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新NISAで投資できる個別株と投資信託って一体どういうもの?初心者の方向けにわかりやすく解説します。

2024年から現行NISAから、制度が大幅に改正された新NISAが施行されます。

現行NISAでは、年間非課税枠が少ない点に加え、非課税期間が短い点がネックとなっていましたが、新NISAでは大幅に変更されることが決まっています。

現行NISA新NISA
個別株やETFへの投資枠一般NISA成長投資枠
積立投資信託へ投資枠つみたてNISAつみたて投資枠
年間非課税額一般NISA:120万円つみたてNISA:40万円成長投資枠:240万円つみたて投資枠:120万円
非課税期間一般NISA:5年つみたてNISA:20年恒久化
非課税保有限度額一般NISA:600万円つみたてNISA:800万円1,800万円※成長投資枠のみの場合は1,200万円が上限

このように様々な点で変更されるNISA制度ですが、そもそも個別株や投資信託ってどうやって始めるのかわからない方もいるでしょう。

そこで本記事では、投資初心者の方でもわかりやすく、個別株と投資信託について解説します。

個別株とは

個別株とは、ソニーグループやパナソニックなど、証券取引所に上場している企業の株式のことをいいます。

上場している個別株は、東京証券取引所などで売買されており、売買できる時間は平日の9:00~11:30(前場)、12:30~15:00(後場)となります。

個別株を購入するためには、投資に使用するための資金を入金する必要がありますが、取引方法によって入金すべき金額が変わってきます。

現物取引:購入したい株式の金額分を入金

信用取引:購入したい株式の3分の1の金額を入金(最低30万円)

現物取引は、現在の株価に対して購入株数分の資金が必要となります。

たとえば、株価が1,000円の企業の株を100株購入する場合、投資資金として10万円が必要となります。

現物取引は、株価が高ければ高いほど資金が多く必要となるという特徴があります。

一方、信用取引は、最低30万円の入金が必要となりますが、自己資金の3倍までレバレッジをかけて取引することができます。

たとえば、株価が1,000円の企業の株を100株購入する場合、購入に要する資金は3万円となり、株価が5,000円の企業の場合は、たったの15万円で取引ができます。

最低30万円は入金する必要があるものの、レバレッジが利いていることで株価が高い個別株も少ない資金で取引できるという特徴があります。

個別株に投資するメリット

個別株には、以下の3つのメリットがあります。

短期間で大きな利益を得られる可能性がある

✅株主優待や配当金を受け取れる場合がある

✅取引時間内であれば自由に売買できる

これらのメリットについてそれぞれ解説します。

松井証券のNISA

短期間で大きな利益を得られる可能性がある

1つ目のメリットは、短期間で大きな利益を得られる可能性があるという点です。

個別株は、投資の種類の中でもハイリスクハイリターンの分野で、元本割れのリスクがある投資方法です。

元本保証がないことで、損失を被った場合のことを考えて投資を躊躇する方が多いですが、逆に利益として得られる金額が大きいという特徴があります。

たとえば、1,000円の個別株を100株保有しており、好決算が発表されたことにより1,200円まで株価が上昇したとします。

購入時点は株価が1,000円のため、資産価値としては10万円となりますが、1,200円になった場合の資産価値は12万円となります。

個別株は、好決算や好材料の発表によって資産価値が大きく増え、株価が大きく動くタイミングは購入してからすぐに起こる場合があり、運が良ければ短期間で大きな利益を得られます。

