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債務整理

債務整理中に借入は可能?リスクと代替策を解説

債務整理中

債務整理は、借金の問題を解決するための重要な手続きです。

ただし、債務整理中は信用情報に傷がつくため、新たな借入ができなくなります。

では、債務整理中でもお金を借りられる方法はあるのでしょうか?

また、どうしてもお金が必要になった時には、どのような選択肢があるのでしょうか?

債務整理中の借入は、様々なリスクを伴います。

安易な借入は、問題をさらに複雑にするだけです。

本記事では、

  • 債務整理の基礎知識
  • 債務整理中の借入の危険性
  • お金に困った時の対処法

まで、詳しく解説します。

債務整理は、新しい人生を始めるためのチャンスです。

賢明な選択をするためのヒントを得てください。

債務整理を知ろう

まずは債務整理がそもそもどんなものか知っていきましょう。

債務整理は、借金の返済が厳しくなってきたときに行うもので、3つの種類があります。

それぞれに特徴があるので説明していきます。

任意整理

任意整理は、債権者と交渉をして、将来利息をカットしてもらう手続きです。

通常、借入をすると利息を付けて返済を行う必要があります。

そのため、借入れた金額より高い金額を返済していくことになり、月々の返済が少額しかできない場合、利息しか払えず、元金が減らないという事態に陥ります。

任意整理で利息をカット(債権者によっては3~10%くらい利息が残るところもあります)することで、返済を楽にできるようになります。

また、月々の返済額も、調整して、毎月の返済を楽にすることもできるので、

完済を目指しやすくなります。

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払えないわけではないけれど、先が見えないな、すこし厳しいな・・・

というひとは、まず任意整理を検討するといいでしょう。

個人再生

個人再生は、任意整理と違い、裁判所を通す手続です。

借入額に応じて、借金を1/5~1/10に圧縮した金額を、3~5年で返済をする計画を立てる手続きです。

借金の額が圧縮されることで、非常に返済が楽になります。

また、住宅ローンについては、払い続けながら手続きができます。

ですので、住宅を残すことができる可能性があります。

返済に困ってしまっているけれど、家族と暮らす住宅の手放しは難しい場合、検討される手続きです。

しかし、任意整理と比べ、手続きが煩雑で、条件も厳しくなります。

自分でやろうとすると、かなりの労力を必要とするので、弁護士に依頼をすることをおすすめします。

自己破産

自己破産は、「もう返済ができない」ときの最終手段です。

裁判所に申し立てを行い、原則として借金を0円にリセットしてしまう手続きです。

公的な手続きになるので、財産を処分したり、職業上の制限は生まれたりといったデメリットがあります。

しかし、本当に借金で生活が立ち行かなくなってしまった人には、やり直しのチャンスを与えてくれる救済手続きでもあります。

一定の要件はありますが、原則として免責が認められれば、借金が帳消しになります。

財産を処分する、ということもあり、住宅を残すことも基本的にはできません。

しかし、住宅ローンは、そもそも返済原資を財産にしているので、破産で免責されるとローンも組めなくなり、競売にかけるしかなくなるのです。

けれども、住む場所は必要不可欠です。

破産後は、家賃の安いアパートなどから再出発をすることになります。

自分の人生を立て直すためにも、自己破産は前向きに捉えるべき制度だと言えます。

ただ、「またお金を借りたい」という人は、十分注意しなくてはいけません。

債務整理は借金の解決方法だが、新たな借金はNG

このように、債務整理は借金を整理する制度であり、債務者を経済的に再生させる制度です。

けれども、債務整理中は信用情報に傷がつき、新たな借入をすることは難しくなります。

仮に借入ができたとしても、債務整理の趣旨に反するうえ、将来の借金のタネになりかねないため避けるべきです。

そもそも、債務整理は過去の借金をどうにかする制度であって、新たな借金は想定されていません。

新たな借金は、債務整理の趣旨に反することとなるでしょう。

自分の収入の範囲内で生活をすることが、債務整理を受ける者の責任だと思います。

債務整理中でも借入は可能だが、おすすめできない

結論から言うと、債務整理中でも借入は可能です。

しかし、おすすめできません。

なぜなら、債務整理中は信用情報に傷がつくため、大手の消費者金融などからの借入は難しいからです。

仮に借入ができたとしても、金利が高かったり、返済条件が厳しかったりと、良い条件での借入は期待できません。

また、債務整理の趣旨は過去の借金を整理することであり、新たな借金は想定されていません。

債務整理中の借入は、将来の借金のタネになりかねず、債務整理の目的に反することになるでしょう。

むしろ、自分の収入の範囲内で生活をすることが、債務整理を受ける者の責任だと言えます。

債務整理中の借入にはリスクがある

では、どうしても借入をしなければいけない状況なら、どうすればいいのでしょうか?

