債権回収/詐欺被害救済

ILI法律事務所の髙田康章弁護士が受けた懲戒処分について解説します

 2025年3月24日、衝撃的なニュースが報道されました。それは、「ロマンス詐欺の被害金を多く回収できると誇大広告」をした弁護士が懲戒処分を受けたというものでした。(参照:産経新聞「ロマンス詐欺の被害金を多く回収できると誇大広告 高田康章弁護士に業務停止6カ月の処分」)

恋愛感情を抱かせて金銭をだまし取るロマンス詐欺などの被害金を、他の弁護士よりも多く回収できるかのようにうたった広告を出したなどとして、東京弁護士会は24日、同会所属の高田康章弁護士(46)を業務停止6カ月の懲戒処分にしたと発表したというものでした。

本記事では、今回の懲戒の理由や内容、高田康章弁護士に依頼をしていた人たちはどうすればいいのかなどについて解説をします。

ILI法律事務所とは?

ILI法律事務所の事務所情報

事務所名ILI法律事務所
所在地〒101-0051
東京都千代田区神田神保町2-20-13
Y’Sコーラルビル3階
電話番号03-6823-4098
FAX番号050-3164-9899
法人種類弁護士法人
弁護士会東京弁護士会
引用:日本弁護士連合会法人検索

ILI法律事務所の所属弁護士

氏名かなたかだ やすあき
氏名髙田 康章
登録番号45188
高田康章氏の略歴2002年 明治大学法学部 卒業
2004年 早稲田大学大学院法学研究科修士課程修了(法学修士)
2008年 明治大学法科大学院法務研究科法務専攻修了(法務博士)
2010年 司法試験合格、最高裁判所司法研究所入所
2011年 弁護士登録(東京弁護士会)
2015年 都内法律事務所勤務を経て「浅草橋法律事務所」設立
2022年 「ILI法律事務所」開設
会員区分弁護士
所属弁護士会東京弁護士会
引用:日本弁護士連合会弁護士情報検索
https://creww.me/ja/account/takadayasuakiより

ILI法律事務所の評判・口コミについてはこちら

【2025/3/28追記】ILI法律事務所に依頼して大丈夫?口コミを解説ILI法律事務所は近年急増する「投資詐欺」「副業詐欺」などの返金交渉を得意とする法律事務所です。 一方、「ILI法律事務所はひどい」「着手金詐欺だ」「怪しい」というネガティブな意見や、代表弁護士の髙田 康章氏に関する懲戒処分の事例もあります。そこで、この記事では、ILI法律事務所の概要や、評判や口コミをご紹介します。...

髙田 康章弁護士の懲戒の内容や理由は?

髙田 康章弁護士の懲戒の内容

髙田康章弁護士に対する懲戒処分の内容は、業務停止6ヶ月というものです。この懲戒処分は、2025年3月13日から効力が生じています。

懲戒処分とは、弁護士および弁護士法人(以下「弁護士等」といいます。)は、弁護士法や所属弁護士会・日弁連の会則に違反したり、所属弁護士会の秩序・信用を害したり、その他職務の内外を問わず「品位を失うべき非行」をした際に、弁護士会から懲戒を受けることを言います(弁護士法第56条(懲戒事由及び懲戒権者))。

弁護士及び弁護士法人は、この法律(弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員又は使用人である弁護士及び外国法事務弁護士法人の使用人である弁護士にあつては、この法律又は外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律)又は所属弁護士会若しくは日本弁護士連合会の会則に違反し、所属弁護士会の秩序又は信用を害し、その他職務の内外を問わずその品位を失うべき非行があつたときは、懲戒を受ける。
2懲戒は、その弁護士又は弁護士法人の所属弁護士会が、これを行う。
3弁護士会がその地域内に従たる法律事務所のみを有する弁護士法人に対して行う懲戒の事由は、その地域内にある従たる法律事務所に係るものに限る。

弁護士法第56条(懲戒事由及び懲戒権者)

