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債務整理

債務整理の依頼後に弁護士・司法書士から連絡がこない?その理由と対処法について解説します

債務整理は、複雑で時間がかかる手続きです。そのため、債務整理を進める段階で、弁護士や司法書士との連絡が途絶えることもあるようです。

たしかに、長期間にわたって連絡がないときは心配ですが、連絡があまりないことが、すぐに深刻な問題を引き起こすことはありません。
むしろ、弁護士や司法書士から頻繁な連絡があるときの方が、手続きに問題が起きている可能性もあります。

案件の処理を進めて、早い段階で貸金業者と和解してしまうと、依頼者にとって、弁護士費用の支払い、貸金業者への返済が重なりますと、家計の負担が大きく、逆に不利益を与えてしまうこともあります。
それゆえ、意図的に時間を置いて連絡しないこともあります。

ただ、弁護士・司法書士も人間ですから、案件が多くて処理を忘れてしまうこともあるようです。

連絡がない理由はさまざまで、理由によって対処する方法も状況によって違います。
この記事では、債務整理を依頼した後に、どうして弁護士や司法書士から連絡がないことがあるのか、連絡が来なくなったらどうすればいいのかを詳しく説明していきます。

債務整理の依頼後に弁護士・司法書士から連絡が来ない理由とは

そもそも債務整理は時間がかかる

最初にご理解いただきたいことは、債務整理には時間がかかるということです。
債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」といった方法がありますが、これらは手続きの難しさや進め方が違うので、かかる期間も違います。

債務整理の依頼から、完了までにかかる時間は、一般的にはこんな感じです。
任意整理:だいたい3~8ヶ月ぐらい
自己破産:だいたい6ヶ月~1年半ぐらい
個人再生:だいたい8ヶ月~1年半ぐらい

もちろん、これは具体的な状況によって前後することがあります。
弁護士や司法書士に払う報酬の状況や、裁判所に支払う手続きの費用、相手にお金を返すための準備など、状況によって期間が変わることがあります。

問題なく進行しているとむしろ連絡が来なくなる場合がある

次に、弁護士や司法書士が問題なく債務整理の手続きを進めている場合は、報告するべき事柄が生じにくいため、連絡回数が減ることがあります。
むしろ、連絡があまりない方が、手続きがうまく進んでいるサインだともいえる場合さえあります。

例えば、任意整理という方法では、弁護士や司法書士が代理人として債権者と話をして、返済計画の変更や利息の減額を求める手続です。
ここで、円滑に交渉が進んでいる場合には、依頼者に対しては交渉状況を報告したり、連絡をしないことも珍しくありません。

また、債務整理は法律のことが絡んでいて、普通の人には難しいことが多いです。ですから、あまり微に入り細を穿つように、詳細な報告をするのは、あまり意味がないという側面もあります。

返済再開の時期を見計らっている

もうひとつ、弁護士や司法書士から連絡が来ない理由は、「問題をうまく解決するためのタイミングを見極めている」からです。
つまり、弁護士や司法書士が、手続きをすすめるタイミングを見極め、依頼者のために最善の結果を出すことを考えているということです。

債務整理には、借金を減らしたり返済計画を変更する手続きがあります。
例えば、任意整理や個人再生という方法では、手続が終わると、借金の返済が再開されます。そのため、手続きが終わった後、お金を返す準備をしなくてはいけません。

もちろん、弁護士や司法書士も依頼者から報酬をもらって生活しています。手続きが進むと、その報酬も発生します。
そのため、早く手続きを進めてしまうと、債権者への返済が再開されると同時に、弁護士や司法書士のお金も払わなくてはいけない状況になるかもしれません。

なので、時間を置いてうまく解決するために、時間をかけて交渉を進めることがあります。そのために、交渉が進展せず、連絡が少なくなることもあるのです。

頻繁に連絡が来るのは問題があるせいかも?

時おり、債務整理を頼んだ人たちから
「弁護士や司法書士が連絡してこない!」という声を聞くことがあります。

ほかにも、
「弁護士や司法書士から、何ヶ月もまったく知らせがない!」と怒っている人を見かけることもしばしばです。

このような「依頼をしている自分のことを大切にしてほしい」というご意見は理解いたしますけれど、さきにも言ったように、債務整理がちゃんと進んでいる場合、弁護士や司法書士からの連絡が必要最低限になってしまうのは、むしろ普通のことです。

逆に、たくさんの連絡が来るのは、依頼者に何かを確かめたり、依頼者から了解を得たりする必要があるからですつまり、債権者との交渉や債務整理の手続きに何か問題が生じている可能性があるということなのです。

債務整理の依頼後に弁護士・司法書士から連絡が来るケースとは?

