債務整理手続きとは、支払えなくなった借金を減額が出来たり、免除してもらう手続きです。
「生活費が足りない」
「ギャンブルでお金を使ってしまった」
などの理由から借金を重ね、気付けば数十万円~数百万円という多額の返済が滞ってしまう人は珍しくありません。
借金問題を解決したいのに、
「何か不利益があるのではないか」
「誰に相談したらいいのかわからない」
等の事で悩んでいる方も、多いのではないでしょうか。
債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産、過払い金請求の4種類が存在し、これら4つの方法にはそれぞれにメリット・デメリット、自分の状況に向いているケースとそうでないケースがあります。
この記事は、各債務整理のメリット・デメリットについて具体的に理解しつつ、手続きの流れや費用を踏まえて、自分に合った債務整理の方法を選ぶことができる内容となっております。

債務整理とは
債務整理とは、借金を減額できたり、支払いにある程度の日数の猶予を持たせたりすることで、借金のお悩みや苦悩を解決できる手続です。
ここでの借金には、消費者金融や信販会社からのキャッシングやクレジットカードの利用、住宅や車などのローンについても含まれます。
債務整理は、借金を抱え続ける生活から救われる道であり、債務整理に対して十分な情報と理解を備えれば、必ずお金の悩みから解放されます。
債務整理の種類
債務整理には、以下の3つの手続きがあります。
1)任意整理
2)民事再生
3)自己破産
いずれも、債務整理の手続きを依頼した後、債権者からの支払いや取り立てを直ちに止めることもできます。
あなたに合う手続きを見つけ、1日でも早くその苦痛から抜け出して、光り輝く明るい未来を目指して、再スタートを切りましょう!
任意整理とは
任意整理とは、貸金業者や信販会社と任意交渉(話合い)を行うことにより、将来発生する金利をSTOPし、又は、金利の見直しを行う手続きとなります。
任意交渉(話合い)を行うことにより、今後の支払いを生活に支障のない範囲で、無理なく返済を続けていき、全ての支払いを終えることが可能です。
毎月の返済金額を減額することができたり、一部の借金だけを選択して整理することも可能です。
選択する事が出来るので、保証人を選任していたり、カーローン等の引き揚げ対象がある債権者を除外する事が出来ます。
また、場合によっては過払い金が発生し、大幅に借金の減額が出来たり、現在の借金以上に過払い金が発生していれば、一気に借金が無くなり既に支払ったお金が手元に戻ってくる可能性もあります。
任意交渉となるので、裁判所を通さずに貸金業者や信販会社と和解を行うのが特徴です。
民事再生(個人再生)とは
民事再生を選択される方の多くは、住宅ローンを抱えており、住宅ローン以外からの借金が増えてしまい、返済が困難な方です。
現在の借金が返済困難であることを裁判所に認めてもらい、住宅ローン以外の借金を大幅に減額したうえで、3年~5年かけて分割払いで返済を行い全ての支払いを終える手続きです。
住宅を手放さずに手続が行えるのが最大のメリットと言えます。
自己破産手続きとは異なり、生活拠点を移動する必要はなく、家族とともに今の場所で生活を続けていくことが可能です。
なお、住宅ローンを抱えていない方についても、民事再生手続きを行うことは可能です。
住宅ローン以外の借金の額が5,000万円以下の方は、最低返済額が最大10分の1(借金の額等により異なります)まで減額される(住宅ローンを除く)可能性があります。
自己破産とは
自己破産とは、借金の返済が出来ない状態に陥っており、借金を返済できるだけの財産がないことについて証明し、借金の返済が出来ないことを裁判所に認めてもらう手続きです。
自己破産を行うことを裁判所から認めてもらうことにより、法律上、住宅ローンやカーローン、又、個人から借金を含めて全ての借金の支払義務を免除してもらえます。
住宅や車などの、高価な財産については手放さなければならない可能性は高いですが、今後の収入を借金の返済に充てることなく生活費に充てることが出来き、生活を一変することが出来るはずです。
自己破産について、戸籍に記載されたり、就職に影響を及ぼすとの噂がありますが、その様な事実は一切なく、戸籍に残ったり、就職に影響を及ぼす事は御座いません。