実は、中小の消費者金融の中には、債務整理中でも融資をしてくれるところがあります。

しかし、そのような業者は大手と比べて金利が高く設定されていたり、融資額が小さかったりするのが一般的です。

返済が滞れば、せっかくの債務整理が水の泡になってしまいます。

また、闇金融や詐欺に遭うリスクもあります。

「ブラックでもOK」「債務整理中でも即日融資」などの甘い言葉に騙されて、法外な金利を要求されたり、脅されたりするケースが後を絶ちません。

そのような業者からの借入は絶対に避けるべきです。

さらに、仮に身内から借入をしたとしても、返済できなければ関係が悪化してしまうリスクがあります。

債務整理中の借入は、どのような形であれリスクが高いと言えるでしょう。

高金利のリスク

債務整理中でも貸してくれる業者はいます。

しかし、そのような業者は大手消費者金融と比べて金利が高く設定されていることが多いです。

なぜなら、債務整理中の人への融資はリスクが高いと判断されるからです。

高金利の借入は、返済負担が重くなり、せっかくの債務整理の効果が薄れてしまうでしょう。

返済が滞れば、延滞金や遅延損害金などのペナルティも加算され、借金がさらに膨らむ可能性があります。

債務整理は借金を減らすための手続きですから、高金利の借入は本末転倒だと言えます。

ヤミ金融のリスク

債務整理中の人をターゲットにしているのが、ヤミ金融です。

「ブラックでも借りられる」「審査なし」などの甘い言葉で誘い込み、法外な金利を要求してきます。

ヤミ金融は、暴力団などの反社会的勢力が関与していることも多く、返済が滞れば脅迫や暴力行為に及ぶこともあります。

ヤミ金融からの借入は、多重債務や生活の破綻につながる危険性が高いのです。

絶対に手を出してはいけません。

詐欺のリスク

債務整理中の人は、お金に困っているため、詐欺のターゲットにもなりやすいです。

「低金利で貸します」「保証人不要」など、条件の良い融資を持ちかけられても、うのみにしてはいけません。

実態のない会社からの借入は、お金を騙し取られる可能性が高いです。

最近は、融資を装ってSNSで接触し、個人情報を聞き出したり、マネーロンダリングに利用したりする手口も増えています。

うかつに個人情報を教えたりせず、むやみに借入に手を出さないようにしましょう。

人間関係の悪化リスク

家族や友人など、身内から借りるのも一つの方法かもしれません。

しかし、そこにもリスクがあります。

返済が滞れば、人間関係が悪化する可能性が高いのです。

お金の貸し借りがトラブルになることは珍しくありません。

親族であっても、友人であっても、お金の問題でいがみ合いになれば、関係が修復不可能になることもあります。

身内への借入も避けた方が賢明だと言えるでしょう。

債務 整理中に借入をしない方法

債務整理中の借入は、リスクが高いことがわかりました。

では、債務整理中に借入をしないためにはどうすればいいのでしょうか?

