現代は貯金だけではお金が増えないことから、投資で資産形成することが推奨されています。
投資には、ローリスクローリターンな投資信託や債券投資、またハイリスクハイリターンな株式投資やFXなど様々な投資方法が存在します。
そのなかでも、とくにFXは少額で始められることから、近年ではFXを始める方が増えています。
しかし、少額で始められることだけを理由に始めてしまい、実際に取引したものの「損をしたからやめてしまう」という方が多いのが現実です。
実際にFXは各国の「経済情勢」や「突発的なテロや戦争」などによって不規則に動く場面も多いため、ギャンブルと感じる方も多いでしょう。
しかし、FXは知識をしっかりと習得すれば安定して利益を稼げることから、本記事ではFXを始める前に行うべき点について解説します。
目次
FXの特徴
FXとは、各国の通貨の力関係を読んで、今後どちらの通貨価値が上昇(下落)するのかを予測する投資方法で、上昇と下落どちらでも予測して取引することができます。
たとえば米ドル円の上昇を予測した場合は、米ドルの価値が高まり、日本円の価値が低くなることで「利益」が生まれ、その逆に動いた場合は「損失」となります。
金額に置き換えて説明すると、米ドル円が140円から145円に値上がりした場合「ドル高円安」と言われ、上昇を予測して取引している場合は5円分の利益となります。
これらの値動きは各国の経済情勢によって値動きが起こる「ファンダメンタルズ面」と、チャートの形を見て取引される「テクニカル面」の両方の影響で値動きが起こります。
しかし、この2つの値動きの特徴を知らずに取引した場合、エントリーした瞬間に逆方向へ動いて損失を被ってしまうことなどが考えられます。
そのため、取引する前にすべきことについて、次の章で解説しますので、ぜひ実践に入る前にまずはしっかりと以下の点に気を付けながら始めてください。
FXを始める前にやるべきこと
FXを始める前に以下の5つのことをやっておくと、取引する際に知識として活用でき、損をしてやめてしまうことがなくなります。
・通貨ペアの関連性を覚える
・チャートの見方を覚える
・トレード手法を決める
・資金管理方法を決める
・トレード日誌をつける
これらの点について、それぞれ解説します。
通貨ペアの関連性を覚える
1つ目のやるべきことは、通貨ペアの関連性を覚えることです。
通貨ペアには「ドル円」や「ユーロ円」、「ユーロドル」など様々な種類がありますが、通貨ペアが違っても値動きが共通しているときがあります。
たとえば、「ドル円」と「ユーロ円」の場合、ドル円が上昇すれば、ユーロ円も同じく上昇することが多いです。
その理由としては、ドルは「アメリカ」で、ユーロは「EU」と国が異なりますが、円は「日本」で2つに共通しています。
ドル円が上昇するときは、おもに以下の2つが理由となり上昇します。
①アメリカの経済が強い
②日本の経済が弱い
「アメリカの経済が強い」場合は、ドル円が上昇してもユーロ円も上昇するとは限りませんが、「日本の経済が弱い」場合は、ドル円やユーロ円などクロス円銘柄はほとんど上昇する流れになります。
これが2022年から2023年の円安が継続的に起こっている理由です。
また「アメリカの経済が弱い」場合はドル円が下落し、ユーロドルが上昇するなど、それぞれの国の状態で通貨ペアの値動きが起こっているということを覚えておきましょう。
チャートの見方を覚える
2つ目のやるべきことは、チャートの見方を覚えることです。
FXは外国為替市場の各国通貨の相場を利用して取引しますが、FXをするうえで「過去と似たような相場が発生する確率が高い」といわれています。
例えば、ドル円が上昇トレンドだったものの150円の壁を超えれずに下落していった場合、その150円をレジスタンス(抵抗)といい、再度上昇してきた場合は、また超えれずに下落する可能性が高いと考えます。
このように、レジスタンスとなっている150円を2回超えれずに下落していくことを「ダブルトップ」と呼ばれ、3回超えれなかった場合は「トリプルトップ」といいます。
また、反対に140円まで下落したものの、そこから反発して上昇した場合、140円をサポート(支え)といい、再度下落してきた場合に、また支えられて上昇すると予測できます。
