2024年から始まる新NISAの成長投資枠に投資するにあたって、どこの企業に投資すれば良いか悩んでいる方は多いと思います。
株式投資といえど、国内企業や海外企業など様々な選択肢がありますが、最近とくに人気があるのは「S&P500関連」の株式です。
S&P500は、米国株式市場の中心であるNYダウと同じくらい重要視されている指数で、米国全体の約80%の時価総額比率を占めている指数です。
米国株式市場は常に高い成長率で上昇していますが、そのなかでとくに成長率が高かったのがS&P500です。
そこで、本記事ではS&P500の特徴やおすすめする理由について解説します。
S&P500とは
S&P500とは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCが算出している米国株式市場の代表的な指数で、米国の代表的な株価指数の1つです。
組入銘柄としては、ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場している銘柄から約500社が選ばれています。
選ばれる基準としては「時価総額」「流動性」「業種」などが考慮されて選出されています。
なお、S&P500の組入銘柄のうちTOP10の銘柄を見てみると、世界的に有名な企業が並んでいます。
銘柄 | 業種 |
アップル | 情報技術 |
マイクロソフト | 情報技術 |
アマゾン・ドットコム | 一般消費財 |
エヌビディア | 情報技術 |
アルファベット クラスA | コミュニケーション・サービス |
テスラ | 一般消費財 |
メタ・プラットフォームズ | コミュニケーション・サービス |
アルファベット クラスC | コミュニケーション・サービス |
バークシャー・ハサウェイ | 金融 |
ユナイテッドヘルスグループ | エネルギー |
S&P500は米国を代表する企業で構成されており、米国株式市場の約80%の時価総額を占めている非常に重要な指数です。
S&P500とNYダウの違い
S&P500 | NYダウ | |
組入基準 | 米国に上場する代表的な企業 | 成長性や注目度の高い企業 |
構成銘柄 | 500銘柄(米国の大型株で構成) | 30銘柄(米国を代表する銘柄で構成) |
指数算出方法 | 時価総額加重平均型 | 株価平均型 |
米国を代表する株価指数は「NYダウ」じゃないの?と思う方もいるでしょう。
確かにテレビなどの報道番組では、NYダウの値動きが主に伝えられています。
NYダウとは、米国を代表する銘柄の30社で構成されている指数のことで、指数の算出方法としては「構成銘柄の株価を合計し、銘柄数で割って平均を出す」という、単純な方法で算出されています。
NYダウは、30銘柄のみで構成されているということで、1つの銘柄で大きな価格変動が起こると、指数全体に与える影響が大きいという特徴があります。
一方、S&P500においては、500銘柄という非常に多い銘柄で構成されていることに加え、時価総額加重平均株価で算出されているため、米国全体の市場動向がより正確に反映されているインデックス型の指数といえます。
S&P500がおすすめな理由
株式投資が活発な現代において、米国株式に投資する方が増えてきており、そのなかでS&P500関連の銘柄や投資信託が非常に人気を集めています。
S&P500が人気な理由としては、以下の2点があげられます。
・過去からの値動きを見て、長期的に年間平均リターンが非常に高い
・米国の経済成長が右肩上がりで、株式市場全体も上昇傾向にある
これらの理由について、それぞれ解説します。
過去からの値動きを見て、長期的に年間平均リターンが非常に高い
S&P500は1923年が起源であり、現在の形に変わったのが1957年と非常に歴史のある指数です。
1990年頃までは大きな動きは見られませんでしたが、2000年代に入ってからは株式投資が活発になったこともあり、右肩上がりに非常に優秀な成績を残すようになりました。
過去10年の年間平均リターンは以下のとおりです。
年 | 年間平均リターン |
2013年 | 32.4% |
2014年 | 13.7% |
2015年 | 1.4% |
2016年 | 12.0% |
2017年 | 21.8% |
2018年 | -4.4% |
2019年 | 31.5% |
2020年 | 18.4% |
2021年 | 28.7% |
2022年 | -18.1% |
相場の価格推移は上昇と下落を繰り返しているため、利益が小さい年やマイナスとなっている年もありますが、基本的には高い利益率を誇っていることがわかります。
2013年から2022年までの10年間の平均リターンは「14.7%」となっており、長期で運用している方は大きな利益を得ているでしょう。
S&P500の構成銘柄となっている企業は、事業の安定性や知名度が高いといった特徴があり、大型株が中心ということもあり信頼性の高いところがほとんどです。
これらのこともあり、有名な投資家であるウォーレン・バフェット氏は、自身の妻に投資のアドバイスする際に「90%をS&P500、10%に米国短期債券」に投資することを勧めているため、投資対象としては間違いないでしょう。
米国の経済成長が右肩上がりで、株式市場全体も上昇傾向にある
経済成長をするには、「人口」「資本」「技術革新」といった要素が必要不可欠となりますが、米国においては非常に充実していることから、米国経済は今後もさらに発展すると予想されています。
米国経済の成長に伴って、S&P500も優秀な成績を残してきましたが、今後もNYダウとともに成長していくことが期待できます。
また、S&P500を構成している銘柄は、米国を代表する企業ということもあり、米国内だけでなく世界的にビジネス展開している企業がほとんどです。
そのため、収益性が高い企業が多いという点からも「企業の成長=株価の上昇」という構図で、今後さらなる成長・発展が期待できるでしょう。
S&P500への投資方法は?
ここまで、S&P500の基礎的なことについて解説してきましたが、実際にどのように投資すべきかについて解説します。
大前提として、「S&P500」という指数に直接投資することはできませんが、S&P500の値動きに連動したETFや投資信託などの商品に投資することは可能です。
新NISAの成長投資枠で投資を行う場合は、S&P500に連動した「ETF」を購入することになります。
S&P500と連動したETFには数種類あり、運用方法としてはインデックス型のものとアクティブ型のものがあるなど、投資信託と似たような商品となります。
異なる点としては、以下の3点です。
・株式投資を行う口座で取引する
・投資信託よりも多い金額で投資する必要がある
・売買取引の自由度が高い
これらの点のうち、とくに大きなポイントが「投資信託よりも投資金額が多くなる」という点です。
投資信託の場合は、数百円から始めることができますが、ETFの場合は数千円から始めることになります。
そのため、投資金額が多いことから、短期で得られる利益も多くなりやすいというメリットがあります。
取引する口座については、株取引を行う口座を開設するだけで取引できるので、気軽に始めることができます。
なお、新NISAのつみたて投資枠で投資をする場合は、S&P500に連動する投資信託を購入する必要がありますが、最初のうちは投資元金が少ないため利益が出にくいです。
これらのことから、短期間で資金効率を上げて運用を行いたい場合は、成長投資枠でS&P500関連のETFを購入するといいでしょう。
まとめ
ここまで、S&P500の基礎知識と投資方法について解説してきました。
S&P500は、NYダウよりも多い銘柄で構成されていることもあり、信頼性が高い指数で、なおかつ成長率も高いということで初心者の投資家からも人気を集める指数となります。
投資をするうえでは一時的に損失を被ることがあったとしても、他の指数とくらべると成長性が高く、安全的な指数といえます。
これらのことを踏まえて、新NISAで成長投資枠を活用する場合は、S&P500のETFも視野に入れて投資を行うことをおすすめします。