ファクタリング

ファクタリングは違法ではない!金融庁が警告をしている理由について徹底解説!

ファクタリングは、近年、新たな資金調達方法として非常に人気があります。

しかし、ファクタリング業者の中には、悪質な業者もあるため、金融庁を始め、消費者庁なども警告をしているのが事実です。

しかし、ファクタリングは決して違法ではありません。

この記事でわかること💡

ファクタリングが違法ではない理由

なぜ金融庁が警告しているのか

※この記事は、弁護士赤瀬康明(東京弁護士会)に監修して頂いております。

ファクタリングは違法ではない!

コロナウィルスの影響で、資金繰りに悩む企業は多いでしょう。

資金繰りを改善するためには、まず真っ先に銀行融資が頭に浮かぶと思います。

銀行融資は、金利も低いですし安心感もありますよね?

しかし、銀行融資を受けるためには当然ですが審査があります。

売り上げや利益が落ち、財務内容が悪化すると審査に通らない可能性が高くなってしまいます。

銀行融資を受けられない場合、カードローンの利用などを考えるかと思いますが、カードローンにも審査があります。

そこで最近、注目されているのが、ファクタリングです。

ファクタリングとは、売掛金等の売掛債権を利用した資金調達方法になります。

ファクタリングには様々なメリットがありますが、ファクタリングを利用したことがない方の中には、ファクタリングって違法じゃないの?と思われる方はいらっしゃるのではないでしょうか?

結論からいうと、ファクタリングは違法ではありません。

今回はファクタリングが違法ではない理由についてわかりやすく説明していきます。

2社間ファクタリング・3社間ファクタリング

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングによって準拠法は異なります。

2社間ファクタリング・3社間ファクタリングがなぜ合法なのかについて分かりやすく説明しますね。

2社間ファクタリングが合法な理由

まずは、2社間ファクタリングが合法な理由について説明しますね。

2社間ファクタリングとは、ファクタリング利用者とファクタリング業者の間で行われるファクタリングです。

2者間ファクタリングの最大のメリットは、取引先にファクタリングの利用がバレない事になります。

一般的に、自分の売掛債権をファクタリングに利用される事を、多くの企業は嫌がりますので、ファクタリングの利用がバレないと言う事は大変大きなメリットなのです。

しかし、ファクタリング業者から見ると、ファクタリング利用者が、入金になった売掛債権の満期金を持ち逃げしてしまうなどのリスクがあります。

リスクが後ほど説明する3社間ファクタリングよりも高いので、手数料は次に説明する3者間ファクタリングよりも高い傾向にあります。

この2社間ファクタリングは、民法第555条の売買契約を根拠にしています。

ファクタリング利用者が持っている取引先の売掛債権をファクタリング業者に譲渡することで2社間ファクタリングは成立します。

売掛債権にかかわらず、自分が持っているものを他人に譲渡する自由は、当たり前ですが誰にでもありますよね?

もし、自由に売買することができなければ、それはもはや自由な国とはいえません。

また譲渡金額ですが、これも、当事者同士で自由に決めることができます。

ファクタリングは、期日前の売掛債権を期日より前に現金化してくれるサービスです。

期日まで待てば、100%お金を受け取ることができますが、期日まで待てない企業も多いでしょう。

ファクタリングを利用することによって、期日前にお金を受け取ることができますので当座の資金繰りに充てることができます。

しかし、ファクタリング業者から見ると、満期前に売掛債権を発行した会社が倒産してしまう可能性があるので、リスクを背負うことになるのです。

そこで、ファクタリングを行う際手数料を取ることによってリスクヘッジをしています。

この手数料ですが、ファクタリング利用者とファクタリング業者の間で自由に決めることが可能です。

売掛債権を発行している取引先の信用力によって、手数料が変わってくる事は当然です。

もちろん、法外な手数料を要求してくるファクタリング業者が全くないとは言い切れません。

しかし、法外な手数料を取るからといって一概に法律上違法であるとは言えないのです。

とは言っても、ファクタリングには相場がありますので、利用する際はファクタリングの手数料の相場についてよく確認しするようにしましょう。

3社間ファクタリングが合法な理由

3社間ファクタリングとは、ファクタリング利用者・ファクタリング業者・売掛債権を発行した取引先の3社間で行われるファクタリングです。

ファクタリング利用者は、売掛債権をファクタリング業者に譲渡します。

ファクタリング業者は、売掛債権の入金をファクタリング業者にするよう依頼するのです。

3社間ファクタリングは、取引先にファクタリングを利用した事実がばれてしまいますが、ファクタリング業者から見ると、2社間ファクタリングに比べてリスクが低いファクタリングになります。

その分、2社間ファクタリングよりも、手数料が低いことが一般的です。

この3社間ファクタリングですが、売掛債権を譲渡して行う場合の準拠法は、2社間ファクタリングと同じく民法555条になります。

しかし、3社間ファクタリングの場合、売掛債権の譲渡ではなく、売掛債権を担保にして融資すると言う形式で行われることもあるのです。

売掛債権を担保にして融資する形式の場合の準拠法は民法第587条の消費貸借になります。

消費貸借を行う場合は、貸金業者の登録が必要ですので、もし貸金業者の登録をしていないファクタリング業者が売掛債権を担保にしてファクタリングをした場合は違法と言うことになります。

売掛債権を担保にした場合、仮に取引先から資金を回収することができなくても、ファクタリング利用者から回収する権利があるので、ファクタリング業者から見るとよりリスクが低いということができるでしょう。

給料ファクタリングは、違法!

