青森県
債務整理とは、借金問題を解決する方法で、
現在抱えている借金の減額や、場合によっては借金をゼロにできる可能性があります。
専門家に依頼することによって各人に合った手続きを提案し借金問題を解決に導いてくれます。
この記事では
- 青森県弘前市で弁護士や司法書士事務所を選ぶ際のポイント
- 債務整理の費用相場
- 司法書士や弁護士事務所に依頼するメリット等
を解説します。
統計でみる青森県の借金事情
財務省東北財務局では、“多重債務相談受付状況(令和4年度)”を発表しています。
それによると、青森県の借金問題の特徴として次のようなポイントが挙げられます。
青森県の債務者の年齢層
・青森県の多重債務者の年齢層では、60代以上の方からの相談が最も多い約4割
・相談者の平均年齢では55.3歳で、前年度(52.1歳)を上回っている
令和3年度 | 令和4年度 | |||
人数 | 構成比(%) | 人数 | 構成比(%) | |
10代 | 0 | 0.0 | 1 | 0.3 |
20代 | 30 | 8.2 | 20 | 5.7 |
30代 | 46 | 12.6 | 39 | 11.1 |
40代 | 68 | 18.7 | 54 | 15.4 |
50代 | 76 | 20.9 | 71 | 20.2 |
60代以上 | 112 | 30.8 | 140 | 39.9 |
不明 | 32 | 8.8 | 26 | 7.4 |
合計 | 364 | - | 351 | - |
青森県の債務者の職業
・青森県の相談者では、給与所得者からの相談が約半数を占めている
・無職からの相談では116件となり、構成比は前年度比3.3ポイント上昇している
令和3年度 | 令和4年度 | |||
人数 | 構成比(%) | 人数 | 構成比(%) | |
給与所得者 | 195 | 53.6 | 164 | 46.7 |
無職 | 108 | 29.7 | 116 | 33.0 |
自営・自由業 | 43 | 11.8 | 52 | 14.8 |
家事従事者 | 3 | 0.8 | 4 | 1.1 |
学生 | 4 | 1.1 | 1 | 0.3 |
不明 | 11 | 3.0 | 14 | 4.0 |
合計 | 364 | - | 351 | - |
青森県の債務者の借入先数
・青森県の債務者の借入件数では1~2件が最も多く、全体の4割を占めている
・平均借入先数は3.6先であり、前年度(3.7先)と同水準となっている
令和3年度 | 令和4年度 | |||
人数 | 構成比(%) | 人数 | 構成比(%) | |
1~2先 | 139 | 38.2 | 134 | 38.2 |
3~4先 | 98 | 26.9 | 84 | 23.9 |
5~6先 | 60 | 16.5 | 58 | 16.5 |
7~8先 | 28 | 7.7 | 16 | 4.6 |
9~10先 | 17 | 4.7 | 7 | 2.0 |
11先以上 | 3 | 0.8 | 12 | 3.4 |
不明 | 19 | 5.2 | 40 | 11.4 |
合計 | 364 | - | 351 | - |
青森県の債務者の借金の額
・青森県の債務者の借金総額では、200万円未満が133件(約4割)
・平均借入額では6,290千円で、前年度(9,735千円)比で3,445千円減少している
令和3年度 | 令和4年度 | |||
人数 | 構成比(%) | 人数 | 構成比(%) | |
100万円未満 | 55 | 15.1 | 71 | 20.2 |
100~200万円未満 | 55 | 15.1 | 62 | 17.7 |
200~300万円未満 | 44 | 12.1 | 38 | 10.8 |
300~400万円未満 | 37 | 10.2 | 19 | 5.4 |
400~500万円未満 | 23 | 6.3 | 28 | 8.0 |
500~1000万円未満 | 42 | 11.5 | 43. | 12.3 |
1000万円以上 | 63 | 17.3 | 54 | 15.4 |
不明 | 45 | 12.4 | 36 | 10.3 |
合計 | 364 | - | 351 | - |
青森県の債務者の借金のきっかけ
・「低収入・収入の減少(生活費・教育費等の不足等)」が最も高い(34.5%)
・一方「商品・サービス購入」、「ギャンブル・遊興費」の構成比は低下している
令和3年度 | 令和4年度 | |||
人数 | 構成比(%) | 人数 | 構成比(%) | |
