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債務整理

大阪府主催の「債務整理サポートプラザ」「多重債務窓口」とは|多重債務の解決方法

ネット上で、借金問題を解決するキーワードとして、大阪府が主催する「債務整理サポートプラザ」「多重債務窓口」の検索回数が多くあります。

大阪府の「多重債務窓口」のページを見ますと、債務整理サポートプラザは、平成30年3月30日で相談業務を終了したと報告されています。

大阪府では、多重債務窓口のサイトを設置し、多重債務問題を解決する情報を提供しています。

以下にホームページがあります。

https://www.pref.osaka.lg.jp/kashikin/kashikin_riyousha/index.html

本記事では、大阪府も取り扱っている多重債務問題の解決方法を解説していきます。

以前、「大阪での債務整理におすすめの弁護士・司法書士事務所|選び方も解説」をテーマに記事を投稿していますので、こちらも合わせて読んでもらえると幸いです。

記事はこちら➡ 大阪で債務整理におすすめの弁護士・司法書士事務所

多重債務とは

多重債務とは、複数のお金を貸してくれる業者から借金を抱え、そのお金を返すことが難しくなっている状態を指します。

最初は返済できていたかもしれませんが、だんだんと借りた額や業者が増えて、気づけば多重債務に陥っていることがあります。

多重債務の原因はいくつかあります。

たとえば、以下のような理由が考えられます。
・生活費が足りないこと
・収入以上に浪費してしまうこと
・借金を他の借金で返済してしまうこと

多くの方は、多重債務をする人を
「お金にだらしがない」
「自己管理が出来ていない」
「贅沢をするためにお金を借りている」
というネガティブなイメージを持つかもしれません。

当然、そのような方もおられるのは事実です。

ただ、意外かもしれませんが、贅沢や高級品の購入のために借財をしたために多重債務に陥る人というのは少数派です。

そもそも収入が少ない人や収入が減少してしまったため、生活費や教育費といった必要費を賄ったり、その借金を返すために借金をしてしまった結果、多重債務に陥る人が大半なのです。

家計収支を管理しても、これ以上支出を削ることもできず、お金の捻出のめどが立たないのであれば、とても危険な状態と言えます。

多重債務に陥る仕組みはシンプルであることが多いです。

最も多いのは、借金が支払えず、新たな借金をして返済をするということを繰り返すことです。

この状態では、借金がまったく減らないまま、逆に増え続けてしまいます。

こうなると、借金の額はどんどん増えていき、コントロールが効かなくなる可能性が高まります。

多重債務が生じるリスク

遅延損害金が発生する:

多重債務で返済が遅れると、「遅延損害金」という「約束通りにお金を返さなかったことに対するペナルティ」が発生します。

遅延損害金は、返済期限を過ぎるたびに課されていき、支払い額が増えてしまいます。

ブラックリストへの登録

支払いが遅れ続けると、信用情報機関に「ブラックリスト」として記録される可能性があります。

これにより、新しいクレジットカードを作ったり、ローンを組んだりするのが難しくなります。

また、この情報は金融機関間で共有され、金融機関は信用情報を元に取引相手を選びますので、この状況は新たな借金をしにくくなる恐れがあります。

財産の差し押さえ:

多重債務を放置していると、借金が積み重なり、支払いが難しくなることがあります。

この状態では、借金の回収の見込みがないということで、金融機関は裁判所に訴えを起こし、請求が受け入れられると、あなたの財産(家や給与など)が差し押さえられるリスクがあります。

多重債務を解消する方法

では、どうにかして多重債務を解決することはできないのでしょうか。

借金問題を効率的に解決する方法としては
・おまとめローンを利用する
・債務整理をする

という二つの方法が考えられます。

ここでは、一つずつ解説していきます。

おまとめローン

おまとめローンは、複数の借金を抱えている人を対象としたローンです。

このローンは、銀行や消費者金融などの金融機関によって提供されています。

なお、本記事では、借り換えローン(金利を下げるために他社から安い金利で借り入れを行い、金利の高い会社へ一括返済することを約するローン)も、便宜上「おまとめローン」として合わせて解説します。

