FXを始めるうえで様々な知識が必要となりますが、そもそも取引するうえでチャートの見方を把握する必要があります。
チャートには様々なパターンがあり、形成されているチャートの形によって取引方法が異なります。
万が一、チャートの形を知らずに適当に取引してしまうと、たちまち大きな損失を被ってしまいます。
そこで本記事では、取引するうえで大切となるチャートの見方について解説します。
チャートの種類
チャートには大きく分けて以下の3種類があります。
上昇トレンド
上昇トレンドとは、価格が右肩上がりに値動きしている状態です。
上昇する要因として、以下のようなことが考えられます。
経済が成長している
政策金利が高い
通貨ペアの相手国の経済が不安定
経済が成長しているかどうかは、指標発表をもって確認することができます。
また、政策金利が高い場合も通貨高となり、上昇トレンドが形成されます。
そして、通貨ペアの相手国の経済が不安定な場合や、不景気となっている場合は、自国通貨が高くなるため上昇することに繋がります。
※通貨ペアは、「前の部分が自国」「後の部分が相手国」となり、たとえばドル円の場合は自国はアメリカ、相手国が日本となります。
下降トレンド
下降トレンドとは、価格が右肩下がりに値動きしている状態です。
下降する要因として、以下のようなことが考えられます。
経済が不安定・衰退している
政策金利が低い
通貨ペアの相手国の経済が好調
指標発表の結果が予想を下回っていた場合、価格の下落要因となります。
また、政策金利で利下げが発表された場合も通貨安となり、下降トレンドが形成されます。
そして、通貨ペアの相手国の経済が好調な場合は、相手国通貨が高くなるため下降することに繋がります。
レンジ
レンジとは、価格が一定の幅を上下している状態です。
レンジが形成される要因として、以下のようなことが考えられます。
経済情勢が成長するか衰退するか不透明な状態
通貨の価値を高値更新・安値更新した後
過去にレンジが形成された価格帯に差し掛かった
経済情勢が良くて上昇してきたものの、今後の見通しが立たない場合は、レンジ相場となってどちらに動くかわからなくなる場合があります。
また、通貨が高値更新や安値更新した場合、流れが継続するか、それとも転換して逆行するかという状況の場合にレンジ相場が形成されます。
過去にレンジ相場となった価格帯でもレンジ相場となりやすいです。
取引に有効なチャートの見方と取引方法
チャートの見方と取引の方法には以下の3種類があります。
トレンド継続と判断して相場の波に乗る取引
トレンドの転換点を捉える取引
レンジ相場を活用した取引
これらの方法についてそれぞれ解説します。
トレンド継続と判断して相場の波に乗る取引
トレンドの波に乗る順張りトレードは、取引の基本となる手法で、初心者の方はとくに意識すべき取引方法です。
上図のように、トレンドに対して抵抗となる部分に水平線を引き、水平線を超えたことを確認してエントリーすることができます。
例えば、①の場合は水平線で一度跳ね返されて下落してますが、押し目を付けて再上昇して、水平線をブレイクしています。
また、②も同様に水平線で二度跳ね返されていますが、安値を切り上げながら着実に上昇していることが分かります。
このようにトレンドの継続を、ツールを使うことで可視化することができ、エントリー根拠が具体化できます。
なお、エントリータイミングとしては、「ブレイク後」か「押し目」のどちらかとなるため、自分に合ったエントリー方法を見つけてください。
トレンドの転換点を捉える取引
トレンドの転換点を捉えたトレードは、テクニカル分析の知識が必要となりますが、そこまで複雑な知識は必要ありません。
上図でトレンド転換を捉えてトレードしたとしたら、①で下落トレンドから抜け出していることが分かります。
そして、②でトレンドラインを背に上昇しようとしており、③で直近の高値をブレイクしています。
③で直近高値をブレイクして、一度下落してくるものの、水平線を割ることなく上昇しているため、転換と考えてエントリーすることができます。
このように、トレンド転換の根拠となる部分を探し、エントリーできるようになることで、チャートをより論理的に見ることができます。
なお、注意点としては、転換すると思ったものの、レンジを形成した場合はトレンドが継続することがあるので、エントリーする場合は確実に転換したことを確認してからにしましょう。
レンジ相場を活用した取引
レンジ相場を活用した取引は、一定の値幅でどちらに動くかはっきりしない場合に有効なトレード手法です。
たとえば価格が上下している①の場合に売りでエントリーして、無事に下落してくれた場合は、レンジ下限付近で決済することができます。
また、②・③のようにレンジブレイクすると見せかけて戻ってきた場合も、結局レンジ相場が継続するとみることができ、逆張りでエントリーすることができます。
④のように急激な値動きが起こった場合で、ブレイクすると見せかけてだましで戻ってくることが多いので、このようなポイントにも注目してエントリータイミングを探してみるのも良いでしょう。
注意点としては、レンジの上限・下限で逆張りしたものの、ブレイクしてしまった場合はすぐに損切りする必要があるという点です。
もし、戻ってくると仮定して損切りしなかったものの、④のあとのようにそこからトレンドを形成する場合があります。
そのため、損切りの判断は早めに行い、また相場がレンジに戻ってきたときにエントリーし直すという意識で取引することを心掛けてください。
チャートを見るうえでの注意点
チャートを見るうえで重要なのが「柔軟に見方を変える」という点です。
トレンドが継続すると思ったものの、大きく逆行した
トレンド転換したと思ったものの、トレンドが継続した
レンジブレイクしたと思ったものの、またレンジに戻ってきた
上記のように、分析どおりにトレードを行ったものの、思惑通りにいかない相場は日常茶飯事で訪れます。
思惑通りにいかない場合は、素早く損切りすることやポジションを逆方向で持ち直す(買いを損切りして、売りエントリーなど)ことも視野に入れる必要があります。
もしトレードがうまくいかず、損切りしたくないからという理由でポジションを保有し続けることは非常に危険です。
そのため、分析が外れた場合は、再度チャート分析を行い、損切りも視野に入れることを心掛けましょう。
まとめ
ここまで、チャートの見方について解説してきました。
チャートには「トレンド」と「レンジ」があり、それぞれの状況によって取引する方法が異なります。
トレンドが継続する場合や転換しそうな場合は「順張り」、レンジが継続しそうな場合は「逆張り」といったことが基本です。
しかし、一概にチャートを見たまま判断して利益を得ることが難しいのがFXなので、取引を行う際はしっかりとチャート分析を行ってください。
分析ができたうえで、エントリーポイントと利確・損切りラインを明確にすることで、勝率が上がり、着実に利益を積み重ねていくことができるでしょう。