借金が400万円にも膨れ上がると、自力で返済するのはかなり困難だということはご存知ですか?
年収が高く返済を無理なくできる人以外は、借金を減額してから返済する「債務整理」が向いています。
借金400万円が返せない時に行うべき債務整理の方法や、自力で返済を継続していくコツをご紹介します。
借金400万円の返済はかなりの負担!具体的にイメージを持とう
気付けば借金に借金を重ねてしまい、総額400万円にも借金が膨らめば、今後の返済していくイメージが持てなくなることもありますので、具体的に考えていきましょう。
400万円の借金の現状とその理由
借金の現状
400万円もの借金になると、月々の利息だけでもかなりの金額となります。
400万円の1ヶ月分の利息の計算方法(1ヶ月を31日で計算)
400万円×15%÷365×31日=50,958円
1ヶ月だけで、利息が5万円も発生してしまいます。
100万円以上借入をした場合の最大金利である15%の時、利息がどれくらいになるのかについて、返済シミュレーションをしてみましょう。
返済予定期間 | 毎回の返済額 | 利息の総額 |
3年 | 138,661円 | 991,792円 |
5年 | 95,159円 | 1,709,567円 |
7年 | 77,187円 | 2,483,643円 |
10年 | 64,533円 | 3,744,097円 |
10年かけて返済するとなると、利息だけでも約374万円もの支払いが必要となり、元々の借金が400万円であれば、倍近い金額を支払わなければ完済することが出来ません。
借金の理由
400万円まで借金が膨らむ主な理由を確認しましょう。
・ギャンブル
・奨学金
・高すぎる生活水準・
・車やブランド品など高額な出費の積み重ね
・趣味に没頭
・事業費
・給料カットやリストラ
やむを得ない理由での借金もあり、返済計画が立てにくいことも返済が難しい一因となります。
生活費と比較して返済可能か確認し方針を立てよう
生活費を書き出してみて、節約が出来るところは支出をカットしながら、月々の返済していく予算を決め、返済可能額を算出します。
どれくらいの期間で返済したいのかシミュレーションを行い、返済額が返済可能額の範囲内に収まっていれば自力での返済も可能となります。
一般的に言われる返済可能な借金の割合は、年収の3分の1となり、これを超えてしまうと自力での返済はかなり困難となります。
これを前提で計算すると、400万円の借金を返済するのであれば、年収が1,200万円あると返済できる可能性が高まることになります。
返済することが出来ない場合は、弁護士や司法書士に相談し、債務整理で法的に借金を減額する必要があります。
返済を継続することが出来ると判断した場合は、あらためて完済までの返済計画を立てましょう。
返済できないときは債務整理で借金を減額する方法がお勧め
400万円の借金を返済することが出来ない時に向いている債務整理の方法は、個人再生と自己破産です。
400万円の借金が100万円程度に減る!個人再生
個人再生は、借金の大幅な減額が見込める債務整理の方法です。
個人再生とは
・400万円の借金が100万円程度に減額することが出来る
・債権者から督促されない
・家や車などの財産を残すことが可能
・官報に掲載されるため周囲に気づかれるリスクがある
・家族にバレる可能性は低い
・最長で10年程度の期間ブラックリスト入りする
最低返済額が借入金額によって決まっている個人再生では、100万円以上500万円以下の借金の場合は、100万円程度にまで減額することが可能です。
手続き方法について、確認しましょう。
項目 | 内容 |
手続き期間 | 4~6か月 |
裁判費用 | 30万円程度(別途弁護士費用も必要) |
手続き後返済期間 | 3~5年(この期間で返済する必要あり) |
個人再生では、手続きが完了してから返済を終えるまでの期間が3~5年と決められているので、その期間内に返済ができる安定収入が無い人は選べません。
借金は返済しなくてよくなるがリスクも大きい自己破産
自己破産をすれば返済は免除されますが、リスクも大きい点で注意が必要となります。
自己破産とは
・借金の返済をしなくてよくなる
・収入が不安定でも利用可能
・官報に掲載されるため周囲に気づかれるリスクがある
・家族にバレる可能性が高い
