任意整理 いつから
借金の返済に苦しんでいませんか。
督促の連絡に怯え、いつ差し押さえがくるかびくびくその日暮らしをしている。
そのような辛い日々から抜け出すには、まず行動を起こすことが大切です。
そこで、弁護士・司法書士に相談をして債務整理を検討してみるのはどうでしょうか。
ひとりで悩み続けるより、頼れる専門家を見つけて相談することが賢明だと思います。
この記事では
- 任意整理の手続きの流れ
- 和解成立後の返済
- 依頼する際の弁護士・司法書士の選び方
- 報酬の支払いタイミング
などについて詳しく解説しています。
任意整理の流れと期間を解説
任意整理の手続きを進める場合、以下のような流れで3〜8ヶ月程度の期間がかかります。
ただし、弁護士や司法書士に依頼することで、和解成立までのほとんどの手続きを任せることができます。
ですので、依頼者自身で行うことは少ないです。
手続きの流れと期間
- 弁護士や司法書士へ依頼(即日)
- 借金の状況を伝え、任意整理の適否や減額可能額を相談
- 契約に必要な資料:債権者名、借金残高、毎月の返済額、取引期間、毎月の収入額など
- メリット・デメリット、費用を確認し、納得できたら委任契約を締結
- 債権者へ受任通知を送付(即日〜5日程度)
- 弁護士・司法書士が代理人となり任意整理の手続きに入ることを債権者に通知
- 受任通知後は債権者からの督促がストップ、返済も一旦停止可能
- 取引履歴の開示請求と債務額の調査(1〜3ヶ月程度)
- 弁護士・司法書士が債権者に依頼者の取引履歴(借入・返済記録)の開示を請求
- 取引履歴をもとに現在の債務額や取引内容を調査
- 利息制限法に基づく引き直し計算(1ヶ月程度)
- 取引履歴を利息制限法の金利で再計算し、実際の債務額を確認(引き直し計算)
- 過払金(払い過ぎた利息)があれば借金残高から差し引いて最終債務額を確定
- 和解案の作成と債権者との和解交渉(3ヶ月程度)
- 引き直し計算後の債務額をベースに、弁護士・司法書士が返済計画(和解案)を作成
- 依頼者の無理のない返済額・期間を設定し、和解案を債権者に提出
- 和解案をもとに債権者と交渉し和解をまとめる(依頼者は交渉に不参加)
- 和解成立(2週間程度)
- 債権者が和解案に合意したら和解が成立し、和解書を取り交わす
- 返済開始〜完済(3〜5年程度)
- 和解書の内容に基づき、決められた返済額を返済期間にわたって支払う
一覧表
内容 | 期間の目安 | |
1 | 弁護士や司法書士へ依頼 | 即日 |
2 | 債権者へ受任通知を送付 | 即日~5日程度 |
3 | 取引履歴の開示請求と債務額の調査 | 上記2後、1~3ヶ月程度 |
4 | 利息制限法に基づく引き直し計算 | 上記3後、1ヶ月程度 |
5 | 和解案の作成と債権者との和解交渉 | 上記3.4後、3ヶ月程度 |
6 | 和解成立 | 上記5後、2週間程度 |
7 | 返済開始~完済 | 上記6後、3~5年程度 |
任意整理の借金を完済するまでの期間は?
和解が成立したら、和解書に記載されている内容で返済をしていきます。
和解成立から3年~5年で完済するのが一般的です。
一般的に3〜5年で分割返済する
和解後の返済期間は通常3年(36回)〜5年(60回)が一般的です。
200万円の債務を3年・5年で返済する場合の月々の支払額は以下のようになります。
- 3年(36回):月々約5万6千円
- 5年(60回):月々約3万4千円
個人再生では原則3年以内の返済となります。
それ以上だと債務者の状況変化で返済継続に影響が出る恐れがあるためです。
月収10万円程度の方が月5万6千円の返済は難しいでしょう。
ですから、5年の分割のほうが無理なく返済できると判断できます。
返済期間を5年以上にできる場合もある
金融機関の多くは和解時の分割を5年程度と想定しています。
しかし、交渉次第では5年超の返済も可能な場合があります。
長期の良好な取引実績がある場合や、年数をかけても返済する意思を示した場合、大手クレジット会社などは応じてくれることがあります。
ただし、必ず応じてもらえるわけではないので注意が必要です。
和解後の支払額と分割回数 | 債務額 | 会社名 |
11,000円×72回 | 790,000円 | エポスカード |
12,500円×84回 | 1,050,000円 | オリコ |
20,000円×84回 | 1,680,000円 | ニコス |
11,000円×94回 | 1,034,000円 | ニコス |
15,000円×120回 | 1,800,000円 | ニコス |
支払い開始の時期が変化する理由