最近、問題になっているファクタリングがあります。

これは給料ファクタリングです。

給料ファクタリングとは、給料を担保にして行われる個人向けのファクタリングになります。

給料ファクタリングは、給料を担保にしているので、消費貸借が準拠法です。

要は、給料ファクタリングは、貸付に該当するので利息制限法を守らなければなりません。

利息制限法で定められている上限金利は、元本が

10万円未満…年20%

10万円以上100万円未満…年18%

100万円以上…年15%

となります。

給料ファクタリングの手数料は、この利息制限法で定められている上限金利をはるかに上回る手数料をとっているので、給料ファクタリングは違法ということになります。

注意すべき悪徳ファクタリングとは?

この章では、悪徳なファクタリングについて紹介します。

金融庁がファクタリングを警告しているのは、この悪徳ファクタリング業者があるせいです。

・給料ファクタリング

・偽装ファクタリング

わかりやすく説明しますので参考にしてください。

給料ファクタリング

給料ファクタリングとは先ほど説明した通り給料を使ってファクタリングを行う仕組みです。

要は給料の前借りのようなものになります。

一見すると良さそうに見えますが、法外な手数料取られるケースが多いため、給与ファクタリングは基本違法だと思ってください。

金融庁や消費者庁は給料ファクタリングについてはかなり問題視しています。

偽装ファクタリング

偽装ファクタリングとは、ファクタリングに見せかけて、お金を貸し付けることです。

一般的に闇金などの違法な金融機関が行っているものになります。

偽装ファクタリングが多いのも、金融庁がファクタリングを警戒している理由でしょう。

怪しい!悪徳ファクタリング会社のよくある詐欺手口

この章では、悪質なファクタリング会社のよくある手口を紹介します。

・甘い罠!低価格な手数料で勧誘

・請求を不当に上乗せ

・買戻特約、償還請求がつている

・窮地につけこんで不利な契約を締結させる

・脅しのような督促

・「ジャンプ」には要注意

わかりやすく説明しますのでぜひ参考にしてください。

甘い罠!低価格な手数料で勧誘

明らかに安い手数料には注意が必要です。

最初に提示された手数料がいくら安くても、その後、理由をつけて費用を請求される可能性は大いにあります。

一般的な2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの手数料は以下の通りです。

2社間ファクタリング…10%から30%

3社間ファクタリング…1%から9%

これよりもはるかに安い手数料が提示されている場合は注意するようにしてください。

請求を不当に上乗せ

「保証料」「登記手数料」「出張費」「交通費」「審査手数料」など、実際には負担していないにも拘わらず、上乗せして請求されることがあることがあります。

特にインターネットなどで提示されている手数料が安い業者の場合、このような傾向がありますので注意してください。

買戻特約、償還請求がついている

買戻特約、償還請求が付いているファクタリング 業者は違法です。

買戻特約、償還特約とは、ファクタリング業者が売掛金の回収ができなかった場合、ファクタリング利用会社に支払いを請求することです。

買戻特約…償還特約がある場合、ファクタリングではなく、融資になります。

融資の場合、利息制限法の範囲内の金利しか取ってはいけません。

買戻特約…償還特約が付いている場合は、貸金に該当しますので注意してください。

窮地につけこんで不利な契約を締結させる

ファクタリングを利用する業者の多くは、資金繰りに困っているはずです。

資金繰りに困ると、多くの方は、多少契約内容が不利でも契約してしまいます。

悪質な業者は、窮地につけ込んで不利な契約を締結させる傾向にあります。

ギリギリの経営者に対して高額な手数料を支払わせたり、取引先に債権譲渡通知書を送ると脅されたり、連帯保証を要求されたりして不当な契約を締結させられるケースもありますので、注意してください。

脅しのような督促

脅しのような督促は禁止されています。

しかし、悪徳なファクタリング会社だと脅迫まがいの督促をしてくることはよくありますので注意してください。

「ジャンプ」には要注意

ジャンプとは、手数料だけを支払い、元本の支払いを翌月以降にずらすことです。

ジャンプは、一見すると手数料だけ支払えば良いので、一時的な負担が少なくなります。

しかし、結果として平成が長引けば長引くほど高額な手数料を取られるので絶対に利用するのはやめましょう。

悪徳なファクタリング業者が、手数料が取れるジャンプを勧めてくる傾向にありますので注意してください。

まとめ

今回は、ファクタリングは違法では無いという事について説明をしました。

また金融庁がファクタリングを警告する理由についても説明をしています。

給料ファクタリングのような違法なファクタリングが一部ありますが、企業向けに行われる一般的なファクタリングは、決して違法ではありません。

銀行融資で、資金調達をすることができれば1番良いとは思いますが、財務状況が悪化しているなどの理由で銀行融資を受けることができない企業もあるでしょう。

また当座の資金繰りのためにすぐにお金が必要な場合もあると思います。

そんな時、ファクタリングは審査も早く自社の財務状況についても厳しく問われないので非常に便利な資金調達方法であるといえるでしょう。

  • 記事監修者
  • 弁護士 近藤 裕之
  • 翔躍法律事務所 所属
  • 第一東京弁護士会 所属
  • ※法律問題に関するテキスト監修に限る