・最長で10年程度の期間ブラックリスト入りする
・家や車といった財産を処分しなければいけない
・破産開始決定から3ケ月から6ケ月程度は職業制限がある
手続き方法について、確認しましょう。
項目 | 内容 |
手続き期間 | 6か月~1年 |
裁判費用 | 2万円程度から50万円程度万円程度(方法により異なる) ※別途弁護士費用も必要 |
手続き後返済期間 | 返済不要 |
安定した収入がなく、返済を継続することがどうしても難しい時には、有効な方法です。
あまり有効ではないがデメリットはもっとも少ない任意整理
任意整理は、400万円の借金に対してはあまり有効な方法とは言えません。
任意整理とは
・利息や遅延損害金をカットする方法
・月々の返済額が調整可能
・過払い金がある場合のみ元金が減額できる
・債権者から督促されない
・家族にバレる可能性はかなり低い
・5年程度の期間ブラックリスト入りする
利息や遅延損害金をカットすることが出来ても、400万円の元金は残るので支払いが大変なことは変わりません。
任意整理は、基本的に3年から5年での返済となるため、単純に400万円を3年で返済となれば、返済原資は12万円程度となり、5年で返済となっても7万円程度は返済原資として用意することが必要となります。
・保証人がついている借金があって個人再生したくない
・収入が不安定で個人再生ができない
このような時には任意整理が一つの手段になりますが、可能であれば個人再生をする方が有効です。
債務整理をすると保証人・連帯保証人に返済義務が生まれるので注意!
保証人・連帯保証人付きの借金を債務整理した場合、保証人・連帯保証人に返済の義務が移ることになります。
そのため、債務整理後は借金した人への請求はSTOPし、保証人・連帯保証人へ請求が行われます。
保証人や連帯保証人の方は、債権者からの請求を回避することは出来ず、利息や遅延損額金を含めた借金を支払わなければなりません。
自己破産や個人再生の場合、必然的に保証人や連帯保証人に請求が行くことになりますが、任意整理を選択し、保証人や連帯保証人がついている借金を任意整理の対象外とすれば、保証人や連帯保証人が迷惑を被ることは回避することが出来ます。
保証人や連帯保証人がついている借金がある場合については、事前に相談を行い、場合によっては一緒に債務整理をすることも考えましょう。
弁護士や司法書士に相談すると適切な方法が選びやすい!
借金が400万円もある場合、基本的には個人再生か自己破産を選ぶ事になりますが、収入によっては任意整理で対応できる可能性もあります。
弁護士や司法書士といった専門家に相談すると、適切な解決方法についてアドバイスしてもらえます。
債務整理は手続きが難しいため、弁護士や司法書士の力を借りることになりますが、委任をすれば、費用が発生します。
この費用を支払うことが難しい場合は、以下を参考下さい。
・法テラスの民事法律扶助制度を利用
・分割払いに対応できる弁護士事務所を利用
・初期費用がいらない弁護士事務所を利用
借金が400万円もあれば、弁護士や司法書士に費用を払ってでも債務整理をする方が、経済的メリットはかなり大きいため、ためらうことなくまずは相談してみましょう。
自力で返済するならおまとめローンや繰り上げ返済を上手に利用しよう
まとまった収入があって自力で返済するのであれば、負担を減らし返済した方が効果的です。返済のコツについて見ていきましょう。
借金の現状がわかっているかチェック
まずは、借金の現状がわかっているのか否かをチェックします。
把握しておきたい内容
・どこの会社からいくら借りているか
・借り入れ先ごとの金利
・借り入れ先ごとの返済日と返済額
これらを把握していなければ、現状が分かっていないため、返済が滞ってしまう可能性もあり、注意が必要といえます。
把握できていれば、借入れ先ごとに状況を書き出し、分からない場合については、確認することから始めましょう。
残高が知りたい場合
・インターネット上の会員サイトで確認
・ATMの画面で確認
・電話で業者に問い合わせ
借入れ先自体を知りたい場合
個人信用情報機関に情報を問い合わせ
銀行➡全国銀行個人信用情報センター
消費者金融・クレジットカード会社➡株式会社CIC・株式会社日本信用方法機構