おまとめローンの良い点は、いくつかあります。

まず、複数の借金を1つにまとめることで、支払う利息が減る可能性があります。

消費者金融やクレジットカード会社から低い金利で借りることができ、支払う利息が少なくなり、元本返済に使えるお金が増えるかもしれません。

また、住宅ローンや自動車ローンなどの長期の借金であっても、借り換えローンを使って金利を下げることができます。

これによって高い金利から低い金利へ切り替え、支払額を減らすことが可能です。

さらに、借金の支払い日がまとまるため、管理が簡単になります。

多くの支払い日を気にする必要がなく、支払いを忘れる心配も少なくなります。

ただし、注意も必要です。

おまとめローンを提供する企業は金利を得るために提供しています。

広告で見る最低金利が実際の借入に適用されることは少なく、実際には数パーセントの利息がかかることが多いです。

特に消費者金融が提供するものであれば、9~10%と高い金利が適用されることもあります。

また、金融機関は長期間の利息を稼ぐために支払額を低く抑えることもあります。

これによって毎月の支払額は少なく感じるかもしれませんが、実際は長い間金利を支払うことになります。

特に金額の大きなおまとめローンを借りる際には、金融機関も審査が厳しく、通常のローンやクレジットカードより難しいこともあります。

したがって、計画的に考えて金利や返済期間をよく検討することが大切です。

債務整理

債務整理とは法律の制度を使い、弁護士や司法書士といった専門家の力を借りることで、借金問題を解決したり、返済がしやすい状態にする制度のことです。

債務整理には大きく分けて、裁判所を通さないで、各債権者と私的に和解をする「任意整理」と裁判所を通して行う「法的整理」があります。

さらに法的整理は「個人再生」と「自己破産」に分かれます。

これらはいずれも、借金を整理して返済をしやすくしたり、返済を一部、または全部免除させる効果がありますが、別々の手続ですので、それぞれ、得られるメリットや効果が異なります。

任意整理

「任意整理」というのは、前述の3つの方法の中で一番よく使われる手法です。

これは、借金の貸し手と弁護士や司法書士を介して話し合いをし、支払い計画や内容を見直す方法です。

例えば、利息を0%にしたり、毎月の支払額を軽減することで、返済の負担を楽にすることができます。

任意整理は借金問題を解決する手続きであり、同時に将来の生活を整えることが出来ます。

返済が楽になり、負担を減らしつつ、早期に借金を返済できるという点で、大きなメリットがあります。

また、他の方法よりも手続きが簡単なのも「任意整理」の良い点です。

他の方法は裁判所を通じて進行することが多く、複雑な手続きが必要ですが、任意整理は裁判所を使わずに進めるため、問題の解決が早くできます。

さらに、未払いの車や住宅ローンを手続きから外し、特定の借金だけを整理することも可能です。

そのため、「ローンが残っている車を保持したいけど、債務整理が難しいかな」という場合であっても心配いりません。

ただし、任意整理の目的は利息を削減し、支払額を調整する代わりに、元本は返すということです。

そのため、法的整理より返済総額を大幅に減少させることはできないという点には注意が必要です。

また、任意整理を行うと信用情報に事故情報が記録され、一定期間は新しい借り入れやクレジットカードの申し込みが難しくなることがあります。

個人再生

「個人再生」とは、法的整理の一つで、裁判所を通じて行われるものです。

この方法では、借金の元金部分を多くの人で5分の1、最大で10分の1まで減額し、3年の期間にわたって少しずつ返済することができます。

個人再生の良い点は、以下の通りです。
・借金が最大で10分の1まで減らされる可能性があること。
・家などの財産を手放す必要がないこと。
・職業や資格に制限を受けないこと。

ただし、個人再生には注意が必要な点もあります。

・保証人(共同保証人)も責任を負う場合があること。
・手続きが複雑で時間とお金がかかることがあること。
・信用情報に影響を及ぼす可能性があること。
・官報に掲載される