株主優待や配当金を受け取れる場合がある

2つ目のメリットは、株主優待や配当金を受け取れる場合があるという点です。

個別株を始める方には、株主優待や配当金が目当てで投資をする方は少なくありません。

株主優待とは、企業が株主限定にサービスや商品の無償提供や割引提供、さらにクオカードなどがもらえる制度であり、優待の中身は企業によって異なります。

また、配当金は、企業が年間通して得た利益を年に1~2回、株主に分配するお金のことで、決算状況によって配当金額が変動する場合があります。

株主優待や配当金は、個別株によって内容が異なりますが、これらの制度を利用できる点は個別株の醍醐味といえるでしょう。

取引時間内であれば自由に売買できる

3つ目のメリットは、取引時間内であれば自由に売買できるという点です。

新NISAでは、成長投資枠で個別株を取引することができ、つみたて投資枠で積立てに対応した投資信託で運用する必要があります。

投資信託の説明についてはのちほど行いますが、投資信託は購入や売却をリアルタイムで行うことができないといったデメリットがあります。

しかし、個別株の場合は、平日の取引時間内であればいつでも自由に売買ができるため、ご自身で購入したい金額や売却したいタイミングなどを決めることができます。

自由に売買できることで、取引のチャンスを逃さないという点はメリットといえるでしょう。

投資信託とは

投資信託とは、複数の投資家から資金を集めて、大きな1つの資金として運用会社に運用を委託する金融商品です。

個人で運用する場合は、資金の準備から銘柄選び、売買のタイミングなど様々なことを自分で対応する必要があります。

しかし、投資信託は運用のプロに任せておくだけなので、投資初心者の方でも簡単に始めることができます。

なお、投資信託には「インデックスファンド」「アクティブファンド」という2種類のファンドから商品を選ぶ必要があります。

インデックスファンドアクティブファンド
運用方針参考にしている指数と連動することを目標とする参考にしている指数を上回ることを目標とする
銘柄の組み入れ方指数と同じ構成で組み入れる優良銘柄を調査・分析し運用銘柄に組み入れる
コストアクティブファンドより安い傾向にあるインデックスファンドより高い傾向にある
リターン指数以上のリターンは期待しにくい指数以上のリターンが期待できる

投資信託を行う際は、アクティブファンドの方が魅力的に感じる方は多いですが、長期的に見るとインデックスファンドの方が利益率が高いです。

そのため、投資初心者の方で投資信託を始める場合は、インデックスファンドで運用することをおすすめします。

投資信託のメリット

投資信託には、以下の3つのメリットがあります。

自分で運用する必要がない

少額から始められる

✅分散投資が可能である

これらのメリットについてそれぞれ解説します。

自分で運用する必要がない

1つ目のメリットは、自分で運用する必要がないという点です。

投資信託は基本的には自分で何もする必要がありません。

購入するファンドを決めたらあとは、動向を見守るだけで、購入や売却などもすべて運用側にて対応してくれます。

個別株の場合はすべて自分で判断する必要があり、初心者の方には少々ハードルが高いといえます。

そのため、自分で判断するといった必要がなく、資産形成できるという点は大きなメリットといえるでしょう。

少額から始められる

2つ目のメリットは、少額から始められるという点です。

投資信託は購入する商品によって異なりますが、「1口〇〇円」と大体は1円単位から始めることができます。

個別株の場合は100株単位で購入する必要があるため、ある程度まとまったお金が必要となり、投資初心者の方であれば、少額から投資を始めたいと考える方は多いと思います。

しかし、「大きなお金を準備できない」「最初は少額から始めたい」という方が多いと思うので、そのような方は投資信託がおすすめです。

数百円~数千円など、少ないお金で投資することができるため、投資デビューとしては最適な商品といえるでしょう。

分散投資が可能である

3つ目の特徴は、分散投資が可能という点です。

分散投資とは、投資対象を分散することで、損失リスクを低減させることができます。

たとえば、AとBという銘柄に投資していたとして、Aがマイナスになったとしても、Bでプラスとなっている場合、Aのマイナスを補うことができます。

このように、投資をするうえで分散投資はリスクを抑えるうえでとても大切なことです。

万が一、分散せずに一極集中で投資をしてしまうと、利益を得られる際は大きくなりますが、それに伴って損失を被る際も金額が大きくなるという特徴があります。

しかし、投資信託は運用のプロが損失リスクを極力減らすために、自動的に分散投資を行ってくれるため安心して任せておくことができます。

まとめ

ここまで個別株と投資信託について解説してきました。

個別株はハイリスクハイリターンな投資方法で、投資信託はローリスクローリターンな投資方法として知られています。

その分、運用の難易度も異なり、個別株は銘柄の選定や売買などすべてを自分で対応する必要があるため、初心者の方にはハードルが高いですが、大きなリターンを得られる可能性があります。

しかし、投資信託の場合は、ファンドを選んだあとは運用会社に任せておくだけなので、とくに自分で何かをする必要はありませんが、利益が出るまでに時間がかかるという特徴があります。

これらの特徴を踏まえたうえで、2024年から始まる新NISAにおいて、どのような取引をするか考えてみると良いでしょう。

  • 記事監修者
  • 弁護士 近藤 裕之
  • 翔躍法律事務所 所属
  • 第一東京弁護士会 所属
  • ※法律問題に関するテキスト監修に限る