このように、サポートとなっている140円を2回割らずに上昇していくことを「ダブルボトム」と呼ばれ、3回割らなかった場合は「トリプルボトム」と呼ばれます。
ほかにも、「トレンド相場は継続性が高い」や「レンジは過去と同じ場所で発生しやすい」など、チャートには様々な情報が詰まっています。
そのため、FXを始める際は、どのような流れで値動きが起こっているかを過去から現在までしっかりと確認し、「パターン」などを覚えることが利益を上げることにつながるでしょう。
トレード手法を決める
3つ目のやるべきことは、トレード手法を決めることです。
FXを取引する際は、以下の3パターンのトレード手法があります。
①スイングトレード(中長期取引)
②デイトレード(短期取引)
③スキャルピングトレード(超短期取引)
これらのトレード手法の違いとしては、「取引時間(ポジションの保有時間)」が異なります。
スイングトレードは、長い時間足を参考にエントリーし、長いスパンで今後どちらへ値動きしていくかを予測して取引する方法です。
長い場合は、1か月以上保有する場合があり、その間にスワップポイントで利益を狙うこともできます。
スイングトレードは、短期の値動きに左右されることなく、長期的に利益が出ればいいというスタンスなので、日常が忙しいという方におすすめです。
デイトレードは、1日程度のポジション保有時間で、「1~2日でどれだけの値動きが起こる」という予測を立てて取引をする方法になります。
予想が外れた場合の損切り幅も広めに設定することが多いので、よほどの誤算がない限りは大きな損失を被ることはないでしょう。
デイトレードはしっかりと分析に基づいた取引ができ、資金効率よく運用したい方におすすめです。
スキャルピングトレードは、数分~半日程度の保有時間で、短いスパンで売買を何度も繰り返すトレード手法です。
短いスパンで取引を繰り返すことから、小さな値幅でコツコツ利益を積み重ねる手法で、損切り幅も狭くなり、より正確な分析能力が必要となります。
スキャルピングは、長い時間ポジションを保有するのが嫌な方や、分析能力を駆使して利益を積み重ねたい方におすすめです。
資金管理方法を決める
4つ目のやるべきことは、資金管理方法を決めることです。
初心者にとって、資金管理方法は最も重要な部分で、これができていないと退場リスクが高まります。
資金管理方法とは「エントリーする際のロット数」や「資金に対して損切りする金額の許容額」などを決めることです。
たとえば、10万円の資金で、10万通貨の取引をした場合、エントリーと逆方向に1円値動きしただけで全損してしまいます。
また、10万円の資金に対して、50%となる5万円まで損切りをしなかった場合、そのあとにできる取引が小さくなり、失った5万円を取り戻すまでは相当な時間が必要となります。
このように、「資金に対して無理のないロット数で取引する」「損切り額は資金に対して〇%まで」といったルールをしっかりと事前に決めておくことが大切です。
トレード日誌をつける
5つ目のやるべきことは、トレード日誌をつけることです。
トレード日誌をつけることで、過去にどのような状況でトレードしていたかということが、あとでわかるようになります。
また、過去にどのようなトレードで成功して、どのようなトレードで失敗したかということもあとで振り返ることができます。
毎日の記録をつけるのはしんどいと思うので、できれば1週間ごとに「相場状況」「トレード結果」「反省点」などを記録していくといいでしょう。
まとめ
ここまで、FXを始める前にやるべきことについて解説しました。
FXは「90%のトレーダーが負ける」と言われており、実際に勢いだけで始めた初心者の方は、ほとんど退場してしまいます。
FXは「通貨ペアに相関関係がある」「過去と似たような値動きが起こりやすい」などヒントとなる部分がチャートにたくさん隠されています。
こういった部分を「トレード手法」や「資金管理方法」を事前に決めて取引することで、安定して利益を積み重ねていくことができます。
FXでお金を増やしたいと考えている方は、本記事を参考にまずは最低限の知識を身に着けてからはじめてみてください。