「犬を飼いたいけれど、どの犬種にしよう?」そう考えている人は、きっと多いのではないでしょうか。
ペットは大切な家族になるからこそ、選び方はとても大切です。近年、犬種の人気ランキングは大きく変化しています。特に、日本と海外では、人々の暮らしや文化の違いから、好まれる犬種が全く異なります。この変化は、飼い主さんのライフスタイルや、犬に求める役割が多様化している証拠と言えるでしょう。
この記事では、最新の2025年人気犬種ランキングを基に、それぞれの犬種がなぜ愛されているのか、その理由を詳しくご紹介します。パートナー探しやご友人との話題作りなどにご活用ください。
目次
2025年人気犬種ランキングトップ10(調査別比較)
順位 | 日本 (アニコム損保) | 日本 (みんなのブリーダー) | 米国 (AKC) | 英国 (The Kennel Club) |
1位 | MIX犬(体重10kg未満) | トイ・プードル | フレンチ・ブルドッグ | ラブラドール・レトリバー |
2位 | トイ・プードル | ミックス・その他の犬種 | ラブラドール・レトリバー | コッカー・スパニエル |
3位 | チワワ | チワワ | ゴールデン・レトリバー | フレンチ・ブルドッグ |
4位 | 柴犬(豆柴含む) | 柴犬 | ジャーマン・シェパード・ドッグ | ミニチュア・スムースヘアード・ダックスフンド |
5位 | ミニチュア・ダックスフンド | ミニチュア・ダックスフンド | プードル | 柴犬 |
6位 | ポメラニアン | ポメラニアン | ダックスフンド | ゴールデン・レトリバー |
7位 | ミニチュア・シュナウザー | 豆柴 | ビーグル | パグ |
8位 | ヨークシャー・テリア | フレンチ・ブルドッグ | ロットワイラー | キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル |
9位 | シー・ズー | ヨークシャー・テリア | ブルドッグ | イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル |
10位 | フレンチ・ブルドッグ | パグ | ジャーマン・ショートヘアード・ポインター | イングリッシュ・セッター |
出典情報
- 日本 (アニコム損保): アニコム損保「人気飼育犬種ランキング2025年版」ニュースリリース URL:https://www.anicom-sompo.co.jp/news-release/2024/20250128/
- 日本 (みんなのブリーダー): みんなのブリーダー「犬種人気ランキング【2025年最新版】」 URL:https://www.min-breeder.com/magazine/15903
- 米国 (AKC): American Kennel Club (AKC) “Most Popular Dog Breeds of 2024″(2025年の最新データは未発表のため、2024年版を引用) URL:https://www.akc.org/expert-advice/news/most-popular-dog-breeds-2024/
- 英国 (The Kennel Club): The Scotsman “Top Dogs 2025: Here are the 17 most popular breeds of adorable dog according to the Kennel Club – including the Labrador” URL:https://www.scotsman.com/lifestyle/family/top-dogs-2025-here-are-the-17-most-popular-breeds-of-adorable-dog-according-to-the-kennel-club-including-the-labrador-5067877
日本の人気犬種ランキング、トップ10は?
首位はミックス、その理由は?

2025年の日本の人気犬種ランキングで、初めてトップに輝いたのは「ミックス犬」でした。これは、ペット保険を提供するアニコム損保が発表した調査結果で明らかになった事実です。長年1位だったトイ・プードルを抜いての快挙と言えます。
ミックス犬が人気を集めている背景には、いくつかの理由があります。一つは、純血種に比べて価格が手頃である点です。次に、異なる犬種の遺伝子を掛け合わせることで、遺伝性の病気にかかりにくいと広く信じられている点も挙げられます。また、複数の犬種の可愛らしい特徴を併せ持つミックス犬は、世界に一つだけのユニークな存在として、多くの人の心を掴んでいます。
この結果は、犬を家族として迎え入れる人々が、血統書よりも個性や健康を重視する傾向が強まっていることを示していると考えられます。アニコム損保の調査によれば、「マルチーズ」と「トイ・プードル」のミックスである「マルプー」が特に人気を集めていることが分かっています。
トイ・プードルやチワワも根強い人気!


