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債務整理

債務整理をしたらいつまで影響は残る?期間を解説します

影響

債務整理をすると、

借金の支払がしやすくなったり、返済を免除されるなど、

借金問題の解決に大きく近づくことが出来ます。

しかし、一方で、債務整理をすると信用情報に影響が出るため、

以後、債務整理が終わってしばらくは、新たな借り入れがしにくくなります。

また、自己破産の場合はそのほかの制限も存在します。

ただ、債務整理の影響による新規の借り入れの制限は期間が決まっているものです。

自己破産による制限も、手続きの期間の経過によりなくなります。

また、対策方法により、デメリットを緩和できる場合があり得ます。

この記事では

  • 債務整理の手続の影響にはどのようなものがあるか
  • これらの制限がされる期間はいつまでか
  • その対策方法

について、解説していきます。

債務整理をすると、どんな影響が出る?

債務整理をすると信用情報に影響が出る

最初に、債務整理をすると、「信用情報に影響が出る」ということがあげられます。

信用情報とは、

クレジットカードやローンの申し込みや契約、支払い状況などの取引の記録のことです。

具体的には、

  • 生年月日や年収などの個人情報
  • 申し込みの履歴
  • 返済の履歴

などの様々な情報が載っています。

金融機関は、これらの信用情報を基にして、審査を行います。

例えば、

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「この人は、年収が十分にあるから、お金を貸しても大丈夫だろう」

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「この人は、他社に借金が多くあるし、

クレジットカードを発行したら、

多重債務に陥り支払いが出来なくなる可能性がある。

貸付はできない」

というように、その人の安全性や信頼性を判断しているのです。

さて、信用情報には、そこには「異動情報」という情報も載っています。

異動情報とは、簡単に言うと「よくない情報」のことです。

いわゆる「ブラックリスト」というものです。

例えば、

  • 「支払の延滞や遅延があること」
  • 「数か月支払いをしなかったため、保証人が代わりに返済をしたということ」
  • 「債務整理をしたということ」
  • 「過去に金融機関とトラブルを起こして、強制解約をされたこと」

などが、ブラックリストに載る条件です。

手元に財産を残せない可能性がある

つぎに、債務整理がもたらす影響として、財産を手元に残せない可能性があります。

たとえば、債務整理を行うとローンの残った自動車は返さないとなりません。

また、自己破産の手続きを取る際には、一定額以上の財産や資産(通常は20万円前後が基準)を清算しなければなりません。

つまり、価値のある財産を保持することができなくなります。

自己破産は、自身の収入だけでは借金を返済するのが困難であり、手持ちの資産を売却しても債務を完済できない場合に認められる制度です。

そのため、価値のある財産を保有することは許されません。

自己破産の場合は職業制限を受ける可能性がある

さらに、自己破産には特有の制約があります。

例えば、自己破産をする際には、手続き中は一時的に職業制限がされるのです。

職業制限にはいくつかの種類があります。

  • 自己破産の手続き中は特定の資格を取り消される場合
  • 自己破産が解雇や罷免の理由になる場合
  • 法人として営業することが許可されなくなる場合

一般的によく知られている職業だと、

  • 会社の役員
  • 警備員
  • 弁護士や司法書士
  • 税理士
  • 宅建士などの士業
  • パチンコ店や飲食店の店長

などが含まれます。

これらの職業に就いている人は、自己破産手続き中はその職業を続けることができない場合があります。

管財事件の場合は、その他の制限もあり

また、自己破産でも、管財事件になる場合には別の制約がされることがあります。

自己破産では、財産を売却して得た資金を債権者に分配する手続きがあります。

そのため、裁判所は破産者の財産を調査、清算処分をしたり、破産による借金の免除を認めることが、本当に妥当なのかを確認しなければなりません。

しかし、破産者が全く財産を持っていない、法律的にも破産を認めて問題がないのであれば、調査は不要となり、破産手続きが開始された時点ですぐに終了します。

これを「同時廃止事件」と呼びます。

一方、売却可能な財産がある場合や、免責の可否を調査する必要がある場合には、管財事件が選択されます。

管財事件では、破産管財人が破産者の財産を管理したり、免責不許可事由について調査します。

この管財事件が選ばれる際には、「居住制限」や「通信の秘密の制限」がなされます。

居住制限とは、居住地を離れる際に裁判所の許可が必要な制約です。

例えば、自由に旅行に行ったり、仕事の出張に行けなくなる、と言うことです。

通信の秘密の制限とは、破産者宛の郵便物が破産管財人に転送され、開封されて閲覧される場合があるということです。

ちなみにですが、通信の秘密は憲法上の権利として認められる重大な権利です。

しかし、破産手続ではこれが制限されるのです。

その意味では、非常に強力な制約だと言えるでしょう。

債務整理による影響はいつまで続く?