また、家族が保証人になっているなどの特別な事情がない限り、家族に影響を及ぼすことも御座いません。
自己破産は、今の借金地獄から解放され、前途ある人生を前向きに生きていただく為、借金が超過してしまい苦しんでいる人を救済するために国が作った制度です。
過払い金請求とは
過払い金とは、本来は支払う必要が無いにもかかわらず、貸金業者や信販会社に支払い過ぎたお金のことを言います。
グレーゾーン金利が撤廃された2010年以前から貸金業者や信販会社との取引があり、借入金利が20%を超えていた方については要チェックです。
過払い金請求とは、テレビやラジオで耳にした事もあるかと思いますが、支払い過ぎたお金を計算し、貸金業者や信販会社に返還請求する手続です。
この手続を行うことで、あなたにも過払い金が返ってくる可能性はあります。
まず、ご自身に過払い金があるのか否か、あるとすればいったい幾らの払い過ぎた過払い金があるのかを知ることから始めましょう。
過払い金請求には時効も存在するので、高利な金利を支払っていた記憶がある方はお早めに手続きされることをお勧めします。
その他
特定調停についてもご説明をします。
特定調停とは、簡易裁判所で「調停」手続きとして行います。
この特定調停については、聞きなれない方も多くいらっしゃると思いますが、この特定調停も借金を整理する方法の一つとなります。
特定調停では、裁判官と調停委員に、貸金業者や信販会社との間に入ってもらい、過払い金が発生していれば、借金を減額してもらい、又、返済のスケジュールを見直すことについて、当事者同士で交渉や調整を行うことが可能です。
特定調停が成立すれば、任意整理手続きと同様に、将来発生する利息のカットや見直し,又、支払いを終えるまでの返済期間を延長する事により、月々の返済金額が軽減されることが多く、債務者としては、苦しい生活や財務状況の再建が可能となります。
債務整理のメリット
債務整理手続を依頼した場合については、消費者金融や信販会社、銀行などの金融業者に、受任通知(弁護士・司法書士が債務整理手続の依頼を受けた旨を伝える内容の書面)を発送します。
「貸金業法」という法律で規定されている内容として、金融業者は、受任通知を受け取った後については、弁護士・司法書士へ債務整理手続を依頼した債務者に対して、請求や督促(請求書の発送を含む)をしてはならないと定められています。
つまり、弁護士・司法書士に債務整理手続を依頼すると、金融業者からの取立てや督促が止まります。
これらが止まれば、怖い思いをすることもなくなり、会社、家族、知人等に借金のことを知られてしまうという不安も解消されます。
さらに、借入先や金融業者とのやり取りについては依頼した弁護士・司法書士が行いますので、精神的負担やストレスが減ることも大きなメリットと言えるでしょう。
任意整理のメリット
まず初めに,金融業者から今までの取引内容の開示をしてもらいます。
この開示された取引内容を取引開始時までさかのぼり,利息制限法の上限金利(15%~20%)に基づいて引き直し計算を行い、支払う必要がなかった取引が確認出来れば、借金を減額できます。
そして,弁護士・司法書士の交渉によって,長期分割の和解がまとまれば,月々の返済額はその分だけ少なくて済むようになり、又、引き直し計算によって過払い金が発生していれば,当然にそれを返済に充てるため、現在よりも返済しなくてはならない借金の総額が、大幅に減るケースが多くあります。
次に,長期の延滞により、高額な遅延損害金が発生していれば、その遅延損害金についても交渉を行い、又、今後発生する利息(将来利息)をSTOPや見直しする事ができ、金利を引き下げすることが可能なこともメリットとして挙げられます。
また,任意整理は自己破産とは異なり,財産を処分する必要はなく,任意整理手続中に、一定の職業に就くことが出来なくなるといった資格制限もありません。
さらに,任意整理では,各債権者との個別の和解となるため,債権者を選択して交渉できるメリットもあります。
たとえば,自動車のカーローンが残っている債権者を任意整理してしまうと、ローン会社から自動車が引き揚げられてしまいます。
この引き揚げを回避する為に、カーローンは今まで通りに支払い、その他の借金だけを選択して整理することが可能となります。
個人再生のメリット
個人再生をする最大のメリットと言えば、住宅を残したまま、それ以外の借金の元本を大幅に減額が出来ることです。