これまで、弁護士や司法書士から連絡がない理由について説明してきました。

連絡があまり来ないのは、手続きがスムーズに進んでいる場合が多く、債務整理の手続きをうまく進めるために、ベストなタイミングを見計らっている場合もあることを説明しました。

では、逆に、どんなときに弁護士や司法書士から連絡が来るのでしょうか。
当然、弁護士や司法書士に依頼している以上、連絡が来るのは決して悪いことではありません。いい報告が得られることも多くあります。

ただ、先ほども説明した通り、手続きがスムーズに進んでいる場合には、連絡があまり来ないことも多いというのも事実で、頻繁に連絡が来るようになったのであれば、何かしら問題が生じている可能性もあり得ます。

ここからは、弁護士や司法書士から連絡が来るケースはどのようなもなのか、以下にいくつかの事例を挙げてみたいと思います。

進捗状況の報告のため

最初に、手続きの進め方や状況を伝えるために連絡をすることが考えられます。

債務整理は時間がかかり、債権者や裁判所と何回も話をする必要があるため、債権者や裁判所から連絡があるたびに、それを報告するということはしないのが普通ですが、手続きに関して、重要な進展があった場合には、依頼者に知らせることが必要です。

例えば、お金を貸している人に「私が依頼を受けること」を通知したタイミング、借りていたお金の取引記録が届いたこと、借金を減らすための合意が成立したこと、大切な書類を送る必要がある場合など、大事なことがあったら、連絡をすることが普通です。

また、裁判所に債務整理する手続きを申し立てたり、すべての手続きが完了したときにも連絡があります。

簡単に言うと、手続きが大きく進んだときや重要なことがあるときに、弁護士や司法書士から連絡が来ることがあります。それは、借金の整理がうまく進んでいるかかどうかを伝えるためです。

手続を進めていいかの確認をさせてほしい

また、手続きを進める前に確認が必要な場合にも、弁護士や司法書士から連絡が届くことがあります。

特に、任意整理という手続きでは、借金の返済計画を決める際、債権者と返済計画のことを話し合って、それに合意する必要が出てきます。その合意内容がその人の意向に沿っているかどうかを確かめて、同意を得たい場合には、連絡をすることがあります。

他にも、個人再生や自己破産などの手続きには、メリットとなるものもあるけれど、デメリットもあります。だからこそ、手続きを進める前に、本当に手続きを進めてよいのかや、その人にとって最良の選択かどうかを再確認する必要があります。

手続きが進むかどうか、または進めていいかどうかを確認する際には、その人の気持ちや状況を大切に考える必要があります。そのためにも、連絡が大切で、手続きの状況や確認のために、弁護士や司法書士から連絡が届くことがあるということです。

手続中に問題が発生した

手続中に問題が発生した時にも、手続きの進め方を検討するために、連絡が来ることがあります。

例えば、任意整理の交渉段階で、当初の予想と反して、「この人は、返済回数が少なすぎるため、一括での支払い以外は認めない」と主張している債権者がいる場合などです。

依頼者自身に問題があるケースもあります。たとえば、生活費に困って借金をしていると言っている人が、じつはパチンコでお金を借りていたことがわかった場合や、弁護士や司法書士に支払わなければならないお金を払わないため、手続きを進められないことがあります。

そういうときには、弁護士や司法書士からお金を払うように促すための連絡が来たり、話を聞くために連絡が来ることがあります。

状況が変わった場合

ほかにも、状況が変わった場合には連絡が来ることがあります。

たとえば、依頼者が「5年前くらいに、100万円をお金を借りて、借りたお金を何度も返していた」と話していたとします。そのため、弁護士や司法書士は、債務整理が必要と判断して依頼を受けたとしましょう。

しかし、実際の取引の期間が20年以上にも及んでいたため過払い金が発生しており、返済額が減らせるといった好材料があれば当然、その変化を報告する必要があります。

逆に、最初は5年くらいと思っていた取引の期間が1年未満だとわかった場合、条件のいい和解が難しいため、どうすべきか再度相談する必要があるでしょう。

他にも、最初は100万円だと思っていたお金が、実は200万円ある場合や、依頼者が仕事を失ったり、病気でお金を払うのが難しい場合、自己破産や個人再生といった手続きを考えるべきかもしれません。

こうしたように、状況が変わると、取るべき手続が変わってくることがあるため、弁護士や司法書士が大切な情報を共有し、最良の選択をするために連絡を取ることがあります。

稀に手続きが放置されていることも

前にも話した通り、借金の整理手続きには一般的な時間の目安があります。
例えば、借金の整理手続きの一つである「任意整理」は、通常は依頼してから3ヶ月から8ヶ月ほどで終わることが多いです。

だから、たとえ1ヵ月や2ヵ月ほど連絡がない場合でも、心配することは少ないです。
しかし、依頼してから半年以上、全然連絡が来ない状態が続く場合には、いくつかの理由が考えられます。

