楽天カードは、提携している店舗も多く、ポイント等の様々な特典があることから、
利用している方も多いのではないでしょうか。
ですが、楽天カードもクレジットカードのため、返済が必要な借金であることに変わりはありません。
そのため、返済が難しくなった際には、債務整理を検討される方も多いでしょう。
では、楽天カードは問題無く債務整理が出来るのでしょうか。
結論をいうと、現状、債務整理は問題無く出来ると言えます。
そこで本記事では
- 楽天カードを債務整理する際におすすめの手続
- 債務整理をした際の各楽天サービスへの影響
などをご紹介します。
楽天カードは債務整理出来る?
楽天カードの特徴
結論から申し上げますと、楽天カードは債務整理可能です。
ですが、楽天カードの債務整理にはいくつかの特徴があります。
そもそも、債務整理には
- 「任意整理」
- 「自己破産」
- 「個人再生」
の3つがありますので、それぞれの手続ごとにその特徴を解説していきます。
任意整理
任意整理は、債務者と債権者(例えばクレジットカード会社や消費者金融)が話し合い、支払い方法の再調整や利息の免除などの返済条件を有利に変更する方法です。
例えば楽天カードでリボ払いや分割払いを利用する場合、実質年率12.25%~15.00%の利息が付されています。
任意整理をすることで、これが免除され、元本のみの返済に出来る手続です。
任意整理がおすすめなのはどんな人?
反対に言うと、任意整理は元本の返済は必要と言うことです。
ですから、まずは返済の能力が十分でなければ、任意整理は難しいでしょう。
また、借金額が大きかったり他の借金もある場合は、返済金額は大きくなります。
ですので、
- 収入が安定している場合
- 楽天カードの債務額が100万円程度である場合
- 借金が楽天カードしかない場合
には、任意整理がおすすめです。
任意整理のメリット
任意整理のメリットとして、まずは利息や毎月の返済額が下がり、支払総額や毎月の負担を軽減できることが挙げられます。
債務者の経済状況に応じて、支払い条件を再編成することが可能になります。
また、自己破産や民事再生といった法的手続きに比べ、任意整理は手続きが簡素で迅速です。
さらに、信用情報に登録される期間も、自己破産や個人再生と比べると、短く済む傾向にあります。
そのほかにも、家族にバレづらい、仕事に影響が出にくいなどのメリットもあります。
これらの効果を通じて、適切な支払い計画の下で、健全な財務状況を築くことが可能です。
そして、完済すれば借金問題を解決し、生計をたてなおすことができます。
楽天カードの任意整理の和解条件
楽天カードの任意整理の和解条件は、以下のようになることが多いです。
①利息の免除
経過利息や将来利息が全額免除されることが多いです。
また、債権調査票作成時点から和解日までの遅延損害金は、
代理人(弁護士や司法書士)が就任してから3ヵ月以内に和解が成立した場合には、
免除されることがあります。
反対に、代理人が就任して後3ヵ月経過後に和解が成立する場合は、
和解日までの経過利息が追加される場合が多いです。
②支払い開始時期
和解後3ヵ月たってから支払いが開始されます。
それより後の返済開始は認められないことが多いです。
ただし、これは、他社を任意整理した場合とさほど変わりません。
③分割の回数
分割回数の上限は通常は3年36回支払いです。
ただし、取引履歴等に照らして、最長60回まで伸ばすことが出来ます。
もっとも、1回の支払額が3000円を下回ることはできません。
なお、楽天カードは
分割60回以上に伸ばすのなら、自己破産や個人再生をしてください
というほど、任意整理に厳しいスタンスを取っています。
そのため、60回以上に分割回数が伸びない可能性が高いことには注意が必要です。
個人再生・自己破産も可能
楽天カードを自己破産や個人再生に含めることも、もちろん可能です。
ですが、個人再生の場合には、書面決議があることには注意が必要です。
個人再生の書面決議は、債務整理手続きの一環として行われる手続きのことです。
個人再生は、債務者が裁判所に再生計画案を提出し、債権者との間で再生計画案についての合意を取り、その後、裁判所の審査を経て認可を得て、再生計画案通りに借金を返済する手続きです。
