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債務整理

借金の一本化とは?おまとめローンのメリット・デメリットを解説

借金の一本化は、おまとめローン等を利用して、複数の貸金業者からの借金を1社にまとめることを言います。

借金を一本化することにより、金利を下げることができたり、毎月の返済額を減らすことができる可能性があります。

しかし、借金をひとつにまとめることで返済期間が延び、最終的には返済総額が増えるというデメリットもあるのです。

この記事では、おまとめローンのメリット・デメリットについても解説しますので、借金問題をどのように解決するかをお悩みの方は是非参考にしてみてください。

借金一本化とは

借金の一本化は、複数の業者からの借金をひとつにまとめることを言います。

まずは、多重債務者が銀行やろうきんなどの金融会社から貸し付けを受けます。

そして、そのお金で他社のクレジットカード会社や消費者金融の借金を完済します。

その後で、貸し付けを受けた金融会社に対して借金の返済を行います。

簡単に言うと、全ての借金をひとつの会社にまとめるということです。

借金一本化の方法のひとつには、銀行や消費者金融などの金融機関で取り扱っている、おまとめローンがあります。

会社によってはのりかえローンなど名称が異なります。

また、おまとめ専用ではない、フリーローンやカードローンも借金の一本化を目的として利用することができます。

おまとめローンを取り扱う金融機関

おまとめローンは、消費者金融や銀行、全国労働金庫などの金融会社が主に取り扱っています。会社によって、限度額や金利に違いがあります。

金融機関限度額金利
消費者金融300~800万円程年率3~20%程
銀行系500~1000万円程年率1.5~15%程
全国労働金庫300~1000万円程年率3~7%程

各金融機関で、限度額・金利帯は大きく異なっています。

金利が低い金融機関については、審査が厳しくなるケースが多いです。

銀行系おまとめローン

金利が低く、貸し付けの限度額が比較的高額な設定である場合が多い、これが銀行系おまとめローンの特徴です。

金利は利用する限度額に応じて定められています。

例えば、みずほ銀行のカードローンでは利率2%~14%、横浜銀行のカードローンでは利率1.5%~14.6%となっています。

重視すべきなのは上限金利です。

2%や1.5%などの下限金利でおまとめローンを契約できるケースはあまり多くないため、最も高い金利での契約になった場合、金利が何%になるのかを確認しておきましょう。

また、複数の会社の債務を一本化するため、おまとめローンでは借入額が高額になるケースが多いです。

そのため、おまとめローンの契約時の審査は、通常の借入に比べて厳しい傾向にあります。

消費者金融系おまとめローン

一般的に消費者金融のおまとめローンは、各銀行よりも限度額が低く、金利が高く設定されていることが多いです。

例えば、プロミスのおまとめローンの金利は6.3%~17.8%、アコムの借り換え専用ローンの金利は7.7%~18%と各銀行よりも高めの設定になっています。

審査の基準については、貸金業者それぞれで独自の設定をしているため一概には言えませんが、金利を他よりも高く設定していることで、審査には比較的通りやすいとされています。

ただし、消費者金融のおまとめローンのなかには、消費者金融やクレジットカード会社でのキャッシングにしか対応していないものもあります。

銀行のカードローンやクレジットカードのショッピング利用の残高は対象外となってしまうケースもありますので、おまとめローンの内容が自身の借入先に対応できるかを事前に確認しておきましょう。

全国労働金庫おまとめローン

全国労働金庫は労働組合や生協などにより設立された福祉金融機関のことで、ろうきんと呼ぶ方が多いかと思います。

お住まいのエリアによって金利は異なりますが、全国労働金庫のホームページで確認することができますので、利用される方は一度確認してみてください。

また、金融機関と同じく、信用調査をした上で、下記のような利用条件も設けられています。

・労働組合員である
・申込時の年齢が18〜65歳
・年収150万円以上の安定した収入がある
・同一勤務先に1年以上勤務している

このように全国労働金庫のおまとめローンは審査が通れば誰もが利用ができるというわけではありません。

おまとめローン(借金一本化)利用のメリット

おまとめローンで借金を一本化した際のメリットとしては下記のようなことがあります。

・返済日や返済先がまとまり、返済計画が立てやすい
・金利や返済月額が下がる
・総量規制の対象外となる
・ブラックリストには載らない

返済日や返済先がまとまり、返済計画が立てやすい

おまとめローンを利用して借金をひとつの会社に整理することで、返済金額や返済日の管理が容易になることは大きなメリットといえます。

いくつもの会社から借金をしている方だと、金融機関ごとに返済日がばらばらになるので、うっかりと返済を忘れて延滞してしまったり、返済先がわからなくなってしまい返済ができていなかったりするケースも少なくありません。