自己破産手続きと同様に裁判所を介して行う手続きとなりますが、自己破産手続きと異なる点としては、
①借金全てをゼロにすることは出来ないものの、条件さえ満たすことが出来れば元本の5~10分の1まで借金の減額を行い、その減額された借金を3年~5年かけて分割払いで返済を行う。
(ただし、最低弁済基準額が決まっているため、借金総額によって最低限支払うべき金額が決まっていることは特徴の一つとなります。)
②特定の職業に就けないといった資格制限も御座いません。
なお、住宅がない方についても、住宅を抱えている方と同様に個人再生手続きを行うことは可能です。
自己破産のメリット
自己破産のメリットは、何といっても法的に借金をゼロにする事です。
税金等の公租公課や罰金、養育費などは免除する事が出来ないものの、それ以外の借金については一切返済する義務が無くなります。
そのため、自己破産という手続きについては、今後の生活を再建する事が出来、再建のためにもっとも経済的に効果があり、即効性のある債務整理の方法だと言えます。
また、自己破産は裁判所を通す手続となるため、裁判所へ提出する書面は多岐にわたります。
この提出する書面の作成については、それらをすべて弁護士・司法書士に任せられますし、債権者集会には、弁護士が同席しますので、不安は解消することが出来ますのでご安心ください。
もちろん、弁護士・司法書士に依頼せずともご自身で自己破産手続を行うことも出来ます。
しかしながらご自身で対応するとなると、各金融業者や裁判所とのやり取りの全てをご自身で対応をしなければならず、専門的な知識は必要であることから、ご自身で対応を行うことはかなりの困難だと言えます。
よって、自己破産を検討されている方は、弁護士・司法書士に依頼して手続を任せたほうが、よりメリットは大きいと言えます。
債務整理のデメリット
債務整理を行うデメリットについては、信用情報機関に事故情報が登録されてしまうといったリスクがあることです。
世間の方が言うように、ブラックリストに載ってしまうと説明したほうが分かりやすいかもしれません。
任意整理手続きを行った場合、約5年間ブラックリストに載るといわれており、その間は、新たに家や車のローンを組んだり、クレジットカードを発行したりすることは難しくなります。
ちなみに、滞納していても当然、信用情報機関に延滞しているといった事故情報が登録されてしまいます。
債務整理をしなくてもブラックリストに載る可能性があることに注意が必要です。
もっとも、債務整理によってブラックリストに載ると言っても、この情報が永久に登録されたままということはなく、一時的なものです。
登録期間が過ぎれば、再びローンを組んだり、クレジットカードを発行することは可能となります。
任意整理のデメリット
1 事故情報(いわゆるブラックリスト)に登録される
上述の通り、任意整理の場合、約5年間ブラックリストに載ると言われています。このブラックリストに載っている期間については、新たなクレジットカードの発行、家や車のローンを組んだり、組みなおすことが難しくなります。
しかし、あなたは、「任意整理を弁護士・司法書士に依頼する前にデメリットを知りたい」と考えているぐらいですから、現在の生活が、借金を原因として苦しい状況にあると思います。
そのため、今は何とか切り詰めて生活を行い、ギリギリの生活の中で借金を返せていても、そのうち返済できない状態や返済が遅れる可能性があります。
その状態が続けば、任意整理をせずとも、当然に、事故情報に登録されてしまいます。
遅かれ早かれ、借り入れができなくなります。問題の元凶は、カードを利用したことになります。
事故情報に登録されると、クレジットカードを利用することができなくなるので、これ以上借金を負うことはありません。
ポジティブに捉えることもできるのではないでしょうか。
2 返済中の高価なモノを回収される可能性がある
クレジットカードで決済を行い分割払いで商品を購入したり、ショッピングローンで商品を購入する場合、その物の所有権は代金の支払いが完了するまで金融業者にあります。
そして、代金の支払い途中で任意整理を行うと、代金の支払いが完了していない商品については回収される可能性があります。
3 連帯保証人が借金を肩代わりすることになる
借入の契約をするときに、連帯保証人を選任する場合があります。
連帯保証人を選任している借金については、あなたが任意整理を行う場合、その借金については連帯保証人が背負うことになります。