信用情報の影響は多くの場合で5年間続く

では、一度ブラックリストに登録されてしまったら、一生、ブラックのままなのでしょうか?

そんなことはありません。

一定の期間が経過すれば、信用情報から事故情報は消えるのです。

そして、その期間は

  • 「どの信用情報機関で情報を管理しているか」
  • 「どの手続きを取ったか」

によって異なります。

まず、どの信用情報機関で情報を管理しているかについてです。

信用情報は、取引の内容や取引をした債権者がのような金融機関かに応じて、

3つの信用情報機関に分かれて登録されます。

・信用情報機関の名称と取扱い範囲
全国銀行個人信用情報センター(KSC)銀行、信用金庫、信用組合、農協
株式会社日本信用情報機構(JICC)貸金業者(消費者金融など)
株式会社シー・アイ・シー(CIC)クレジットカード会社

次に、手続きによる違いです。

債務整理には、

  • 「任意整理」
  • 「自己破産」
  • 「個人再生」

という3つの手続きがあります。

どの手続きを取るかによって、登録期間が異なります。

・事故情報の登録期間の目安
手続きの内容KSCJICCCIC
任意整理5年5年5年
個人再生10年5年5年
自己破産10年5年5年

つまり、消費者金融やクレジットカードなどの債務整理の場合は登録期間は5年間で、

銀行や労金などの金融機関が自己破産や個人再生の対象となった場合は、10年間は登録をされているということです。

自己破産や管財事件の制限は手続き期間中のみ

次に、自己破産や管財事件の際にされる制限です。

これは自己破産の手続き中にのみ適用され、手続き終了後には制限されることはありません。

職業制限を例に出すと、警備員は職業制限のかかる職種です。

そのため、破産手続き中は警備員になれません。

しかし、手続きが完了すれば再び警備員になることが可能です。

そして、手続きの期間は、同時廃止の場合は通常2〜3か月で終了します。

一方で、管財事件の場合は財産の売却や調査に時間がかかるため、半年から1年以上かかることがあります。

簡単にまとめると、

  • 「自己破産をすると、手続きが短い場合は2〜3か月」
  • 「長い場合は1年以上」「
  • その期間中は制限がかかるが、手続きが終わってしまえば、その後に影響は残らない」

ということです。

債務整理の影響をなるべく受けないためにできる対策方法とは

ここまでは、債務整理の影響と、その影響が続く期間について解説をしてきました。

簡単にまとめますと、以下のとおりです。

  • ・債務整理によって信用情報は影響を受けるが、一般に5年が経過すると事故情報は消える
  • ・自己破産や個人再生を選んだ場合は、10年程度影響が残る可能性がある
  • ・自己破産特有の制限として、職業制限や居住制限等がかかるが、これらは自己破産の手続きの期間中のみ影響が出るものであり、手続きが終了すれば影響はなくなる

ただし、

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「5年もの期間、新たな借り入れが出来ないのは困る」

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「どうしても手元に財産を残したい」

などという要望もあるかもしれません。

ここからは、債務整理の悪影響をなるべく受けないための対策方法について解説します。

そもそも、絶対に審査が通らないわけではない

最初に

信用情報に影響が出たからと言って、必ずしも審査に通らないということではない

ということについて補足します。

確かに、事故情報は重要な問題としてとらえる金融機関が多いため、基本的には審査には不利にはなるのです。

ただ、事故情報が記録されていても、必ずしも審査に通らないとは限りません。

審査では年収や借入残高、過去の取引履歴などが総合的に考慮されます。

そして、金融機関ごとに審査基準が異なるため、債務整理をしたからといって必ず通らなくなるわけではありません。

実際に、

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「債務整理後に1年ほどでクレジットカードの審査が通った」