返済を延滞してしまうと、返済期日の翌日から遅延損害金が発生して、時間が経過するほど返済金額が増えることになります。

「おまとめローン」などを利用することで、返済日や返済額が管理しやすい状況になり、うっかり返済ができていない等のミスを防ぐことができます。

また、返済計画も立てやすくなります。

金利や返済月額が下がる

金利が低いローンにおまとめすることで、金利が下がり、返済総額が減ることもメリットのひとつです。

金融業者が貸付をする際の金利は、「利息制限法」によって下記のように上限が定められているため、借り入れを1社にまとめることにより、金利が下がることがあります。

借入額上限金利
10万円未満年利20%まで
10万円以上100万円未満年利18%まで
100万円以上年利15%まで

例えば、借入状況がA社 借入額70万円 年利18%・B社 借入額70万円 年利18%だとします。

これをおまとめローンにより一本化すると、借入額が140万円となるため上限金利が15%となります。

このように金利が下がる場合があるのです。

また、おまとめローンは借入額にもよりますが、返済が長期化されるため月額が下がることも多いです。

総量規制の対象外となる

総量規制は、貸金業者が行う貸付は本人の年収の3分の1を超えてはならないという決まりのことです。

おまとめローンでは、総量規制の対象外となるケースがあります。

これは、おまとめローンが例外貸付に分類されるからです。

おまとめローンは、いくつかの借入を一本化することにより利息の総額を減らす事ができるので、

「顧客が一方的に有利となる借換」
「借入残高を段階的に減少させるための借換」

に該当します。

要件となるのは、総返済額や月々の返済負担が減少することと、追加の担保・保証が無いことなどがあります。

また、銀行が提供するローンはそもそも総量規制の対象にはなりません。

消費者金融のおまとめローンの中にも、先述した要件を満たしたうえで総量規制の例外貸付の対象になるサービスもあります。

しかし、消費者金融のおまとめローンでは、金利が通常の貸付金利とあまり変わらない場合があるため注意が必要です。

ブラックリストには載らない

借金の返済が苦しいと感じたときには債務整理を検討される方も多いでしょう。

実際に債務整理で借金問題を解決する方はとても多いです。

ただ、債務整理を行った場合は、信用情報機関に事故情報(異動情報)が登録をされるため、俗に言うブラックリストに載ることになります。

ブラックリスト登録がされると

「クレジットカードの新規作成や利用ができない」
「キャッシングやローンなど新しい借入ができなくなる」

などの影響があります。

借金を一本化することによりブラックリストに登録されるのではないかと心配になるかもしれませんが、借金の一本化に関しては、あくまで借金の借り換えをするだけなので、ブラックリストに載ることにはなりません。

おまとめローン(借金一本化)利用のデメリットと注意点

おまとめローンで借金を一本化するにあたり、予想されるデメリットはおもに下記のようなことがあります。

・返済期間が伸びたり返済総額が増えたりする可能性もある
・追加で借入をしてしまい借入額が増えるケースもある
・金利が低い会社で借入ないと意味がない
・審査が厳しい

返済期間が伸びたり返済総額が増える可能性もある

おまとめローンを利用すると、毎月の返済額を減額できる場合があります。

しかし、毎月の返済額の減額をすることで、返済期間が伸びてしまい、その分利息も多く支払うことになり、かえって返済総額が増えるケースもあるのです。

おまとめローンの利用前後の比較の例を表にしています。

おまとめローン利用前おまとめローン利用後
借入額230万円230万円
利息年利18%年利15%
返済総額330万3291円408万4136円
支払回数約51回約103回
月々の返済額6万5000円4万円
利息分100万3291円178万4136円