弁護士法第57条において、弁護士に対する懲戒の種類は以下の4つに分類されています。

戒告は、警告処分で、軽微な職務違反に対して適用されます。二年以内の業務停止は、一定期間、弁護士業務を停止する処分で、重大な職務違反に対して適用されます。

さらに、退会命令や除名といった、さらに重たい処分もあります。ただ、退会命令や除名は、重大な法違反や犯罪行為等の場合に課せられる極めて重たい処分であり、出されることは決して多くありません。

そのことからも、業務停止は、退会命令や除名ほどではないものの、内容的には非常に重い処分だと言えるでしょう。

第五十七条 弁護士に対する懲戒は、次の四種とする。
一 戒告
二 二年以内の業務の停止
三 退会命令
四 除名

弁護士法第57条(懲戒の種類)

髙田 康章弁護士の懲戒の理由

髙田 康章弁護士が懲戒処分を受けた主な理由は、弁護士としての職責を怠り、社会的に問題となる行為を複数回行ったことです。複数の不適切な対応が挙げられています。

まず、髙田弁護士は、複数の詐欺被害回復に関する委任契約を結ぶ際に、事務職員に対して十分な指導や監督を行わず、必要な業務を任せっぱなしにした点が問題とされています。具体的には、委任契約の内容決定や事件処理における見通しなどについて、事務職員に任せ、結果としてクライアントに対する不適切な対応が生じました。

また、弁護士会の設置する非弁提携弁護士対策本部が業務に係る資料の提出の求めに応じることなく、書類の提出を何度も怠った点も指摘されています。

さらに、虚偽の報告書を作成し、クライアントに対して不正確な説明を行ったことも懲戒の一因となっています。

このような不正行為は、弁護士としての品位を著しく損ね、社会的信頼を失わせる結果となりました。

特に、非接触型詐欺被害の回復を行うにあたり、被害者に対して現実的な回収の見込みを説明せず、実際には回収が困難な場合でも、高額な弁護士費用を徴収するような行為が行われました。これにより、被害者は二次的な損害を受けることとなり、詐欺被害者をさらに苦しめる結果となりました。(NHKニュース「弁護士に着手金払うも対応されず 詐欺の“二次被害”相次ぐ」)弁護士会もこれらの被害を深刻視しており、「国際ロマンス詐欺案件を取り扱う弁護士業務広告の注意点」「国際ロマンス詐欺案件を取り扱う弁護士業務広告の注意点2」で注意を呼び掛けています。

これらの行動は、弁護士法第56条第1項に基づき、懲戒の対象となる非行に該当し、懲戒処分が下される結果となりました。

髙田 康章弁護士の懲戒はこれで3回目

今回、業務停止6ヶ月となった髙田 康章弁護士ですが、これが初めての懲戒処分ではありません。

本件の他に、過去に2回の懲戒処分を受けているという点は見逃すべきではないでしょう。

  • 弁護士氏名: 高田康章
  • 登録番号 45188
  • 所属弁護士会 東京
  • 法律事務所名 豊楽法律事務所
  • 懲戒種別 業務停止8月
  • 自由と正義掲載年度 2022年4月
  • 処分理由の要旨 非弁提携
  • 処分日8月11日 
  • 引用:弁護士懲戒処分検索センターより
  • 弁護士氏名: 高田康章
  • 登録番号 45188
  • 所属弁護士会 東京
  • 法律事務所名 ILI法律事務所
  • 懲戒種別 戒告
  • 自由と正義掲載年度 2022年10月
  • 処分日5月10日
  • 処分理由の要旨 離婚事件婚姻費用分担事件 放置
  • 引用:弁護士懲戒処分検索センターより

高田康章弁護士やその依頼者はこの後どうなるの?

