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債務整理

債務整理と自己破産はどう違うのか!いったいどっちを選択するべき?選択基準などを比較紹介

そもそも自己破産とは、債務整理の方法の一つとなります。

債務整理には、任意整理、自己破産、個人再生といった選択肢があります。

このうち任意整理については、比較的に知名度が低く「債務整理」という名称と混同される方も多いですが、最も多くの人に選ばれている借金解決の方法となります。

そこでこの記事は、主に任意整理と自己破産の違い、選び方を解説します。

しかし、自分で最適な債務整理の方法を選択するのか簡単ではなく、自己判断で任意整理を選択して返済額を減らせたとしても、その後、返済できなくなってしまうこともあり得ます。

このような場合、債務整理の方法を「任意整理」⇒「自己破産」に切り替えることも可能ですが、時間やお金が無駄になってしまうことは言うまでも御座いません。

無駄を回避するためにも、 債務整理の方法の選び方に迷ったら、まずは無料相談を利用して下さい。

Contents
  1. 債務整理と自己破産の違いは?いったい何が違うのか?
  2. 債務整理(任意整理)と自己破産、どちらを選択するべきか?
  3. 借金を大幅に減額したいなら個人再生の選択肢もあり
  4. 債務整理(任意整理)と自己破産のそれぞれのメリットは?
  5. 任意整理をしてブラックにならない方法はあるのか?
  6. ブラックになっても任意整理をするメリット
  7. 任意整理における弁護士と司法書士の違い

債務整理と自己破産の違いは?いったい何が違うのか?

前提として「債務整理と自己破産」の違いで悩んでいる方のほとんどの方は、

【債務整理=任意整理】と考えている方が多い傾向にあります。

債務整理は、負債を整理する方法の総称を指す言葉となり、あくまでも自己破産は債務整理の種類の1つとなります。

任意整理は裁判所を介さないで将来利息をSTOP(減額)する手続き

任意整理とは、貸金業者や信販会社と任意交渉(話合い)を行うことにより、将来発生する金利をSTOPし、又は、金利の見直しを行う手続きとなります。

任意交渉(話合い)を行うことにより、今後の支払いを生活に支障のない範囲で、無理なく返済を続けていき、全ての支払いを終わらせる手続きとなります。

毎月の返済金額を減額することができ、又、一部の借金だけを選択して整理することも可能です。

整理する借金を選択する事が出来るので、保証人が選任されていたり、カーローン等の引き揚げ対象がある債権者について、除外する事が出来ます。

また、場合によっては過払い金が発生し、大幅に借金の減額が出来たり、現在の借金以上に過払い金が発生していれば、一気に借金が無くなり既に支払ったお金が手元に戻ってくる可能性もあります。

任意交渉となるので、裁判所を通さずに貸金業者や信販会社と和解を行うのが特徴です。 

自己破産は裁判所を介して債務の返済が免除される手続き

自己破産とは、借金の返済が出来ない状態に陥っており、借金を返済できるだけの財産がないことについて証明し、借金の返済が出来ないことを裁判所に認めてもらう手続きです。

自己破産を行うことを裁判所から認めてもらうことにより、法律上、住宅ローンやカーローン、又、個人から借金を含めて全ての借金の支払義務を免除してもらえます。

住宅や車などの、高価な財産については手放さなければならない可能性は高いですが、今後の収入を借金の返済に充てることなく生活費に充てることが出来き、生活を一変することが出来るはずです。

自己破産は、今の借金地獄から一気に解放され、前途ある人生を前向きに生きていただく為、借金が超過してしまい苦しんでいる人を救済するために国が作った制度です。

債務整理(任意整理)と自己破産、どちらを選択するべきか?