手続きがうっかり忘れられてしまったり、弁護士が忙しくて他の案件に忙殺されているために後回しにされている可能性もあります。
依頼した債務整理手続が放置されてしまうと、債権者との話し合いに悪影響を及ぼすだけでなく、過払い金が発生しても、時が過ぎてしまうとその過払い金を取り戻すことができなくなることもあります。

だからこそ、依頼者にとって不利な状況を防ぐためにも、こちらから進捗状況を確認する必要があります。

債務整理中に連絡が来ない時の対処法

もし弁護士や司法書士から連絡がない場合、どうしたらいいのでしょうか。

基本的には、問題なければしばらく待ってみることが良いです。
しかし、今の状況や手続きの進み具合について知りたい場合、どうしたら良いのでしょうか。

「連絡するのはどのタイミングがいいか」と悩んでしまうことがあるかもしれませんね。でも大丈夫、弁護士や司法書士はあなたの代理人です。
お金を払って依頼したことを考えると、気になることがあったら遠慮せずに連絡してみましょう。

ほとんどの弁護士や司法書士は、あなたの状況や進捗、スケジュールなどを教えてくれるでしょう。しかし弁護士や司法書士も他の案件も抱えていて、みんな平等に対応する必要があります。そのためすぐに応じられるわけではないこともあります。

そのような場合は、メールやSNSなどを利用して、連絡を取れないか聞いてみるのもいいでしょう。
こちらの求めに応じることなく、ずっと連絡がない、話を聞いてくれない場合は、代理人を変えることも考えていいです。しかしその前に、なぜ連絡がないのか、理由を確認することが大切です。

債務整理の流れを知っておくと安心できる

「弁護士や司法書士から連絡がない」という話は、よく耳にします。
実際にその話を聞いてみると、まだ契約をしてから数日しか経っていないというような場合もあります。

このような場合は極端な例ですが、実は多くの人たちが、債務整理の流れを理解していないのです。債務整理の流れを理解することで、自分が今、どの段階にいるのかが分かりやすくなります。

電話や面談以外の方法で連絡を取る

電話や会って話すこと以外にもメールやSNSで連絡をすることもできます。その方法でなら、簡単に答えてもらえることもあるので是非活用してみてください。

別の弁護士・司法書士に依頼する

何度頼んでも連絡がこなかったり、時間を割いて質問しても答えてくれないというのは、弁護士や司法書士の問題かもしれません。

「弁護士から連絡がこない」というケースと、「質問しても返事がない」というケースは、違う状況です。
もし質問しても答えてもらえず、そのために債務整理が進まないのなら、問題ですし、依頼者にとっても損になるかもしれません。

依頼した弁護士や司法書士が、理由もなく手続きを進めずに案件をほったらかしにしているようなら、他の弁護士や司法書士に依頼し直すことも考えるべきです。

連絡がこない理由をハッキリさせる

ただし、弁護士や司法書士を変える前に、手続きが進まない理由についてしっかり確認しておくことが大切です。

弁護士や司法書士も、わざと案件をほったらかしにするつもりはなく、悪意を持って動いているわけではありません。連絡がない理由は先ほど説明した通りですが、連絡がないのは、案件がうまく進んでいるからかもしれません。

また、今は手続きを進めてしまうと依頼者に不利益が生じる可能性があるため、タイミングを考えているかもしれません。

理由をちゃんと聞いてみて、それでも解決しないなら、新しい弁護士や司法書士を探すことも考えてみるとよいでしょう。

長期間連絡がない場合は弁護士会・司法書士会に相談する

弁護士や司法書士は、所属する弁護士会、司法書士会の規定によって、依頼された案件を停滞させることなく、完遂するように求められています。

そして、この義務に違反して何年も依頼された仕事をやらなかったり、頼んだ人からの連絡に答えなかったりする場合、所属する弁護士会や司法書士会に対して、様々なペナルティを課すように求めることが出来ます。これを、懲戒請求と言います。

何度連絡をしても、対応をしてくれないような弁護士や司法書士を野放しにすることは、すべての人にとって不利益です。ですから、このようなトラブルに巻き込まれたら弁護士会・司法書士会に相談することで、改善を求めたり、別の弁護士や司法書士を紹介してもらうきっかけとすることも考えた方が良いでしょう。

<h2>まとめ

・弁護士や司法書士から連絡がないのは、案件がスムーズに進んでいて報告することが少なかったり、手続きのタイミングを調整していることもあり、悪いことではないこともある

・弁護士や司法書士から連絡が来るのは
①事件に大きな進展があった場合
②手続きを進めていいかの確認
③案件処理に問題が発生した場合
④依頼者自身に問題がある場合
⑤状況が変わったとき

などがある

・こちらから連絡すれば大体の弁護士や司法書士は応じてくれる。心配なら連絡しよう。

・こちらの求めに応じない弁護士や司法書士は、サービスが悪いので新たな人に依頼することも検討してよい。ただし、解任前に理由を確認しよう