥ると、目の前の借金を返すことが非常に困難になり、そのために他の借金で返済を続けることになりがちです。この状況では、借金が雪だるま式に増えてしまうのです。(参照:財務省中国財務局ホームページ「多重債務ってどんな状況なの?」)
多重債務であるときには、自転車操業が起こりやすく、どこにいくらのお金を返済したかわからなくなってしまうことが多いため起きる傾向があります。
「借金返済のためには、借金とは縁を切る」という原則を忘れてしまっては、一生かけても自力返済はできないのです。
失敗例②再度の借入再開が大失敗につながった
私は、借金が数百万あり、自分での返済は不可能でした。
そこで、親族に頼ってお金を支援してもらい、借金を完済しました。
しかし、浪費癖が抜けなかった私は、しばらくするとまたクレジットカードを利用するようになってしまいました。
借金は親族から借りて完済していたので、借り入れはゼロ。信用情報はピカピカで、限度額も上がっていました。
そのせいで気を大きくした私は、ほんのちょっとのつもりで、クレジットカードを利用してしまいました。
結果的には、数年後には、親族から借りた借金とクレジットカードのリボ払いが重なり、前より借金が増えていたのです。
信用情報には貸し過ぎを防ぐという意味がある
この失敗例は、親族に肩代わりをしてもらっておいて、クレジットカードも使ったせいで借金を増やしたという事例でした。
類似の事例は、おまとめローンや借り換えローンでも起こります。
多くの人が「ブラックになるから債務整理をしたくない」とは言いますが、実際の所、むしろ問題になるのは「借金が出来なくて困ること」よりも「借り入れが可能だったこと」であることの方が多いのです。
失敗例③「夜逃げをする」周囲の人にも大迷惑
私は、様々な手段でお金を借り、ついには返済の催促や訴訟まで受ける状況になりました。
苦境に立たされると「誰も自分を助けてくれない」と、世の中の冷酷さを感じ、孤独さや絶望感に苦しんでいました。
そんなある日、気晴らしに街を歩いていると「そうだ、京都行こう」というJRのキャッチフレーズが目に留まりました。
それを見た私は「そうだ、自分も京都に行こう」と思って、突然の衝動で京都へ夜逃げすることを決意しました。
当然ながら、家族や会社、友人は混乱し、貸し倒れのリスクを抱えた金融機関もパニックになりました。
連絡が途絶え、突然の行方不明で警察に捜索願いが出されるなど、混乱と心配を引き起こしました。
失敗例④「犯罪行為」お金のトラブルが様々な犯罪行為につながる可能性も
夜逃げをした私は、京都で住み込みの仕事を見つけて、日々を過ごしていました。
しかし、夜逃げした過去や身元を隠す必要があるため、銀行口座や身分証明書の取得ができず、正規の消費者金融からの借り入れも不可能でした。
そんな中、「どんなブラックの人でもお金を貸してくれる」という業者が現れました。
それは実は闇金業者でした。
最初は優しかった闇金業者も、だんだん私を追い詰めるような圧力をかけてきました。
返済期限を過ぎると脅迫や暴力を受け、さらに返済額を増やされることもありました。
そんなある日、闇金業者から紹介された「合法で安全なバイト」を紹介されました。
闇金業者から紹介を受けたバイトは、他人の銀行口座からお金を引き出してくるというものでした。
そう、これは闇バイトだったのです。
私は、闇金の返済から、闇バイトの名簿に名前が載っていたのです。
積み重ねた大失敗
上記の事例の行動は、数々の失敗が積み重なったものでした。
まず、借金から逃れようと夜逃げをしたことが失敗として挙げられます。
借金から逃れようとすると、どこから足が付くかわからないため、住民票や身分証明書を作ることさえリスクとなってしまいます。
結果として、まともな社会生活は出来なくなります。
このような人に、お金を貸してくれる正規の業者は存在しません。
もしもいたとするなら、それは闇金や詐欺集団など、危険な組織ばかりです。
そして、闇金業者の策略にはまり、借金漬けにされてしまい、最後には闇バイトなど危険な行為に手を染めざるを得なくなりました。
彼が犯した行動により、彼の人生は大きく狂ってしまったと言えるでしょう。
【結論】借金返済には債務整理が最も有効な方法である
ここまで、借金を完済に役立つ債務整理以外の方法と、その失敗例をご紹介してきました。
ただし、債務整理以外の方法として紹介してきた
- おまとめローン
- 肩代わりのお願い
- 生活保護
- 自力返済
- 契約者貸付
は、いずれも借金問題を解決するわけではないといった注意点があります。
また、夜逃げやギャンブル性の高い一発逆転狙いなどは、リスクばかり大きく全くおすすめできません。
ここまでの内容に対して、皆さんが感じたことはいくつかあるかもしれません。