自己破産は任意整理と違い、返済できなくなった借金の返済をしなくてもよくなります。

それに対して任意整理は、将来的な利息についての交渉を行います。

なので、借金を完全にゼロにしたいのであれば、自己破産を選択するべきです。

でも、車を手放せない、自宅を残したい、などの理由で財産を処分しなければならない自己破産は困るという方は任意整理を選択するべきと言えます。

どっちを選択するかの主な理由は借金の金額

任意整理を選択する方

任意整理とは、債権者と交渉にて、契約している利率を法定利率に引き直し計算を行い、借入金の減額を図る手続きとなります。

元本を減額することは出来ませんが、利息を減額できるので毎月の返済額を少なくすることができます。

利息のみを減額する手続きとなってしまうため、「借金が膨れ上がり、もう支払えない」という人には向かない手続きとなります。

あくまでも数十万円程度や100万円以下の少額の借入金の方に向いています。

自己破産を選択する方

自己破産とは、裁判所に手続きの申立てを行い、裁判官に認めてもらうことにより、現状の返済不可能な借金を全額免除してもらえる手続き方法です。

但し、任意整理のように整理する借金を選択して手続きを進めることは出来ません。

自分が抱えている全ての借金を返済せずに済むため、この点は債務者であるあなたにとって利点が大きい方法だと言えます。

しかし、借金を免除してもらうというメリットだけでなく、持ち家などの財産を処分しなければならないというデメリットも御座います。

「借金が免除される」のは最も嬉しいポイントとなりますが、持ち家や貯金などの財産を所有している方は、メリットとデメリットを比較して決定する必要があります。

借金を大幅に減額したいなら個人再生の選択肢もあり

個人再生とは、裁判所に申立てを行い、裁判官に再生計画を認めてもらうことにより、最大で1/5まで借入金の減額を認めてもらえる債務整理の方法です。

再生計画とは返済計画のことを指し、3~5年程度で返済をしなければいけません。

個人再生についてですが、誰でも出来る手続きではなく、借金が5000万円以下の方が対象となります。

なお、借金を抱えているが「家を手放したくない」との理由がある方にはおすすめする方法です。

自己破産・個人再生・任意整理の違いとは?

◆自己破産について

自己破産とは、裁判所から免責決定を受けると、借金の支払義務が無くなります。

なお、借金の支払義務は無くなるものの、一定の価値ある財産については処分の対象となります。

◆個人再生について

個人再生は、裁判所に再生計画の認可決定を受け、借金を大幅に減額してもらう手続きであり、減額された借金をおおむね3~5年程度で返済をします。

なお、残りの借金については、支払義務がなくなります。

例えば、700万円の借金がある人が任意整理をしようとすると、月々約12万円(5年分割)の支払いが必要ですが、個人再生の場合、借金を5分の1に減額するため、借金は140万円となり、3年分割で支払うとしても月々約4万円を支払えば良いということです。

また、個人再生の場合は、生命保険や車などの資産を持ったまま手続が出来る事も特徴の一つとなり、さらに、住宅ローンが残っている自宅については、住宅資金特別条項(いわゆる「住宅ローン特則」)を利用することにより、自宅に住み続けることが出来、住宅ローンについてはそのまま返済を継続することで、自己破産と異なり自宅を処分する必要はありません。

個人再生に向いている方の特徴としては、任意整理では支払えないような多額の借金を抱えてしまった方や、持ち家等の処分したくない財産がある場合です。

また、自己破産を行なえない職業(警備員、保険外交員等)に就いている方などは、個人再生を選択することをお勧めします。

◆任意整理について

任意整理は、自己破産や個人再生と違い、債権者と直接の交渉を行い、無理なく返済できる条件で和解を行います。

裁判所を介さずに手続きを行い、比較的に自己破産や個人再生と違い安価な費用で手続きを行うことが出来ます。

債務整理(任意整理)と自己破産のそれぞれのメリットは?

「自己破産」と「任意整理」、どちらの手続きも同じようなことに思うかもしれませんが、実は大きく異なります。

・自己破産:裁判所を介して手続きをします。返済できない借金をなかったことにできる手続きです。

・任意整理:裁判所を介すことなく、債権者と今後の返済額について交渉し、現状の返済額から減らしてもらう方法です。

自己破産は裁判所を介した手続きが必要で、借金の返済をゼロにします。

そのため、返済のための負担が無くなります。

任意整理は、借金している元金ではなく、将来、支払わなければならなかった利息を減らしてもらい、払いすぎた利息の債務を減額してもらえる様に、お金を借りた債権者と交渉します。

裁判所を介すことなく、当事者同士の話し合いの中で問題を解決できるのが特徴です。

任意整理のメリットについて

まず初めに,金融業者から今までの取引内容の開示をしてもらいます。

この開示された取引内容を取引開始時までさかのぼり,利息制限法の上限金利(15%~20%)に基づいて引き直し計算を行い、支払う必要がなかった取引が確認出来れば、借金を減額できます。

