債務整理

100万円の借金は自力で完済できる?債務整理をするべきかを解説します

借金100万円は、一見すると大きな負担ではないように思えるかもしれません。

しかし、実際に返済を続けてみると「思うように元本が減らない」「利息ばかり支払っている」と感じることも少なくありません。

特に、毎月の返済額が少ない場合や、新たな借入を繰り返してしまう場合は、完済までの道のりが長くなりがちです。

本記事では

  • 100万円の借金であっても、意外と完済をするのは難しいということ
  • どのような場面であれば債務整理をするべきか

借金100万円の返済シミュレーションをもとに、自力完済の難しさや、債務整理を検討すべき状況について解説します。

【必見】借金がいくらまでなら完済可能?債務整理が必要?金額別で紹介借金の返済に苦しんでいる方は多いですが、いくらくらいの借金があれば債務整理を検討した方がよいのでしょうか?借金の金額によって、おすすめの債務整理の方法も変わってきます。 本記事では、借金の金額別に自力返済が可能かどうか、債務整理が必要かどうか、それぞれの金額域でおすすめの債務整理方法をご紹介します...

借金100万円は自力完済しやすいのか?

借金100万円というのは、そこまで大きな金額ではないように感じます。

しかし、完済するには意外と努力が必要で、中には「払っても払っても、なかなか借金は減っていかない」という方もいるのではないでしょうか。

ここではまず、具体例として、毎月返済額ごとの返済シミュレーションをご紹介します。

なお、本記事のシミュレーションは、日本貸金業協会の提供する「返済シミュレーション -返済方式比較や、返済金額の検討にお使いください-」等を参考にして作成しています。

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返済シミュレーション①|月額1万円の返済計画の場合

借金100万円、利率が年利18%場合、最大で12,166 円の利息が発生します。

毎月の返済額が10,000円の場合、12166 円の利息分にも足らず、元金には返済額が当たってない計算となります。当然、元金が減ることはありませんので、一生返済を続けても完済が出来ないという計算になります。

元金1,000,000円
年利15%(利息制限法に基づく最大利息)
返済額10000円
返済期間完済できない
利息返済が続く限り生じる
支払総額(利息+元金)ーーーー

返済シミュレーション②|月額2.6万円の返済計画の場合

株式会社アイフルの「ご返済一覧表」によると、借金100万円の最低弁済額は26,000円に設定されているようです。株式会社プロミスの「ご返済金額」も同様ですので、多くの消費者金融での最低弁済額は、26,000円と設定されていると考えられます、

では、返済原資を毎月の最低返済額26,000円と設定した場合の返済はどうなるのでしょうか。

この場合、元金には最低でも13,500円程度は返済に当たっており、53回払い(約4.5年)で借金は完済できます。

ただし、支払いにかかる総利息の金額は371,743円と、元金のほぼ4割以上の積み増しが必要になります。また、完済には条件があり「この約4年半の間、新たな借り入れを行わず、カードを使わない」ということが必要となります。

逆に言えば、もし、カードを使ってしまえば、借金の残高が増えてしまい最終的には返済額は増加してしまうのです。そのため、4年半もの間、毎月1度も欠かさずに26000円を準備できないといけないという、決して簡単ではない条件が付いているのです。

元金1,000,000円
年利15%(利息制限法に基づく最大利息)
返済額26,000円
返済期間53回払い(約4.5年)
利息371,743円
支払総額(利息+元金)1,371,743円

返済シミュレーション③|月額6万円の返済計画の場合

毎月の返済額を60000円に設定した場合はどうでしょうか。

この場合、返済にかかる期間は19回払いで約1年半、トータルで支払う利息の額も約128,396円と、月2.6万円の返済とくらべれば、そこまで金額が大きくありません。

ただし、これはもちろん、「返済シミュレーション②」でもお伝えした通り、約1年半はカードを使わず、新たな借り入れをしないことが前提です。

さらに、これを、1.5年続ければ完済が見えるのですが、金額を60,000円を毎月準備するというのは、簡単ではないこともあるでしょう。

元金1,000,000円
年利15%(利息制限法に基づく最大利息)
返済額60,000円
返済期間約1.5年
利息128,396円
支払総額(利息+元金)1128,396円

【結論】借金100万円の自力返済は意外に難しい

上記のシミュレーションでも分かるように、自力で借金を完済するのは意外と難しいものです。その理由として、「毎月の返済額が少ないこと」や「借り入れと返済を繰り返してしまうこと」が挙げられます。