と言う事例もあります。ただし一方では、

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「5年間の期間いっぱい通らなかった」

と言うケースもあり、審査が通るかどうかは、ケースバイケースとしか言えないのです。

【対策方法①】審査を通りやすくする方法を使う

債務整理後に審査を通すためには、いくつかの工夫や注意が必要です。

・比較的審査が通りやすい会社に申し込む

貸付の審査の基準は各社で異なり、事故情報の取り扱い方も幅があります。

そのため、「債務整理後であっても審査を通してくれる会社」も存在します。

反対に「事故情報が載っていたら絶対に審査を通さない会社」も存在するのです。

このような、審査の緩い会社を狙っていくことが、債務整理後すぐに審査を通すためには重要になります。

・複数社に同時申し込みをしない

すぐに審査を通したいからと、次から次へと審査の申込みをしてしまうかもしれません。

ですが、これはNG行動です。

なぜなら、審査の申込みの履歴もまた、信用情報に登録されているからです。

この申し込みが複数社ある場合には、審査に悪影響を及ぼす可能性があります。

これを俗に、「審査ブラック」「申し込みブラック」と言います。

ですので、どこかに審査を出したのなら、次は半年間は新規申し込みを控えることがおすすめされます。

・債務整理先は申し込まない

債務整理をした会社にはその記録が残り、再度の申し込みが難しくなる場合があります。

これを「社内ブラック」と呼ぶことがあります。

これらの会社への申し込みは避ける方が良いでしょう。

【対策方法②】適切な債務整理を選ぶことで影響を最小限にする

自己破産や個人再生などの法的手続きでは、全ての債務を処理する必要があるため、特定のローンだけを除外することはできません。

そのため、自動車などのローンが残っている場合は、自動車が引き取られる可能性があります。

また、自己破産では住宅や貴重な資産も売却されることがあります。

これらのリスクを回避するためには、適切な債務整理方法を選択する必要があります。

たとえば、裁判所を介さずに行う任意整理では、債務整理の対象となる債権者を選択できるため、自動車ローンを除外して手続きを行うことができます。

また、個人再生では住宅ローンを除外することができるため、住宅を売却せずに手続きを進めることが可能です。

このように、適切な債務整理方法を選択することで、残したい財産を保護しながら手続きを進めることができる場合があるのです。

【対策方法③】どうしてもお金を借りたいなら家族や知人を頼る

お金を借りる際には、家族や知人に頼るという方法も考えられます。

家族や知人からお金を借りる場合、通常は信用情報の確認は行われません。

ですので、信用情報に関する心配はありません。

また、家族や知人からの借入では利息や遅延金が発生することはほぼありません。

そういう意味でも、消費者金融やクレジットカードを利用するよりもメリットがあります。

しかし、家族や知人との関係は一生のものです。

「金の切れ目が縁の切れ目」

というように、人間関係に関係に修復不可能な損傷を与える可能性もあります。

そのため、人間関係を大切にしたい場合は、この方法を利用することを避ける方が賢明です。

【対策方法④】職業制限がある仕事をしている場合は会社に相談する

自己破産による資格制限がされる職業についている場合、会社に自己破産をしていることを伝え、状況を分かってもらうように相談するのも良い方法です。

自己破産はあくまで個人のお金の話であり、本来は会社に報告する義務はありません。

また、自己破産をすることを伝えることで、職場での信頼を無くしたり、仕事を失うことを恐れるのは自然なことです。

ただ、資格制限がされる業種の場合、そのまま黙っていたら、無資格で仕事を続けることとなります。

資格停止で業務をしていることが発覚した際にはさらなる問題を引き起こしてしまいます。

したがって、素直に会社に状況を伝え、自己破産の期間中は別の部署に回してもらい、復権後の従来の仕事への復帰をするなどのプランについて相談することが重要です。

【対策方法⑤】管財事件中の制限については、管財人弁護士や裁判所に確認してみる

管財事件中の制限に関しては、管財人弁護士や代理人弁護士、裁判所に確認してみるというのも方法の一つです。

例えば、居住制限ですが、転勤や転職、出張や家族の看病等の社会的に認められるような適切な理由があれば、裁判所の許可が得られる場合があります。

そのため、必要が生じた場合は、管財人弁護士や代理人弁護士、裁判所に正直に理由を伝えたうえで、許可を取れるかどうかについて相談をすることが重要です。

債務整理の影響は永遠に続くわけではない、諦めるのも大事

最後に、これは対策方法にはなっていないのですが、諦めるというのも一つの方法です。

債務整理の影響により、不便な思いをする場面と言うのは確かにあります。

ですが、例えば、制約の多い自己破産でも、同時廃止事件を進める場合には、手続きは早ければ2,3ヶ月で終わります。

管財事件になっても半年から1年程度で終了することが多く、さほど長い期間とも言えません。

それより、一日でも早く免責許可を得られるよう、手続きを積極的に進める方が良いでしょう。

また、信用情報の影響については、いずれかは消えます。

ですから、その期間を粛々と待つというのも重要です。

借り入れに依存してませんか?

そもそも、信用情報を心配する債務者と言うのは、

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「債務整理をすると借り入れが出来なくなる」

と言っているわけです。

これは借り入れに依存することを前提とした発言です。

決して良い思考といえないのではないでしょうか。

このような考え方をしていると、

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「せっかく借金と縁を切ったのに、

再度借り入れをしてしまい、

借金はまた増えてしまった」

という結果になりかねません。

債務整理のゴールは、借金問題の解決であり、それは、第一には今ある借金を完済することです。

ただ、それだけではありません。

借金に頼らずに過ごせるようになって初めて、借金問題が本当に解決したと言えるのです。

債務整理は、そのきっかけに過ぎません。

お金の使い方を学び、将来にわたって借金に関わらないで生きていける能力を養うための準備期間として、前向きにとらえていきましょう。