※任意整理は、整理する債権者を選択できます。
よって、回収されるリスクがある債権者・連帯保証人が選任されている債権者については、手続きを行わないことが可能です。
個人再生のデメリット
個人再生を行うと、手続きをした方の個人情報は、国が発行している新聞のようなもの(官報)に掲載されてしまいます。
官報についてですが、法律・政令等の制定・改正の情報、又、破産や相続等の裁判内容についてが掲載されます。
そのため官報を見た方に、あなたが個人再生したことを知られるリスクがあります。
もっとも、ほとんどの方は官報を見たことないと思います。そのため、官報から個人再生したことがバレる可能性は低いといえます。
また、個人再生は借金が減額されても法的にすべてが無くなるわけではないないです。
例えば、住宅ローンが残っている場合についてはその全額、その他の借金については減額された借金を支払う必要があります。
また、個人再生をすると、信用情報機関に個人再生を行ったとの事故情報が登録されるため、今後5~10年間程度の間については、新たにローンを組んだり、借入を行うことが難しく制限されてしまいます。
自己破産のデメリット
自己破産のデメリットは、以下の6つです。
1 官報に掲載される
自己破産をした方の個人情報については、国が発行している新聞の様なものに掲載されます。これを官報と言います。
官報についてですが、法律・政令等の制定・改正の情報、又、破産や相続等の裁判内容について掲載されます。
そのため官報を見た方には、あなたが自己破産したことを知られる可能性はあります。
ただし、ほとんどの方は官報を見たことがないと思いますので、官報から自己破産したことがバレる可能性は低いです。
2 手続終了まで就けなくなる職業がある
自己破産の手続きが完了するまでの間は、以下のような職業には就けなくなります。
・宅地建物取引士(宅地建物取引業法第18条1項2号)
・公認会計士(公認会計士法第4条4号)
・税理士(税理士法第4条2号)
・警備員(警備業法第14条1項)
・警備員(警備業法第14条1項)
・公証人(公証人法第14条2号)
・交通事故相談員(交通安全活動推進センターに関する規則第4条1項2号)
・固定資産評価員(地方税法第407条1号)
機密情報を扱ったり、他人から財産を預かったりするような職業に対しての制限が多い傾向にあります。
3 事故情報(いわゆるブラックリスト)に登録される
任意整理、個人再生手続きと同様に、自己破産すると、信用情報機関に自己破産をしたとの事故情報に登録されます。
4 自己破産手続中の郵便物は破産管財人に転送される
自己破産手続には、同時廃止事件と管財事件とで別れます。
管財事件となる場合については、その手続き中の郵便物については破産管財人(破産者の財産などを調査する人)に転送され、その郵便物を破産管財人において確認されます。
破産手続を公正に終了する為に、債権者・債権額・破産者の財産等を正確に把握する必要があるためです。
なお、郵便物は破産管財人に転送されますが、後日、返却してもらえます。
また、債権者・債権額・破産者の財産等を正確に把握する以外の目的で中身を確認されることはありません。
5 価値ある財産が処分される
マイホームや、何百万円もの価値があるような宝石は、自己破産すると処分をし、債権者に分配されます。
なお、すべての財産が処分されるわけでは御座いません。具体的にどのような財産が処分対象となるのかについては各裁判所の運用によって異なります。
もっとも、処分がされるのは価値のある財産だけです。
例えば、東京地方裁判所の場合は99万円までの現金は処分されることはなく、価値が20万円以下の自動車や預貯金、通常の家具や家電等の日用品も処分されることはありません(ローンを返済中の物を除く)。
6 連帯保証人に影響が出てしまう
ローンなどを組む際、連帯保証人がいる場合、自己破産後はあなたの借金を連帯保証人が支払っていく必要があります。
債務整理後の日常への影響は?
債務整理を行うことにより、基本的に日常生活に大きな影響を及ぼすことはありません。
もっとも、信用情報機関に債務整理を行ったとの事故情報として掲載されるため、借金完済後約5年は金融会社・信販会社・銀行からの借入やローンを組んだり、組みなおすことは出来なくなります。
クレジットカードが使えなくなる?
