2025年7月、女子プロゴルファー青木香奈子選手の交際が週刊誌にて報じられ、SNSを中心に波紋を広げています。
これに対し、青木選手のメンタルトレーナーである兼下真由子氏が、自身のInstagramで異例とも言える強い抗議を発信しました。
「精神的ハラスメント」「競技への冒涜」とまで踏み込んだこの声明は、多くの共感と議論を呼んでいます。
「青木香奈子の交際報道に「深い憤りと危機感を覚えています」とメンタルトレーナーが強い訴え」
本記事では、この出来事をきっかけに浮かび上がった「著名人のプライバシー侵害」の問題を、報道倫理・法的責任・社会的意識という多角的な視点から掘り下げます。
目次
試合中の私生活報道に「深い憤りと危機感」――メンタルトレーナー兼下真由子氏が訴えた真意とは?
1. 兼下真由子氏の訴え:「これは報道ではなく暴力だ」
兼下氏は投稿の中で、以下のような強いメッセージを発信しました。
「競技に集中すべき大会期間中に、無断で私生活を盗撮・掲載されるという事態に、深い憤りと危機感を覚えています。」
プロの試合に全身全霊で挑んでいる最中に、競技と無関係な交際情報を「商品」として切り売りされること。それは、選手の尊厳を侵害し、精神面に深刻な悪影響を与えるものであり、報道という名を借りた“加害行為”に他なりません。
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2. 匿名リークは“心の未熟さ”の表れ|一方的な構造の不公正さ
報道の情報源が「匿名の関係者」とされるケースでは、しばしば以下のような感情が背景にあります:
嫉妬や妬み
自己肯定感の低さ
他人を貶めることで優越感を得たい心理
兼下氏はこれを「劣等コンプレックスの裏返し」と表現し、匿名で人を売る行為の非倫理性を強調。
さらに、報じられる側が実名・顔出しで人生を晒される一方、報じる側やリークする側は一切の責任を負わないという情報の非対称性の構造を問題視しています。
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3. 法的リスク:私生活報道は名誉毀損罪・業務妨害罪に該当する可能性も
今回のような報道行為は、法的にも違法性を帯びる可能性があります。
該当しうる主な法律:
名誉毀損罪(刑法230条)
業務妨害罪(刑法233条)
迷惑防止条例違反(各都道府県の定めによる)
特にプロアスリートにおいては、スポンサー契約や大会成績、パブリックイメージが直接的にキャリアや収入に影響するため、軽率な報道によるダメージは深刻です。
加えて、これらの被害に対する法的救済措置は、損害賠償請求だけでなく、刑事告訴にも及ぶ可能性があります。
ネット上の誹謗中傷は名誉棄損になる?どんな時に名誉棄損が成立するかを解説

4. 「公人だから報道されて当然」は通用しない
「有名人だから仕方ない」「ファンの興味に応えるのがマスコミの役割だ」といった意見も根強くありますが、それは本質的に誤りです。
報道の自由とは、政治、行政、社会問題など公共性のある情報に対するアクセス権を保障するものであり、
個人の恋愛・交友関係や日常生活を暴く権利ではありません。
芸能人やスポーツ選手も、人格権とプライバシー権を有する一人の市民であることを、私たちは忘れてはなりません。
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5. 兼下真由子氏の呼びかけ:誠実な社会を目指して
兼下氏は最後にこう締めくくっています:
「選手や芸能人は、覚悟を持って実名で夢を語り、挑戦し、生きています。その裏側を軽々しく切り売りする文化は断ち切られるべきです。」
また、報道内容の是非よりも、それを消費する私たちの意識こそが、社会の報道姿勢を変える力になると強調しています。
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報道の名を借りた“暴力”に社会全体で向き合うべきとき
今回の青木香奈子選手に対する報道と、兼下真由子氏の発信は、
「報道」と「プライバシー侵害」の境界線を改めて考える契機となりました。
報道と称して誰かの尊厳を切り売りする行為が“当たり前”になってしまっている今、
それを是とするか否とするかは、メディアではなく社会全体の意識にかかっています。
著名人もまた、一人の人間である。
この当たり前の前提を大切にできる世の中こそ、私たちが次世代に引き継ぐべき「誠実な社会」です。