投資

日本株の相場はテクニカル分析で流れが分かる?初心者でも実践しやすいようにくわしく解説します。

株式投資には「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」の2通りの分析方法があり、これらの分析を活かしてトレードすることで損失のリスクを軽減することができます。

株を売買するには「タイミング」が重要で、買うタイミングや売るタイミングを誤ってしまうと、大きな損失を受けることに繋がりかねません。

株式投資を行う場合は、様々な角度でチャートを見ることが大切で、そのために分析の知識は少しでも持っておくことが大切です。

しかし初心者の方にとっては分析の方法どころか、意味すらもわからない方が多いでしょう。

そこで本記事では、チャート分析の基本ともいえる「テクニカル分析」について解説するとともに、ファンダメンタルズ分析の違いについてもわかりやすく解説します。

テクニカル分析とは?

テクニカル分析とは、過去の値動きから今後の相場を予測する方法で、分析方法としても過去の値動きの習性から、テクニカル指標を活用して今後の流れを予測します。

株価は「業績」や「将来性」を考慮したうえで価格が推移しますが、過去と同様の値動きが起こる確率が高いという事実があります。

そもそも株価は「株を買いたい人」と「株を売りたい人」の比率によって値動きしており、投資家は似たような判断基準で投資行動をとっていることが多いです。

たとえば、上図のような株価は上昇にあるものの「2,000円」まで下落してきた銘柄があったとします。

テクニカル分析の観点から言うと、この状況では2,000円で買われて、再度上昇する可能性が高いです。

理由としては、一度2,000円で支えられており、そこがサポートラインとなるため、再度2,000円まで下落してきた場合「また同じところで買われる」と判断されるためです。

株価の下落の理由が「業績の悪化」や「不祥事」などのファンダメンタルズ的な要因でないかは事前に確認しておく必要がありますが、テクニカル分析を知ることで格段と利益を出せる確率が高まります。

ファンダメンタルズ分析とは

「ファンダメンタルズ分析」とは、企業の業績や不祥事、さらには経済情勢を表す指標発表などの影響から、今後どのような値動きになるかを分析する方法です。

ファンダメンタルズ要因による値動きの特徴としては、中長期的に影響を受けて価格が推移するパターンと、「決算発表」などの発表後に激しく値動きするパターンがあります。

とくに注意すべきが、発表後に株価が激しく動く場合で、流れに遅れまいと衝動で株を購入してしまうと大きく損失を受ける可能性があります。

要注意といえるファンダメンタルズ要因は、以下のようなものがあげられます。

◎企業の決算発表

◎企業の新商品発表などの好ニュース

◎企業の不祥事発覚などの悪ニュース

◎日本銀行の政策金利発表

◎日本銀行の為替介入

これらの発表後は株価の変動が激しくなり、良い方へいけば「ストップ高」、悪い方へいけば「ストップ安」となるため、注意が必要です。

しかし、逆に利用すれば大きく稼げるチャンスでもあるため、テクニカル分析と合わせてファンダメンタルズ分析も同時に行うと良いでしょう。

テクニカル分析の方法

テクニカル分析は、「テクニカル指標」を使用することで分析することができますが、初心者にとっては指標の種類や使い方が難しいと感じる方が多いです。

また、テクニカル指標を使った分析以外にも、チャートの形を見て今後の株価を予測する方法もあります。

そこで、とくに簡単にできる分析方法を4種類紹介します。

テクニカル指標① 移動平均線

移動平均線とは、テクニカル指標の中で最も使用されている有名なもので、初心者の方でも簡単に使用できるものです。

移動平均線は、一定期間の平均価格を自動で算出し、その平均値を線として方向性をわかりやすく示してくれるツールとなっています。

1つのチャートの上に複数の移動平均線を表示することが多く、長期の移動平均線と短期の移動平均線がクロスした場合がとくに取引のチャンスだと言われています。

ゴールデンクロス
(短期線が長期戦を上向いてクロスした場合は「買い」)

デッドクロス
(短期線が長期戦を下向いてクロスした場合は「売り」)

テクニカル指標② RSI

RSIとは「相対力指数」とも呼ばれており、ある数値を超えた場合は相場が過熱しすぎている(買われすぎ・売られすぎ)ということを予測することができます。

算出基礎としては、一定期間における相場の「上昇幅」と「下落幅」をもとに算出され、70%~80%を超えると「買われすぎ」、20%~30%を下回ると「売られすぎ」と判断します。

取引方法としては、買われすぎの場合は「売り」、売られすぎの場合は「買い」と逆張りでエントリーすることになります。

売られすぎ(30%以下で「買い」)・買われすぎ(70%以上で「売り」

チャートパターン① ダブルトップ・ダブルボトム

ダブルトップとは、株価が上昇傾向にあったものの高値を二度超えられなかった場合に、今後株価が下落するのではと予測するパターンです。

そしてダブルボトムとは、株価が下落傾向にあったものの、安値を二度サポートされた場合に、今後株価が上昇するではと予測するパターンです。

チャートパターンはきれいに見える場合があれば、ぐちゃぐちゃとなって見えにくい場合もあるので判断が難しいですが、取引に活かせる知識であることに変わりはありません。

ダブルトップ

チャートパターン② 三尊・逆三尊

三尊とは、チャートが「山のような形」になることで、最高値を更新したものの直近の高値を超えられなかったため、今後株価が下落するのではと予測するパターンです。

そして逆三尊とは、三尊の逆の形で、最安値を更新したものの直近の安値を割らなかったため、今後株価が上昇するのではと予測するパターンです。

こちらはダブルトップ・ダブルボトム以上に判断が難しく、リアルタイムではっきりと確認しにくいパターンですが、取引に活かせると利益になりやすいといえます。

三尊

テクニカル分析の注意点

テクニカル分析は今後の値動きを予測するうえで非常に重要な分析方法で、テクニカル指標やチャートパターンを見て世界中の投資家が売買を行っています。

投資家心理がチャートに反映されるため、同じような考えで取引を行う方が多いため、信用できる場面はありますが、必ずしも取引の根拠と決めつけることは危険です。

たとえば、移動平均線で「ゴールデンクロス」が発生したにもかかわらず、株価が再度下落することは珍しくありません。

また、RSIでは「買われすぎ」の水準に達しているものの、さらに上昇する可能性も十分にあります。

このように、テクニカル指標が示すサインをすべて鵜呑みにして取引すると、損失を被るリスクがあるため、冒頭で解説したとおり様々な角度からチャートを見ることが大切です。

まとめ

ここまで、テクニカル分析の特徴や注意点について解説してきました。

テクニカル分析は、今後の値動きを予測するうえで非常に大切な知識となり、取引の根拠としても大切なスキルとなります。

株価はファンダメンタルズ要因で動くことがほとんどで、テクニカルがきかない場面もありますが、覚えておくと必ず役に立つ知識です。

テクニカル指標には、今回紹介した「移動平均線」「RSI」のほかに様々な指標があるため、興味がある方は色々使ってみると良いでしょう。

また、チャートパターンについても覚えておくことで今後の値動きが予測できるので、過去のチャートを見返してみて似たような形を探してみてください。

投資の世界は、現在の状況を過去と照らし合わせて見れることで、多くのヒントを得ることができるため、テクニカル分析は必ず覚えることをおすすめします。