左:チワワ 右:トイ・プードル
ミックス犬が首位を獲得した一方で、長年人気を維持してきたトイ・プードルやチワワも、引き続き高い人気を誇っています。特に、子犬の販売サイト「みんなのブリーダー」の調査では、トイ・プードルが依然として1位の座を守り続けています。この背景には、これらの犬種が持つ魅力的な特徴が深く関わっています。
トイ・プードルは、とても賢く、人懐っこい性格で知られています。賢いためしつけがしやすく、初めて犬を飼う人にも飼いやすい犬種と言えます。さらに、抜け毛が少ないという特徴も、室内で犬を飼う家庭にとって大きなメリットです。
一方、チワワは世界最小の犬種として有名です。その小さな体とは裏腹に、勇敢で堂々とした性格を持っています。甘えん坊な一面もあり、飼い主さんに忠実な姿は多くの人を虜にしています。持ち運びがしやすいサイズ感も、人気の要因の一つです。ただし、体が小さいがゆえに、骨折などの怪我には十分注意が必要です。
なぜ小型犬が人気なのか?
なぜ日本では、これほどまでに小型犬が人気なのでしょうか?その理由は、日本の独自の文化や生活環境と密接に関係しています。
まず、日本の住宅事情を考えてみましょう。特に都市部では、マンションやアパートといった集合住宅に住む人が非常に多いです。このような住環境では、大型犬を飼育するスペースを確保することが難しく、規約で禁止されていることも珍しくありません。
また、ライフスタイルの変化も影響しています。近年、単身世帯や高齢者のみの世帯が増えました。小型犬は、散歩や食事の世話にかかる負担が比較的少ないため、多忙な社会人や体力に不安のある高齢者でも飼いやすいのです。
犬を「家族の一員」として、より身近で癒やしを与えてくれる存在として迎えたいという思いが、小型犬を求める気持ちを強くしていると言えるでしょう。
世界の人気犬種ランキングから見る違い
アメリカとイギリスで大型犬が愛される理由


左:ラブラドールレトリバー 右:ゴールデンレトリバー
アメリカやイギリスでは、日本とは対照的に、ラブラドール・レトリバーやゴールデン・レトリバーといった中・大型犬が非常に人気です。この背景には、犬を活動的なパートナーとして迎える文化があります。とくにアメリカでは、多くの一戸建てには広い庭があり、犬が自由に走り回れるスペースがあります。
さらに、欧米ではハイキングやキャンプといったアウトドア活動も盛んです。元々、狩猟犬として活躍してきたラブラドール・レトリバーやゴールデン・レトリバーは、こうした活動の良きパートナーとなります。彼らは、飼い主さんと一緒に体を動かすことが大好きで、共同作業を通して深い絆を築くことができます。
この点が、犬を家族の一員としてだけでなく、レジャーを共にする相棒と考える欧米の人々の心をつかんでいます。
小型犬だとフレンチブルドッグも人気に

欧米では大型犬が人気ですが、一方で小型犬も愛されています。その代表格が、フレンチ・ブルドッグです。アメリカでは、2024年のランキングで1位を獲得し、その人気は不動のものとなっています。この犬種の魅力は、そのユニークな見た目と陽気で人懐っこい性格にあります。
フレンチ・ブルドッグは、コウモリのような大きな耳と短い鼻が特徴的です。筋肉質な体つきをしていますが、運動量はそれほど多くありません。そのため、室内での生活に適しており、アパート暮らしの人々にも大変人気があります。また、彼らは愛情深く、おとなしい性格のため、子供のいる家庭や他のペットを飼っている家庭でも、安心して迎え入れることができます。しかし、短頭種(たんとうしゅ)と呼ばれる鼻が短い犬種のため、熱中症や呼吸器系の病気には特に注意が必要です。
フレンチ・ブルドッグは、ハリウッドセレブにも愛されていることから、SNSなどを通じてその魅力が世界中に広まりました。その結果、見た目の可愛さだけでなく、飼いやすさも相まって、世界的に人気を博しています。