業務停止となった髙田康章弁護士が行わなければならないこと

髙田康章弁護士が業務停止となった場合、弁護士としての職務を行うことができません。

しかし、業務停止期間中でも弁護士として行わなければならない対応があります。

具体的には、東京弁護士会の規定に基づき、依頼者や関係者に対していくつかの義務が課されます。
まず、依頼者との委任契約を解除する必要があります。これは、受任した事件を辞任し、弁護士としての業務を行わないことを意味します。その際、顧問契約も解除されます。

さらに、弁護士が預かっているお金や品物について、受領を禁止し、清算を行わなければなりません。

また、依頼者に対して、委任契約や顧問契約の解除に伴う事件の引き継ぎを行い、新たな弁護士へのスムーズな移行を助けます。

加えて、着手金などの金銭的な清算も必要です。最後に、広告を掲載している場合、それを削除する義務もあります。

これらの対応は、髙田康章弁護士が業務停止中でも遵守しなければならない重要な事項です。

髙田康章弁護士が対応しない場合、どうなるか

もし髙田康章弁護士が上記の義務を果たさない場合、東京弁護士会の規定に違反することになります。これにより、再度懲戒手続きが開始される可能性があります。

懲戒手続きが進むと、さらなる処分を受けることになりますので、弁護士は業務停止期間中に必要な対応を怠らずに行うことが求められます。業務停止はすでに厳しい処分ですが、その後にさらに手続きが進むことで、業界内での信用や信頼が失われることになります。

事件を辞任した髙田康章弁護士から後任の弁護士を紹介されたが、どうすればよいか

髙田康章弁護士は、弁護士会から課せられた義務として、依頼者に対して、委任契約や顧問契約の解除に伴う事件の引き継ぎを行う必要があるということは、すでに解説をしました。

その際に、依頼者に後任の弁護士を紹介することがありますが、その後任弁護士に依頼するかどうかは依頼者自身の判断です。

後任弁護士を選ぶ際には、紹介された弁護士と面談を行い、その弁護士が自分の事件を引き継ぐのにふさわしいかどうかを確認することが大切です。

一般的には、後任弁護士は、引き継ぐ事件に関する資料を確認し、依頼者と面談した上で、改めて委任契約や契約書を交わすことになります。依頼者が後任弁護士を選ぶ際は、信頼できる弁護士かどうかを慎重に判断することが求められます。

今回の件について相談したい

髙田康章弁護士に関して不安や疑問がある場合、東京弁護士会では臨時の電話相談窓口を設置しています。相談を希望する場合は、以下の情報を参考にしてください。

設置期間は2025年3月25日(火)から4月4日(金)の平日で、設置時間は午前10時から午後4時までです。相談窓口の電話番号は「03-3581-2403」です。

この窓口では、髙田康章弁護士に関する具体的な相談や、今後の対応についてアドバイスを受けることができます。

まとめ

2025年3月24日、髙田康章弁護士が業務停止6ヶ月の懲戒処分を受けたという衝撃的なニュースが報じられました。この処分の主な理由は、ロマンス詐欺の被害回復に関する誇大広告を出したことです。髙田弁護士は、他の弁護士よりも多く被害金を回収できるかのように宣伝したことで、東京弁護士会から業務停止の処分を受けました。

髙田康章弁護士は、過去にも懲戒処分を受けており、今回で3回目となります。これまでにも不適切な業務管理や虚偽の報告書作成、詐欺被害者に対する高額な弁護士費用徴収などが問題視されていました。これらの行為が弁護士法第56条に基づく懲戒対象となり、懲戒処分が下されたことになります。

業務停止処分を受けた髙田弁護士は、依頼者との委任契約や顧問契約を解除し、事件の引き継ぎを行う義務があります。また、依頼者に対して金銭の清算や広告の削除など、規定に従った対応が求められます。もし髙田弁護士がこれらの義務を怠ると、さらに懲戒手続きが進む可能性があります。

依頼者は、髙田弁護士から後任の弁護士を紹介された場合、その弁護士に依頼するかどうかを慎重に判断することが重要です。後任弁護士を選ぶ際には、面談を行い、信頼できる弁護士かどうかを確認することが求められます。

また、髙田弁護士に関する不安や疑問がある場合、東京弁護士会が設置した臨時の電話相談窓口でアドバイスを受けることができます。相談期間は2025年3月25日から4月4日までで、相談窓口の電話番号は「03-3581-2403」です。