そして,司法書士の交渉によって,長期分割の和解がまとまれば,月々の返済額はその分だけ少なくて済むようになります。

又、引き直し計算によって過払い金が発生していれば,当然にそれを返済に充てるため、現在よりも返済しなくてはならない借金の総額が、大幅に減るケースが多くあります。

次に,長期の延滞により、高額な遅延損害金が発生していれば、その遅延損害金についても交渉を行い、又、今後発生する利息(将来利息)をSTOPや見直しする事ができ、金利を引き下げすることが可能なこともメリットとして挙げられます。

また,任意整理は自己破産とは異なり,財産を処分する必要はなく,任意整理手続中に、一定の職業に就くことが出来なくなるといった資格制限もありません。

さらに,任意整理では,各債権者との個別の和解となるため,債権者を選択して交渉できるメリットもあります。

たとえば,自動車のカーローンが残っている債権者を任意整理してしまうと、ローン会社から自動車が引き揚げられてしまいます。

この引き揚げを回避する為に、カーローンは今まで通りに支払い、その他の借金だけを選択して整理することが可能となります。

自己破産のメリットとは

自己破産のメリットは、何といっても法的に借金をゼロにする事です。

税金等の公租公課や罰金、養育費などは免除する事が出来ないものの、それ以外の借金については一切返済する義務が無くなります。

そのため、自己破産という手続きについては、今後の生活を再建する事が出来、再建のためにもっとも経済的に効果があり、即効性のある債務整理の方法だと言えます。

また、自己破産は裁判所を通す手続となるため、裁判所へ提出する書面は多岐にわたります。

この提出する書面の作成については、それらをすべて司法書士に任せられます。

もちろん、司法書士に依頼せずともご自身で自己破産手続を行うことも出来ます。

しかしながらご自身で対応するとなると、各金融業者や裁判所とのやり取りの全てをご自身で対応をしなければならず、専門的な知識は必要であることから、ご自身で対応を行うことはかなりの困難だと言えます。

よって、自己破産を検討されている方は、司法書士に依頼して手続を任せたほうが、よりメリットは大きいと言えます。

任意整理のデメリットについて

任意整理は、裁判外の交渉となり、債権者と話し合いにより和解を目指します。

裁判外での交渉となるため、自己破産や個人再生に存在するような法律上の制限がありません。

そのため、自己破産や個人再生と比べてみると、柔軟な解決が可能といったメリットがあります。

デメリットが少ないというところ任意整理のメリットである、と言ってもよいでしょう。

とはいえ、任意整理には一切のデメリットがないというわけではありません。

任意整理も、約定の返済ができなくなるという点で債権者に不利益を与えてしまいます。

その為、債務者であるあなたの方にも一定の不利益があるのはやむを得ないと言えます。

したがって、任意整理においても、以下に述べるようなデメリットがあるということを、あらかじめ考慮したうえで、任意整理をすべきか否かを判断する必要があります。

◆返済を完済まで継続することが必要

◆クレジットカードの利用、新たなローンを組むことができない

◆全額免除をすることはできない

◆保証人(連帯保証人)に請求がいってしまうことも

◆交渉が上手くいかない可能性もある

自己破産のデメリットについて

自己破産とは、個人が負債を返済できずに、裁判所に申し立てて、自己の財産を処分して債務を免除してもらう制度のことです。

日本では、個人再生や特定調停など、自己破産以外の個人再生手続きもありますが、自己破産は債務を一掃し、借金から解放される最終手段です。

もっとも以下に述べるようなデメリットも存在します。

◆クレジットカードの利用、新たなローンを組むことができなくなります

信用情報機関に、自己破産をしたという記録(事故情報・異動情報)が、5から10年の間は掲載され続けます。この記録が残っている間、クレジットカードやローンなどの利用が難しくなります。

◆財産を処分する必要があります

自己破産は、任意整理や個人再生と違い、一定以上の財産を保有していれば、その財産を処分(売却等の現金化)して、債権者への配当にあてます。

●処分する必要がある財産(1)

99万円を超える現金は債権者への配当にあてる必要があります。また、現金以外で資産価値が20万円を超える資産(預貯金や自動車・バイクなど)は、処分して現金化とし、債権者への配当にあてます。

価値が20万円に満たない資産の場合については、処分からは対象外とされ、そのまま保持することができます。

ただし、生活に必要のない資産(株式など)については、20万円以下でも処分の対象であると判断されることがあります。

なお、家電・衣服・家具などの生活するため最低限必要とされるものは、差押禁止財産として保護されますのでご安心ください。

●処分する必要がある財産(2)