おまとめローンを利用すれば、金利や毎月の返済額を減らせます。

ただし、毎月の返済額を減らすことだけを目的にして、支払回数を増やして返済期間を長期化してしまうと、利息を多く支払うことになり、返済総額が増えることになります。

一時的に月額を減らし、その後は節約や収入の増加に努めて、なるべく早期の完済を目指すことが重要です。

追加で借入をしてしまい借入額が増えるケースもある

おまとめローンなどで借金を一本化するときには、元々複数社から借りていたものを一旦完済することになります。

そのため、完済した貸金業者の借入枠があきます。

そこで再度借金をしやすい状況になるリスクがあるのです。

具体的に言うと、A社・B社・C社からの借金が合計200万円あったとします。

これをおまとめローンにより一旦完済すれば、本来はおまとめローンを組んだ会社に対する200万円の借金のみになります。

しかし、再度A社・B社・C社の空いた枠で200万円を借金してしまい、A社・B社・C社・おまとめローンで合計400万円の借金ができてしまう方も少なくはないのです。

こうなると、おまとめローンを利用する前よりも状況が悪化してしまうため、自身の収入だけでは返済ができなくなるケースが増えます。

審査が厳しい

おまとめローンを利用する際も、通常のカードローンやキャッシング同様に審査があります。

金利が低い金融機関であるほど審査が厳しくなります。

おまとめローンの審査が厳しい理由のひとつとしては、すでに借入がある状態で申込をすることになるからです。

キャッシングやカードローンの審査で重要視されるのが、利用者の返済能力です。

年収が1000万円ある方であっても、住宅ローンや自動車ローン、クレジットカードなどの借金の返済が高額になる場合、返済に充てる資金がないと判断されて返済能力が低いと判断されることもあります。

おまとめローンはすでに借金がある状態で申込をするうえ、借入額も大きくなってしまいます。

借入額が大きくなるほど審査は通りづらくなります

おまとめローンに通らない人の特徴

おまとめローンは申込先の金融機関の審査に通らなければ、利用ができません。

しかし、複数の会社の借金を一本化するおまとめローンは、通常の借入よりも借入額が大きくなるので、審査が厳しい傾向があります。

以下に該当する方は、審査に通らない可能性もあります。

・安定した収入がない
・総債務額が多く総量規制を超えている
・信用情報機関に事故情報が登録されている

安定した収入がない

借金の一本化ができない方の一つ目の特徴として、安定した収入がない事が挙げられます。

おまとめローンは複数の借入を一本にまとめて、長い期間をかけて返済していく手段です。

そのため、おまとめローンの審査では「安定した収入で、安定した返済」ができるのかどうかを重要視されるのです。

継続的な収入がない、または年収が少ないといった場合は、安定した返済はできない可能性があると判断されて、審査に落ちる可能性が高くなります。

おまとめローンの審査に通るためには、正社員として働いて、少なくとも1年以上は安定した収入を得ていることが望ましいです。

アルバイトや自営業だと収入があっても、安定していないと判断されてしまうこともあります。

総債務額が多く総量規制を超えている

総債務額があまりにも多く総量規制を超えている場合、おまとめローンの審査には通りづらいと言えます。

おまとめローンの審査では、各会社で設けている年収に対する債務額や、債務の件数といった独自の審査基準で審査をされます。

借金の総額があまりにも多いと、返済能力に対する信用度が下がり、審査に通らない可能性もあります。

また、総量規制と言って、貸金業者が行う貸付は本人の年収の3分の1を超えてはならないという決まりがあるので、基本的にはそれ以上の借入はできません。

しかし、おまとめローンは一部条件を満たしていると、総量規制の対象外の「例外貸付」となります。

例外貸付は、年収の3分の1以上の借入であっても許されています。

信用情報機関に事故情報が登録されている

今までに借金の滞納があったり、債務整理の経験がある場合は、信用情報機関に事故情報(異動情報)が登録されているでしょう。

事故情報の登録があると、おまとめローンに限らず、新たな借入やクレジットカードの新規作成の審査に通りづらい状況となっています。

信用情報機関は、個人の返済能力や経済的な信用を判断するための情報を管理している機関です。

消費者金融や銀行は信用情報機関に加盟しているので、申込時の審査や、取引中の顧客の返済能力を判断するために、信用情報を確認します。

事故情報(異動情報)はあくまで、債務整理をしたり、借金の滞納があることで登録されるものなので、借金の一本化をすることで事故情報を登録されることはありません。