クレジットカードの利用が出来なくなるといった理由で、事故情報へ登録されることをためらってしまい、任意整理に踏み出す事が出来ないという方もいらっしゃいます。
確かに、ETCカードやネットショッピングなどの利用はクレジットカードを利用したほうが便利かと思います。
しかし、信用情報機関に債務整理を行っているとの事故情報が登録されても、次のようなサービスは今後も利用は出来ます。
・デビットカード
・デポジット形式のETCカード
・現金チャージできるキャッシュレス決済
デビットカードでお支払いが出来るネットショッピングもありますし、又、デポジット形式のETCカードであれば、現状で利用しているETCカードと同様に、有料道路で利用できます。
今はクレジットカード以外にも便利な決済方法を利用することが出来るので、一昔前と比較すると事故情報に登録されるデメリットが軽減されているといえます。
車や家などの財産はどうなる?
債務整理手続きの中で、任意整理を選択すれば、家や車などの財産に影響を及ぼすことがありません。
個人再生の場合については、原則として財産は維持することが出来ますます。
「住宅ローン特則」を利用する事により、住宅ローンを返済中の自宅には住み続けることも可能です。
但し、担保権がついている財産については、債権者に引き上げられてしまうので、ローンを返済している車などについては引きあげられてしまう可能性があります。
自己破産の場合については、基本的に20万円を超える財産は処分対象となります。
しかし、20万円以上の場合であっても、合計で99万円以内であれば自由財産拡張申立てといった手続きがありますので、この手続きを行うことにより99万円以内の財産については残すことが出来る場合もあります。
よって、金額によっては車を残すことが可能となります。
ローンが組めなくなる?
債務整理すると、新たなローンを組んだりすることは原則として約5〜7年程度は出来ません。
何故かと言うと、信用情報機関に債務整理を行ったとの事故情報が登録されるからです。
債務整理を行った後、車をどうしても購入したい場合については、以下のような方法が選択肢となります。
・分割払いで購入をするのではなく、中古車などを一括で購入する
・自身の名義ではなく、配偶者や家族の名義でカーローンを申し込む
但し、中古車業者やディーラー系のローンについては、信用情報機関に加盟していないこともあり、例外的に審査が通る例もあるようです。
住宅ローンについても同様となり、ご自身の名義でローンを組むのではなく、配偶者や家族の名義を利用して、ローンの申し込みが選択肢となります。
闇金に対して債務整理しても怖くない?
闇金融(ヤミ金)については、耳にする期間もあるかと思います。
俗に言う闇金融とは、法定利息を超える高金利で貸付を行い、又、貸金業登録をせずに貸金業を営んでいる者をいいます。
この様な闇金融による貸付は違法となりますので、高い金利の返済は勿論のこと、借りたお金(元金)についても返済する義務は一切御座いません。
違法な取立てを受けている場合は、取立てをSTOPさせることができ、すでに返済してしまったお金も取り戻せる可能性もあります。
闇金融からお金を借りてしまった方、違法で強行な取立てを受けている方は、一人で悩む必要はなく、一人で無理に解決する必要も御座いません。
早急に弁護士・司法書士へ相談することをおすすめします。
就職や転職活動、結婚に影響はある?
債務整理を行っても、就職や転職活動に影響を及ぼすことはありません。
何故なら、債務整理は賞罰ではないため、履歴書に債務整理を行ったと記載する必要はなく、ましてや面接の場で面接官に対して、債務整理を行ったと知らせる義務は一切ないからです。
また、結婚についても就職や転職活動と同様に影響を及ぼすことはありません。
多重債務者の人や債務整理をした人が結婚してしまうと、そのパートナーも信用情報機関に事故登録をされてしまうといった話もありますが、これは単なるうわさ話であり、そのような事実についても一切ありません。
貸金業者・信販会社や信用情報機関は、負債状況については登録していますが、これはあくまでもあなた個人の問題となります。
よって、債務整理を行った後、心配ご無用で就職や転職、結婚についても行うことは可能です。
家族や友人、勤務先にバレてしまう?