自動車やバイクなどをローンで購入し、分割払いの支払いが終わっていないものは、価値に関わらず、原則として、債権者であるクレジット会社によって引き揚げられ、借金へ充当されてしまいます。

このようなものを所有権留保といい、ローンの支払いが終わるまでは、その物(自動車やバイク)の所有者は、債権者であるクレジット会社に留めておくという担保契約がされているためです。

なお、契約の内容によっては、債権者からの引揚げを拒めるような場合もありますので、個々のケースについては司法書士に相談してください。

なお、古い中古車・事故歴があるような車など、あまりにも市場価値が低いような場合については、引揚げの費用の方が多額となり、引き揚げることによって赤字になる可能性があるため、債権者であるクレジット会社が引揚げをせずに、そのまま保有することができるといったケースもあります。

●処分する必要がある財産(3)

生命保険などの保険については、自己破産をしたとしても強制的に解約されるわけでは御座いません。処分が必要な保険は、解約返戻金(解約したときに戻ってくるお金)が20万円以上の場合となります。この場合は、保険を解約したうえで、解約返戻金を債権者への配当すべき資産と見なされます。

なお、特別な事情(高齢や持病など)があり、解約することにより、今後、新たに保険に加入することが困難であり、将来の生活保障に支障が出る場合は、20万円以上の解約返戻金が発生する保険でも加入し続けることが認められる場合があります。もっとも、保険を解約しない代わりに、解約返戻金と同額の金額を現金で支払うことを求められるのが通常です。

●処分する必要がある財産(4)

現在勤務中の会社からの退職金(支給見込額)を8分の1にした金額が20万円以上の場合は、その退職金については配当すべき資産とみなされ、処分の対象となります。

裁判所の運用によっては、他の財産と合計した金額が99万円までであれば、処分の必要がないと判断されることもあります。

実際、退職前に退職金を受け取ることは出来ず、また、退職金を受け取るためだけに退職させるようなことは出来ないため、破産手続中に、退職金の8分の1相当額の現金を毎月の給与などから積み立て、その積み立てたものを代わりに債権者への配当にあてることになります。

◆破産手続中に制限される職業や資格があります

破産手続中は、他人の財産にかかわる資格で仕事をしている方は、資格制限(欠格事由)を受けることがあります。また、会社の取締役など、破産により委任契約が終了するケースもあります。

破産手続き開始決定から復権までの間の資格制限一覧

弁護士、弁理士、司法修習生、検察審査員、司法書士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、中小企業診断士、行政書士、通関士、宅地建物取引士、旅行業務取扱管理者、簡易郵便局長、公証人、商工会の役員、貸金業、質屋、投資顧問業、割賦販売あっせん業者、証券業、証券取引外務員、商品投資販売業、生命保険募集人及び損害保険代理店、旅行業者、警備員、警備業者、一般労働者派遣事業者、風俗営業を営もうとする者、風俗営業の営業所管理者、建設業、建築士事務所開設者、一般廃棄物処理業者、騎手、卸売業者、調教師、代理人、後見人、後見監督人、保佐人、補助人、遺言執行者、 等

◆破産の事実が官報で公告されます

官報とは、国が発行する新聞の様なもので、法律が制定された場合などに、それを公告するものです。 自己破産をすると、官報に名前や住所・手続内容などが掲載されるため、官報をチェックすれば自己破産した事実が知られます。

とは言うものの、一般の方がわざわざ官報を見ることが、まずありません。

◆破産手続中は破産管財人に郵便物が転送されます

自己破産の申立を裁判所に行ない、その後、破産手続が開始されると、破産者宛の郵便物については、破産管財人に転送されてしまい、その郵便物の内容をチェックされます。

これは、申告が漏れている債権者がいないか、財産を隠したりはしていないかなどを破産管財人が調べるためです。

なお、自己破産には同時廃止手続という簡単な手続で進めることができる場合があります。

この場合については、破産管財人がそもそもつかないため、郵便物の転送もありません。

任意整理で手続き中に自己破産へ変更できるのか?