低収入・収入の減少 | 91 | 25.0 | 121 | 34.5 |
商品・サービス購入 | 77 | 21.2 | 64 | 18.2 |
事業資金補填 | 32 | 8.8 | 38. | 10.8 |
保証・借金肩代わり | 27 | 7.4 | 28 | 8.0 |
ギャンブル・遊興費 | 28 | 7.7 | 24 | 6.8 |
住宅ローン等返済 | 42 | 11.5 | 20 | 5.7 |
本人・家族の病気等 | 16 | 4.4 | 15 | 4.3 |
その他・不明 | 51 | 14.0 | 41 | 11.7 |
合計 | 364 | - | 351 | - |
また、最高裁判所では、別に“司法統計”発表しています。これによると、青森高等裁判所管内で申し立てられた個人(自然人)による自己破産及び個人再生の件数は次のとおりです。
令和3年 | 令和2年 | 令和元年 | 平成30年 | |
自己破産 | 727件 | 853件 | 885件 | 783件 |
個人再生 | 126件 | 148件 | 163件 | 163件 |
債務整理に強い弁護士・司法書士を選ぶポイント
債務整理するうえで司法書士・弁護士は大切なパートナーです。
せっかく選ぶのですから、絶対に失敗したくないという方がほとんどでしょう。
ここからは、債務整理を依頼する司法書士・弁護士の選び方について解説します。
弁護士選びのポイント
司法書士・弁護士を選ぶポイントは次の5つです。
- 1 債務整理の実績がある司法書士・弁護士に相談する
2 複数の司法書士・弁護士事務所に相談する
3 経験や実績、債権者について詳しいか確認する
4 費用はいくらか - 5 必ずしも青森の弁護士や司法書士でなくてもいい
①債務整理の実績がある司法書士・弁護士に相談する
最初のポイントは債務整理の実績がある司法書士・弁護士を探すことです。
債務整理の実績がない司法書士や弁護士に相談、依頼してしまうと、手続きがスムーズに進まなかったり、望んだ結果にならないケースがあります。
司法書士や弁護士事務所のホームページを見ると、
“得意分野”、“相談分野”といった記載が必ずあります。
得意分野、相談分野の最初に記載されていたり、債務整理だけが記載されている場合は、
債務整理に積極的に取り組んでいる司法書士・弁護士事務所といっていいでしょう。
また、過去の債務整理の実績等も記載されていれば、なお安心して相談できます。
②複数の司法書士・弁護士事務所に相談する
債務整理に強い司法書士や弁護士がピックアップできたら、相談に行きます。
相談だけであれば無料としている事務所もあります。
相談時に必要なのは、自分自身の収入と借金額が分かるものを用意しておくとよいでしょう。
一つの事務所だけでなく、複数の司法書士・弁護士事務所に相談することをお勧めします。
一つの事務所だけでは、「自分にとって最適な解決策なのか」を判断できる可能性は低くなってしまいます。
③経験や実績、債権者について詳しいか確認する
どの司法書士・弁護士事務所に依頼するかのポイントは、“過去の実績”や“債権者に精通しているかどうか”です。
裁判所を介しての手続きとなる自己破産や個人再生とは違い、債権者との直接交渉により借金の減額幅が決まる任意整理では、交渉力が決め手です。
司法書士・弁護士の腕次第で、元金を減らしたり経過利息を差し引いてくれたりする場合もあります。
そのため、経験豊富な実績のある司法書士・弁護士に依頼する必要があるのです。
経験・実績は次の方法で確認するとよいでしょう。
- ・ホームページを確認する
- ・相談時に取扱件数を確認する
- ・相談時に依頼する借入先の任意整理をしたことがあるか確認する
初めて会う司法書士や弁護士には聞きにくい質問かもしれません。
しかし、任意整理後の返済額を少しでも減額するためにも必ず聞いておきましょう。
④費用はいくらか
やはり司法書士・弁護士事務所に依頼すると費用がいくらぐらいかかるか気になるところです。
相談時に見積もりを出してもらい判断材料にしましょう。
全部でいくらかかるかも重要なところですが、次に掲げるポイントも確認するとよいでしょう。
- ・分割払いに対応してくれるか
- ・任意整理後の返済の代行をしてくれるか
複数の貸金業者等から借金をしている多重債務者の場合、手間がかかり、返済が滞る原因にもなりかねません。
司法書士や弁護士事務所が返済の代行をしてくれれば、返済が滞るリスクもなくなります。
⑤必ずしも青森の弁護士や司法書士でなくてもいい
弁護士や司法書士を選ぶ際に、
地元の先生を頼まないといけないのかな?
