2026年の経済や株式市場がどのように動くのか、気になっている方は多いはずです。
2026年は、イベントがてんこ盛りの1年です。日本の金融政策の大きな節目や、アメリカの重要な政治イベントが重なる1年となります。
政治や経済的なイベントというと、難しいと思うかもしれませんが、「お給料」や「スポーツ」のような身近な話題も、生活や資産に影響を与えるのです。投資家だけでなく、一般の方にとっても生活に直結する変化が次々と起こるでしょう。
これらの情報を早めにキャッチしておくことで、時代の変化に落ち着いて対応できるようになります。
この記事では、「2026年に注目すべき重要イベント」について解説します。
目次
2026年の重要イベントの一例
| 月 | 国内外の注目イベント | 市場への影響・セクター |
| 1月 | 世界経済フォーラム(ダボス会議) 日銀金融政策決定会合 | 世界的な投資テーマ(AI・脱炭素)の確認 年初の金利・為替見通しの策定 |
| 2月 | ミラノ・コルティナ冬季五輪 開幕 中国 春節(旧正月) | スポーツ関連・広告セクターの活性化 インバウンド消費とアジア物流への影響 |
| 3月 | 野口旭 日銀審議委員 任期満了 春闘 集中回答日 | 金融政策のスタンス変化(緩和派の退任) 賃上げ率による消費関連株への影響 |
| 4月 | 日銀短観(第1四半期) IMF・世銀春季会合 | 国内企業の景況感と設備投資意欲の把握 世界経済の下方リスクと財政方針の共有 |
| 5月 | ジェローム・パウエルFRB議長 任期満了 米消費者物価指数(CPI)発表 | 米国の金融政策の「顔」交代による不透明感 インフレ鎮静化の確認と利下げ期待の精査 |
| 6月 | 中川順子 日銀審議委員 任期満了 FIFAワールドカップ26 開幕 | 金融政策のタカ・ハトバランスの再編 飲料・放送・配信セクターの特需 |
| 7月 | 米国建国250周年 NATO首脳会議(トルコ) | 米国内の個人消費拡大への期待 地政学リスクと防衛・サイバーセキュリティ |
| 8月 | ジャクソンホール会議 米雇用統計 | 秋以降の世界的な金利トレンドの決定 夏枯れ相場におけるボラティリティ警戒 |
| 9月 | 愛知・名古屋アジア競技大会 開幕 第81回国連総会 | 中部圏の経済活性化・警備・インフラ需要 国際情勢の変化による資源・商社株への影響 |
| 10月 | 中国 国慶節(大型連休) IMF・世銀年次総会(タイ) | インバウンド・航空・小売セクターの動向 世界経済の次年度予測と新興国市場の評価 |
| 11月 | 米国中間選挙(11/3) 中国「独身の日」セール | 2026年最大の政治的転換点 EC・物流・プラットフォーム企業の収益確認 |
| 12月 | G20首脳会議(フロリダ) 日銀金融政策決定会合 | 主要国間の貿易摩擦・経済連携の行方 年末の総仕上げと翌年の政策スタンス決定 |
国内政治:日銀人事と賃上げが握る金利の行方
審議委員2名退任で日銀の政策はどう動く?
2026年は、日本の景気をコントロールする日本銀行のメンバーが入れ替わる大切な時期となります。
まず、3月31日には政策委員会審議委員 野口 旭(のぐち あさひ)氏が任期満了を迎え、退任する予定です。さらに、6月29日には中川 順子(なかがわ じゅんこ)審議委員も任期を終えます。
実は、この「誰が新しい委員になるか」という人事が、ひいては日本経済を大きく左右するかもしれないのです。
金利が下がると、金融機関は、低い金利で資金を調達できるので、企業や個人への貸出においても、金利を引き下げることができるようになります。そうすると、企業は、運転資金や設備資金を調達し易くなります。また、個人も、例えば住宅の購入のための資金を借り易くなります。
一方で、金利が上昇すると、金融機関は、以前より高い金利で資金調達しなければならず、企業や個人への貸出においても、金利を引き上げるようになります。そうすると、企業や個人は、資金を借りにくくなります。事業資金の調達や住宅ローンの金利が高くなるなどのデメリットがあるのです。(日本銀行「金融政策は景気や物価にどのように影響を及ぼすのですか?」)
これまでの委員は、金利を低く抑えることで資金流通を加速して、景気を盛り上げるという考えを持つ人が多かったです。しかし、長年にわたり低金利状態を続けたことから、円安が生じて輸入コストを押し上げ、特に最近は「物価高」や「インフレ」の弊害が出ているとも指摘されます。このことから、利上げを行うことは物価高やインフレ緩和につながる可能性もあります。
しかし、経済の過度の引き締めを行うことは円安メリットを受ける輸出産業等には不利であり、失業率等の上昇の原因となる恐れがあるなど、経済活動が抑制につながります。
このように、「円安/円高」のいずれも一長一短があることから、バランスのよい政策を取ることが求められます。
もしも、後任に「早めに金利を上げよう」という考えの審議委員が選ばれたならば、日銀の「利上げ」のスピードが早まるという見方が、一気に市場で広がるはずです。一方、「利上げに対して慎重」という姿勢を取る審議委員が選ばれた場合は、利上げのスピードは鈍化するかもしれません。
政府がどのような意見を持った審議委員を指名するのかは非常に重要だと言えるでしょう。
用語解説:審議委員とは?