任意整理は、裁判所を介した公的な手続きではないため、家計の状況、財産や貯金額、又、家族の収入などを証明する書類の提出を求められることはなく、金融業者等との私的な交渉により和解を行うため、家族に任意整理を行っている事がバレる可能性は低いと言えます。
民事再生・自己破産の手続きを行う場合は、家計の収支のみならず、所有財産も裁判所に報告を行いますので、生計を共にしている家族の協力が必要になります。
その為、家族にカミングアウトせずに進めることは困難と言わざるを得ません。
勤務先にバレるかについてですが、任意整理を行っても勤務先にバレる可能性は低いです。
例外があるとすれば、任意整理をするクレジットカードが勤務先発行のカードであり、そのカードは社員証も兼ねているような特殊なケースです。
ブラックリストに登録される?
信用情報機関とは
①株式会社シー・アイ・シー(CIC)
②株式会社日本信用情報機構(JICC)
③全国銀行個人信用情報センター(KSC)
のことを言います。それぞれの違いを以下に記載します。
①貸金業法と割賦販売法に基づいて指定を受けている業者が登録しております。
②については、貸金業法に基づいて指定を受けている業者が登録しております。
国内において最も加盟会員が多く、その約半数が消費者金融となります。
③一般社団法人全国銀行協会が運営する信用情報機関であり、主に銀行系の金融業者が加盟しております。
これらの情報機関には、本人を特定する為の情報、契約内容に関する情報なども登録されます。勿論、返済状況や取引の内容についても登録されております。
債務整理を行うことにより、これらの信用情報機関には債務整理を行っているとの内容は登録されてしまいます。
延滞している・債務整理を行っているなどのネガティブな情報が信用情報機関に記録されてしまうと、基本的には新たにクレジットカードを発行したり、ローンを組む事は難しくなります。
債務整理についてよくある質問
Q&A 債務整理の方法を選択する基準を教えて下さい。
借金を継続的に支払っていけるかどうかです。
借金の総額を,毎月の収入から家賃・生活費などを差し引いた金額で(返済原資)、借金の総額を割り算した場合に,36~60ヶ月を下回るか,つまり3~5年程度で返済可能な場合には任意整理で、その期間での返済が困難な場合には原則として破産を選択することになります。
任意整理が不可能である場合には、破産が相当になりますが、持ち家を維持したいとか、上述した通り、職業上の制限を受ける場合には民事再生を検討することになります。
自己破産に対しては偏見も多いところではありますが、借金が免責されるため,多重債務者の方が生活を立て直す上で経済的にもっとも有利な手続です。
Q&A 債務整理をしたら保険に入れなくなりますか?
債務整理は,今ある借金を整理する手続であって,債務整理後の生活を制限するものではありません。
そのため,債務整理手続中であっても,保険に加入することは可能です。
Q&A 旧姓での借金も債務整理できますか?
結婚等により姓が変更された場合であっても,問題なく債務整理をすることは可能です。
但し,旧姓で借金をしていて,貸金業者等に姓の変更の届出をしていない場合は,同一人物であることを認識することが出来ない為、弁護士・司法書士に依頼する際には旧姓も伝える必要があります。
Q&A 一度も返済していない貸金業者等も債務整理できますか?
貸金業者等に一度も返済を行っていない場合には,自己破産を行う際に、この免責に異議が出されたり,個人再生の場合は再生計画案に不同意を出されてしまい,再生計画が不認可となる可能性があります。
また,当初から債務整理をするつもりで借金をした場合には,詐欺罪で刑事告訴される可能性があります。
もっとも,一度も返済していない場合であっても,貸金業者等が直ちに免責不許可・再生計画不認可や刑事告訴されてしまうわけではありません。
借金の金額や時期,頻度などの事情によりますので,弁護士・司法書士に相談することをお勧めします。
Q&A 税金や年金,国保も債務整理の対象になりますか?
税金や年金,国保は,法律で非免責債権と定められております。
そのため,たとえ自己破産や民事再生を行っても,これらは一切免除・減額する事が出来ません。
しかしながら,税金等の支払が一時的に困難な場合は,市区町村役場に相談をすれば,支払方法についての相談を行うことはでき、柔軟に対応してくれるケースがほとんどです。
経験者の体験談!債務整理をしてどうだった?
