投資

【成長株 VS 高配当株】稼げるのはどっち?それぞれの特徴を踏まえて解説します。

日本株を購入するにあたって、どのような目的をもって始めることが大切です。

代表的な目的は以下のようなものがあげられます。

✅成長株で値上がり益を狙って株式を購入する

✅高配当株で配当金を目当てに株式を購入する

✅株主優待を目当てに株式を購入する

これらの目的をみると、成長株と高配当株はどっちの方が多くの利益を得られるのか疑問に思う方も多いでしょう。

そこで本記事では、日本株を購入するにあたって成長株か高配当株のどちらが資産形成に向いているのかという点について解説します。

成長株とは

成長株は「グロース株」とも呼ばれ、株価が将来大きく上昇することが期待される銘柄のことで、主に流行している業種やIT技術など最先端技術を持っている企業が多いです。

株価は基本的に企業価値を示すもので、純利益率や自己資本比率に応じた価格で推移することが多いですが、成長株は投資家からの期待が高いため、理論上の株価より高いという特徴があります。

企業規模や業種を見ただけで判断できませんが、新興企業やテック企業などが一般的に成長株に該当し、ほかにも必要性の高いサービスや質の良い商品を取り扱っている企業も期待が高いです。

株価が10倍以上となる「テンバガー銘柄」を見つけて投資することができれば、一攫千金を狙えるのも成長株投資の魅力といえます。

しかし、成長株を見つけるのは簡単なことではなく、中小株に比べて大型株は損失を受ける場合大きな金額となるため注意が必要です。

高配当株とは

高配当株とは、配当利回りが高い銘柄のことで「高配当銘柄」と呼ばれることもあります。

配当はすべての銘柄で実施されているわけではないため、配当目当てで投資をする際は事前にリサーチしたうえで購入することが必須です。

高配当株であるかどうかを確認するために、購入した株価に対してどれだけの配当金を1年間で受け取れるかを表す「配当利回り」を確認する必要があります。

<配当利回りの計算式>

配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株購入価格×100

例えば、年間配当金が1株あたり30円の銘柄を1株1,000円で購入すると、配当利回りは3%になります。

そこで疑問になるのが「利回りは何%程度で高配当株といわれるのか」という点でしょう。

結論から言うと、高配当株とは配当利回り2.5%以上で高配当といえるでしょう。

理由としては、東証プライム全体の配当利回りは2.21%(2023年9月時点)となっているためであり、この水準を上回っていれば平均以上とみられます。

なお、配当利回りの計算式を見てわかるとおり、分母が株価なので株価が下がると配当利回りが相対的に高くなる傾向にあるため、配当利回りを高めるためにもより安い株価で買うことが大切です。

成長株と高配当株どちらの方が稼げる?

成長株と高配当株はどちらの方が稼げるのか疑問に思っている方は多いでしょう。

これを考える前提として、購入した株式を中長期で保有することを前提に解説していきます。

成長株は購入時点では株価が安い状況であるなか、今後の業績アップなどを期待して株式を購入し、予想が的中すれば一攫千金で大きな利益を狙うことができます。

そして、高配当株は過去の実績から、年に1~2回の高額配当を手堅く受け取ることができ、なおかつ株価の上昇によって値上がり益も狙うことができます。

これらのことから考えると、手堅く稼ぎたければ「高配当株」に投資し、一攫千金を狙う場合は「成長株」に投資すると良いでしょう。

高配当株は、手堅く配当が得られると同時に、業績によっては値上がり益も狙うことができますが、そこまで大きな利益を得られる可能性は低いです。

一方で、成長株は予想が的中して企業価値が上昇すれば、株価の急騰も期待できますが、銘柄選びの判断が難しく、いつ株価が上昇するかといった待ちの期間が長いという欠点があります。

これらのことから「どちらが正解」という結論はなく、自身が投資に対してどのように考えているのかという点から、成長株か高配当株かを選んで投資すると良いでしょう。

成長株と高配当株の運用例

実際に成長株と高配当株を1年間保有した場合の稼ぎ方の違いについて、チャートを用いて解説します。

株式の保有期間は2023年1月4日から2024年1月4日までの1年間とし、購入株数は100株としてシミュレーションします。

成長株の運用例【ジャパンエンジンコーポレーション(コード:6016)】

株式購入(2023年1月4日)期末配当金(2023年3月31日)中間配当金(2023年9月30日)株式売却(2024年1月4日)
1,222円28円30円7,290円

ジャパンエンジンコーポレーションは、船舶用ディーゼルエンジン専業メーカーであり、2023年の値上がり率トップの銘柄です。

2023年4月に次世代燃料エンジン関連として注目され、好決算が続いたことが好感され株価が上昇しました。

そんなジャパンエンジンを2023年1月4日に購入して1年間保有していた場合、以下のような利益が得られます。

値上がり益:売値7,290円-買値1,222円=6,068円×100株=606,800円・・・①

年間配当金:(期末28円+中間30円)=58円×100株=5,800円・・・②

利益合計額:①606,800円+②5,800円=612,600円

このように1年間保有しておくことができれば612,600円の利益を得ることができます。

買値が約12万円(1,222円×100株)に対して利益が61万円も得ることができれば非常に美味しい取引ができたといえるでしょう。

高配当株の運用例【日本たばこ産業(コード:2914)】

株式購入(2023年1月4日)中間配当金(2023年6月30日)期末配当金(2023年12月29日)株式売却(2024年1月4日)
2,609円94円94円3,740円

日本たばこ産業(JT)は、たばこ事業で有名で、それ以外に医薬事業や加工食品事業も行っています。

JTの株価は比較的高めですが、安定した経営で株価も順調に右肩上がりとなっており、高配当株としても人気の銘柄です。

そんなJTを2023年1月4日に購入して1年間保有していた場合、以下のような利益が得られます。

値上がり益:売値3,740円-買値2,609円=1,131円×100株=113,100円・・・①

年間配当金:(中間94円+期末94円)=188円×100株=18,800円・・・②

利益合計額:①113,100円+②18,800円=131,900円

このように1年間保有しておくことができれば131,900円の利益を得ることができます。

利益は成長株に比べて大きくありませんが、安定した業績と配当で信頼できる銘柄といえ、保有しておくだけで毎年2万円程度の配当が得られるのは嬉しいポイントといえるでしょう。

まとめ

ここまで成長株と高配当株の特徴などについて解説してきました。

成長株は少ない資金で一攫千金を狙えますが、上がるか下がるか読みにくいという欠点があります。

また、予想通り上がったとしても売却するタイミングが難しかったり、保有している間に反落するリスクがあるなど投資手法としては難しいです。

一方で、高配当株は安定して高配当を得ることができ、値上がり益も同時に狙えるというメリットがあり、初心者でも比較的簡単に利益を狙えます。

しかし、高配当株に関してもコロナショックなどの大きな出来事が発生した際は、業績ダウンの影響で減配となる場合もある点は注意が必要です。

これらのポイントを踏まえたうえで、ご自身が考える投資の方法を実践してみてください。

  • 記事監修者
  • 弁護士 近藤 裕之
  • 翔躍法律事務所 所属
  • 第一東京弁護士会 所属
  • ※法律問題に関するテキスト監修に限る