任意整理をすることによって、返済方法の変更や、将来発生する利息の免除や、利息の引き下げを行うことにより、借金の返済を完済まで継続を目指すことが出来ます。

しかし、転職や解雇、病気や怪我などの様々な事情によって、予定している収入を得ることが出来なくなり、返済を継続していくことが困難な状況になることもあります。

このような状況に陥ってしまった場合は、任意整理から自己破産に切り替ることは可能です。

自己破産に切り替えることにより、借金の負担から免れることが出来ます。

返済が出来ず、その返済の放置を継続していると、債権者も黙っていることはないので、借金を返済しろと訴訟提起され、その結果、財産を差し押さえられてしまうリスクがあります。

そのような事態に陥る前に、早々に任意整理から自己破産への切替をお勧めます。

債務整理の自己破産は個人では難しい

自己破産をしたいけれど、弁護士や司法書士などの専門家に依頼するための費用の用意ができないため、「代理人に依頼せずに、自分で自己破産手続きを取ることはできないものか」とお考えの方もいらっしゃるかと思います。

しかしながら、自己破産の手続きは裁判所を通す法的な手続です。

「失敗するリスクがあるかもしれない」

「本当に自分で出来るのか」

という不安も抱かれると思います。

自己破産は、不動産などの手持ちの高価な財産を処分・換価・債権者に配当した上で、借金の全てを免除してもらう手続です(例外的に、税金や養育費など免除対象外とされるものがあります)。

債務の全額免除という、最大級のメリットがあることから、借金が多額の場合,現在の収入がほとんどない場合、収支を見ても返済が不可能な方。

これらの場合に選択するべき債務整理方法となります。

なお、結論から言うと、この自己破産については、ご自分で手続きを行なうことが可能です。

法律上、「一般の方が申立人になれない」「自己破産は必ず弁護士などの代理人を立てなければならない」という決まりは存在しません。

しかし、心理面での安心感・労力的な負担などの観点からすると、ご自身での手続きは困難であり、自己破産を行なうならば、借金問題に精通した弁護士や司法書士に依頼することをお勧めします。

自己破産すると家族はどうなるの?

生活を立て直すために自己破産を検討したとき、家族へどんな影響を及ぼしてしまうのか不安になることはあるはずです。

なお、別居している家族や生計を別にしている家族へ、自己破産を選択しても影響はほとんどありません。

しかし、同居家族へは負担をかけてしまうこともあります。

自己破産について、家族に影響が出るのか、迷惑かけてしまうのかについて記載します。

自己破産したら家族に影響があること

自己破産手続きをしたいけれど、家族に迷惑をかけたくないと思う方は多いです。

自己破産することで家族に影響があるのは、主に次の6つのことです。

①持ち家を失う

②自動車の処分で生活に不便が生じる

③20万円以上の預金は処分の対象に

④保険は解約される

⑤家族カードは使えなくなる

⑥家族が保証人の場合、返済義務が発生する

自己破産しても家族に影響がないこと

①99万円以下の現金

②家族名義の財産には影響なし

③家族の職業選択・就職転職に制限はない

④家の家具や家電は残せる

⑤家族の結婚に法的な影響はない

⑥家族の信用情報に悪影響はない

⑦別居中の家族、親や兄弟には影響なし

過払い金とは何なのか?

過払い金請求は、利息制限法の上限金利を超えて返済したお金を、貸金業者等から返還してもらう法律で認められた権利となります。

借金返済で払い過ぎたお金が戻ってくるという明確なメリットがある一方、過払い金請求を行うことで発生するデメリットもいくつかあります。

すべてのデメリットに配慮して、自分だけの独力で手続きを進めることは困難となりますので、過払い金請求を行う際には無理せず弁護士や司法書士などに依頼することをお勧めします。

①信用情報機関に登録される

過払い金返還請求の一番のデメリットは、借金を完済しないで行うと信用情報機関に事故情報が登録されてしまいます。

信用情報機関に登録されると新規の借入やクレジットカードの作成ができなくなるなど、様々なデメリットが生じてしまいます。

②自力での手続きは困難

過払い金返還請求は、素人では難しい手続きも存在します。

その為、経験豊富な弁護士や司法書士に任せた方がスムーズに進めることが可能となります。

貸金業者側の言い分を押し通されてしまうことも多くありますので、できるだけ多くの過払い金を返還してもらう為にも、過払い金返還請求は弁護士や司法書士などの専門家に依頼するのがベストです。

③家族に知られてしまう可能性も

自分で過払い金返還請求をする場合には、貸金業者と書面上のやりとりについても自ら行う必要があります。書類は自宅に直接送られてくるケースが多いため、家族に内緒で借金を作ってしまった場合、その借金が家族に知られてしまう可能性が高くなります。

借金にも時効がある!時効を待つのと債務整理どちらを選択すべきなのか?