任意整理を弁護士・司法書士に依頼してから支払再開までは通常3〜6ヶ月です。
しかし、債権者や交渉状況次第で変動します。 その理由は以下の通りです。
- 債権者ごとに取引履歴の開示にかかる期間が1〜3ヶ月と異なる
- 返済総額・分割回数・分割金額などの和解条件で各債権者との折り合いがつくまでに時間を要する
- 和解までスムーズにいけば返済開始は早まるが、交渉が長引くと遅くなる
和解に応じない債権者がいると全体に影響する
一部の債権者が自社の基準を譲らず和解に応じない場合、全体の返済計画に支障をきたします。
例えば、任意整理では全債権者の債権額に応じた按分比率で返済額を決めるため、一部の債権者の同意が得られないと成立しなくなる可能性もあります。
そうなると、任意整理から個人再生や自己破産への切り替えを検討せざるを得なくなります。
このような事態を避けるためにも、交渉が難航しそうな債権者の返済額・回数を工夫するなど、債権者ごとに柔軟な和解案を提示する必要があります。
経験豊富な弁護士・司法書士でないと難しいでしょう。
あまり待たせると訴訟を打たれる危険もある
債務整理の方針を示さずに債権者を半年以上待たせると、債権者から進捗確認の連絡が来たり、場合によっては訴訟を提起されるリスクもあります。
したがって、弁護士・司法書士に依頼してから遅くとも半年以内に全債権者と和解をまとめ、返済を再開するのが理想的です。
そのため、依頼者も任せっぱなしにせず、定期的に進捗を確認するなど能動的な姿勢が大切です。
任意整理後に返済支払いが遅れたらどうなる?
はじめから遅れても良いと思われる方はいないと思いますが、事情があって遅れてしまうこともあると思います。
そうなるとどうなってしまうんだろうと不安に思う方もいると思います。
やはり、返済が遅れてしまうと、督促の通知が来たり、延滞が続くと和解が破棄となり一括返済を求められ遅延損害金も請求されたり、財産が差し押さえられたりする可能性があります。
どうしても返済が遅れてしまいそうな時は、債務整理を依頼した弁護士や司法書士に連絡をして対応を相談しましょう。
弁護士や司法書士から代行返済をしている場合も必ず連絡をしましょう。
任意整理後に返済支払いができなくなった場合はどうなる?
任意整理は安定した収入があり、3年~5年で完済できる前提で行う手続きです。
そのため、失業などで収入を失い借金の返済見込みがなくなると、和解契約に基づいた返済ができなくなってしまいます。
この場合は、再度債権者と交渉し、和解契約を結び直すことをまず検討してみましょう。
そのためには、お支払いが困難と感じたらすぐに、任意整理を依頼した弁護士や司法書士に連絡をとって相談しましょう。
連絡をせずに放置しておくと条件がどんどん悪くなってしまいます。
もし、再和解をしても生活の維持や借金返済の目途が立たない時は、任意整理ではなく別の債務整理手続きの検討が必要になる場合もあります。
弁護士や司法書士の報酬はいつ支払うのか?
債務整理を依頼する際の報酬支払いについて、債権者への返済と重ならないか不安に感じる方は多いでしょう。
報酬支払いは、任意整理完遂可能かの「履行テスト」の意味合いもあり、滞納は手続き方針の見直しに繋がりかねません。
支払い時期は事務所によって異なるため、必ず確認が必要です。
弁護士・司法書士への依頼後は債権者への支払いが一時ストップします。
ですので、その資金を報酬に充てることで債権者への返済と重ならないようにできないか相談するのがおすすめです。
各報酬の支払い時期の目安は以下の通りです。
- 着手金(債務整理の業務に着手するためのもので、契約時に一括払いが一般的。分割払いや過払い金との相殺に応じる事務所もある)
- 成功報酬(債務の減額など一定の成果に対する報酬。多くの事務所で分割払いに応じる。債権者への返済と並行して支払う場合も)
- 実費(切手代や交通費等の実費。先払いか後払いかは事務所次第だが、金額は少額なので大きな負担にはならない)
まとめ
任意整理は、弁護士・司法書士に依頼することで借金の減額や返済期間の長期化が図れる債務整理手続きです。
着手から和解成立まで平均3〜8ヶ月を要し、返済の再開は和解後速やかに開始して3〜5年かけて完済するのが一般的です。
ただし、信頼できる弁護士・司法書士選びが肝心で、依頼後は粘り強い交渉と綿密な返済計画の策定が不可欠です。
万が一返済が難しくなった場合は、速やかに相談して個人再生や自己破産への移行も視野に入れましょう。
借金問題は早期解決が何より大切です。
今日から一歩を踏み出し、まずは無料相談を活用して頼れる専門家を見つけてください。
必ずや解決への道が開けるはずです。