と思われるかもしれません。
実は、弁護士や司法書士は全国どこの人でも、依頼を受けられます。
ですので、必ずしも地元の先生を選ぶ必要があるわけではありません。
むしろ、全国的に対応できる先生が、債務整理が得意であるならば、
そちらの先生を選んだ方が良いかもしれません。
債務整理の費用の相場
債務整理は主に3種類の手続きがあり、裁判所や司法書士・弁護士の介在の度合いにより費用が変わります。
任意整理 | 個人再生 | 自己破産 | |
減額範囲 | 利息のカット 過払金の充当/返還 | 負債額を最大1/5程度まで減額 | 全額免除 |
依頼費用 (弁護士) | 2万~10万円 減額報酬10% | 30万~60万円程 | 30万~60万円程 |
依頼費用 (司法書士) | 2万~7万円 減額報酬10% | 20万~30万円程 書類作成等の限定業務のみ(代理不可) | 20万~30万円程 書類作成等の限定業務のみ(代理不可) |
裁判所に 支払う費用 | なし | 20万円程 | 通常管財事件 50万円~ 少額管財事件 20万円~ 同時廃止事件 2万円~ 少額管財事件は弁護士のみ |
こういう方にお勧め | 家族・会社に絶対にバレたくない 手間をかけたくない 手続きする債務を選びたい 返済の意思がある 安定した収入がある | 債務総額を圧縮したい 自宅を残したい 浪費・ギャンブルによる借金がある 返済の意思がある 安定した収入がある | 返済能力がない 不動産等の財産がない 浪費・ギャンブルによる借金ではない 借金をなくしたい |
※費用相場はあくまでも相場です。事務所や案件、裁判所等により変わります。
債務整理を司法書士・弁護士に依頼するメリット
状況に応じて適切な解決策を提案してくれる
債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産など様々な手続きがあり、それぞれメリット、デメリットがあります。
また、借金の状況や借金額などによって適した手続きが異なります。
そこで、債務整理の実績があり経験豊富な司法書士・弁護士に状況や要望を伝えることで、最も適切な解決策を提案してくれることは大きな魅力です。
消費者金融等の債権者からの督促が止まる
司法書士・弁護士が債務整理の手続を開始すると、消費者金融等へ受任通知を送付します。
受任通知とは、債務者が債務整理の手続きを司法書士・弁護士に依頼したことを債権者に知らせるものです。
債権者が受任通知を受け取ると、債権者は電話や訪問、手紙などによる督促や取り立てができなくなります。
また、手続きが終了するまで毎月の返済もストップしますので、不安やストレスから解放され、生活再建について考える余裕が生まれます。
手続きや交渉を任せられる
債務整理の際は、利息の引き直し計算書、再生計画案、裁判所への申立書・陳述書など、手続きによって様々な書類の作成が必要です。
また、貸金業者等の債権者との交渉や裁判所とのやり取りも必要になります。
自分自身でも必要書類の作成や交渉を行うことは可能ですが、専門的な知識や経験がなければ、望む結果を得られなかったり、余計な時間や費用がかかることになりますのでお勧めできません。
債務整理の経験が豊富な司法書士・弁護士に依頼すれば、このような面倒な書類作成や交渉を任せることができますので、手続きをスムーズに進められます。
会社・家族に内緒で手続きできる
債務整理の中でも自己破産や個人再生は、財産処分や家族の協力が必要なため、家族に知られずに手続きすることは難しいとされています。
しかし、任意整理なら、司法書士・弁護士に依頼することで、会社や家族など周囲に知られずに手続きを行うことが可能です。
司法書士・弁護士に依頼することで、貸金業者等の債権者から連絡が来る、郵便物が会社・自宅に届くなど、会社や家族に知られるリスクをなくすことができます。
また、事務所名を伏せて郵送する、電話の際に事務所名を名乗らないといった配慮をしてくれる事務所もあります。
法テラスの利用も検討する
経済的に余裕がない場合は、法テラスの利用を検討するとよいでしょう。
法テラスとは、法律トラブルに直面したとしても、収入や資産等を十分に保有していない為、司法書士や弁護士に依頼することができない人のために、無料相談等の支援を行う国が運営する機関です。
正式名称を“日本司法支援センター”といい、全国に事務所があります。
一定の条件を満たしていれば、“民事法律扶助制度”を利用した専門家への無料相談ができます。(30分・3回まで)
同様に条件付きとなりますが、司法書士・弁護士の費用を立て替えてくれる制度もあります。
費用を分割払いできますので、月々の負担を軽くして費用を返済することができます。
法テラスを利用したほうがよい人
法テラスを利用するべき人は、収入が十分でない方です。
そもそも、司法書士・弁護士への費用を支払えない場合は債務整理が出来ません。
そのため、費用を扶助してもらえる法テラスが唯一の手段となります。
もっとも、法テラスを利用するためには、収入や財産に制限があります。
ただ、生活保護では、需給の際にすでに収入や財産を審査されてます。
さらに、生活保護を受けている限り立替払いの費用が免除されます。
つまり、生活保護を受けている人は、負担なく司法書士・弁護士に依頼できるのです。
積極的に利用するとよいでしょう。