長期間借金返済しないまま時効期間が経過したら、「時効援用」によって借金を帳消しにできます。

ただ、時効を「更新」されてしまうと時効は成立しません。

時効を待つだけでは借金が消えるとの断言が出来ないので、この点も要注意です。

時効の進行中に突然、債権者側から借金を返せとの裁判をされてしまうと、時効が更新されてしまう可能性があります。

借金を負ってしまい、返済できずに時効を待つよりも、早めに債務整理をすることをお勧めします。

◆借金の時効の原則的な考え方

民法の原則では、借金の消滅時効が成立するタイミングについては、以下の2つのうち「早い方」が時効の起算点となります。

・請求できると知ってから5年間(主観的起算点)

・請求できる状態になってから10年間(客観的起算点)

主観的起算点とは、債権者が「請求時期がきた」と知ったタイミングです。

その時から5年を経過すれば、その時点で時効が成立となります。

客観的起算点とは「債権の弁済期」です。

債権者が「請求できること」を知らなくても「弁済期から10年」が経過すると、その時点で時効が成立します。

借金の場合、弁済期が到来したら「請求時期がきた」と知るので、基本的には「弁済期の到来日の翌日から5年が経過した時」に時効が成立することになります。

但し、既に滞納していた状態であり、その滞納中に返済してしまった場合は、「最終弁済日の翌日から5年」を数えます。

ギャンブル・呑み代などの浪費であっても債務整理可能?

ギャンブルや浪費が原因の借金について、後ろめたい気持ちがある、世間体を気にしてしまう、周囲のバッシングが怖いといった不安が付き物です。

しかし、ギャンブルや浪費が借金の理由であったとしても、債務整理を行うことは可能です。

また、それぞれの債務整理手続きとの相性や自己破産が認められるのかについて、ご説明します。

任意整理

任意整理は、毎月の返済していく金額や完済までの期間、遅延損害金や将来発生する利息などについて貸金業者側と交渉し、自身の毎月の収入の範囲内で無理なく返済できるように調整する手続きです。

この和解交渉の際に、借金の理由を問題視されることはありません。

債権者側からすれば、借金を負ってしまった理由はどうでも良く、合意した内容どおりの返済を行えば、何も言ってきません。

この様な点からすれば、任意整理を選択する場合、ギャンブルや浪費などとは相性が良いと言えます。

個人再生

個人再生は、裁判所を利用した債務整理手続きの1つで、借金の一部(7~8割程度)を免除してもらえるため、毎月の返済しなければならない負担が、一気に軽減します。

ただし、この個人再生を利用するためには、いくつかの条件がある点については注意が必要となります。

また、個人再生は裁判所で行われる手続きであり、非常に煩雑となっていて作成しなければならない書類・提出しなければならない書類も多岐に及びます。

その為、弁護士や司法書士等の手助けが必須といえます。

なお、個人再生の手続きについて、その借金の理由を問われることはないため、たとえ呑み代やギャンブル、浪費が理由であったとしても個人再生を利用することが可能となります。

自己破産

自己破産には免責不許可事由といって、借金の理由によっては免責を認めてもらうことが出来ない場合もあります。

その1つにギャンブルや浪費による借金が含まれています。

しかしながら、この自己破産という制度は、多重債務者を救済するために作られた制度です。

呑み代やギャンブル、浪費といった理由について、絶対に自己破産を認めないとしてしまえば、多重債務者を救済するといった本来の目的を達成できなくなる恐れがあります。

そこで、例外的となりますが、担当した裁判官が自らの裁量で免責を認めるといった、「裁量免責」という制度があります。

裁判官は、破産者から借金を重ねた理由だけでなく、今までの出来事について反省しているのか否か、今後どうしていこうと思っているのか等を尋ね、更生の可能性が十分にあると判断された場合については借金を免責するとの決定を出してくれます。

たとえ免責不許可事由に該当する原因であったとしても、裁量免責によって借金は免責となり、今後の返済を行う必要はなくなるというわけです。

任意整理をしてブラックにならない方法はあるのか?