「債務整理をしないのは思ったよりもメリットが少ない」と感じた方もいるかもしれません。
確かに、借り換えローンや親族頼みなどの方法はメリットが限られる場合があります。
また、「全然解決につながっていない」と感じた方もいるかもしれません。
そのとおりで、紹介した一部の対処法は、小手先の方法です。
このような小手先の方法では、借金問題の根本的な解決にはつながりにくいのです。
と感じた方もいるでしょう。
自力返済が難しい場合、家計の収支を改善することも限界があると感じられるかもしれません。
そのため、結局のところ、債務整理が最も有効な方法だと言えます。
債務整理なら確実に借金を完済に近づけさせられる
上記のような、自力返済では抜本的な解決につながらない状況に陥っているのであれば、債務整理を検討した方が良いでしょう。
債務整理を行うことで利息をカットし、元金のみの返済にしたり、借金の一部を免除されたりする可能性があるからです。
つまり、債務整理は返済の負担を軽減する手段として非常に有効です。
確かに、債務整理を行うことで以下のようなデメリットが心配されるかもしれません。
・ブラックリストへの載りが心配されること
・家や車などの財産を手放さなければならない可能性
・債務整理の事実が会社や家族に知られてしまうかもしれないこと
しかし、これらのデメリットは実際よりも過度に強調されている場合があり、過度に不安を抱く必要はありません。
債務整理のメリットについてもしっかり理解し、メリットとデメリットを比較するべきです。
そのうえで、借金問題の解決に向けたベストな方法を取ることが重要です。
債務整理は自力返済より利息が減額される
債務整理をすると得られる最大の利点の一つは、利息を減らすことができることです。
債務整理をしないで自分で返済する方法では、利息を少なくすることは可能ですが、完全になくすことは難しいです。
一方で、債務整理では、かなり多くのケースで利息を0%にすることが出来るのです。
そのため、債務整理を行うと、支払いを進めるごとに借金が減少し、業者に支払う必要のある金額も最小限に抑えることができます。
つまり、支払えば支払うだけ、利息を取られることなく借金が減ってゆく、借金を減らしやすい環境を整えることが出来るということです。
また、債務整理の場合は、計画通りにお金を返済し続ければ、通常3~5年ほどで借金を完済することが可能です。
債務整理をすればこれ以上借金が増えることはない
たしかに、信用情報に影響が出て、事故情報が登録されることはデメリットだと感じるかもしれません。
実際、債務整理をしたくない理由として一番よく聞くのが、「債務整理をすると新しい借り入れができなくなる」ということです。
ですが、事例でもご紹介した通り、借金を出来ることは、借金が出来ないことよりも大きな問題を引き起こします。
信用情報に影響が出ることで、新規の契約などをストップさせる効果があるため、これ以上借金が増えることはありません。
これにより、「お金の借り過ぎ」を強制的に防ぐことができるといえます。
つまり、信用情報に影響が出ることは、借金の責任を持つことを促し、貸し手と借り手の双方にとって良い面があると言えるのです。
債務整理は家族や職場にバレる心配が少ない
「債務整理をすると、周りの人に知られてしまうかも?」という不安があるかもしれませんが、安心してください。
債務整理は個人の問題で、他の人にはあまり知られないんです。
信用情報には少し情報が残ることもあるかもしれませんが、適切に管理されて他の人には見られないようになっています。
なので、債務整理をしても、会社や家族に知られる心配はあまりないのです。
また、債務整理は本人が責任を持つことで、家族には迷惑がかかることはありません。
たとえば、家族が代わりに借金を返すことはありませんし、戸籍や住民票にも債務整理の情報は残りません。
債務整理をして借金をなくすことが最大のリスク回避
むしろ、債務整理をしないで自分で返そうとすることの方が、よっぽどリスクが高いと言えます。
債権者は貸すときはキャッチーなCMや広告でフレンドリーを装っていますが、返してもらえないと猛烈な督促を開始します。
借金やカードの支払が1回遅れるだけで家や会社に通知が行くことがあります。
その通知を見られると、すぐに借金がバレてしまうかもしれません。
さらに何か月か遅れると、借金を貸している人から裁判を起こされることもあります。
裁判が始まると、自分の家や仕事場に裁判所からの通知が届くことがあり、借金のことが周りにバレるリスクが高まるのです。
判決が出ると、お給料や銀行のお金が取られることもあり、最悪の場合、家族や会社に借金が知られてしまうことになります。
だからこそ、債務整理を選ぶ選択肢が良いと思います。