この、再生計画案についての書面決議の際、一定数以上の債権者が反対をすると、個人再生の手続きが失敗することとなります。
そして、楽天カードはしばしば、この決議に反対の書面を提出しているとのことです。
そのため、楽天カードは個人再生にも厳しい態度を取っていると言えるかもしれません。
もっとも、この決議が反対により失敗するのは全体の数%程度と言われています。
楽天カードが厳しいからと言って、あまり気にしなくてもいいかもしれません。
楽天の各サービスへの影響とその対処法
ここまでは、楽天カードを債務整理することが出来るかについて解説してきました。
ここからは、債務整理をした場合、楽天カードにどのような影響が出るかを解説します。
また、楽天グループには多数の関連会社があり、様々なサービスを提供しています。
これらに影響は出るのかについても、あわせて解説します。
楽天カード
まず、債務整理をする場合、債務整理の対象となったカードは、利用停止、強制解約扱いとなります。
これは、債務整理をしながらカード利用を許すと、借金の総額が確定しないからです。
楽天カードも同様で、債務整理した場合、楽天カードは利用停止、強制解約扱いとなります。
では、楽天カードの債務整理をした後に、再度楽天カードを契約できるのでしょうか?
答えは「絶対不可能ではないでしょうが、難しい可能性が高い」です。
といいますのも、債務整理をすると、信用情報に影響が出てしまうため、再度契約するのはそもそも難しいのです。
さらに、債権者各社内で信用情報とは他に、情報を保有している可能性があります。
これに該当すると、審査が通らないというケースも報告されています。
いわゆる「社内ブラック」というものです。
これらの影響を考えると、絶対に再契約できないというわけではないものの、難しいと言わざるを得ないでしょう。
楽天ポイント
楽天カードを利用すると、楽天ポイントが1~3%程度付与される場合があります。
これらのポイントはどうなるのでしょうか?
これについては、「ポイントをどこが管理しているか」によって話が変わります。
例えば、セゾンカードの発行する「永久不滅ポイント」やニコスカードの「ニコスゴールドポイント」などは、債権者(=クレジットカード会社)が発行しているポイントです。
そのため、セゾンカードやニコスカードを債務整理すると、カードやそれに付随したポイントは利用できなくなります。
一方で、楽天ポイントやVポイント(旧Tポイント)に関しては、楽天のアカウントやモバイルVカードなどと連動しています。
これらのカードやアカウントは、たとえ債務整理をしても停止になることはありません。
ですので、こちらにポイントを移動させることが出来れば、ポイントを残すことも可能でしょう。
ちなみに、貯めたポイントを債務整理中に利用しても問題はありません。
楽天モバイル
楽天カードを債務整理しても、楽天モバイルには基本的に影響はありません。
ただし、楽天モバイルの契約の際に、決済方法を楽天カードに限定しているものがあります。
例えば、「楽天モバイル買い替え超トクプログラム」というサービスがあります。
これは、iPhoneを48回払いで購入し、25カ月目以降に当社が回収すると残りの支払いが不要となり、最新の製品にお得に乗り換えできるサービスです。
これは、楽天カードを契約している方しか利用できない契約方法ですので、債務整理をするとカードが利用停止となり、実質的には契約が出来なくなる可能性はあります。
楽天銀行
楽天カードを債務整理しても、楽天銀行への影響はありません。
今まで通り問題なく、口座を利用し続けることは可能です。
ただし、楽天銀行カードローンを利用されている場合には、少し話が変わります。
と言いますのも、債務整理をすると信用情報に影響が出ます。
この信用情報は、新規の契約以外にも、更新や、利用継続が可能かを判断するために、度々確認されています。
そのため、信用情報の影響により、楽天銀行カードローンも利用が出来なくなる場合はあり得ます。
さらに、楽天グループは比較的、頻繁に信用情報を確認しており、カードやローンの利用停止がされやすい会社だとも言われています。
そのため、楽天銀行カードローンの利用は停止となる可能性があることを留意するべきでしょう。
債務整理後に新たなクレジットカードを作るには
