「借金が膨らんでしまった」
「借金の返済が出来ない」
「いつまで支払いを続けても借金が完済できない」
このような悩みを持つ方にとって、債務整理は効果的に借金問題解決につながる方法です。
そして、債務整理にあたって頼りになるのが債務整理に特化した弁護士事務所です。
ただ、多数の広告サイトがあるなかで、本当に債務整理を得意とする弁護士を見極めることのは難しいかもしれません。
本記事では、債務整理専門の弁護士を見分けるポイントについて解説します。
債務整理が得意な弁護士ってどんな人?
弁護士の取り扱える問題は?
そもそも、弁護士はどのような法的根拠に基づいて活動しているのでしょうか?
弁護士が取り扱える業務の範囲は、弁護士法第3条に定められています。
(弁護士の職務) 第三条 |
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弁護士は、当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱によつて、訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件に関する行為その他一般の法律事務を行うことを職務とする。 2 弁護士は、当然、弁理士及び税理士の事務を行うことができる。 |
つまり、弁護士は、事件の依頼を受け、代理人として裁判の遂行や裁判外の交渉などの「法律業務」を担当できるということです。
弁護士が取り扱える分野は多岐に渡る
ただし、弁護士法第3条では「法律業務」とたったの数文字で表現されていますが、憲法や法律、政令など、約7,500もの法令が存在しています。
我々の日常を考えてみても、会社に雇われて仕事をしたり、住宅を借りたり購入したり、車を運転したり、飲食店で飲み食いをしたり、結婚や離婚、家族との死別を経験したりするでしょう。
これらはすべて、法律が関係しています。
このように、法律に関する業務というのは非常に広範囲に渡るのですから、すべての分野を網羅し、専門知識を持つことは困難です。
そのため、多くの弁護士は得意な分野を持ち、その領域に特化して経験を積んでいるのです。
我々の日常に引き付けて考えると、「同じ会社に勤めている人でも、営業が得意な人は営業の仕事を中心にやるので営業の経験値は髙いけれど、その反面、経理のことは経理担当者と比べたら詳しくはない」というのに似ているかもしれません。
債務整理をするなら債務整理専門の先生を選ぶべき
弁護士は法律に関連する幅広い分野をカバーするため、通常は得意な分野を絞り込んでいます。
得意分野では高い経験がありますが、他の分野については一般的な知識しか持っていないこともあります。
債務整理も同様です。
債務整理に特化した弁護士は、深い知識と多数の経験をしていることが多いと言えるでしょう。
そのため、債務整理や借金問題を解決するために弁護士選びをする場合は、債務整理を得意とする、専門性の高い弁護士に相談することが賢明だと言えるでしょう。
頼まなかったらよかった?よくある弁護士選びの失敗例
では、逆に、どのような状況で弁護士の選択が失敗に終わる可能性があるのでしょうか?いくつかの具体例を挙げてみましょう。
失敗例①|自分がやりたいことをよく考えずに依頼してしまった
よくある失敗の一つに「自分がやりたいことをよく考えずに依頼してしまった」というものが挙げられます。
知人を助けるためにお金を消費者金融から借りて準備してあげたが、お金が返ってこない!という金銭トラブルを抱えているというケースを考えてみましょう。
このようなケースではどのような解決が最も望ましいかは、あなたのニーズや要望によって変わります。
「知人との金銭トラブルを解決したい」のか「知人からお金を回収したい」のか、それとも、「消費者金融から借りたお金の債務整理をしたいのか」という、問題解決の着地点を定める必要があるのです。
そして、どちらに比重を置くかによって、債務整理が得意な弁護士を選ぶのか、それとも、債権回収が得意な弁護士を選ぶのかが変わることがあり得ます。
失敗例②|地元の弁護士がいいと思ったら……
よくある失敗例の二つ目に「全国対応の弁護士よりも、地元の弁護士の方がよい」と思ってしまうことです。