Aさん
悩んだ場合には、一人で考え込んで悩まず、即相談すべきだと思います。
私は、自己破産を選択し、その結果、借金はゼロ円になり、人生を改めてスタートする事が出来ました。
Bさん
長年の返済に苦しんでましたが、調べた結果、過払い金があり、借金はゼロ円になり、過払い金についても返金されました。
実際に債務整理を利用している年間人数
債務整理を利用している人数は、裁判所を通して手続きを行う自己破産は年間約7万人程度、個人再生は年間1万人程度と公表されています。
裁判所を通さない任意整理については、正確な人数を捉えることは不可能となりますが、年間200万人が利用していると推定されております。
債務整理にかかる期間の目安
債務整理にはさまざまな手続があるため、一概に「これくらいの期間がかかる」とはいえませんが、おおよその目安は以下に記載します。
なお、借入先(債権者)の数や取引履歴の開示等に時間がかかった場合については、全ての手続きが終了するまでの期間が、目安以上に長くなる可能性はあります。
任意整理の場合
受任から手続完了までの期間はおおよそ4ケ月~8ケ月程度
個人再生の場合
受任から手続完了までの期間はおおよそ12ケ月~18ケ月程度
自己破産の場合
受任から手続完了までの期間はおおよそ6ケ月~12ケ月程度
過払い金請求の場合
受任から手続完了までの期間はおおよそ3ケ月~6ケ月間程度
となります。
貸金業者や信販会社がすんなりと過払い金の発生を認め、即座に過払い金の返還に応じてもらえれば、それほど時間を費やすことはないです。
しかしながら、貸金業者や信販会社と任意で和解が成立しない場合は、裁判で争いとなります。
裁判に移行した場合は、訴訟を提起してから6ケ月~1年間ほど時間がかかってしまうケースもあります。
債務整理は弁護士と司法書士どっちに頼むべき?
弁護士は、債務整理の法律相談はもちろんのこと、あなたの代理人として貸金業者との交渉や訴訟を行うことが出来ます。
それに対して、司法書士は個別の債権額(借金および過払い金)が140万円以下の場合に限り、法律相談、貸金業者との交渉、訴訟が出来るとされています。
弁護士に依頼した場合
まず初めに、弁護士と司法書士の違いについてご説明します。
弁護士は、身近で起きてしまった事件やトラブルについて法的見解からアドバイスをし、ときにはあなたの代理人弁護士として相手方と交渉を行うなど法律であなたを守る人です。
これに対して、司法書士は不動産や会社などの登記を行ったりすることが本来専門の人となります。
このように弁護士と司法書士では、その仕事の内容に大きな違いがあります。
次に、債務整理における違いについてです。
弁護士は、債務整理の法律相談はもちろんのこと、あなたの代理人弁護士として貸金業者との金額の上限に縛られることなく交渉や訴訟ができます。
それに対して、司法書士は個別の債権額が140万円以下に限り(借金も過払い金も140万円まで)、法律相談、貸金業者との和解交渉、訴訟が出来るとされております。
よって、借金や過払い金などで債務整理の全てをトータルサポートが出来るのは弁護士だけです。
司法書士に依頼した場合
債務整理を司法書士に依頼するメリットは、以下のような3つが挙げられます。
・借金の返済、催促を一時的に止めることができる(弁護士も同様)
・書類の準備・作成を代行してもらえる(弁護士も同様)
・弁護士に比べて依頼費用が安い
司法書士に債務整理を依頼すると、着手した段階で各債権者に対して受任通知が発送されます。
そして受任通知を受け取った貸金業者や信販会社は、債務整理の手続きが終了するまで債務者への直接の連絡や、借金の催促を行うことが禁止されており、これは貸金業法が定められております。
また、自己破産や個人再生の手続きを行う場合には、数多くの書類を作成し裁判所に提出します。
この提出する書類に、不備があれば手続きが失敗に終わったりする可能性もあり、また、余計な時間を費やす事になります。
その為、書類の作成を代行してもらえる点、司法書士に債務整理を依頼する大きなメリットとなります。
次に司法書士ならではのメリットとしては、弁護士に比べて債務整理を行うための依頼費用が安い傾向にあることが挙げられます。
司法書士の方が依頼費用が安くなる理由として考えられるのは、司法書士は弁護士に比べると対応できる業務が、限定的な部分があるため低めの料金設定をしている事務所が多く存在します。