ここまでは、楽天カードを債務整理した場合の他のサービスへの影響について解説してきました。
楽天カードを債務整理すると、楽天カード自体は停止しますが、他のサービスには影響はほとんどないということはご理解いただけたかと思います。
最後に、債務整理後、新たなクレジットカードを作るにはどうすればいいか解説していきます。
一定期間経過後に申し込む
一般的に、債務整理が終わってから、5年は事故情報が残っていると言われています。
そのため、債務整理後に新たなクレジットカードを契約するためには、まずは信用情報の回復が重要になります。
ただし、これは各信用情報機関が最長で5年登録しているということです。
場合によっては2,3年程度で事故情報が消えていた、と言うこともあるようです。
また、事故情報はあくまで貸付判断の一材料に過ぎず、その人の収入や現状の借り入れ状況に応じても変わります。
そのため、ある程度期間を置いてから、申し込みをするようにした方がよいと思われます。
複数申し込みをしない
「すぐにカードを作りたい」
「とにかく、早く借り入れをしたい」
という気持ちが焦って、複数社にすぐに申し込みをしてしまう方がいらっしゃるかもしれませんが、これは避けた方が良いです。
信用情報には、借り入れの状況だけではなく、審査の申込み履歴も記録が残るためです。
これがいわゆる「審査ブラック」というものです。
そして、この記録は約半年程度続くとされ、特に大手のクレジットカード会社や消費者金融では、「短期間に〇社以上の申し込みをしている場合は、審査を通さない」という運用をしているところもあるようです。
クレジットヒストリーを作っておく
読者の皆さんに質問です。
- クレジットカード会社A社と1度も返済が遅れることなく1年取引がある人
- クレジットカード会社B社と1度も返済が遅れることなく5年取引がある人
- クレジットカード会社C社と契約3ヶ月、すでに滞納歴がある人
この3名のどの方が、最もお付き合いしたいでしょうか?
おそらく、最後の人を選ぶ人はほとんどいないでしょう。
このような、取引履歴のことを、クレジットヒストリーと言います。
上記の例でも分かるように、取引履歴が良好な方ほど他社とも契約がしやすくなります。
ですので、もし、利用可能なカードが手元にある場合は、これ以上ブラックにならないようにきちんと返済し続けることが重要です。
安定した収入を得ておく
最後に、安定した収入を得ることが、債務整理後にクレジットカードを作るために大変重要となるという点を指摘しておきたいと思います。
クレジットカードの審査を通すためには、先ほどから述べております通り、信用情報やクレジットヒストリーなども確認されますが、最も注目を集めるのは「返済可能性」です。
安定した収入があり、雇用形態も正社員や公務員など、勤務先の規模が大きく、勤続年数が長い、そして年収がよいなどの要素は、返済可能性が高い人いう認定されやすくなります。
事実、公務員や医師、弁護士など、安定した収入が期待できる職業は高く評価されます。
一方、自営業や派遣社員、アルバイトなどは収入の不安定性から、評価が低くなる傾向があります。
そのため、カードの審査を通したいのであれば、なるべく安定性の高く、継続的な収入が見込める状態を作っておくことが何より重要になります。
最後に
最後に、「クレジットカードに頼ることなく、現金で生活する」ということが挙げられます。
クレジットカードは後払いであり、実質的には借金と変わりません。
中には、「クレジットカードがないと不便だ、生活が不安になる」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、現金払いのわずかな手間を省くためにカードをリボ払いし続ければ、最大で年利15%もの金利を支払うことになってしまうことは、一見して不合理的とさえ言えます。
クレジットカードを持たないことを選択することで、借金を増やさずに済みます。
クレジットカードを使わないことで、リボ払いのような高金利を避けることができ、節約にもつながります。
生活においてクレジットカードの利便性は大きいのは確かです。
しかし、その利用によって負債を増やすリスクもあることを考慮すると、クレジットカードを持たず、現金生活をするという選択も一つの解決策と言えるでしょう。