借り入れ先によって、加盟している個人信用情報機関が違うため、問合せ先には注意が必要です。
毎月の返済額のイメージを持つ
元々1か所からしか借入れしていない人は、新たな借入れせずに返済だけを行います。
複数社から借入れしている場合については、返済管理が大変なので、おまとめローンを利用することにより、借金を一本化して返済することを検討してみましょう。
そのうえで、返済していくイメージを持つために、いくつかのパターンをシミュレーションしてみますので、例を確認してみて下さい。
借金400万円 金利15%の場合
返済年数 | 月々の返済額 | 利息の総額 |
5年 | 95,159円 | 1,709,567円 |
8年 | 71,781円 | 2,891,001円 |
10年 | 64,533円 | 3,744,097円 |
借金400万円 金利10%の場合
返済年数 | 月々の返済額 | 利息の総額 |
5年 | 84,988円 | 1,099,253円 |
8年 | 60,696円 | 1,826,841円 |
10年 | 52,860円 | 2,343,155円 |
おまとめローンでは最長の返済期間が決められており、長くても10年程度となります。
負担する利息もかなり高くなるため、期間内に支払えるか、利息を支払ってでも自力で返済する方がいいのか否かについても考えましょう。
おまとめローンの特徴と利用上の注意点
おまとめローンの特徴と注意点を確認したうえで、上手に商品を選びましょう。
おまとめローンの特徴と注意点
・複数のローンを一つにまとめるための商品
・新たな融資はせず返済のみに特化したローン
・返済日が1回になり管理が楽になる
・金利の低い商品を選べば返済総額が減ることも
・月々の返済額などの条件によっては返済総額が増える可能性も
・総量規制の対象外で年収の3分の1を超えていても借り入れできる
・年収や勤務形態などに関する条件があることも
総量規制とは、貸金業者からお金を借りる際に、年収の3分の1を超える金額は借りられないよう法律で制限されていることです。
おまとめローンにも、当然、審査があります。
・4社以上から借り入れをしている
・年収の2分の1から3分の1以上のお金を借りている
このどちらかに当てはまっていると、審査に通らない可能性はかなり高いので、債務整理も検討しましょう。
おまとめローンを完済するためには
繰り上げ返済をする
業者が決めた通りの返済方法では、元金がなかなか減らないので負担となる利息が大きくなります。
元金を減らすコツは、
①月々の返済額を約定返済額以上にする
②ボーナスが出る月は多めに返済する
③生活費が足りなくならないよう計画的に行う
これら3つが大切です。
大きな支出をカットする
借金の額が高額な場合、原因となった大きな支出があるはずです。
その原因に支出をしないようにします。
<大きな支出の原因として考えられること>
・ギャンブル
・ホスト・キャバクラ・風俗
・保険(お付き合いで入った不要な保険)
・高額な家賃
・贅沢のための高額な買い物や旅行など
・アプリでの高額な課金
・高すぎる生活水準
原因さえ分かれば、意識してお金を使わないようにすることが出来ます。
依存している可能性がある場合には、カウンセリングを受けながら改善する方法を探しましょう。
<まとまった支出を減らす方法>
・携帯電話を格安SIMにする
・保険をネット保険にしたり見直したりする
・携帯電話や電気料金のプランを見直す
・家賃が安い家に引っ越す
・必要な物しか買わない
日々の節約だけではなかなか追いつかないので、まとまった支出を減らしていくことも大切です。
収入を増やす
借金返済の手助けとして、収入を増やすことも、大切な要件となります。
・副業をする
・残業を増やす
・日雇いバイトをする
・いらないものを売却する
400万円の借金は債務整理で減額してからの返済が向いている!
年収の3分の1を超える借金を抱えてしまうと、自力で返済を行うことがかなり難しくなります。
400万円の借金を返済するのであれば、1,200万円程度の年収が必要となり、自力で返済すると利息の負担もかなり高額となります。
そのため、債務整理で負担を軽減してから返済を考える方が現実的です。
債務整理にはデメリットもあるため、弁護士や司法書士に相談して理解した上で自分に合う方法を選んで実行しましょう。