債務整理をすると信用情報機関に事故情報が登録され、その後、一定期間は新たな借入やクレジットカードの利用が出来なくなります。

この状態になることを、世間一般的に「ブラック」といいます。

任意整理も債務整理の一種となりますので、手続き後は「ブラック」となってしまいます。

もっとも、任意整理は自己破産や個人再生とは異なり、例外的にブラックにならないケースが2つ存在します。

ただ、例外に該当しない場合でも「ブラック」になることを過度に恐れず、早めに任整整理をして借金問題を解消することが何よりも大切です。

ここでは、任意整理してもブラックにならない2つのケースと、ブラックになっても任意整理を選択するメリットについて解説します。

任意整理すると登録される「ブラックリスト」とは

まずは、「ブラックリスト」がどのようなものであるかを正しく理解する必要があります。

(1)信用情報機関に、事故情報が登録されること

そもそも、ブラックリストという帳簿はどこにも存在しません。

信用情報機関に保有されている個人のデータに「事故情報」が登録された状態のことを、俗に「ブラックリスト」と呼ばれます。

信用情報とは、個人情報(氏名・住所・生年月日・勤務先など)の他、借金やクレジットカードなど契約内容、残高、返済状況といった金融取引に関する客観的な事実のことです。

これらのデータが個人単位で以下にそれぞれ保有されています。

株式会社日本信用情報機構(JICC):消費者金融が主に加盟

株式会社シー・アイ・シー(CIC):クレジットカード会社が主に加盟

全国銀行個人信用情報センター(KSC):銀行や信用金庫が主に加盟

事故情報とは金融取引において、長期間の延滞や保証会社が代位弁済をして債権が異動したこと、債務整理をしたことなどで発生した異常な情報のこととなります。

事故情報も個人の信用に関わる重要な情報となりますので、各信用情報機関に登録されることになります。

任意整理で事故情報が登録される理由

任意整理をするということは、借金を契約内容どおりに返済できないことを意味します。

債権者と和解交渉する前提として、いったんは支払いを停止するため、「事故」として取り扱われます。

具体的には、JICCは「債務整理」という情報が登録されてしまい、CICとKSCは、「延滞」あるいは「保証履行」、「異動」という情報が登録されてしまいます。

「任意整理では、利息をSTOPしても元金は返済するのだから事故ではない」

と考える人もいますが、手続きに着手した時点で事故情報が登録されるので、注意が必要です。

事故情報が登録されることで受けるデメリット

信用情報は、各信用情報機関に加盟している業者が照会し、申込者や顧客の支払い能力を判断する為に存在します。

事故情報が各信用情報機関に登録されていると、「支払い能力なし」と判断されます。

具体的には、以下の通りデメリットが発生します。

・新たな借り入れができなくなる

・ローンが組めなくなる

・クレジットカードの作成、利用ができなくなる

・住宅ローンや子どもの奨学金の保証人になれなくなる

・携帯電話やスマホの端末を分割払いでは購入できなくなる

任意整理をしてもブラックにならない2つのケース

任意整理をしてもブラックにならないケースとは、以下の2つです。

利息引き直し計算をすると、借金が残らない場合

任意整理をする際には、借入残高を正確に確認するため、業者から開示された取引履歴をもとに、支払い過ぎた利息が存在しないかを確認する為に、利息の引き直し計算を行います。

利息の引き直し計算とは、法定金利を超える金利で取引が行われていた場合に、法定金利で正しく計算し直すことです。

払いすぎた利息があれば、その金額は元金に充当することになります。

計算の結果、すでに元金を完済しており借金が残らない場合はブラックになることは御座いません。

完済した時点で、本来の取引は終了することになり、事故が発生していないことになるからです。

ただし、多くの貸金業者や信販会社は、弁護士や司法書士からの任意整理の受任通知を受け取った時点で、事故情報を登録します。

通常は「債務なし」の和解が成立した際に、事故情報が削除されますが、業者が削除しない場合もあり、この場合には削除するよう求める必要があります。

完済した借入先に対して過払い金返還請求をする場合

利息の引き直し計算の結果、元金に充当した後、まだ支払い済みの利息が残っている場合については、「過払い金」として消費者金融や信販会社に返還を求めることができます。

すでに完済した借入先に対して過払い金返還請求をする場合は、「支払い停止」といった事情が発生することはないので、事故情報が登録されることは御座いません。

任意整理でブラックになっても影響は小さい?