収入を増やす

債務整理中に借入をしないためには、収入を増やすことが重要です。

具体的には、以下のような方法が考えられます。

副業を始める

アルバイトやパートタイムの仕事を探して、空いた時間で働くのです。

在宅ワークなど、自宅でできる仕事もたくさんあります。

転職する

収入アップを目指して、転職するのも一つの方法です。

ただし、自己破産をしていると、ある程度の職業選択の自由に制限がかかることがあるので注意が必要です。

スキルアップする

新しい資格を取得したり、スキルを身につけたりすることで、収入アップにつなげることができます。

自己投資は、長期的な収入アップに効果的だと言えるでしょう。

支出を減らす

収入を増やすことと同時に、支出を減らすことも大切です。

無駄な出費を見直し、節約を心がけましょう。

固定費を見直す

携帯電話の料金プランを見直したり、保険を見直したりすることで、固定費を削減できます。

変動費を見直す

外食を控えめにしたり、ジェネリック医薬品に切り替えたりするなど、日々の生活の中で節約できる部分はたくさんあります。

不要なものを処分する

使わなくなったものを売却したり、無駄なサブスクリプションを解約したりすることで、支出を減らすことができます。

債務整理中は、収支のバランスを見直し、支出を収入の範囲内に抑えることが重要です。

制度を利用する

収入を増やしたり、支出を減らしたりする努力をしても、どうしても生活が苦しいという場合は、公的な支援制度を利用するのも一つの方法です。

生活保護

生活に困窮している場合は、生活保護を利用できる可能性があります。

住宅支援

住宅確保給付金など、住宅の確保に困難を抱えている人向けの支援制度があります。

医療費支援

医療費の負担が重い場合は、自治体の医療費助成制度などを利用できる可能性があります。

債務整理中は、自分の権利を知り、活用することが大切です。

弁護士や司法書士、役所の窓口などに相談して、利用できる制度を確認しましょう。

就職活動支援

失業や減収が原因で生活が苦しいのであれば、就職活動支援を利用するのも一つの方法です。

ハローワークでは、職業紹介だけでなく、履歴書の書き方指導や面接対策、職業訓練など、就職活動を支援するさまざまなサービスを提供しています。

また、自治体によっては、就職活動中の生活費を支援する制度を設けているところもあります。

例えば、東京都では「緊急就職支援事業」として、就職活動中の住居確保給付金の支給や、面接時の交通費の支給などを行っています。

債務整理中は、新たな借入を避け、収入を増やすことが重要です。

就職活動支援を活用して、早期の再就職を目指すのも一つの方法だと言えるでしょう。

フードバンクの利用

食費の負担を減らすために、フードバンクを利用するのも一つの方法です。

フードバンクとは、食品関連企業から寄付を受けた食品を、生活に困窮している人や福祉施設などに無償で提供する活動のことです。

全国各地にフードバンクがあり、身近な社会福祉協議会や自治体の窓口で紹介してもらえることがあります。

また、フードバンク団体のウェブサイトで直接申し込むこともできます。

債務整理中は、食費を切り詰めることで支出を減らすことができます。

フードバンクを利用することで、少しでも生活の負担を減らすことができるかもしれません。

最終手段としての破産

どうしても生活が立ち行かなくなった場合、最終手段として自己破産を選択することもあります。

自己破産は、財産を処分することで借金をゼロにする手続きです。

任意整理や個人再生では対応できないほど、借金の返済が困難な状況であれば、自己破産を検討せざるを得ないでしょう。

ただし、自己破産にはデメリットもあります。

財産を失う

自己破産をすると、一定の財産を除いて、すべての財産を処分しなければなりません。

信用情報に傷がつく

自己破産をすると、信用情報に10年間、その記録が残ります。

この間は、クレジットカードの作成やローンの利用が難しくなります。

職業選択の自由に制限がかかる

弁護士や公認会計士など、一定の職業に就くことが制限されます。

自己破産は、どうしようもない状況での最終手段です。

安易に選択するのではなく、弁護士や司法書士によく相談して、慎重に判断する必要があります。

おわりに

債務整理は、借金の問題を解決するための手段であり、新たな人生を始めるための第一歩です。

しかし、債務整理中は、信用情報に傷がつき、経済的に厳しい状況に置かれることが少なくありません。

そんな時、新たな借入をすることは、問題をさらに複雑にするだけです。

たとえお金がなくて困っている状況でも、安易に借金に手を出してはいけません。

特に、SNSの個人融資は、ヤミ金である可能性が高く、絶対に避けるべきです。

困った時は、まず公的支援制度を利用することを検討しましょう。

そして、身近な人に相談することで、精神的な支えを得ることも大切です。

それでも状況が改善しない場合は、弁護士や司法書士と相談して、債務整理の方針を見直すことも必要かもしれません。

債務整理は、過去の借金と決別するための手続きです。

新たな借金に頼ることなく、自分の力で新しい生活を築いていくことが重要なのです。

たとえ今は苦しくても、必ず道は開けます。

焦らず、一歩一歩、着実に前に進んでいきましょう。

債務整理は、あなたの人生を再スタートさせるためのチャンスなのです。

まとめ

債務整理は借金問題を解決し、新たな人生をスタートさせるための重要な手続きです。

任意整理、個人再生、自己破産など、その人の状況に合わせて適切な方法を選択することが大切です。

しかし、債務整理中は信用情報に傷がつくため、新たな借入はできません。

無理に借入をすれば、高金利や厳しい取立てのリスクがあります。

特にSNS上の個人融資は、ヤミ金の可能性が高く、絶対に避けるべきです。

債務整理中にお金に困ったら、まずは公的支援制度を利用し、身近な人に相談することが重要です。

それでも問題が解決しない場合は、弁護士や司法書士と相談し、債務整理の方針を見直すことも検討しましょう。

債務整理は、過去の借金と決別し、新しい生活を築くためのチャンスです。

新たな借金に頼ることなく、着実に前に進んでいくことが肝心です。