確かに、地元の弁護士や付き合いのある弁護士の方が身近に感じられ、顔が見れるので良いと感じる気持ちはわかります。
ですが、さきほどから何度も述べている通り、問題解決のためには「専門性の高い弁護士」を選ぶことが重要であり、地元の弁護士が必ずしも専門性が高いとは限りません。
特に、会社の顧問弁護士などは身近な存在なので、債務整理を頼みやすいと思うかもしれません。
ですが、会社の顧問弁護士というのは、いくつもの会社とのお付き合いがあることから
「労働問題」や「会社法務」については、非常に高度な知見や深い経験を有している方が多いです。
ただし、債務整理や法律相談に必ずしも精通してるとは限らないのです。
失敗例③|広告サイトからすぐに飛びついてしまった
失敗例の第3に「たまたまネット上で見た広告サイトから、すぐに飛びついてしまった」というケースがあります。
全ての広告サイトが悪いというわけではありません。
ただ、広告サイトにはマーケティング的な側面があります。
営業文句だけで物事を決めてしまうというのはリスクが大きいと言えるでしょう。
失敗例①でも述べた通り、大事なのはあなたがどのように問題解決をしたいかを明確にしておくことです。
最初はその弁護士が最適だと思っていても、他の弁護士の方が自分の目的に適っていたということがあるかもしれません。
私たちが買い物をするときには、いくつかの店を回って商品を比較したりするでしょう。
ネットで様々なレビューや紹介記事を読んだり、口コミを見たりしてリサーチをします。
弁護士選びも同じです。
注複数の事務所を比較したり、無料相談を受けて複数の弁護士と話したりすることが大切です。
弁護士選びを失敗しないためにチェックするべきポイントとは?
ここまで、弁護士選びの失敗事例について解説をしてきました。
大切なのは
「問題をどのように解決したいかを明確にしておくこと」
「その弁護士が、問題解決に役立つか」
「一つだけの情報で選ばず、比較して選ぶこと」
です。
ひとつずつ、ポイントを考えていきましょう。
ポイント①|まずは自分のニーズを明確化する
弁護士選びのポイントの一つ目に、問題解決のためには
「自分にとってどのような解決が望ましいのか」
「この点については譲ってもいい」
という点を明確化しておくことが挙げられます。
債務整理を例に挙げましょう。
債務整理で最も借金を大きく減らせる手続きは「自己破産」です。
ですが、この自己破産は保有している住宅や車などを売却、処分する必要があります。
また、手続き期間中は就けない職業があるなど、制約やデメリットもあります。
あなたが
「借金の額が膨らみ過ぎている」
「自宅や車、財産を手放してでも借金を清算したい」
と考えているなら、自己破産は最適な手続といえます。
一方で、
「家族と暮らす自宅を売却するのだけは避けたい」
というニーズを持っているのであれば、自己破産は避けないといけません。
このように
「どのような形で問題を解決したいのか」
「どのように手続きを進めたいのか」
というニーズによって、取るべき方法は変わるのです。
ですから、まずは自分のニーズを明確化しておくことが重要となるのです。
ポイント②|弁護士事務所のホームページなどから解決実績や相談件数、活動年数を見る
次に、弁護士事務所のホームページなどから解決実績や相談件数、活動年数を見ることがポイントに上げられます。
弁護士事務所によっては総合案内のホームページの他に、債務整理専用のウェブサイトやブログを用意している事務所もあります。
このような債務整理に特化したサイトを持っている事務所は、力を入れている可能性が高いです。
また、弁護士が債務整理を取り扱ってきた年数や件数も重要です。
特に注目するべきは、相談件数、解決件数、事務所がどの程度の期間債務整理を取り扱っているかなどです。
このような数字を明確に打ち出していることは、実績や知識、ノウハウ、スキルが蓄積されていることや、経験や実績に自信を持っていると考えていいでしょう。
実績が多くても、債務整理の手続きの中の一部の手続ばかりに特化している事務所は避けるべき
ただし、実績が多くても、債務整理の手続きの中の一部の手続ばかりに特化している事務所は避けるべきです。
