首相官邸ホームページにおいて、令和5年6月30日に、岸田総理は、
「内閣総理大臣の岸田文雄です。岸田政権では、今年を『資産所得倍増元年』とし、『貯蓄から投資へ』のシフトを大胆かつ抜本的に進めていきます。『人生100年時代』。個々人の生き方、働き方も多様になり、それぞれのライフプランにあわせた資産形成が重要になっています。」
と宣言しました。
1970年代~1990年代の銀行金利は5~6%ですが、現在の金利は0,003%。
現在は、貯蓄による利息より、銀行を利用する手数料の支払いの方が高くなっている現状があります。
岸田総理の言う通り、「貯蓄」では資産形成はできず、「投資」が資産形成の場となります。
ただ、「お金」に対する知識がない方にとって、投資は「ギャンブルだ。」「詐欺だ。」と聞くことも多いでしょう。
投資とは何かを考える前提として、比較されるギャンブルとの違いを理解しておく必要があります。
結論として、投資とギャンブルは完全に違います。
本テキストでは、投資とギャンブルの違いを簡単に説明していきます。
投資とギャンブルの違い
ギャンブルはセロサムゲーム又はマイナスサムゲームで、これに対して、投資はプラスサムゲームと言われています。(サムとは参加者の合計)
ギャンブル=ゼロサムゲーム又はマイナスサムゲーム
ゼロサムゲームとは、一方の利益が他方の損失になり、参加者の利益の合計が0になることを意味します。
自分の利益が他人の損失で、自分の損失が他人の利益で、合算すると0になるというゲームです。
マイナスサムゲームも考え方は同じで、参加者の利益の合計がマイナスになることを意味します。
例えば、競馬などは、勝馬投票券を購入した参加者から集められたお金で、勝ち馬を当てた人に配当することになりますが、配当から胴元に手数料を支払います。
胴元への手数料を引くと、ゲームへの参加者の合計値は、マイナスになります。
これをマイナスゲームと呼んでいます。
ギャンブルは、お金の取り合い、他人を出し抜く必要のあるゲームです。
投資=プラスサムゲーム
これに対して、プラスサムゲームというのは、参加者の利益の合計がプラスになる(その可能性がある)ということを意味します。
株式の中長期的保有などが典型例となります。
投資の例として、株式会社が発行する株式を購入し、株主(=企業のオーナー)になります。
会社に利益が出たら、株主は配当をもらうことになります。
株式会社の規模が拡大すれば、株式か上がり、それを売却し、売却益を得ることになります。
プラスサムゲームでは誰かを出し抜く必要はありません。
これがセロサムゲーム又はマイナスサムゲームであるギャンブルとの違いです。
ただし、株式の売買でも、デイ・トレード、スイングトレードなどの短期取引などは他を出し抜く必要があるので、ギャンブル要素が強くなります。
まとめ
まとめると、参加するゲームにおいて、他人を出し抜いて利益を得る、その利益が他人に損失になる場合にはギャンブルとなります。
これに対して、投資は、株式会社の成長から利益を得るというもので、自分の利益が他人の損失にはならないという点に違いがあります。
なお、FX、株式のデイ・トレード、スイングトレードなどは損失が出る人がいる背後に成功している人がいます。これらの方は時勢を読む力もあり、特殊な能力の持ち主です。
※この記事は投資とギャンブルの違いを説明するものであり、ギャンブルをする方を否定しているわけではありません。