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新NISAのつみたて投資枠とは?2024年からの変更点とおすすめの活用方法について解説します。

投資を始める方が増えてきている中、NISA制度が2024年から変わるということで注目を集めています。

現行NISAでは「一般NISA」と「つみたてNISA」という枠組みに分かれていましたが、2024年から始まる新NISAでは以下のとおり改名されます。

改名前改名後投資対象
一般NISA成長投資枠上場株式やETFなど
つみたてNISAつみたて投資枠積立投信に対応した商品

そこで、本記事では「つみたて投資枠」の概要やおすすめの活用方法について解説します。

なお、成長投資枠の概要については以下の記事で解説していますので、気になる方はリンクをクリックしてみてください。

つみたて投資枠とは

新NISAの「つみたて投資枠」は、現行NISAの「つみたてNISA」が改名されただけでなく、制度の仕組みも変更されています。

新旧比較は以下のとおりです。

つみたて投資枠つみたてNISA
非課税期間恒久化20年間
年間非課税枠120万円40万円
非課税保有限度額1,800万円※成長投資枠と合算で上記金額800万円※40万円×20年分
投資可能商品積立投資信託に対応した商品積立投資信託に対応した商品
払出制限18歳以上なし
備考成長投資枠と併用可能一般NISAと併用不可

つみたてNISAは非課税期間が20年間と期限が決められていましたが、新NISAでは恒久化されるため、20年・30年と非課税で運用できるようになります。

年間非課税金額については40万円だったところ120万円まで増額され、保有限度額も1,800万円まで増額されたため、より多くの資産を運用することができます。

そのため「年金減少」「老後2,000万円問題」が話題となっているので、老後資金の備えとして運用していくことができるでしょう。

また、現行のNISAでは、1年間で「一般NISA」か「つみたてNISA」のどちらか一方しか投資できませんでしたが、新NISAでは「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の両方に投資できるようになります。

成長投資枠は年間240万円まで投資できるので、つみたて投資枠の120万円と合わせて「年間360万円」までの投資が可能です。

なお、具体的につみたて投資枠で購入できる商品としては以下のようなものがあります。

・信託報酬の低い株式投資信託

・国内の株式や債券などに分散した投資を行うインデックスファンド

・海外の株式や債券などに分散した投資を行うアクティブファンド

これら以外の「信託報酬が高めに設定されている投資信託」や「債券やREITだけに集中投資を行う投資信託」は対象外となるのでご注意ください。

つみたて投資枠のおすすめの活用方法

つみたて投資枠で運用を行ううえで、おすすめの活用方法は以下の3つです。

・増額された年間非課税枠を活かして「貯金から投資」へ回す

・無期限の非課税期間を活かして「長期運用」を行う

・運用銘柄については「インデックスファンド」を選択する

これらの点についてそれぞれ解説します。

増額された年間非課税枠を活かして「貯金から投資」へ回す

1つ目の活用方法は、貯金から投資に資金を回して運用するということです。

現行のつみたてNISAでは年間非課税額の上限が40万円となっているため、そこまで多くの投資をできる環境ではありませんでした。

しかし、新NISAのつみたて投資枠では、上限120万円まで投資することができ、保有限度額が1,800万円となっているため、15年間は満額で投資することが可能です。

現在の預貯金に対する利息は多いところで0.1%しかつかず、120万円の貯金に対して年間1,200円の利息しかもらうことができず、毎年もらい続けてもそこまで大きく増えるわけではありません。

しかし、上限の120万円まで投資し15年間運用すると、「年利3%で+470万円」「年利5%で+800万円」増える計算となります。

また経済情勢が上向きの場合は、さらに大きな利益を得られる可能性があることから、貯金から投資へお金を回して運用することをおすすめします。

無期限の非課税期間を活かして「長期運用」を行う

2つ目の活用方法は、無期限を活かして長期で運用することです。

長期運用とは、数十年を目標に投資をすることであり、反対に短いスパンで売買を繰り返すことを短期投資や投機と言ったりします。

長期投資は、過去30年から見ると右肩上がりで相場が上昇していることから、購入した後は相場の状況を気にしながらも基本は放置していても大丈夫です。

一方、短期投資の場合は、常に相場の状況を確認しながら、タイミングを見計らって保有している資産を手放す必要があります。

そのため、会社員の方など本業で忙しい方には難しい投資方法であり、また売買を行うたびに手数料が発生するのでコストも高くついてしまうというデメリットがあります。

しかし、長期投資の場合は、相場は数十年をかけて着実に成長していることから、短期の値動きに惑わされることなく運用することできます。

投資の原則としても、長期で運用することで損失リスクを抑えられると言われていることから、恒久化された非課税期間を活かすためにも、長期で運用することをおすすめします。

運用銘柄については「インデックスファンド」を選択する

3つ目の活用方法は、インデックスファンドで運用することです。

投資信託には「インデックスファンド」と「アクティブファンド」がありますが、結論から言うと「インデックスファンド」の方が将来的に得られる利益率が高いです。

インデックスファンドとは、参考としている指数との連動を目指した運用が行われ、予想以上の利益を得られる可能性は低いものの、手堅く運用することができます。

一方、アクティブファンドは、参考としている指数以上の成績を目指す運用が行われるため、大きな利益を得られる可能性があるものの、大きな損失を被るリスクもあります。

また、アクティブファンドは、インデックスに比べて高い信託報酬を支払う必要があることから、運用にかかるコストが割高となってしまうというデメリットがあります。

そのため、インデックスファンドで地道に運用するとともに、増えたお金を活かして複利効果を得ながら運用していくことが最も効率的といえます。

そのため、アクティブファンドなどで急いで利益を求めるのではなく、インデックスファンドを通じてこつこつと利益を積み重ね上げていくことをおすすめします。

まとめ

ここまで、つみたて投資枠の概要とおすすめの活用方法について解説してきました。

2024年から新NISAが始まり、つみたて投資枠として年間非課税額の増額や、非課税期間が延長されるなど、様々な点で改良されることで注目されています。

現代は投資を行う人が増えてきていますが、漠然と投資をしていると、本来得ることができた利益を逃してしまう可能性があります。

そこで、本記事ではつみたて投資枠の基礎から応用となる部分の解説をしていますので、制度の詳しいことを知りたい方はご一読ください。

なお、現行のつみたてNISAで運用している方は、制度が終了して新規で積立の購入ができなくなりますが、非課税期間は残ったままとなり、新NISAに移管することができません。

そのため、非課税期間である20年間が満了となるまでは、運用を継続することが可能なので、新NISAが始まったからと言って慌てて売却しないように注意しましょう。

  • 記事監修者
  • 弁護士 近藤 裕之
  • 翔躍法律事務所 所属
  • 第一東京弁護士会 所属
  • ※法律問題に関するテキスト監修に限る