解決実績や相談件数が多くても、任意整理や過払い金請求などの特定の手続きに偏っている場合、最適な解決が難しくなります。
たしかに、金額が膨らんでいない借金問題の初期においては、任意整理が最適な解決策であることも多いのは事実です。
その一方で、すでにかなり借金が膨らんだ状態で、問題を解決するには、自己破産や個人再生などが適切になる場合もありますし、毎月数万円の返済が必要な状況で無理に任意整理をすることが適切ではないこともあります。
このようなことから、すべての手続きに対応できる弁護士や司法書士を選ぶべきです。
ポイント③|債務整理に強い事務所ランキングサイトや口コミには要注意
債務整理に強い事務所ランキングサイトはあくまで広告
ネットで「債務整理」を調べると、「債務整理に強い事務所のランキング」を掲載しているサイトを見かけることがよくあります。
確かにこれらは情報源として有益ではありますが、これらを鵜呑みにして事務所を選ぶのは良いこととはいえません。
なぜなら、これらのサイトは広告業者やアフィリエイターが作ったものがほとんどだからです。
言い換えると、広告料をたくさん払った事務所やアフィリエイト報酬の高い事務所が上位に表示されているだけなのです。
もちろん、広告費をたくさん払っていることが「本当に債務整理を得意としている」こととは関係ありません。
もちろん、広告をたくさん出している事務所でも実績や経験が信頼できるのであれば、その事務所を選んでも構わないでしょう。
ただ、ランキングサイトを鵜呑みにするのではなく、ネット上の口コミや事務所の提供する無料相談などを利用して、十分に吟味する必要があると言えます。
口コミは誰でも書ける
一方で、SNSやGoogleの口コミを見てみると、広告サイトで高評価されている事務所が、実は評価が割れていたりすることがよくあります。
とはいえ、その口コミを完全に信じていいかというと、そうではありません。
ネット上の口コミは誰でも書き込めるものなので、信頼性には疑問が残ります。
たとえば、「債務整理に失敗した人が、お怒りになって事務所の悪口を書き込んでいる」ケースもよく見かけます。
それは事務所の問題よりも、債務整理がうまくいかなかった依頼者の問題かもしれません。
加えて、人は「ネガティブ増幅バイアス」という心理的な問題を抱えています。
つまり、否定的な意見に目が行きがちで、好評な声よりも否定的なコメントに注目してしまう傾向があるんです。
上記の通り、広告や口コミというのは、必ずしも真実を語っているとは限りません。
広告サイトやネット上の口コミを使うときは、いい部分悪い部分の両方に気を配ることが大切です。
ポイント②でも述べた通り、複数ある情報の1つとして、多角的な視点で検討をするべきだと言えるでしょう。
まとめ
債務整理は借金問題を解決するために役立つ方法ですが、その際には債務整理を得意とする弁護士を選ぶことが重要になります。
ただし、弁護士は得意分野が異なるため、債務整理を考える場合は、債務整理の経験や実績が豊富な弁護士を選ぶべきです
弁護士を選ぶ際には、まずは自分のニーズを明確にしておくことが重要です。
ほかにも、ホームページでの実績や相談件数、活動年数を確認することが大切です。実績や経験が豊富な弁護士は、債務整理に精通している可能性が高いです。
また、事務所のランキングサイトや口コミも参考にはなりますが、広告の影響や匿名の投稿もあるため、全面的に信用するのは避けるべきです。
最後になりますが、債務整理は、ほとんどの人が人生で1度しか経験しない問題です。
だからこそ、自分がどんな問題を解決したいかを明確にして、その解決に向けて専門の債務整理の先生を選ぶことに力を入れるべきなのです。
そのためにも、弁護士や司法書士事務所が提供する無料相談を利用することをおすすめします。
広告サイトや口コミ、実績などを見たうえで、弁護士や司法書士との無料相談をすることで、その人柄や実績を確認できる場合があります。
また、正確な法的知識を得ることで自分のニーズがより明確になり、不安が解消されることもあります。
これらの情報を集めることで、自分に合った弁護士を選ぶことが、債務整理を成功させるために不可欠です。