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【書籍】マサニー『ズボラな人でもお金が増える 漫画インデックス投資一択で億り人』の要約

現代は投資で資産形成することが当たり前の世の中になりましたが、今でも銀行預金でお金を手元に置いておきたいと考える人が多いです。

実際にアメリカでは資産全体の約50%を投資に回していますが、日本では資産全体の約16%しか投資に回していないという統計があります。

しかし、著者であるマサニー氏は会社員時代に投資を積極的に行ったことにより、莫大な資産を築くことに成功しており、その体験や方法を本書では漫画形式で描かれています。

本記事では、書籍の内容を簡潔にまとめ、それぞれの要点について紹介していきます。

著者について

著者であるマサニー氏は、手取り25万円の会社員時代にインデックス投資を始めて、13年で資産5,000万円を達成しています。

その後は、創業間もない成長性の高い企業に投資する手法である「スタートアップ投資」に挑戦し、35億円の資産を築くことに成功しました。

投資を始める以前のマサニー氏は、外食や旅行などに給料の全額を自由に使っており、ほとんど貯金のない暮らしをしていました。

しかし、老後に対しての不安などを感じ始めたことをきっかけに「節約生活」を始め、食費は月1万円以内に収め、交通費を削るために電車を使わずに徒歩で移動していたようです。

ある程度お金が貯まった段階で投資を始め、現在の35億円という莫大な資産形成に成功し、現在はSNSでの成金発信で、投資に対して夢を与える存在として活躍されています。

書籍について

目次は以下の4つの章で構成されています。

第1章 資産1億円なら積立投資でなれる

第2章 全世界株式は「究極の平均」

第3章 iDeCoと新NISAを活かして積み立てる

第4章 マサニー流お金の正解・不正解

本書はマサニー氏が行った投資の経験則から、貯金ゼロ・投資素人でも資産1億円を築くための方法が解説されています。

投資初心者であれば投資に対して不安が多いと思いますが、マサニー氏は投資の中でも比較的稼ぎやすい「インデックス投資」の内容がメインとなっています。

そんな本書は漫画形式で描かれているため、文字だけでは理解が難しいという方でも容易に読み進めることができる書籍です。

それでは、本書の各章の要約について解説していきます。

第1章 資産1億円なら積立投資でなれる

第1章では、インデックス投資を長期的に積立投資することで資産1億円を目指す方法について解説されています。

マサニー氏による単純計算では毎月5万円の積立投資を年率7.5%で回すことができると、35年で1億円を超えるとされています。

この目標を達成するためには以下の3つのステップが大切です。

①目標を数値化する

②入金力を高める

③オルカンに投資をする

これらのステップについてそれぞれ解説します。

①目標を数値化する

まずは資産1億円を達成するために目標を決めることが大切で、どのような投資で達成するかをシミュレーションする必要があります。

例えば1億円を達成するまでに毎月の積立額に対してどれだけの年数が必要かを算出します。(年利4%で運用できた場合のシミュレーションで算出)

毎月積立額1億円を目指す場合5,000万円を目指す場合
2万円73年57年
3万円63年48年
5万円52年37年
10万円37年26年
15万円30年19年
20万円25年15年
25万円21年13年

このように数値化することで目標を決めやすくなりますが、「毎月5万円投資しても1億円まで52年もかかるのか」と思った方も多いでしょう。

しかし、1億円も必要ないという方は、5,000万円という目標を設定し、そこから逆算することで投資するうえでの目標が定めやすくなります。

投資は長期戦となりますが、焦らず慎重に目標を決めることが大切です。

②入金力を高める

目標が設定出来たら、次は入金力を高めていきましょう。

入金力が高いことで、目標に到達する期間が短くなり、さらに次の目標に向かっていくことができます。

その先駆けとして継続的に入金していけるように以下のポイントが大切です。

1.家計簿をつける

2.無駄な支出を減らす

3.節約したお金を投資する

これらのポイントを抑えておくことで、無駄な出費を抑えることができ、余剰資金が増えてくるため、必然的に投資に回せるお金が増えてきます。

「千里の道も一歩より」ということわざがあるように、無駄を減らすなど自分にできる最善の努力を怠らないようにしましょう。

③オルカンに投資をする

入金力が高まれば、最後に通称「オルカン」に投資しましょう。

オルカンとは、オールカントリー(全世界)の略で、全世界株式のファンドのことを意味しています。

投資は「分散投資」でリスクを分散することが大切と言われていますが、オルカンは運用のプロが全世界の株式から銘柄を選定して投資してくれるため、自分で選ぶよりもリスクが低いです。