まず、毎月の返済額が少ない点について説明します

例えば、100万円の借金がある場合、毎月の最低返済額はおおよそ2万6000円程度となります。この金額だけを見ると、それほど負担に感じないかもしれません。そのため、「毎月返済しているから、そのうち完済できるだろう」と安心してしまう人も多いのではないでしょうか。

しかし、実際にはこの金額の中から利息が差し引かれるため、元本に充てられるのはごくわずかです。結果として、借金の残高がなかなか減らず、利息ばかりを支払っている状況になってしまうのです。そのため、いくら支払っても借金が思うように減らないという問題が生じます。

次に、借り入れと返済を繰り返してしまう点について考えてみましょう。100万円という借金額は決して少なくはありませんが、「少し頑張れば完済できるかもしれない」と感じやすい金額でもあります。

そのため、「あと少しなら借りても大丈夫」と油断してしまい、借金の深刻さを軽視しやすくなります。結果として、返済を進めても利用可能枠がわずかに空くと、また借り入れをしてしまうという悪循環に陥るのです。

この状態を続けてしまうと、借金が膨らみやすくなり、最終的には返済がますます厳しくなってしまいます。

このように、毎月の返済額が少ないことや、借りては返すを繰り返してしまうことが、自力で完済することを難しくしている主な要因です。借金をしっかりと減らすためには、まずは返済計画を見直し、利息を抑えながら確実に元本を減らしていく方法を検討することが重要です。

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借金100万円だけど債務整理をするべき?

借金100万円は一見少なく感じますが、完済には意外と努力が必要です。

例えば、月1万円の返済では利息分にも足りず、元本が減らず完済は不可能です。一方、月2.6万円なら約4.5年、月6万円なら約1.5年で完済できますが、利息負担が大きく、新たな借入をしないことが前提となります。自力完済が難しい理由として「返済額が少ないと元本が減らない」「借り入れと返済を繰り返しやすい」点が挙げられます。

とはいえ、金融広報中央委員会が公表している2023年(令和5年)版「家計の金融行動に関する世論調査」によると、100万円という金額は単身世帯の一般的な貯sssss、債務整理をするべきか迷う方も多いでしょう。債務整理は借金の返済が困難な場合に利用する手続きですが、全員が必要というわけではありません。では、どのようなケースで債務整理を検討するべきなのでしょうか?

債務整理をするべきかの判断基準

債務整理が必要かどうかを判断するには、現在の借金の状況や返済の見通しを確認することが重要です。以下の3つのポイントに当てはまる場合、債務整理を検討したほうがよいでしょう。

ポイント① 支払いを滞納している場合

すでに支払いが滞っている場合、債務整理を考えるべきです。

借金の返済が遅れると、遅延損害金が発生し、借金総額がさらに増えてしまいます。また、貸金業者からの督促や、一括請求、最悪の場合は財産や給与の差し押さえに至る可能性もあります。

こうした状況を避けるためにも、早めに債務整理を検討し、適切な解決策を見つけることが大切です。

ポイント② 借入額が年収の3分の1を超えている場合

借入額が年収の3分の1を超えている場合、返済が困難になるリスクが高まります。貸金業法では、貸金業者からの借り入れは年収の3分の1までと制限されていますが、それを超えると毎月の返済負担が重くなり、生活に支障をきたすこともあります。

家計のバランスを考えたときに、返済が長期化する可能性が高い場合は、債務整理を検討するべきでしょう。

ポイント③ 自転車操業に陥っている場合

新たな借金をして以前の借金を返済する「自転車操業」の状態になっている場合、債務整理を視野に入れるべきです。自転車操業が続くと、借金の元金がなかなか減らず、利息負担だけが増えていきます。一時的に返済できているように見えても、根本的な解決にはなりません。

借金を借金で返す状態が続いているなら、早めに債務整理を検討し、生活の再建を図ることが重要です。

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まとめ

借金100万円は自力完済は意外と難しい

借金100万円は一見少なく感じますが、返済額が少ないと元本が減らず、利息ばかり支払うことになります。例えば、月1万円の返済では完済は不可能で、月2.6万円なら約4.5年、月6万円なら約1.5年かかります。さらに、新たな借入をしないことが前提となるため、自力完済は意外と難しいといえます。

完済が難しいと感じたら債務整理を検討する

借金の返済が滞ると、遅延損害金や督促が発生し、負担が増します。特に、借入額が年収の3分の1を超えている場合や、自転車操業になっている場合は、債務整理を検討するべきでしょう。債務整理には任意整理や個人再生、自己破産などの方法があり、状況に応じて適切な手続きを選ぶことが大切です。