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BeeBet(スポーツベッド)は賭博か|BreakingDownの公式スポンサーであるBeeBetは違法なのか?

BreakingDownは、「1分間であれば、喧嘩自慢の素人でもプロ格闘家に勝てるかも。」というコンセプトのもと、素人に影響力のあるインフルエンサーになる道を提供するコンテンツとなります。

公式YouTubeサイトでは、5000万回超の再生数のある人気コンテンツです。

BreakingDownは、2023年8月26日に第9回大会を向かえます。

そのBreakingDown第9回大会にも、BeeBet(スポーツベッド)が公式スポンサーになりました。

格闘技イベントへのスポンサーはタニマチ的なもので、費用対効果が見込めないことが多いとは思いますが、BeeBetはスポンサーをすることで、売り上げに直結しそうです。

ただし、その利用には注意が必要です。

BeeBet(スポーツベッド)がマイナスサムゲームであることは明らかで、ギャンブルとなります。

https://finance-compass.com/toushi-gyanburu-tigai/

BeeBetの利用者には賭博罪が成立する余地があります(ただし、海外のサーバーなら、強制捜査が難しく、立件されない可能性が高いですが。)

ただ、賭博罪は国内犯のみが処罰の対象であり(刑法1条,3条,185条)、カジノを適法としている海外で日本人がBeeBetを利用することは問題ありません。

問題は日本国内でBeeBetを利用することは賭博罪が成立する余地があり、そうした場を提供しているBeeBetには問題はないのか、日本人の利用を誘発しているBreakingDownには問題はないのか、その点について、ネットに関する情報を整理してみます。

問題ないという記事

Google、Yahoo!で「BeeBet 違法」で検索すると、スポーツベッティングで飯が食いたいツツ運営局が運営する”スポーツベッティングで飯が食いたいツツ”というサイトが上位にあります。

この記事では、BeeBetを運営している1ban Ventures B.Vは、カリブ海にあるオランダ領キュラソーを拠点とし、金融ライセンスを取得していて、キュラソーにある海外サーバーを経由していて、日本にサービスを提供していることを理由に日本法が適用されないと論じています。

日本国内で利用しても、「明確な違法性はなく、グレーゾーンだから問題なし」という主張です。

この主張を前提にすると、日本法が適用されないBeeBet のスポンサーをするBreakingDownも問題はないということになりそうです。

利用する日本人に賭博罪が成立しないのであれば、BreakingDownも賭博罪の幇助罪は成立しないことになります。

なお、このサイトは、日本のサーバーを使って運営しているスポーツベット・カジノを利用すれば、この場合には、間違いなく日本の賭博罪が適用されるとも言っています。

問題があるという記事

警視庁は、オンラインカジノの利用に関して賭博罪が成立するとアナウンスしています。

https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/hoan/onlinecasino/onlinecasino.html

経済産業省スポーツコンテンツ・データービジネスの拡大に向けた権利の在り方研究会の第5回研究会に参考となる資料があります。https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/sports_content/005.html

このサイト内にある資料5「東京大学橋爪教授資料」3頁目には、BeeBet、BreakingDownにも関係する記述があります。

ここでは、「海外事業者によるスポーツベッティングの運営が海外で行われた場合『賭博場を開帳』する行為は日本国外で行われていると解するのが一般的であるが、オンライン・ベッティングの場合、ベッティングを運営する場所と賭客の居場所を含む全体が『賭博場』を構成するという解釈も十分に可能である。」「このような解釈を採用する場合、海外事業者の実行行為は日本国内でも行われていることになり、国内犯としても日本刑法が適用可能となる。」と論じられています。

この記事を前提にすると、BeeBet自体も国内犯として日本刑法が適用されることになります(強制捜査が難しく、立件されない可能性が極めて高い)。

これに対して、BreakingDownについては、BeeBetとは別の視点も検討されています。

同資料4頁目において、「海外の法制度において許容されているベッティングであっても、これに日本国内から参加した場合、賭博罪の成立を否定することは困難である。」「・・・日本国内からの参加者の賭博行為までを正当化するものではない。」「このような賭博行為について日本刑法が適用される以上、これを幇助する行為については当然日本法が適用される。」と論じられている。

これによると、BreakingDownによるBeeBetの宣伝がベッティングの運営を容易にしたとして、賭博を幇助したと言えそうです。

「スポーツベッティングで飯が食いたいツツ」というサイトでは、日本国内で利用しても、「明確な違法性はなく、グレーゾーンだから問題なし」という主張であったのに対して、同資料は、日本国内の利用には賭博罪が成立すると論じています。

まとめ

警視庁のアナウンスの通り、日本人がBeeBetを国内で利用するのことは賭博罪が成立します

BreakingDownに出場する選手などもYouTube内でBeeBetを利用しており、これが日本でベッドされているのであれば、賭博罪が成立し、自ら直接証拠を残してしまっていることになります。

BeeBetからスポンサードをされているBreakingDownは、日本人のBeeBet利用を宣伝しており、賭博罪の幇助罪が成立する可能性が高いと思います。

BreakingDownを適法に運営するには、今後、犯罪性を排除するために、試合時期には海外ツアーを組み、海外でスポーツベットをさせるしかないと考えます。

  • 記事監修者
  • 弁護士 近藤 裕之
  • 翔躍法律事務所 所属
  • 第一東京弁護士会 所属
  • ※法律問題に関するテキスト監修に限る