任意整理をすると多くの場合はブラックになることを避けられませんが、その影響を過度に恐れる必要は無いと考えます

。その理由は以下のとおりです。

(1)事故情報は5年で消える

事故情報は一生残るわけでなく、一定の期間を経過後した後に削除されます。

事故情報が削除された後は、再び借り入れやクレジットカードなどの利用が出来るようになります。

任意整理の場合、債権者によっては「和解成立から5年」で事故情報を削除してくれることもありますが、多くの債権者は「完済から5年」で事故情報を削除します。

よって、「完済から5年」を目安として考えておくとよいでしょう。

(2)家族の信用情報に影響はない

信用情報は個人単位なので、自分が任意整理をしても家族の信用情報に事故情報が登録されることはありません。

自分の事故情報が削除される前に借り入れやローンを利用する必要となった場合には、家族名義で契約することは可能です。

(3)ブラックになっても家族カードは使える

クレジットカードの「家族カード」とは、カード会社と契約をした人(本会員)の信用に基づき発行されている為、事故情報が削除される前であっても利用する事は出来ます。

返済義務については本会員である家族が負うことになり、利用可能枠についても本会員と共有することになります。

その範囲内であれば、通常のクレジットカードとほぼ同様のサービスを受けることが可能です。

ブラックになっても任意整理をするメリット

ブラックになると一定のデメリットを受けることを避ける事は出来ませんが、返済しきれない借金を抱えている場合については、早めに任意整理を選択する方が得策となります。

ブラックになっても任意整理を選択するメリットについては、以下のとおりです。

借金の完済が可能となる

任意整理をすれば、基本的には将来発生する利息のカットが可能です。

返済期間についても、可能な限り長期払いでの交渉も可能となり、借金を無理することなく完済できる可能性が高いと言えます。

たとえば、消費者金融2社から合計100万円(年18%)を借金している場合、60回払いで返済するとすれば、将来利息をカットするだけでも返済額がおおよそ50万円以上は減少することになります。

任意整理をしなくても、延滞が続くことにより事故情報が登録されます。

その場合、延滞を解消するまで事故情報は削除されることはないので、任意整理をするメリットは大きいと言えます。

自己破産・個人再生より早く事故情報が消える

自己破産または個人再生をした場合も事故情報が登録されます。

事故情報が削除されるまでの期間は、以下のとおりです。

自己破産…免責許可決定の確定から10年

個人再生…再生計画案の認可決定の確定から10年

任意整理をした場合の方が早期に事故情報が削除されることになる為、借金の額が大きく膨らまないうちに任意整理を選択し、解決する方がデメリットは少ないと言えます。

借金に頼らない生活をするきっかけとなる

借金を根本的に解決する為には、現状の借金を整理するだけでなく、借金に頼らないという基盤を作ることがどうしても必要となります。

事故情報が登録されると、半ば強制的に新たな借金が出来なくなるので、経済的に借金に頼る生活を立て直すきっかけとなります。

ブラックになることをデメリットとして捉えるのではなく、借金癖を解消する為のきっかけとして捉えることが出来れば、むしろデメリットではなくメリットになると言えるでしょう。

任意整理における弁護士と司法書士の違い

債務整理を行うことができるのは、弁護士・司法書士のいずれかとなります。

では、両者の違いはなんでしょうか。それは、「取扱い業務の金額」です。

認定司法書士が代理人として関わることが認められているのは、債権者ごとの個別の借金の残額が140万円以下の場合に限られます。

つまり、債権者1社からの借金が140万円を超える場合は、司法書士は法律相談に応じることや業者と和解交渉を行うこと、訴訟対応をすることができません。

また、弁護士の訴訟代理権は最高裁判所まで及びますが、司法書士に与えられる訴訟代理権は「簡易裁判所」のみです。

司法書士に依頼して簡易裁判所で訴訟対応をしてもらっていても、相手方が控訴するなどして、地方裁判所に管轄が移ることになれば、別の弁護士に依頼し直さなければなりません。

弁護士、司法書士のどちらに依頼するかという点ですが、1社で140万円を超える債務がなければどちらでもいいと思います。

ただし、司法書士は、1社で元金が140万円を超えるケースは対応することができませんので、弁護士事務所に依頼する必要があります。

また、自己破産や個人再生の場合は、弁護士は裁判所の対応全般を担ってくれますので、弁護士事務所の方が良いことも多いです。

一方、弁護士は法律の専門家で何でも知っているように思えますが、弁護士よって得意分野が違いますし、債務整理をメインでやっていない、事務所もあります。

ですので「債務整理に特化しているか」という点と、自分の債務額、手続きの方向性によって、弁護士か司法書士かで選べばよいでしょう。