個人再生は、裁判所を通じて進める債務整理の手法で、借金を減らすことができます。

ただし、完全に借金を消す方法ではなく、返済を前提としています。

そのため、将来の収入が確保されることが大切です。

自己破産

「自己破産」とは、特別な裁判所の許可を得て、借金を免除し支払いの義務を取り除く手続きです。

個人再生と同じく、裁判所を介して行われます。

裁判所が「免責決定」を下すと、非免責債権(例:税金や養育費)を除くほとんどの借金がなくなります。

免責不許可事由がない限り、免責が認められることが一般的です。

免責不許可事由は、例えばギャンブルや無駄遣いによる借金などを指します。

個人再生では借金全額は免責されませんが、自己破産の場合、免責が認められるとすべての借金の返済が免除されます。

そのため、多額の借金や困難な生活状況である場合に自己破産が選ばれます。

ただし、自己破産では借金をなくす代わりに貴重な財産(家や車など)を処分することが求められます。

信用情報にも影響を及ぼすため、他の手続きと同じように検討が必要です。

さらに、自己破産には職業制限も存在し、手続き中には一部の職業に就くことが制約されることがあります。

任意整理と法的整理どちらを選ぶべきか

ここまで、解説してきた通り、多重債務を抱えている場合、債務整理をするほうが自力で返済するよりも良いケースが多いと言えます。

では、どのように手続きを選ぶべきでしょうか。

ポイントは次の通りです。

(1)毎月どれくらいの返済ができるかを考える

任意整理を選ぶ場合、元金を返済しなければなりません。

3~5年(36~60回)の分割での返済を求められることが多いため

例(借金100万円の場合)
100万円/36~60回=1.7~2.8万円程度の金額を毎月捻出する必要があります。

この返済額を、3~5年間準備できる自信がないのであれば、法的整理を考える方が良いでしょう。

(2)任意整理しても返済が難しい場合、法的整理を検討する

任意整理をしても、返済額を準備できないのであれば、法的整理を検討するべきでしょう。

法的整理を選ぶ際には、借金の残額と、残したい財産の有無で選びましょう。

家やローンの残っていない車を手元に残したいのであれば、個人再生を選び、手元に価値のありそうなものがほとんどないか、家や車を手放しても良いのであれば、自己破産を選ぶということになります。

他にも、自己破産特有のデメリットとして、職業制限があります。

例えば、宅建士などの士業や、警備員、銀行員、保険の外交員などは、自己破産の手続中は職業制限がされてしまいます。

ですから、職業制限がある職業についている場合、退職や転職をしたくないという希望がある場合は、個人再生を選んだ方がプラスになる場合もあります。

(3)特別の事情がある場合、任意整理で問題を回避できるかも

法的整理を検討した方が良い場面であっても、例外的に任意整理を進めた方が良い場合もあります。

任意整理は、手続きをとる債権者を選べますが、法的整理の場合は選べません。

そのため「特定の債権者は対象にしたくない」といった要望がある場合などに、法的整理を避けて、あえて任意整理で返済をするプランを組むこともあります。

具体的には、以下のような事情がある場合が考えられます。
・家族に借金があることをバレたくない
・保証人が付いている借金があり、保証人に迷惑を掛けたくない
・ローンの残っている住宅や車を手放したくない
・知人や親族から借金をしているため、これはちゃんと返したい

こうした特殊な事情がある場合には、任意整理を選ぶこともメリットがあり得ます。

まとめ

多重債務とは、個人が複数の貸金業者や金融機関から借金を抱える状態を指します。

これによって毎月の返済が困難になり、負担が重くなることがあります。

このような状況では、適切な解決策を見つけることが重要です。

多重債務を解消する方法として、まず一つの方法として「おまとめローン」があります。

これは、複数の借金を一つのローンにまとめてしまう方法で、利息を低く抑えられる可能性があります。

また、返済管理が簡単になるため、返済の見落としを防ぐことができます。

もう一つの方法が「債務整理」です。

これは、法的手続きを通じて借金を整理する方法で、任意整理と法的整理の二つの方法があります。

任意整理は債務者と債権者が合意し、返済計画を再構築する手続きで、主に返済負担を軽減することを目的とします。

一方、法的整理には自己破産や個人再生があり、借金を減額するか免除することが可能です。

任意整理と法的整理、どちらを選ぶべきかは、自身の借金状況や生活状況、債務整理から得たい利益や目的によります。

もし返済が難しくない場合であれば、任意整理が選択肢として考えられます。

一方、借金が多額で返済が難しい場合、自己破産や個人再生を検討することとなります。

ただ、法的整理では得られる借金の減額の利益が大きい反面、デメリットも付いてきます。

そのため、そのデメリットを避けるために、任意整理を選ぶ方が適切であるということもあり得ます。