そのため、投資の知識が乏しい方や、自分で銘柄を選んでいる余裕がない方にとって、オルカンは最適の銘柄といえます。

第2章 全世界株式は「究極の平均」

第2章では、全世界株式がおすすめである理由について、さらに詳しく解説されています。

結論から言うと、全世界株式に投資する場合は投資信託の「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」というファンドがおすすめと紹介されています。

「eMAXIS Slimシリーズ」 は、三菱UFJアセットマネジメントが提供するインデックスファンドで、全世界株式や米国株式(S&P500)など様々な種類のファンドが運用されています。低コストでありながら利益率が高いことから積立投信などで最も人気のファンドです。

全世界株式は、日本以外の全世界の株式(2,000銘柄以上)に分散投資しており、株式市場の流れに沿った動きを目指しているファンドです。

全世界株式の特徴には以下の特徴があります。

・日本を除く全世界の株式に分散投資を行う

・1つの国の状況が悪くなっても他国でカバーできる

・信託報酬が0.05775%と運用コストを抑えられる

・銘柄の選定や売買のタイミングはプロに任せられる

全世界の株式に投資することで、「アメリカの市場が悪化した」という場合でも他国の株式で損失をカバーできるなど、1つの国や業種による株価に大きな影響を与えないという特徴があります。

また、信託報酬が0.05775%と数千種類という投資信託の商品がある中で、非常に低い水準に設定されているため、運用コストを抑えられるという点も人気の理由です。

そして、何より投資を行ううえで難しいのが「銘柄の選定」ですが、これも運用のプロが行ってくれるため、自身で難しいことを考える必要がない点も特徴といえるでしょう。

投資信託は長期間の投資となるため、コロナショックのような事象が起きれば一時的にマイナスに転じることがありますが、運用期間が15年以上となればプラスとなる確率が非常に高いです。

第3章 iDeCoと新NISAを活かして積み立てる

第3章では、「iDeCo」と「新NISA」の税制優遇制度を利用して、積立投資のメリットを最大限に活用する方法を解説しています。

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、国民年金や厚生年金などの公的年金に上乗せされる「私的年金」のことで、掛金の拠出額や運用方法などを自身で設定でき、掛金が全額所得控除の対象となります。
NISA(少額投資非課税制度)とは、株式や投資信託で得た利益や配当に対する税が非課税となる制度で、2024年から新NISA制度が施行されたことで話題となっています。

これらの2つの制度は同時に利用することが可能で、iDeCoは年間14.4万円~81.6万円までの拠出が可能です。

また、新NISAは成長投資枠が年間240万円、つみたて投資枠が年間120万円まで投資することができます。

iDeCoと新NISAの制度を同時に利用することで最大で年間441.6万円まで非課税で積立投資をすることができるため、投資する場合は必ずこちらの制度を利用して投資しましょう。

第4章 マサニー流お金の正解・不正解

第4章では、お金に関する以下の3つの誤解についてマサニー氏の持論をもって解説されています。

誤解1.お金は使わないほうがいい

誤解2.お金は貯めるだけでいい

誤解3.投資は危険で怖い

これらの誤解に対するマサニー氏の回答は以下のとおりです。

誤解1.お金は使わないほうがいい

これに対する回答は「不正解」です。

お金を使わず貯め込んでいると、お金の価値が下がり買いたいものが買えなくなるだけでなく、自分の人生を豊かにするチャンスを逃すことにつながります。

そのため、お金は使ってこそ価値があると考えており、自身の成長に繋がる使い方を考えるべきと回答しています。

誤解2.お金は貯めるだけでいい

これに対する回答も「不正解」です。

お金を現金のまま置いておくとインフレによる物価上昇や増税などの影響で価値が下がり、生活水準を保てなくなってしまいます。

そのため、自分の生活を維持することや夢を実現するためにも、なるべく投資でお金を増やすことが重要と回答しています。

誤解3.投資は危険で怖い

これに対する回答も当然「不正解」です。

投資はリスクとリターンのバランスを考えて行うことで、安全に運用することができ、その方法として分散投資ができる「全世界株式」というファンドを紹介しています。

投資にはたしかにリスクはありますが、それに見合ったリターンも期待できるため、分散投資など安全に投資をすることでリスクは最小限に抑えられるでしょう。