日本銀行の最高意思決定機関である「政策委員会」のメンバーのことです。総裁・副総裁・審議委員の合計9名で、金利などの重要なルールを多数決で決めています。
春闘の賃上げ持続が景気を左右
次に注目したいのが、毎年3月に行われる「春闘(しゅんとう)」と呼ばれる賃上げ交渉の結果です。労働組合の全国組織である連合は、2026年も「5%以上」の賃上げを目指す方針をすでに固めています。(独立行政法人 労働政策研究・研修機構:2026春闘の方針)(横浜幸銀総合研究所:2026年春闘の賃上げ予測)
総務省統計局によりますと、日本のインフレ率は概ね3%程度です。(総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)11月分(2025年12月19日公表)」)もし、物価の上昇よりもお給料の伸びが大きくなれば、消費が大きく刺激され、景気が良くなる好循環が生まれることとなります。
しかし、一方で「高い賃上げ」は、日銀が金利をさらに上げるための強力な理由にもなってしまいます。つまり、お給料が増えて嬉しい反面、ローンの負担が増えたり株価が不安定になったりするリスクもあります。
2026年の春は、お給料と金利の「追いかけっこ」が、経済の最も熱いニュースになることは間違いありません。
国際政治:米国の新体制と世界経済の転換点
FRBパウエル議長退任と中間選挙
世界経済のけん引役であるアメリカでも、2026年は驚くような大きな変化が予定されています。
なかでも世界中の投資家が最も警戒しているのが、5月に予定されているパウエル米連邦準備制度理事会議長の退任です。FRB(連邦準備制度理事会)は、世界で最も影響力がある「中央銀行」で、そのトップが交代するのです。
これまではパウエル氏が、インフレを抑えながら景気を守るという難しい舵取りを進めてきました。しかし、後任が誰になるか、またトランプ政権がどのような人物を送り込むかによって方針が大きく変わる可能性があります。もし後任者が「早期に金利を下げるべきだ」と主張すれば、ドル円相場や米国株はパニック的に動くでしょう。
そして11月3日には、アメリカの「中間選挙」という、任期2年の下院(定数435)全議席と、任期6年の上院(定数100)の約3分の1が改選の対象となる大きな選挙があります。これは、2024年に大統領に就任したドナルド・トランプ大統領の政策に対して、国民が「通信簿」をつけるようなものです。歴史的に見て、クリントン政権以降の中間選挙・下院選において、8回中7回は与党が全米得票率を減らした結果、ねじれ議会に陥っていることから、トランプ政権の今後の運営に大きな影響がある可能性があることに注目するべきでしょう。
ただし、中間選挙がある年は「秋までは株価が低迷し、選挙が終わると上がる」という法則があります。政治の行方がはっきりするまではみんなが慎重になりますが、終われば安心感が広がるのが通例なのです。(野村證券:2026年米中間選挙のアノマリー解説)
このことから、2026年の後半は、このアメリカの政治ニュースが、株価や市場に大きな影響を与える可能性があることには注目をするべきでしょう。
新興国選挙と地政学リスクの変動
アメリカ以外にも、世界には株式市場を揺らす火種やきっかけがいくつも散らばっています。
たとえば10月には、ブラジルで大統領選挙が行われる予定となっています。ブラジルは鉄鉱石や農産物の巨大な輸出国なので、その政治が不安定になると世界の資源価格が跳ね上がります。
さらに、2026年2月にはロシアによるウクライナ侵攻から丸4年という節目も迎えてしまいます。地政学リスク(戦争や政治対立が経済に与える不安)は、依然として私たちのエネルギー価格を左右します。
もし緊張が高まれば、石油や天然ガスを扱う商社株や、身近な電気代への影響を無視することはできません。
また、環境問題についての国際会議(COP31)なども、世界的なルールの変更をもたらす可能性があります。「これからはこのエネルギーを使う」という世界的な合意ができれば、新しい技術を持つ企業の株が高くなるかもしれません。
その他イベント:スポーツ特需と注目テーマ株
WBC、W杯、冬季五輪など、スポーツイベントが目白押し
2026年は、スポーツファンにとってたまらない大きな大会がいくつも開催されます。
まず、2月にイタリアで開催される「ミラノ・コルティナ冬季五輪」。3月には野球の「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)」、6月には「サッカーW杯」が開催されます。
当然、テレビの買い替え需要、みんなで集まって応援するための飲食代、開催国への旅行のために、旅行代理店や航空会社にプラスの影響が及ぶかもしれません、ほかにも、イベントに合わせたスポーツグッズの生産・販売や宣伝効果を狙った広告など、様々な面で大きなお金が動きます。
特に今回は、インターネットでの動画配信がさらに当たり前になっているため、新しい視聴スタイルが広がります。スマホでどこでも試合を観る人が増えることで、通信業界やデジタル広告業界にも大きなチャンスが訪れるかもしれません。
イベント関連で狙い目の注目株は?
では、具体的にどのような会社の株価にチャンスがあるのでしょうか。
まず分かりやすいのは、スポーツ用品メーカーのアシックスやミズノといった、代表チームを支える企業です。大谷翔平選手などのスターが活躍すれば、関連するシューズやユニフォームが売れるようになるでしょう。
さらに、電通グループなどの広告会社や、サッカーW杯の放送権を得る可能性がある配信プラットフォームも注目です。DAZNやドコモなどが配信に名乗りを上げており、その効果には注目すべきです。(共同通信「W杯配信ドコモとDAZN名乗り 日本戦や決勝、地上波も放送へ」)
加えて、国内では9月に名古屋などで「アジア競技大会」が開かれ、インフラ整備や警備の需要も高まります。
このように「イベントがあるところに金が動く」というシンプルな視点が、2026年の投資では有効に働くかもしれないのです。ただし、これらの株は「イベントが終わると売られる」という特徴もあるため、タイミングを見極めるのがコツです。BI証券:2026年注目のスポーツ関連銘柄11選





